レンズ千夜一夜

2003 なんでもない町(2017年12月2日スピードパンクロ28㎜F2は新大阪駅界隈をお忍びで)


新大阪駅南界隈、なんにもない町、と言ってもよいでしょう。
元々、田園地帯でした。
1970年世界万国博が開催されたとき、
その玄関口になる新大阪駅周辺が突如地上げの修羅場となり、
多くの農家がにわか億万長者となりました。
私の父は吹田が出身地でした。
お墓がまだあり、お寺も同族が代々住職。
私より3つ年下の前住職がこう言って、笑いました、

   「みなさん、億というお金に大きな税金がかかってくる。
   なんとか経費を計上して、節税したい。
   それなのに、お金の使い方なんか知りません。
   結局、お金に狂ったようになって、
   北新地で遊び回って、お金を使いました。
   みなさん、ゾンビのような顔になっていましたよ」

そんな地上げの果てに、新大阪周辺は新幹線の駅を中心に、
オフィス街と住宅街が雨後のタケノコのように出現しました。
歴史がないので、なんの変哲もない新興住宅地だったのですが、
それから半世紀経って、古びた住宅地に変りましたが、
依然、なんの変哲もない点は変りません。
半世紀程度では、歴史は積み重ねられないのでしょう。

私はそのど真ん中のココプラザの貸し音楽室に通っています。
劉継紅先生の二胡教室。
その世話役のお手伝いをしていますので、
午前から午後にかけてかなり空き時間を過ごすことになります。
そんな空き時間を利用して、近所を徘徊して、撮影します。
写真家が喜ぶようなフォトジェニックな場所などありません。
写真家はフォトジェニックなシーンを求めて東奔西走し、
眼前に展開する美のページェントとも言うべき光景を撮影します。
私は40数年前、写真を始めて以来、思えば、
あまりそんな撮り方をしなかったようです。

なんでもない街のなんでもない片隅で、なんでもない写真を撮る。
すると、なんだか面白い。
でも、人は、面白いとは感じない。
そのギャップがいつも私には愉快でした。
というのは、写真はいつも私の心を解放してくれました。
人を喜ばせたり、感嘆させたり、なんてことは論外でした。
多忙な職業生活の息抜き、リラックスが写真の効用でした。
人との競争、名声なんて、無用な重荷となるだけ。
そこで、ことさらに、人が撮らないような日常的光景を楽しむ、
そんな平凡な写真人生にますます傾斜していったようです。

新大阪駅界隈は、そんな私には格好の猟場。
なんにもないけど、とにかくシャッターを押す、
そして、あとはレンズにお任せ。
今回は、リコーGXRにスピードパンクロ28㎜F2を付け、
42㎜レンズとして使いました。
平凡な住宅街が思い出の光景に変る、
そんなマジックをみせてくれるのが、
このレンズの強みです。
でも、そんな変身は何の意味もありません。
ただの一人遊び。
でも、楽しませてもらっています。



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by Sha-Sindbad | 2018-08-17 21:29 | SpeedPanchro28/2 | Comments(6)
Commented at 2018-08-20 21:23 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Sha-Sindbad at 2018-08-21 10:32
ごめんなさい。
コメント一覧でコメントを読み、
非公開と分からず、返信してしまいました。
良いレンズです。
大切にしてあげてください。
Commented by bisqueprince at 2018-08-21 10:48 x
ありがとうございます! 大事に使っていきます!!「レンズ千夜一夜」は、オールドレンズを検索するとグーグルでよく登場するので、仲介してくださった方が読まれると気分を害されるかも?と思っての非公開でした。 最初にいただいていた方のコメント、是非読みたかったです^^
Commented by Sha-Sindbad at 2018-08-22 16:51
bisqueprinceさん
私が書いたお返事です。
すでにお読みになっただろう、と考えて削除したのですが、
もう一度アップしておきます。

bisqueprinceさん
おめでとうございます。
1.9とは羨ましいですねえ!
私も欲しかったのですが、1.8よりレアで、高価すぎて手が出ませんでした。
ガラスも設計も違うので、描写性は少し違う、
ただし、どちらの描写が良いかは、好み次第だけど、
近ごろは、1.9の方が断然評価が高い、そう聞きました。
でも、大抵の方は最高の描写性能を示す絞りで比較しますから、
開放描写がどう違うか、人形の質感描写にどんな違いが出るか、
といったあたりとは違ったレベルでの評価、という感じがします。
なにはともあれ、1.9が伝説のレンズであることは間違いがありません。
愛してあげてください。
bisqueprinceさんの傑作人形たちを最大限活かす描写をしてくれるでしょう。
Commented by bisqueprince at 2018-08-25 02:05 x
もしかして!と期待して見に来ました!
ありがとうございます!!! このようなコメントを頂けて、より愛着が湧いてきました、やはりSha-Shindbadさんの文章のお力、絶大です。
 現在、私が制作した人形は小さな物しか無いので、レンズの作例としては相応しくないと判断し、アンティーク・ビスクドールを撮影しました。 味がありつつ、とても素直に描写する、といった印象です。早く自分の人形を撮影したいです。本当に有難う御座いました!!
Commented by Sha-Sindbad at 2018-08-25 23:15
> bisqueprinceさん
私はbisqueprinceさんのあの「日本人形」を忘れることができません。
私にとって、彼女は、
大阪中之島の東洋陶磁博物館の唐三彩のふっくら美少女と並ぶ、至高の美少女。
彼女も今は幸せにお嫁入りをしたことでしょう。
ぜひマクロスイターが活きるような、「日本人形」の妹をお作りください。