レンズ千夜一夜

カテゴリ:Pentac38/2.9( 26 )

2006 お忍びで(2017年12月19日ペンタック38㎜F2.9が大阪加美の下町巡り)


ペンタック38㎜F2.9
ちっとも有名でないダルメイヤーの映画用レンズの、
Mマウント改造版ですが、
形と言い、描写性と言い、いかにも古風!
大いに気に入っています。

同じ38㎜にはコンタックスT2作り付けの、
ゾナー38㎜F2.8がありますが、
ゾナーの方が遙かに立派な描写力を持っています。
私にとっては一時最愛のレンズで、
私に生涯最高の作品を1枚プレゼントしてくれたレンズでしたが、
それなのに、本ブログでは、たった2つの記事。

一方、ダルメイヤーの38㎜と来ますと、既に25個の記事。
圧倒的に優位に立っています?
なぜ?
それは、実に簡単なことです。
ダルメイヤーのレンズの方がずっと地味だからです。
レンズ本体の姿も地味なら、描写も地味です。

現代は光彩陸離、ときには絢爛豪華な描写が氾濫しています。
作家は、どうだい、独創的だろう?
かつての大写真家たちの名作、傑作なんて、
我が輩の足下にも寄れまいて、という感じです。
でも、これすべて作家の独創によるものではなくて、
カメラ会社がカメラに、現像ソフトに付与した味付け。
この皇帝の紫衣風の加工を取り除いたら、
写真作品としての意味も重みも芸術性もなんにも残らない、
ただの素人写真というのでは、本末転倒ではありませんか?

ペンタック38㎜F2.9の描写は地味そのものです。
ソニーα7もレンズの描写性をかなり尊重している感じで、
ペンタックの穏やかな味わいを損なわない、という感じがします。




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by Sha-Sindbad | 2018-08-24 22:25 | Pentac38/2.9 | Comments(0)

1974 下町(2017年10月20日ペンタック38mmF2.9が大阪加美の路地で)


長女の一家は大阪の下町に住んでいます。
孫の世話に出かけた機会に、JR加美駅近くの喫茶店によく入ります。
女主人は粘土細工の人形、浮き彫りを制作するプロです。
とても温かい雰囲気の女性たちが浮かび上がってきます。
大阪人らしく、「楚々」というより、「活発」な雰囲気。
私自身上品な人間ではありませんから、とても好感が持てます。
お許しを得て、行く度に撮らせていただいてきました。

長女一家が線路の反対側に転居したため、
この喫茶店を訪れる機会がほとんどなったのが残念。

ソニーα7に付けたペンタック38mmF2.9は、
日本のペンタックスのレンズではありません。
ダルメイヤーのおそらく16㎜映画用のレンズです。
おそらく収差だらけの第二次世界大戦前のオールドレンズ。
ダルメイヤーらしく穏やかで、控えめですが、
それでいて、芯のしっかりとした描写です。

現代各社のレンズたちは、使ったことがありませんが、
おそらくあらゆる癖を排除して、
完璧な描写をプレゼントしてくれるのでしょう。
私は、人間もそうですが、「完璧」と来ると、
身震いしてしまいます。
人間にせよ、レンズにせよ、お付き合いはゴメン、という感じ。
だから、あなたとはお付き合いできそうにありませんね。

人間にしても、レンズにしても、
癖だらけ、欠点だらけであればあるほど、
よろこんでお付き合いさせていただいています。
そうと知って、私の親友たち、不快を覚えることでしょう。
でも、そんな風に私にいわれのない不服を抱くのも、欠点の内でしょう。

ペンタック38mmF2.9も、ぼろレンズを捨て値で手に入れましたが、
もうとんでもないほどに収差だらけ。
だからこそでしょう、愛しい我がレンズです。




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by Sha-Sindbad | 2018-06-05 23:04 | Pentac38/2.9 | Comments(0)

1887 画廊1(2017年9月1日ペンタック38㎜F2.9の時は静かに過ぎ行き)



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by Sha-Sindbad | 2017-10-02 23:07 | Pentac38/2.9 | Comments(0)

