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レンズ千夜一夜

2019年 07月 11日 ( 1 )

2097 一変(2019年4月4日パンタッカー50mmF2.3の登場でアーシングウッドが神域に)



近くの神社の森をアーシングウッドと名付けて、
心身浄化の場としてから、数ヶ月が経ちました。

春の頃はどんな時間帯に行っても、
散歩する方に出会いましたが、
6月半ばが過ぎた頃から、人影はほとんど消えてしまいました。
どうやら夏場にさしかかり、蚊だの、蛇だの、と、
皆さんのいやがるキャラクターが出没する季節、
ゆっくりと逍遙する気持ちになれない方が多いようです。

私は、若い頃からもっと剣呑な輩の出没する修羅場で生きてきましたので、
蚊にせよ、蛇にせよ、かわいいものです。
蛇はちょっかいを出さなければいいし、
なぜか、蚊は私を刺さないで、大事にしてくれます。

若い頃、アフリカで、シュバイツァー博士は、
蚊やハエをけっして殺さなかったと読んで以来、
なるべく虫も殺さないようにしています。

ムカデは近頃あまり見かけなくなりましたが、
田舎町では、屋内でよく出没しました。
布団の中まで入ってきます。
ちょっとガサッと音がしただけで、
さっと目を覚ますようになりました。
殺し屋とか西部の拳銃使いって、こうなんだな、と実感。
私も瞬時に覚醒します。
殺し屋はピストルに手が伸びますが、
私の手がサッと伸びてつかむのは、傍に置いたタオル。
赤電球を点けたままなので、黒いガザゴソは瞬時に見つかります。
ムカデを見つけた瞬間、サッとタオルを掛けるのです。
すると、なぜかムカデ君も負けていません、
逆立ちして百足でタオルをしっかり掴まえるのです。
すかさず、ムカデ君が格闘するタオルを丸めて戸外に出て、
タオルをサッと一振り。
ムカデは伊達に沢山の足を親からもらったわけではないようで、
4、5本はずっこけているのかも知れませんが、
まあとにかくさっと足で着地。
そして、あたふたと逃げて行ってしまいます。

新聞紙などで叩きつぶす人がいますが、
後で床をキレイにしなければなりません。
第一、ムカデは、事故で人間を嚙みつかない限り、
害虫ではないのですから、大事にしてあげましょう。
おっとまた余談。

今回持ち出したのは、ホロゴンに続く最愛のレンズ、
パンタッカー50㎜F2.3
ソニーα7につけています。

私にとってこのレンズはなにか?

  ホロゴンとともに、私の写真遊びの両輪、
  つまり、人生の友。

そう言い切ることができます。
なぜ?
なぜか、など、分かりません。
そんな理由を一口で言い切ることができるのであれば、
飽きるのもすぐでしょう。
本当に相性が良い存在、
たとえば、妻。
お互いに一生変わり続けていきます。
スーフィ教の輪舞の祈りのようなものではありませんか?
互いに距離も位置も大勢も変わりながらも、
なぜかいつまでも、どこまでも輪を描いて踊り続けられます。

上記2本のレンズもそうです。

このレンズはここが良いんだ、などと、
一口、二口、十口、百口で説明し切れるレンズ、
これはただのテンポラリーなお気に入りに過ぎません。
どこかで倦きます。
飽きなくても、存在を忘れます。

でも、ホロゴンと出会って20年、
パンタッカーと出会って15年、
忘れたことがありません。
それどころか、何度付き合っても驚きばかり。

さて、アーシングウッドでも、
パンタッカーは活き活きと変身してくれました。
何度も撮った光景ばかり。
でも、今、この瞬間に初めて出会った!
そんな新鮮な印象で迫ってきます。

誰もが同じ印象を抱くとは思いません。
感じる力も、感じるものも人様々なのですから。
でも、感じるにせよ、感じないにせよ、
誰かの写真を見たときに、私は、たちどころに感じます。
この人は違う、なにかを感じて撮っている!
この人は並、カメラ、レンズにただ撮ってるもらっているだけだ!

10年ほど前だと思います。
私の親友の写真展のギャラリーで。
いかにも永年撮ってきたという風情の70年配のカメラマン、
ぐるっと回ってから、
こう聞こえよがしに一声放って去りました、
「こんなん、誰でも撮れるわ!」

この人が写真展の作家をバカにする発言をわざとするあたり、
苦労して撮ってきた作家への人間らしいリスペクトを欠いていて、
まず人として落第ですが、
こう振る舞うことで、自分を高めたい、というわけです。
でも、一番いけないところは、
一見そう見える作品群のプレゼンテーションに作家がどんな意図を込めたか、
もう少し踏み込んで考えてみようという、配慮と鑑賞眼を欠いている点。
写真家とは言えませんね。
ただのハイアマチュアであることを自ら暴露している。
こんな高慢な方に出会うと、私はいつもそう感じます。

こういう人を表現する言葉はいくらでもあります。
「めくら、蛇に怖じず」
「井の中の蛙」

司馬遼太郎が小説「北斗の人」に、恰好のサンプルを書いています。
この話が好きなので、すでに少なくとも2度は書きました。

主人公千葉周作が崖っぷちの桟道を通っていたときのことです。
反対側から、侍二人。
すれ違えません。
にらみ合いになりました。
相手の武士が言いました、
「四つん這いになれ。またいで通る」
二人四つん這いになるより、一人がなる方が危険は少ないので、
提案は合理的ではありますが、
やっぱり相手を自分より下と見ての横暴。
じっと顔を見つめていた周作、
黙って四つん這いになりました。
相手の二人、「俺たちが上」とご機嫌でまたいで通りすぎた後、
先頭の武士が相棒に言いました、
「またぐとき、ぞっとした。
あの侍、ただ者ではないぞ」
すると、もう一人、脳天気に、
「ふーん?
なんにも感じなかったけど...」

これが人間の違いです。
すべて自分を判断の基準、判定者とみなして、
世界の森羅万象をバッタバッタと切り裁いても、
大事な点を全部見落としているかも知れないのです。
私もそんな風に振舞っていますが、
まずは、どんなときでも、油断をせず、
出会う人、ものに敬意を払うことが肝要、
そんな感じがします。

パンタッカー50㎜F2.3って、
レンズながら、そんなものの見方、捉え方ができる、
いわば、「見る達人」なのです。



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by Sha-Sindbad | 2019-07-11 21:51 | PanTachar50/2.3 | Comments(2)