レンズ千夜一夜

カテゴリ:Kinoplasmat25/1.5b( 45 )

1965 ほのか(2017年11月19日キノプラズマート25mmF1.5bで高畑町散歩)


キノプラズマートというレンズ名、
私は滅法好きです。
レンズ名としては、もっとも切れ味の良い語感ではありませんか?

でも、私が試した限りのキノプラズマートたち、
みんな正しく「朦朧体」という印象。
このギャップが傑作です。
リコーGXRというカメラもまた穏やかな描写に傾くようです。

朦朧体の写真って、かなり不人気のようです。
現代は、精密、精彩の描写が好まれます。
その典型が書店に観られます。
本のカバーデザイン、なんという幼稚なキラキラ体でしょうか!
コンセプトは一ににも二にも「目立つこと」、これだけ!
センスも深みも無縁。
女性の化粧も、映画のポスターもよく似た傾向ですね。

世界中、そうなのか、私は知りません。
関西だけなのでしょうか?
そうではなさそうです。
各種デザイナーたち、どうしてこんなキラキラデザインを?
もちろんユーザーの好みに合わせて!
人間、どんどん軽くなって行ってるんじゃないかな?
もちろん、私もその一員です。
みんな揃って軽くなれば、怖くない!
なんて、言っている場合でしょうかねえ.................?



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キノプラズマートというレンズ名、
私は滅法好きです。
レンズ名としては、もっとも切れ味の良い語感ではありませんか?

でも、私が試した限りのキノプラズマートたち、
みんな正しく「朦朧体」という印象。
このギャップが傑作です。
リコーGXRというカメラもまた穏やかな描写に傾くようです。

朦朧体の写真って、かなり不人気のようです。
現代は、精密、精彩の描写が好まれます。
その典型が書店に観られます。
本のカバーデザイン、なんという幼稚なキラキラ体でしょうか!
コンセプトは一ににも二にも「目立つこと」、これだけ!
センスも深みも無縁。
女性の化粧も、映画のポスターもよく似た傾向ですね。

世界中、そうなのか、私は知りません。
関西だけなのでしょうか?
そうではなさそうです。
各種デザイナーたち、どうしてこんなキラキラデザインを?
もちろんユーザーの好みに合わせて!
人間、どんどん軽くなって行ってるんじゃないかな?
もちろん、私もその一員です。
みんな揃って軽くなれば、怖くない!
なんて、言っている場合でしょうかねえ.................?






by Sha-Sindbad | 2018-05-15 23:22 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

1960 新顔登場(2018年4月23日キノプラズマート25㎜F1.5をOlympusPen E-PL8に)



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4月23日、オリンパスE-PL8で撮影。
今や、この新顔が大のお気に入りになってしまいました。
オリンパスE-PL8設定を調べて、
画素数をオリンパスE-PL1同等にまで落とせる設定に気づいたからです。
その他、画質をフィルムに近い感じに落とす設定方法も見つかりました。

その上、カメラデザインがオリンパスE-PL1よりもずっと改善されて、
さらにコンパクトとなり、しかも、デザインが引き締まり、
フィルムカメラを思い出させるような凛々しさがあります。

私の場合、液晶の役割は、構図設定ではなく、
画面拡大によるピント調節が第一。
そのボタンが、カメラを保持する左手親指のそばに移動しています。
オリンパスE-PL1よりもすべてにおいて改善されて、
しかも、修理部品の不足のおかげで、
かなり廉価にオリンパスE-PL8を提供してくれたのですから、
古いユーザーを切り捨てない会社のポリシーにも感謝!