1855 バス道(2017年7月17日ペンタック38㎜F2.9はゆったりと瞳を開き)4-完-



今日は久しぶりに東大寺に行ってきました。
昨日の墓参に引き続き、炎天下の3時間でした。
もっとも1時間は東大寺内で撮影しました。
その顛末は別ブログ「わが友ホロゴン」で書きます。

私がここで特記したいことは別のこと。
昨日も今日も、キャップ一つを日よけとして、
炎天下、歩き回りました。
でも、熱射病にも熱中症にもならず、疲れも残らず。
その秘訣を是非お勧めしたいのです。

実に簡単。
水をたっぷり飲み、塩あめを口に絶えず放り込んで、
塩分を補給する、ただそれだけ。

ただし、驚くのは、海外の人たち。
中国人と韓国人がもう一杯。
そして、ヨーロッパ、アメリカの人たちも、
誰も彼も、ほとんど帽子などかぶらず、元気一杯。
水は飲んでも、塩あめなんか舐めないでしょうね。

でも、彼らに負けない日本人も沢山いるようです。
ほとんどすべて若い女性たち。

太刀打ちできませんね。






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by Sha-Sindbad | 2017-08-10 22:52 | Pentac38/2.9 | Comments(0)

1854 西大寺(2017年7月17日ペンタック38㎜F2.9はゆったりと瞳を開き)3 逆転の構図


「写真」という言葉には、
ある種の祈り、希望、期待が隠されているのかもしれません。
つまり、一度も、たったの一度も実現されたことのない理想。

多くの写真家はこう言うでしょう。
「私はこの世にあるはずがないような美しい光景に出会いました。
そのときの光景を可能な限り写真に写し取ろうとしたのですが...」
あなたはどうですか?
ご自身の記憶に留められた美しい光景を、
レンズは忠実に再現してくれますか?
「もっと美しかったのに...............」
カメラ、レンズは再現の道具。

私は違います。
私は、ただの平凡な人間。
でも、クラシックレンズたちをカメラに付けると、
私の記憶に留められた実景とはまるで違った、
この世にあるはずがない美しいロボグラフィを撮りたい。
私自身が、「こんなものを撮ったのか?
なんで、こんなものが?」
そう仰天する、そんな写真が撮ってもらいたい。
つまり、撮るのは、私ではなく、レンズ。
美に出会うのは、レンズ。
私が再現の道具。




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by Sha-Sindbad | 2017-08-09 23:31 | Pentac38/2.9 | Comments(2)

1853 西大寺(2017年7月17日ペンタック38㎜F2.9はゆったりと瞳を開き)2 石仏群


今回は石仏だらけの巻。
西大寺の石仏はこれまでも幾度も幾度も撮ってきました。
でも、今、思うと、私はものとしてしか見ていなかった。

石仏たちを石の彫刻とだけ見て、
その外観の向こうになにかがある、
なんて、ちらっとも考えたことはありませんでした。

レンズを換えて撮るという行為、
視力が衰えた人が眼鏡をかけるようなものかも知れません。
ダルメイヤーの古いレンズ、ペンタック38㎜F2.9を使って、
石仏たちを眺めたとき、
ここには、なにか見かけを超えたなにかが存在している、
そんな気配を感じました。

この石仏たちに面会するのは、いつも揚琴レッスンの途中。
行きがけの駄賃、ならぬ、行きがけの石仏では、
しっかり対面することなどできっこなかった。
今回だって、せいぜい5分の余裕しかありません。
でも、注意力散漫な私の代わりに、
ペンタックがじっくり見つめてくれました。
おそらく私より年上なのですから、落ち着きがあります。
私は、ブログに掲載してから、
ゆっくりと対面させていただきましょう。




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by Sha-Sindbad | 2017-08-07 22:56 | Pentac38/2.9 | Comments(2)

1852 西大寺(2017年7月17日ペンタック38㎜F2.9はゆったりと瞳を開き)1

8月7日月曜日、
一ヶ月ぶりに陳少林先生の揚琴伴奏レッスン日。

でも、暴風雨警報発令のため、YMCAは緊急閉校。
ネットニュースでは、
「台風第5号の中心は、7日10時頃に、
高知県室戸市付近を通過しました。
奈良県は昼過ぎに暴風域に入る見込みです。」

