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今日ソニーα7に付けて持ち出しのはツァイスレンズ。
ビオゴン28mmF2.8
戦後型のレンズ鏡胴を削り出して作った重いレンズです。
カメラのマツバラ光機でMマウント改造レンズを見つけて、
伝説的な名レンズだけに大喜びで手に入れたのは随分前のことです。
ところが、ツァイスレンズにありがちな精密精緻描写があまりに目に余り、
辟易させらえてしまって、長年、ほとんど使わず仕舞い。
でも、とても美しい作りのいかにも由緒ありげなレンズなので、処分できず。
そんな私もデジタル時代になって、
シグマDPの描写などにある程度慣れた目が慣れたせいでしょうか、
先頃、ビオゴン21mmF4.5の描写性にしびれたせいもあるでしょうか、
その弟分の28mmの描写もなんだか許せる感じになりました。
現代のデジタルレンズの超精密描写に比べれば、
随分と温和しいとさえ思えるのですから、不思議です。
時代は変わるものです。








































[後書き]
台風一過の後のせいでしょう、
昨日の奈良も、今日の新大阪も雲一つない秋晴れ。
それなのに、秋とは思えないほどに強烈な日差し。
なんだか「秋霜烈日」にかなり近い雰囲気の日が続きます。
こんな日、こんな陽射には、ツァイスの超絶描写が似合っているかも?
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by Sha-sindbad
| 2014-10-08 20:07
| Biogon35/2.8
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近ごろ、モノトーンの写真ばかり出しています。
別に私が風邪をひいて暗くなっているわけではありません。
私は病気ごときではへこたれません。
これまで幾度か、ガンだろうと診断されましたが、
「そうか、このあたりでサヨナラするのも乙なものかも。
でも、ぼくがガンになるはずはないので、きっと間違い」
そんな気持で、検査結果を待つ数日、別に暗くはなりませんでした。
もちろん妻はまったく気づかず。
おかげで、命に別状なく、元気で生きていますが、
それにしても、精密検査の結果は異常なしと聞いた帰り、
いつも思ったことは、
「そうだ、毎日、自分の人生に大切なことしかしないぞ!」
でも、なかなかそうは行かないものですね。
何が人生に大切か、これを決めること自体難しいのですから。
思うに、今目の前にあることがなんであれ、
自分の好き嫌いにかかわらう、それをしっかりすること、
このことが一番人生に重要なのでは?
私のモノトーン好きは、写真人生の最初の12年間を、
完全にモノクロームだけで過ごした影響ですが、
実のところ、モノクロームの撮り方は忘れました。
写真家のみなさん、
自由自在にカラーとモノクロームを使い分けておいでですが、
私にとっては驚異以外のなにものでもありません。
撮ったものを拝見すると、
どんなものでもいい、
どんな撮り方でもいい、
モノクロームで撮ったら、モノクロームだと、
お考えの方がときにおいでのようです。
モノクロームのビンテージプリントを見たことがないのです。
エドワード・ウェストンやアンセル・アダムズのプリントを見たら、
モノクローム作品とただの白黒写真との違いがお分かりになるはず。
白の輝きは天上のものとしか思えず、
黒の深みはたとえようもなく高貴なのですから。
私は、二度とモノクロームに戻るつもりはありません。
ピアニストとしてキャリアーを始めた演奏家が、
その後オルガニストに転向したらも、
もう二度とピアニストに戻れないようなものです。
だから、私のモノトーン写真は別に意図はありません。
ただ現場に色がなかったところに、
クラシックレンズたちが総じて色に不得意なせいで、
予期せずにこんな調子に上がるだけ。
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by Sha-sindbad
| 2013-09-09 18:41
| Biogon35/2.8
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№633、634でビオゴン35mmF3.5Prewarが登場しました。
こうなると、その弟分のビオゴン35mmF2.8も黙ってはいません。
急きょ立候補して、別ブログでもシリーズを組むことになり、
その内4枚をついでに本ブログにも登場してもらうことにしました。
と言っても、兄貴にちょっと遠慮して、ソニーNEX-5Aで、
実効52.5㎜標準としての使用例。
かなり硬いレンズで、ツァイスの超高級レンズにありがちな、
いわばオーバースペック気味。
ソニーに付けると、少し尖ったところがとれましたが、
糸を切るのに、ナタを使う、そんな感じがまだ少し残り、
そこはかとなく漂うのは、
「俺様はツァイスなんだぞ」という風な気負い。
これが後年の東独ツァイスのフレクトゴン35mmF2.4になると、
さらに角がとれ、肩の力も抜けて、中庸の王道を往く感じになります。
でも、レンズの味わいなるものは、グルメと同じですね、
十人十色ですね。
なにを良しとし、なにを好むかはその人次第。
この文脈からお分かりのように、
私の究極の選択基準は、レンズグルメからやや逸れて、
レンズのことを忘れ、写真のことに集中させてくれるレンズ、
これが名玉のあるべき姿。
アマチュアの間では、傑作写真を見たときの典型的な質問が、
A これ、なんで撮ったのですか?
B これ、どこで撮ったのですか?
Aの質問により、自分でもそのレンズを使ったら、この程度は軽く撮れる、
Bの質問により、自分でもそこに行けば、もっとよいものが撮れる、
という自負の鎧がちらちらとほの見えてきます。
どちらも幻想に過ぎないと分かったとき、
ど素人から、ほんの1段レベルアップできた程度ではないでしょうか?
私は今でもなお、レンズにこだわっています。
つまり、完全な素人レベル。
というわけで、こんなときにふさわしいセリフはこうですね。
なんか文句あるの?
そうしたいと思ってるんだから、ほっといて。
でも、こんなところにこだわっているようでは、
写真家への未来など開きませんね。




