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アートのどんな分野でも同じようです。
「努力は才能をカバーできますか?」
その道の奥義を極めた人の答えはいつも一つのようです。
「できません。才能が絶対条件です」
悲しいことですね。
写真は一概にアートとして括ることはできませんが、
アートとしての写真を志す限り、
あなたに才能がなければ、成功は無理ですね。
だから、私は最初から記録、日誌としての写真を目指しました。
そして、幾人かの写真的才能の持ち主に出会って、
なおさらにアートとしての写真への道は閉ざされました。
でも、不思議ですね。
獲得形質は遺伝されないとされています。
遺伝子は生命体を構成するタンパク質を生成するための情報に過ぎない。
そんなタンパク質をどこにどう配列したら、
アートの才能となって発現するのでしょうか?
でも、遺伝されたなにかが音楽家の才能となって発現しているらしい。
たとえば、バッハ家には幾人もの正真正銘の音楽家たちが輩出しました。
伝統だけでは説明ができないなにかが伝わっているらしい。
ただし、ある人がそんな芸術的才能を持ち合わせていても、
必ずその才能がなんらかの芸術となって結実するわけではありません。
一部の人を除いて、あるジャンルに足を踏み入れるきっかけは偶然。
昨日出会ったiPhone写真作家も、まったくそれと気づかずに、
前半生を過ごして来られました。
ところが、ある日、近江八幡を歩いたとき、
携帯で撮ってみたいという気持ちを起こされたわけです。
日常生活や観光で写真を撮るということはやってこられたでしょう。
でも、腰を入れて、いわば風景写真を撮ったのははじめて。
そして、ノートリミング、ノーメイキングですが、
プリントして、人に見せてみようと思ったのもおそらく初めて。
ところが、その結果はまさに驚動天地でした。
ほんの何気なしに、これはいいなと思った光景を前にして、
無造作にiPhoneを使って写真をお撮りになったのでしょう。
それなのに、すべて完璧な構図。
まさにアーチストの作品。
誌面の関係で、5枚だけちょっと吟味してみましょう。
なにげなくシャッターを落として、
これだけの写真が撮れる、そんな写真家は稀では?
①

左下から右上隅の天空まで上っていく対角線と、
左上の大樹の枝から右下の船まで下降する対角線の交錯。
文句なしの構図ですね。
②

左上の対岸から、川面の大樹の逆さの影へ、
そして、右隅の此岸へと、まるで音楽のように歌っています。
③

湾曲する川を五線譜にして、左下の岸辺、
大樹、対岸、そして右上の空と、上昇のメロディ。
配置もバランスも完璧ではありませんか?
④

川に打ち込まれた柵、その横棒と3本の杭、
その影と川面の空の映りが奏でる音楽が聞こえてきます。
原作は両方の杭の両側にもう少し余裕があります。
柵の影の位置、形、つながり方が絶妙。
⑤

風景写真では、電柱は、たいていの場合、邪魔ですね。
でも、この写真では、電柱が道と一体となって、
逆に、この開拓地をつなげる農道の姿を歌にしたようです。
右の大きな電柱とその電線の作り出すシルエットの形全体が、
黄金分割の原則に沿って、軽やかに舞う、絶妙の選択。
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by Sha-Sindbad
| 2017-05-13 18:24
| iPhone
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昨日朝、私から3mほどしか離れていない、まさに目の前で、
車と車の衝突事故がありました。
交差点の10mほども前で右折行動を開始した乗用車が、
正しく直進する小型車の前に反対車線からいきなり飛び出して、
小型車の左ノーズ付近を粉砕して、
横断歩道の私の直前を走り抜けたのです。
私はちょっと下を向いた隙だったので、直接目撃せず仕舞い。
歩道端に立って、顔を上げた私の数十センチ先を右折車が走り抜けました。
小型車がその場で停止したので、事故の状況は容易に理解できました。
このことはまた別ブログ「わが友ホロゴン」で書きますが、
とにかく、これまで経験したことがないほどの大きく鋭い破壊音でした。
ところが、まったく私は動じませんでした。
なぜか分かりません。
あまりに音が大きすぎたので、驚きを通り越したのか知れませんが、
直後の状況を冷静に観察して、事故の状況をたちどころに把握できたので、
端的に驚きもしなかったようです。
でも、お天道様はちゃんとバランスをとってくださるようです。
午後、近頃体験したことがない驚愕に襲われる体験をしたのです。
友人4人で朝から枚方の農村部で撮影をした後、奈良県生駒市に戻り、
2人の女性と待ち合わせして、6人で歓談したのです。
そのお一人は、写真趣味などまるでない方でしたが、
バッグから葉書サイズの写真を取りだして、
「携帯で撮って、パソコンに読み込んで、ただ印刷したのですが...」
その9枚の写真を拝見して、文字通り、魂消てしまいました。
なぜ魂消たかは書きません。
まあ、しっかりご覧になってください。
私の感想は次回に書かせていただきます。

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by Sha-Sindbad
| 2017-05-13 16:55
| iPhone
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