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レンズ千夜一夜

119 突堤 (スーパー・アンギュロン47mmF8は豪快なレンズだった)


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シュナイダーにスーパー・アンギュロンmmF8というレンズがあります。

ベリワイド用にも供給されたようですが、
私の友人が、そのリンホフ用を使って6×9判カメラを作りました。

以前、なにかの本で、「カリスマレンズ」という表現を読みました。
その後、F5.6も作られ、かなり改良されたそうです。

でも、私は、この改良という言葉を信じません。

    クラシックレンズの場合、同じ名前のレンズがバージョンアップします。
    これまで使ったレンズ、例外なく、古い方がよい!

    レンズ会社、レンズ製作者は、
    収差を少なくし、シャープネスを増すことを改良と考えるようです。

    私は、レンズを使う側として、
    レンズが映像に加味してくれる味わいを中心に評価します。

どうやら、レンズの性能不足部分がこの味わいを醸しだしてくれるらしい。
たしかに、収差も少なくなり、コントラスト、シャープネスは増しても、
「湯水とともに赤子を流す」たとえどおり、
味わいも消えてしまいます。

たいていの写真家は、忠実なリアリティ再現を主眼としています。
私は、メタモルフォーゼを主眼としています。
ですから、私の評価法は少数説。
そのことはちゃんと分かっています。
でも、すべてのクラシックレンズにあてはまる理論なのです。

きっとスーパー・アンギュロンも同様のことが起こっているだろう、
私はそう踏んでいます。

友人が作った特製ニューカメラは、
コダックの蛇腹カメラにレンズを固定した、固定焦点カメラ。

    題して、「SuperAngulonWide」

6×9判では、47㎜は35㎜判の21㎜前後に相当するようです。
ですから、F8の深い被写界深度では、目測で十分使えます。
ライカのスーパーアンギュロン21㎜用ファインダーもセットした、
かなり高級仕様で、形も美しく、
6×9判としては超コンパクトな傑作カメラ。

その入手初期の写真を一枚ごらん頂きましょう。
by Sha-sindbad | 2011-10-16 18:37 | SuperAngulon47/8 | Comments(0)