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by Sha-sindbad
| 2013-03-26 14:41
| Biogon35/2.8
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オールドコンタックスのビオゴン35mmF2.8を、
ソニーNEX-5Aに付けて、実効52.5㎜で撮りました。
開放がF2.8と暗いせいもあるのでしょう、
開放でも合焦深度がとても深く、かつ柔和。
ライカM9に付けて広角として撮るときよりも、
好感がもてる描写。
こんな風にカメラで印象が変わるのであれば、
そんなに沢山のレンズは要らなくなります。
一つのレンズとあちらこちらのカメラに使えばよいのです。
エクセルでレンズとカメラを組み合わせる、
レンズ当番表を作りましょう。
きっと楽しめるでしょう。


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by Sha-Sindbad
| 2013-02-02 23:08
| Biogon35/2.8
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ビオゴンという名前は、一種のカリスマ性を帯びている、
そんな風に感じるのは、私だけでしょうか?
そんなメッセージの発信源は、もちろん、
ハッセルブラッドSWCに付いた38㎜と、
レンジファインダー・コンタックスの名玉21㎜のおかげでしょう。
でも、このオールドコンタックスには、35㎜が、
戦前、戦後に2バージョンも供給されました。
1機種のカメラに同一レンズを独立に2度出した例を、
あなたはご存知ですか?
あまりないことですね。
それだけツァイスが力を入れたレンズ、ということでしょうか?
このレンズだって、カリスマ性に欠けるものではありません。
戦前の35㎜の方が優れているという意見が優勢のようです。
残念ながら、戦前ビオゴンはレアで高価なので、
これにお目にかかることはなさそう。
開放以外は、カミソリのような鋭利な写りです。
今日はお天気がよくて、開放はほんの数回。
あとは、f4からf8の間で撮っていました。
ご覧の作例はf8。
やっぱりカミソリ描写。
これがビオゴン35mmF2.8の特質なのだ、
そう納得することにしました。
使わないでおくには、あまりにも惜しいレンズなのですから。
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by Sha-sindbad
| 2011-11-27 23:49
| Biogon35/2.8
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写真生活にも、運命の逆転があります。
かなり前です。
ボディはライカを使いながら、レンズはツァイスに憧れました。
コンタレックス、ヤシカコンタックスのレンズたちを使えば、
そのスケールの大きな写りに魅了されないわけにはいかなかったのです。
乱暴な表現ですが、当時は大写しを狙っていましたので、
ツァイスの伸ばせば伸ばすほどに立体感が増大する強靱な描写力が魅力でした。
ツァイスでは、昔のレンジファインダーのレンズが最高、そう言われていました。
ライカにそれを使いために、
ライカMマウント改造のビオゴン35mmF2.8を手に入れました。
かなり高かったですね。
でも、猛烈に美しい、輝く鎧に包まれた戦士の風格でした。
撮ってみて、驚きました。
開放はまだしも、ちょっと絞ると、ギンギンにシャープだった!
どれほどシャープ?
写真に触っただけで、指が切れるんじゃないかと思うほどでした。
だから、ほとんど使わなかったのです。
つい最近までパンフォーカス派だったせいです。
今回の写真はf4ほどに絞っていたはずです。
デジタル全盛時代になると、これ位の硬さはなんでもないですね。
このビオゴン35mmF2.8、でも、今までずっと手放さずに大事に守ってきました。
売れば、二度と変えない、いつか使いたい、そう念願してきたからです。
今、私はれっきとした開放派に転向しちゃいました。
ホロゴンを開放で使ってきた人間です、
他のレンズも開放に移行するのは簡単、と言いたいところですが、
ホロゴンは開放f8固定なのですから、事情がはなから違います。
もっと長焦点になると、開放で撮るのは骨ですね。
今、四苦八苦しています。
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by Sha-sindbad
| 2011-07-15 21:23
| Biogon35/2.8
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