レンズ千夜一夜

1238 Angels are dancing on the sky (東大寺の空、飛天が乱舞して)



本ブログに5Picturesシリーズを設けていたことを忘れていました。

吉田正さんの写真教室には、
5枚セットの組写真を持参することにしています。
1月の5枚をご覧頂きましょう。

子供の頃の紙芝居のおじさんよろしく、
写真を並べた後、こんな風に説明しました。

    (1枚目)左手から飛天たちが踊りながら現れ、
    (2枚目)遙かな高みに向かって飛翔した後、
    (3枚目)飛天たちは天上で合流し、
    (4枚目)入り乱れて乱舞し、
    (5枚目)東大寺の上で、さらに華麗な踊りを繰り広げました」




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紀貫之は、宮廷の女性たちが楽しむ日記形式を借りて、
紀行文「土佐日記」を書きました。

    私も世の写真家たちのすなる組写真をしてみんとて、
    写真作品を作るつもりなどまるでないのに、
    せっかく写真教室で写真のことを教えていただくのですから、
    この機会を利用して、組写真の作り方を教えていただこうと考えて、

もともとそんなつもりもなく撮ったロボグラフィを
無理にお話を作って、5枚を組み合わせたものを毎回持参しています。
でも、実は、この組み方って、おかしいのです。

組写真っていったいなんでしょう?

    ピアノ五重奏のようなものではないでしょうか?

一番有名なシューベルトの「鱒」を取り上げてみましょう。

    ピアノ、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、
    それぞれに独奏楽器として、大変な表現力をもった楽器たちです。
    無伴奏でも最高の音楽を創れます。
    とくに、ピアノと弦楽器とでは、打楽器と擦弦楽器なのですから、
    音の出し方がまるで違います。

でも、この異質な楽器が協奏すると、
無伴奏の音楽とはまるで次元の違う膨らみのある音楽が創造できます。

    作曲家たちは様々な組み合わせを考案して、
    驚くほど多様かつ豊かな音楽世界を生み出してきました。

でも、だからと言って、どんな組み合わせでもよいとは言えません。

    たとえば、ティンパニーとハープとピッコロを組み合わせても、
    まさにトンチンカンで貧寒としたサウンドしか生まれないでしょう。
    異質でありながら、ハーモニーを生み出せるセットだけが成功します。

組写真もそうですね。

    同じような写真を5枚組み合わせても、
    ただの羅列でしかありません。
    2つの楽器のさまざまな音程の組み合わせが、
    妙なる響き、共鳴、和音、倍音、ハーモニーを生み出すように、
    あるいは撞木と鐘が荘厳、森厳なる響きを生み出すように、
    1枚ずつでは絶対に生み出せないような雰囲気、気分、情感を生み出す、
    それが組写真ですね。

ところが、私はそんな面倒な作曲をする意思も能力もまるでありません。

    だから、Club Sei-G写真展でもそうでしたが、
    5枚の写真が一つの物語を語り出せるように組み合わせます。
    でも、物言わぬ写真たちを5枚並べて、
    作者の意図通りの物語を感じてくれるなんて、
    そんな雄弁な組写真を作ることなんて、私の実力では不可能。

だから、言葉で無理に絵物語を作っているわけですが、
こんなやり方では、本来の意味での組写真への道は遠いですね。
まして、いっそう大掛かりな組み写真である個展なんて、
ありえませんね。

    もともと写真展などするつもりがないので、それはよいのですが、
    せめて吉田正写真教室にはいつか、
    五重奏と言うにふさわしい組写真を持参したいものです。
by Sha-Sindbad | 2015-01-21 19:08 | 5 Pictures | Comments(0)