室戸台風、ジェーン台風、伊勢湾台風、
近畿にもっとも大きな被害を与えた台風たちのコースです。
静かに自宅蟄居がよいでしょう。

昔、宮崎に住んだことがありますが、
幾度か台風の直撃を受けたことがありました。
そんなとき、当時のアマチュアカメラマンには、
荒波を撮ろうと、海岸に走ったのが幾人も居ました。
勇敢、というよりも、バカに近いと言わせて頂きましょう。
今回の台風でも、
カメラを手にいそいそと出かける方もおいででしょう。
お大事に。

私は写真を始めてから現在まで、
異常なハプニングを写真に撮りたいと思ったことはありません。
自分の人生の一こまを記録したいという気持ち。
苦労して撮った写真はひとしお大切だと言う人がいます。
私は信じません。
レンガ積みの仕事じゃあるまいし。
苦労しないで撮っても、素敵な写真が撮れます。
それが写真の魔術。

7月17日月曜日は、前回の陳少林先生の揚琴伴奏レッスン日でした。
ダルメイヤーの古い映画用レンズ、ペンタック38㎜F2.9を、
リコーGXRに付け、57㎜標準レンズ仕様にしました。
半時間、YMCAまでの10分の道を回り道して、
全部苦労しないで、鼻歌交じりに、いつもの通り撮りました。

ロボグラフィたち139枚。
観る人が見れば「腰の据わらないゴミ箱行き写真ばかり」なのでしょう。
私の場合、そんな風に厳しくチェックしたら、残るものはありません。
だから、全部、私の大事な子供たちとして、引き受けてしまいます。
4回に分けて、ほとんど全部並べちゃいましょう。

それにしても、私は幸せです。
都会が大嫌いな人間が住むには、大和路は最高!
現代社会、現代文明が人間を歯車にしようとしている、
人間精神史の末期症状からひとときでも目をそらせて、
つかの間ではあれ、至福の一時を味合わせてもらえるのですから。




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by Sha-Sindbad | 2017-08-07 13:56 | Pentac38/2.9 | Comments(0)

1688 バス道(ペンタック38mmF2.9を手にバス道を辿ってみたら?)


私には一つ強みがあります。

もし大震災で家がぶっ壊れて、焼けてしまい、
着の身着のまま放り出されることだってあるかも知れません。
たまたま手近にあったバッグをひっつかんで、戸外に飛び出して、
「やれやれ、妻も家族(猫ですが)も無事だった。
どれ、どんなカメラがバッグに入っているのかな?」
と、のぞいてみて、オリンパスEP-L1にCマウントレンズ一本、
そんな可能性だって十分想定できます。
そんなとき、どんなCマウントレンズでも喜ぶでしょう。
それなりに十分個性的なレンズたちだからです。

そんなとき、
「うん、これがあれば、撮りたいものはなんでも撮れる」
とは考えません。
考えることは、
「うん、これがあれば、撮ってくれた写真を喜ぶことができる!」

すると、どなたか、質問が飛び出しそうですね。
「そのレンズでは撮れない、だけど、撮りたい、
そんな光景に出会ったら、やっぱりがっかりするんじゃない?」
その方は、私のことがお分かりになっていない。
私は、撮影に出かけたとき、レンズにすべてを託します。
そのレンズに撮れない光景など、まったく目に入りません。
入っても、「ああ、撮りたい!」とは考えません。
ないものねだりをせず、あるものを心から楽しむ、
それが私のポリシー。

残されていたレンズが35㎜銀塩カメラ用だと、
事情は違ってしまいそうです。
いくら好きなレンズばかり手元に残していると言っても、
時には、こう感じて、げっそりすることがあります、
「もう少し、私のお好みに撮ってくれたら、どうなんだろね?」
Cマウントレンズとはえらい違いなのです。