その撮影分の第一弾です。
まだこなれていない感じが残りますが、
まずまずキノプラズマートらしい画像になっているようです。







by Sha-Sindbad | 2018-04-27 22:45 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

1956 散歩道(2017年10月13日キノプラズマート25㎜F1.5)3 隠者たち


トールキンの「The Lord of the Rings」にエントと呼ばれる種族が登場します。
森の精、森の護り手で、巨木のような姿をしています。
「木の鬚」と翻訳されています。
主人公フロドに同行した二人のホビット、メリーとピピンを保護し、
無敵の活躍をします。

幸い私もイギリスのコッツウォルドに2度行くことができて、
嵐が丘の舞台となったハワースにも参りました。
中世時代イングランドを埋めていた森の片鱗を随所で見ることができました。
トールキンはそうしたイングランドの森を歩いて、
エントを彷彿とさせる大樹に幾度も出会ったに違いありません。

我が家の近くにも大きな神社があります。
私は神道が大日本帝国で果たした役割を考えると、
神道にはひとかけらの共感も感じることはできませんが、
利用されただけで、神道が国家、国民を支配しようとしたわけではないので、
神道という宗教にさほど嫌悪を感じるわけではありません。
だから、この神社の神域を散歩道として愛用しています。

かなりの老樹にも出会います。
そんな老樹と向かいあっていますと、
神様は居なくても、植物にもなんらかの精神性はある、
そうはっきり確信することができます。
私たち人間に気づいてはいないでしょう。
でも、私たちと完全に没交渉ではない、そんな感じがします。

私の森のロボグラフィたちは、そんな気持ちをかきたててくれる、
隠者たちのポートレート、という感じがします。





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by Sha-Sindbad | 2018-04-15 23:27 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

1955 散歩道(2017年10月13日キノプラズマート25㎜F1.5)2 神域


先日、エレベーターに乗ったときのことです。
若い女性二人が携帯の写真を見せ合っていました。
どちらの携帯の写真もとても美しい女性の顔。
つやつやとした白磁のようなしみ一つない肌の明眸皓歯の美女。
どちらもご本人!
でも、その携帯の写真とはかなり似ても似つかない普通のお顔。
つまり、携帯内臓のソフトで美顔に修正ずみなのです。

以前も、携帯の記事にありました、
人気スポーツ選手がフェイスブックに掲載したセルフポートレートが、
まるで女神のようだと、ファンが喜んでいるのだそうです。
でも、その写真は明らかに修正写真でした。
次第にリアリティがファンタジーによって塗り替えられて行き、
リアリティとファンタジーの境界がぼやけていっている、
そんな世界が現代なのかも知れません。

現代写真は、現実を超リアル化する方向にあるようです。
超精密に撮った写真をさらにビビッドに修正して、
スーパーリアリズムのアートに仕上げる、そんな方が増えています。
この傾向の時代に、
私のように、おぼろのぼんやり写真を好む人間は完全に置き去り。
いいでしょう。
私もスーパーリアリズムのアートから遠ざかるばかりなのですから。






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by Sha-Sindbad | 2018-04-13 12:19 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

1955 散歩道(2017年10月13日キノプラズマート25㎜F1.5bは穏やかに微笑み)1 神社へ


私は奇縁に恵まれて、
キノプラズマート25mmF1.5を2本手に入れました。

ブラックペイントをまず手に入れて、
宮崎貞安さんにライカMマウントに改造していただいて、
キノプラズマート25mmF1.5bと名付けました。

その直後に、3段ターレットと言うのでしょうか、
メソポタミアの段付きピラミッドのような形が 
いかにもオリジナルらしく金色燦然と輝く美形の、
Pマウントレンズが嘘のような廉価で落札できたのです。
キノプラズマート25mmF1.5aと名付けました。

こちらは、要するに、50㎜標準レンズ風に使えます。
幻のキノプラズマート50mmF1.5が生涯無縁の私には、
いわば、このレンズの代用として使えることもあって、
もちろんaがお気に入りなのですが、
bはソニーNEX-5、リコーGXRにも付けることができ、
四隅はケラレますが、37.5㎜レンズとしても使えます。
要するに、2本の焦点距離のキノプラズマートということで、
このキノプラズマート2本は、私にとってはお宝レンズ。

そのキノプラズマート25mmF1.5bの方を、
ソニーNEX-5に付けて、近所を散歩しました。




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by Sha-Sindbad | 2018-04-11 13:54 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

