レンズ千夜一夜

2018年 11月 11日 ( 1 )

2031 奈良町散歩(2018年3月26日マクロスイター26㎜F1.1が奈良町をのびのびと)2 予見不能



クラシックレンズの性能についてさまざまに論じられています。
オールラウンドな性能を論じるレンズ研究者たちは、
絞りごとの性能、さまざまな撮影状況での性能等、
かなり沢山のチェック項目を真面目に検討しておられるようです。
多くの写真家の場合は、それぞれの撮影法のニーズに、
レンズがどれだけ応えてくれるかが最重要事項となりそうです。
写真雑誌などに投稿する場合、
どうしても一定の状況下での限られた撮影結果をチェックし、
そのような撮影結果を基にして、レンズ性能を判定する、
という手法にならざるを得ないようです。

私の見るところ、そのようなレンズテストは、
ほんのかりそめの参考にしかならない、そう言わざるを得ません。
私たちが撮影時に遭遇する撮影条件は、言わば、無限です。
そして、そのような撮影条件に対する特定のレンズの反応もまた、
無限のバリエーションがあります。
私はたかだか百数十本ですが、
長年の間、繰り返し繰り返し使ってきました。
だから、レンズの性能って、それぞれの人の人間性同様に、
限りなく変化し、変容する、と、
あるときは喜ばしく、あるときは苦々しく実感させられてきました。

レンズコレクターの多くは、実写にはほとんど使いません。
クラシックレンズは使えば使うほどすり減り、キズがつくからです。
ですから、入手後、せいぜいフィルム1、2本撮ってみたら良い方。
それで、レンズ性能を完全に見極めたような言動をとられます。
まあ簡単に言えば、「シャラクセー!」と言いたくなります。

ところが、私は私で、あらゆるレンズについて、
そのオールラウンドな性能を語る資格を持っていません。
なぜなら、99%、開放でしか撮らないからです。
写真家にとって、現場再現の決め手は、私とは大違い。
たいてい絞り込んだときの性能で勝負!
私は、現場の空気感、雰囲気を正しく再現、表現することなど、
まったく念頭にありません。
私の気に入った場所、もの、ひとがどういう風に化けてくれるか?
どう現場をメタモルフォーゼしてくれるか?
これこそ、私にとってレンズ性能のポイント。
現代のように、開放でも完璧な性能を保有するレンズでさえ、
現場の条件次第で、写真は肉眼を超えた雰囲気を醸し出します。
コンピュータ設計などなかった、手作業の時代、
レンズは、所期のレンズ性能を生み出すために、
レンズ設計の長所と短所をどうかみ合わせ、協力させるか?
という、いわば「間に合わせ」製作方針で作られています。
だから、無限の状況に対し、
無限の描写ヴァリエーションを見せてくれます。
とくに、絞り開放で、その変容性は最大限となります。
これが応えられない。
私には、こう写って欲しいというプログラムなどないし、
自分の作風、作品様式なんてものも皆無。
人がどう思うか、なんて、知ったことか!!!
という姿勢で、ひたすらレンズの暴れん坊将軍ぶりを堪能しています。

だから、とにかく外出したら、暇さえあれば、撮っています。
歩き出したら、もう撮影準備オーケー。
撮影地に向かって歩く、なんてスタンスはゼロ。

そして、絞り開放専科で撮ることには特別の楽しみがあります。
結果が予測できないこと!
絞りをF8に絞れば、目で見たままに撮れるかも知れません。
でも、絞りをF1.1にすれば、どんな風に写るか、など、
完全に人知の外にある、と言っても過言ではありません。
人間はそんな風に見える視角など持っていないからです。
いつも意表を突く結果になる、と言っても過言ではありません。

結果をコントロールしたい!
自分の作品を創造したい!
そう念願する写真家には無縁の境地です。
私のやっていることは、音楽家で言えば、
ジョン・ケージのようなものです。
ピアノをぶっ壊せば、どんな音楽になるんだろう?
誰にも想像できません。
じゃ、やってみよう!
そんな感じで、彼は作曲していったのでしょう。

私はレンズをぶっこわしたりはしませんが、
結果がいつも私の予想、予見を超えていることが嬉しい。
自分自身をコントロールし、撮影結果をコントロールしたい!
それが写真家なら、私はハナから写真家じゃありません。
レンズが、結果としての写真のすべてを決定してくれます。
私は安心してレンズに任せることができます。
それと言うのも、
クラシックレンズの場合、レンズが開放でどう暴れるか?
それは私の予測を完全に超えているから。
そして、その超え方は常に意外なほどに喜ばしい方向。
だから、楽しい!




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by Sha-Sindbad | 2018-11-11 22:15 | MacroSwitar26/1.1 | Comments(0)