チビのCマウントレンズたちって、不思議です。
揃いも揃って、私の心をくすぐる写真を撮ってくれます。
なぜなのか?
私には分かりません。

12月1日、新大阪ではそんなCマウントレンズ中のお気に入りの一本、
ペンタック38mmF2.9をOlympus EP-L1に付けて、
リコーダー練習に持ち出しました。
行きのバスに乗車すべく辿ったバス道の写真と、
JR大阪駅での大和路快速待ちの夜景をごらん頂きましょう。
こんなぼけた描写が私の好みなのです。
つまり、現代デジタルレンズは全部、落第。





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by Sha-Sindbad | 2016-12-11 23:48 | Pentac38/2.9 | Comments(0)

1683 フェスティバルホール(ペンタック37.5mmF2.9は暗所ではかなり古風に)


16年11月18日、久しぶりのフェスティバルホールでした。
ミッシャ・マイスキーのチェロリサイタル。
その模様、感想はすでに別ブログ「わが友ホロゴン」に書きました。

バッグに潜めて同伴したのはセットは、
ダルメイヤーのかなり古いレンズ、
ペンタック38mmF2.9と、
ソニーNEX-5
フェスティバルホールのロビーで撮りました。

ミッシャ・マイスキーが公演後ロビーでサイン会をしました。
このあたりに、スター的な姿勢を感じるのは私だけでしょうか?
妻は演奏に感動して、バッハの無伴奏チェロ組曲のCDを手に、
列に並んで、サインとともに、言葉を交わし、
彼と伴奏の娘さんのピアニストに握手をしてもらい、
満足の表情で戻ってきました。

私は列に並ぶのが大嫌いなうえ、サインをもらったり、
自分のカメラで写真を撮ったりということが大嫌い。
「よかったね」と温かく迎えましたが、その声に熱意はなし。
なぜなんでしょうね?
生涯、そんなことをしたことがありません。
どうやら、人と同じことはなるべくしたくない、という気分らしい。
でも、チェ・ジウが来たら、並んじゃうかな?

おっと、なんの話をしていたの?
レンズの話でしたね。
点光源が並ぶ天上のライトをチェックしたら、
やっぱり昔のレンズですね。
かなりの暗がりでは、大した画像にはなりませんでした。

現代のレンズだったら、しっかりと写るでしょうね。
でも、暗がりでもしっかりと写って欲しいなどと考えたこともない。
暗がりでは暗がりらしく撮れるのがよろしい。
宵闇でもお昼のように隅々までくっきり写っている写真なんて、
気持ちが悪くって、見たいとも思いませんね。





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by Sha-Sindbad | 2016-12-04 23:53 | Pentac38/2.9 | Comments(0)

1603 幼子の家(ペンタック38mmF2.9にはいつも何かしらやさしさがあって)Part 2



かつては銀塩フィルムで写真歴を重ねてきた皆さんの多くが、
デジタルカメラに移行して以来、新設計のレンズたちに、
手放しで惚れ込んでおられるようです。
その意味では私はかなり少数派に取り残されているようです。

写真イメージの理想に関する意見、評価の違いが、
レンズの理想を大きく左右してしまいました。

    多くのカメラマン、写真家にとって、カメラ、レンズは道具。
    私にとって、カメラ、レンズは伴侶。

道具は使い手の望む機能を完全に実行しなければならない。
伴侶は違います。
すべてに完璧な伴侶なんて、どなたにとっても、真っ平ごめんでしょう。
そんな伴侶はあなたの欠点を許さないでしょうし、
まさに「あなたには過ぎた伴侶」になってしまい、
いつかは別れのときを迎える運命にありそうです。
互いの欠点を許し合いながら、慈しみあい認め合う、
そんな関係だからこそ、愛し合い、認め合えるのでは?

私のレンズたちは例外なくどこかに問題、悩みを抱えている。
だからこそ、私も気兼ねなく自分をさらけ出せる、
そんな気持ちがあるからこそ、写真をいつまでも愛せます。
非のうちどころのない人間なんか、付き合いたいとも思わない。
それと同様、非のうちどころのないレンズなんて、
あっという間に飽きてしまうでしょう。

ペンタック38mmF2.9って、非のうちどころだらけ。
だから、可愛い。




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by Sha-Sindbad | 2016-07-01 21:41 | Pentac38/2.9 | Comments(2)