1859 バス道(2017年6月の何時だった、キノプラズマート25㎜Fが雨の中で)-敬愛



YouTubeでとても印象深い言葉を知りました。
日本海海戦.
https://www.youtube.com/watch?v=OD_5eARbxZk&t=2418s

日露戦争の命運を決定した対馬沖の海戦に観戦武官として参加した、
アルゼンチンの将校、マヌエル・ドメック ガルシアの
詳細な観戦記録に依拠したドキュメンタリー。
この記録は出版されています。

「日本海海戦から100年―アルゼンチン海軍観戦武官の証言」
マヌエル・ドメック ガルシア (著), 津島 勝二 (翻訳)

私にとって印象的だった言葉はこうです。
「私は何ヶ月にもわたり日本海軍の将兵と寝食を共にしたが、
彼らから部下を卑しめたり、上官の権威を落とすような言葉は
聞いたことがなかった」
部下を幾万と平気で死地に追いやって、
自分は後方の作戦本部でぬくぬくと過ごし、
壊滅的敗北を被っても、なんの責任もとらず、
反省の色も見せなかった陸軍の将軍、参謀らとのあまりの違い。

なぜなんだろうか?
どうやらこういうことではないでしょうか?
①海軍の軍艦内では提督、艦長から一兵卒に至るまで、
寝食を共にし、かつ運命を共同にしていた。
②いつも一挙手一投足を目撃される立場に居た上官たちは、
優れた指揮をとるためには、
優れた人間として敬意を抱かれる必要があった。

つまり、海軍の将校、下士官たちは、部下の人心を掌握するためには、
畏怖や恐怖によるのではなく、
尊敬、敬意、ときには親愛によることが最高の方策だったのです。
部下に愛されるためには、自分も部下を愛するのが一番だったわけです。

写真を撮る人にも同じことが言えそうです。
良い写真を撮りたかったら、まず、自分のカメラ、レンズを愛しましょう。
いろいろ持っていても、いざ、現場で使うときには、
そのカメラ、レンズがこの場所に一番ふさわしい、
そう心の底から考えて、本気で付き合ってあげましょう。
そのための方策は実に簡単です。
そのカメラ、レンズができることをしっかり理解して、
そのカメラ、レンズに可能な写真だけを撮り、
撮影結果をチェックするときも、
そのカメラ、レンズであればこそ、これが撮れたんだ、
そう考えて、自分の写真を、カメラ、レンズを愛しましょう。

私が常にそうできると豪語するつもりはありませんが、
キノプラズマート25mmF1.5b(Cマウント仕様)となりますと、
心から愛してしまいますね。
我が家からバス停までの10分少々。
Olympus EP-L1に付けたキノプラズマートは、
私の溢れる愛情に応えてくれました。 





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by Sha-Sindbad | 2017-08-19 23:57 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

1846 大阪梅田(2017年6月15日キノプラズマート25㎜F1.5が天女の舞を)2-完-


染織家志村ふくみさんの随筆集2冊目を読んでいます。
「ちょう、はたり」(筑摩書房)
とても装幀のよい本です。
深く感じ、深く思い、深く書ける人です。
随所に深い思索が光ります。
また素敵な言葉にぶつかりました。

「志村さん、歌ごころですよ、大和こころは」
と白畑よしさんは数日前、別れ際にささやくようにいわれた。
九十歳といわれた美術史家の白畑さんは矍鑠として、
「まだ二十年、あなた、二十年ありますよ。
勉強なさいまし」といって下さった。

以前に私がお会いした93歳の男性も、
谷一つ向こうの丘陵の老人ホームの現役トレーナー。
受講者は全員トレーナーよりも年下。
この方もおっしゃいました、
「人間の筋肉は90超えても鍛えることができます」

体でさえ鍛えられるのですから、
もちろん、知能も感情も心も鍛えることができますね。
がんばらなくちゃ。
そして、志村さんのように、勉強しなきゃ!

