1874 奈良町(2017年8月5日スピードパンクロ35㎜F2で奈良町の奥底へ)3 人生に感謝
人間って、面白い生き物ですね。
昔、読んだことがあります。
人間とチンパンジーとの間には、遺伝子の組成の違いは1%程度しかない。
本当かどうか知りませんが、
人間同士だったら、さらに遺伝子の組成の違いは限りなく小さいのでしょう。
でも、こんなにも違う。
違いを生み出すのは、いわば氏より育ちなのかもしれません。
でも、アートの世界をかいま見る限り、育ちより氏、
経験、学習よりも遺伝、そんな感じがしてしまいます。
生まれついてのなにかが物を言っている、そんな感じ。
音楽家や画家にはそんな違いが恐ろしく働いて、
どうしようもない違い、懸隔、格差を生み出しているように見えます。
努力は才能を補えないのです。
写真にもそれが顕われてきます。
私には、そんな生まれついてのセンス、才能がないことは、
極めて早期に分かりました。
実のところ、そんな天賦の才に恵まれなかったことに感謝しています。
才能に恵まれて写真作家になったりしたら、
不特定多数の誰かに感動を与えるために、
作品を作ることになったでしょう。
そして、いつか才能がすり切れて、ファンには大いなる失望を与え、
自身には絶望を与えることになったかも知れません。
でも、才能の変わりに、レンズに頼り切って、写真を撮り重ねていくことで、
ただの光学機器でしかないレンズの性能、特性は、なぜか互いに大きく違い、
それぞれに特有のスタンスで世界を切り取ることが分かってきました。
写真作家はカメラ、レンズを道具として駆使します。
私はレンズの助手として、いわば撮影実行班を担当します。
写真作家は大なり小なり太宰治のように苦悩し、不安に苛まれます。
レンズ助手は、苦悩も不安も無縁。
ただただ、レンズ師の成果を手放しで嘆賞できます。
とくに、このスピードパンクロ35㎜F2のような天才レンズに出会うと、
ただただ、人生に感謝。
by Sha-Sindbad
| 2017-09-09 22:14
| SpeedPanchro35/2
|
Comments(0)