2057 幽玄が(2018年1月29日奈良の風土にヴァリオペッツ57㎜F2ののどかさが見事調和し)救世主!
レンズ名人宮崎貞安さんニューレンズ、
ヴァリオペッツ57㎜F2、
合計8回、おそらく2000枚を超える試写をさせていただきました。
そのすべてを総決算した結果として、
私はこのレンズを購入させていただきました。
もう一度、全写真をおさらいしてみて、
結局、私を決断させたのは、今回のシリーズに含まれる3枚でした。
ラストから8枚目からの3枚の同じ木の写真です。
林間の樹幹がまるで森のエルフのようにすらりと立っている姿。
清冽で、深みをたたえた樹の精霊、
そう思わせる木の写真を撮ったのは初めて。
本レンズはレンズ底部に5つのポイントがうたれ、
その指標ごとに、レンズの描写を変えることができます。
デフォールトは中央のポイント3。
ペッツヴァール特有の透明感溢れる写真が撮れます。
ポイント1はタンバール仕様。
ポイント5はキノプラズマート仕様。
私はポイント1と5を一回ずつ試写しました。
レンズの性格が見事に変わります。
ポイント5となると、約3mあたりまでしか撮れないので、
かなり使い勝手に制約を感じます。
そこで、ポイント4を試してみました。
無限遠まで撮れて、しかもキノプラズマート風。
これはかなり使えそうです。
まだ撮っていませんが、
今回試写しなかったポイント2もそれなりに面白い描写でしょう。
最終的には、自分のお好みの設定に落ち着くことになるでしょう。
となると、この自由度の広さは極めて有用となりそうです。
それにしても、宮崎貞安さんに感謝!
凄いレンズを創造されたものです。
現代のレンズ制作者たちはかわいそうです。
極めて制約されたニーズに縛られている感じがします。
レンズそのものに独自の味わい、個性など余計です。
写真家は、今や、Photoshopで勝負する時代です。
ニュートラルで、自由自在にPhotoshopで加工できる原版を生産する、
そんな下請け業をカメラとレンズは担います。
芸術性はPhotoshop等の画像処理ソフトのテクニックにかかっている。
だから、大手レンズ会社も群小レンズ会社も、
レンズデザインもレンズの品質もすべてコンピュータ設計に委ねて、
甲乙付けがたいニュートラルな性能のレンズを供給するようです。
私は自分では使っていませんが、
写真教室の皆さんの作品でその性能の凄さは分かります。
私の欠点だらけの古典レンズによる写真とは比較にならない、
超精密画像に仰天させられます。
でも、そんなレンズで撮りたいか?
と、問われますと、頭を横に振るより仕方がありません。
私は、人間も写真も優等生は大嫌い、そう言わざるを得ません。
それが私、とでも言うより仕方がありませんね。
退職することにより、そんな優等生の皆さんとの交流は絶ちました。
優等生レンズの皆さんとはもともと写真生活の中で無縁でした。
どこまでも、癖と欠点だらけのレンズたちと付き合いながら、
生きて行くことにしましょう。
でも、伝説的な名レンズたちの市場価格は、
中国を初めとする諸国の富豪コレクターたちの市場参入により、
私たちの手の届かない高みに跳ね上がってしまいました。
そのような時代にあって、
偉大な歴史的名レンズたちを使ってみたい貧乏写真趣味人たちに、
驚くほどリーズナブルな価格で、
夢のレンズたちを再現してくださる宮崎貞安さんは、
救世主のような存在であると言ったら過言でしょうか?
by Sha-Sindbad
| 2019-02-17 18:45
| Variopetz57/2
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