キノプラズマート25㎜F1.5b
私にとっては、このレンズも、心とセンスを鍛える道具。
他のレンズでは見つからないものが見つかります。
こんなメタモルフォーゼを起こしてくれるレンズを使うと、
つくづく感じることがあります。

美しいから、目にとまり、心にとまるのではない。
目にとまり、心にとまるものがあります。
理由なんかありません。
でも、目にとまると、不思議に心に残ります。
そんなものは、どんなものであれ、美しい。
それが、ロボグラフィ。





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by Sha-Sindbad | 2017-07-30 11:12 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

1845 奈良町(2017年6月15日キノプラズマート25㎜F1.5が天女の舞を)1 会得


昨日、革命が起きました。
革命と言うより、悟り、覚知、覚醒、突破、
さらに適切な言葉遣いは、会得、なのかも知れません。

古楽器の制作名人として知る人ぞ知る杉原広一さんに作って頂きました。
18世紀のリコーダー製作者ヤコブ・デンナー(1681 - 1735)のコピー。
それが一向に鳴らなかったのです。

遅過ぎますが、ふっと気がつきました。
ぼくは間違った場所で、デンナーを鳴らそうとしているんじゃないか?
私の書斎はわずか5.8畳で、天井が2.2mほどしかない、狭小空間。
しかも東西両面、天井まで作り付けの書棚で、本が埋まっています。
北側には、幅2.2m、高さ1.3mほどの超巨大ビューローがデンと座り、
その天板には回転書架やさまざまな小物、プリンタが乗っかって、
北側の窓をほとんど完全に覆い隠してしまっています。
そのビューローのほぼ中心で、パソコンを置いて、仕事をしています。
おっと、遊んでいます。

回転椅子をぐるっと西側に向ければ、眼前には、
書棚、オーディオ機器類、タイムドメインの砲丸型スピーカー、
ドラマ観賞用の安楽椅子等々の乱反射の面ばかりのカオス。
その椅子の前に譜面台を置いて、吹いてきたのです。
よくよく確かめてみると、あまりに細々とした物たちに占領され、
反響面がない、完全にデッドな場所だった!
要するに、リコーダーの音にエコーがつかない、生の音だけ。

我が家の階段は玄関スペースからまっすぐ上り、直角に曲がって、
2階廊下に繋がっています。
この2階廊下に行って、デンナーを吹いてみました。
まったく違う、クリーンで抜けのよいサウンド!
1階玄関スペースに下りてみました。
さらに美しくエコーがかかり、コンサートホールの響き!
しかも、これまで全然出なかった最高音3音がすらりと出る!
演奏者と楽器と演奏空間、この三位一体が音となる、
そんな単純で明快な真実を今ようやく悟ったという感じ。

さらに、リコーダーの先輩である親友のAKさんから、
最高音部の発声を含む呼吸法のアドバイスを受けました。
たった1日で、デンナーの前に立ちはだかっていた障壁が、
跡形もなく(というところまでは行きませんが)消え失せました。
杉原さんがどんなに偉大な古楽器の製作者であるかを、
ようやく実感することができました。

でも、今朝、デンナーを吹いてみると、2つの変化。
音はますます立体化して、響きが厚くなっています。
これは前進。
でも、昨日はかなり簡単に出た最高音部3音がかなり難しい。
昨日覚えたはずの息の使い方がまたずれている感じ。
これは後退。
こんな風に段々一進一退しながら、少しずつ進んで行く、
そんな感じなのでしょう。

よく考えると、クラシックレンズの使い方も、
同様のニュアンスで一進一退している感じがします。

クラシックレンズのコレクターには、
数本の試し撮りでレンズの特性、個性を完璧に理解した、
そんな自信たっぷりな方によく出会います。
でも、私は、そんな芸当ができません。
いつも、レンズたちに翻弄されます。
どうもそう簡単には使い方を会得できる質ではなさそう。

そんな難しさをかなり備えているのが、キノプラズマート族。
35㎜、50㎜、90㎜というようなキノプラズマートのご本家は、
私にはまったく未知の世界ですが、
25㎜以下の小型廉価版キノプラズマートたち、
そろいも揃って、カルメン並み。
けっして私の指図、コントロールなど受けず、
いつも自分の好きなように撮ってくれます。
どうやら、もう完全に降参状態で、お好きにどうぞ、
という対応策しかなさそう。

ちょっと待てよ、この対応策って、
身近なところにも一人おられる感じですねえ..............




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by Sha-Sindbad | 2017-07-29 14:55 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

1832 バス道(2017年3月26日キノプラズマート25㎜F1.5bの魔術に酔いしれ)


ずっと前のファイルでアップしていないものが幾つもあります。
その一つを選びました。
Pマウント仕様のキノプラズマート25㎜F1.5b、
Olympus EP-L1に付けました。

この日、どこに何をしに行ったか、記憶にありません。
我が家からバス停に至り、どうやら電車に乗ったようです。
近鉄奈良駅を発車した車内での写真が最後。
一体なにをしに行ったのでしょう。
その後、どうして撮らなかったのでしょう?
まあ、いいでしょう。

キノプラズマートの写真、全部で20枚しかありません。
現代レンズが克服に努めてきた欠陥だらけなのでしょう。
でも、私はこんな写真が面白いと感じるのです。

人間と一緒です。
人と人とは相性がすべてでしょう。
私から見て、全然面白くない人間が一杯。
でも、彼らは私のことを全然面白くないと思っている。
お互い様です。
はっきりしていることは、私も彼らも、
面白くない人間とは付き合いたくない!

写真も同じ。
すべての欠陥を克服した理想的なイメージを好む人は、
私の写真なんか大嫌いでしょう。
それでよいのです。
いつも書きますように、

  東は東、西は西。





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by Sha-Sindbad | 2017-07-11 21:30 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

1706 ただ、さりげなく(キノプラズマート25mmF1.5は普通のものが好き?)Part 3

おかしなことを言うと言われるかも知れませんが、
いつも私が不思議に思っていることがあります。

世界中の至る所で、私の知らない場所で、私の知らない人間たちが、
私の知らない人生を毎日営々と営んでいる。
私の想像もできない疾風怒濤の来事に巻き込まれて、翻弄されている。

子供の頃、オーストラリア大陸のシロアリの巣の研究を読みました。
高さ数mから10mに及ぶ巨大な蟻塚の摩天楼の中に、
数十万、数百万のシロアリたちがひしめき、
暗黒の迷路を絶えず動き回りながら、シロアリの都市を営んでいる。
誰も全貌をつかまず、誰もその細部の出来事の報告を受けることもなく、
ただひたすら自分の仕事を黙々と果たして生き、死んで行く。

地球上の人類もシロアリもまったく同じ生態を営んでいるのです。
一つ違うことは、今では、地球そのものが一つの蟻塚になってしまったこと。
この蟻塚から「ハイ、サヨナラ、一抜けたよ」と抜け出ることなんてできない。

人類がこんな実感をもつようになったのは何時頃からでしょうか?
おそらくここ10年、20年のことではないでしょうか?
あなたはどう感じていますか?
凄い時代になった!
どんなにも無限の可能性が開かれた時代が来た!
未来は明るい!
こんな風にお感じでしょうか?
だとすれば、あなたは幸せな人です。
見たくないものは見なくて済ませられる、
そんな生き方ができるのですから。

こんな風にたとえることができそうです。
渓流を遊覧船で下っている、それが私たち。
幾度も屈曲しながら比較的なだらかに下って行きます。
私たちは、その渓流の遥か前方で、突然大陥没が起こり、
ナイアガラさながらの大瀑布が出現したことを知らない。
でも、着実にその大瀑布に向かって流されて行きます。
両側は切り立った断崖で、停船することも、這い上がることも無理。

だから、いつか突然大瀑布に転落することを知っても知らなくても、
運命は変わらない。
こうなると、残された時間を楽しむ、ただこれだけしかない。
私はそんな気持ちで写真を撮っています。

「えっ、こんなボケ写真撮って、ほんとに楽しいの?」
そうお感じになる方は多いでしょうね。
そう、私は時代遅れの人間なのです。




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by Sha-Sindbad | 2017-01-07 18:01 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)