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レンズ千夜一夜
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2126 神社道(2019年10月22日完成ヴァリオプラズマ50㎜F1.5第一号が到着)品格あるくせ玉!
昨年暮れのことです。
稀代のレンズ制作者宮崎貞安さんの傑作レンズの試写を楽しみました。
ヴァリオプラズマ50㎜F1.5
今朝、このレンズの完成版2本が届きました。
コーティングバージョンと、
ノンコートバージョン。
ノンコートは、私の希望を聞き入れていただいたのです。
ヴァリオプラズマはキノプラズマート50㎜F1.5の復刻版です。
名にし負う幻の名レンズの一本です。
宮崎貞安さんによる待望の名レンズ復刻ですが、
単なる模造、復元、郷愁に止まらず、
現代にこれを創れば、どんなものになるかというスタンスです。
現代のレンズと伍して、写真家が作品制作できる個性レンズを創る、
ということにあると思います。
もちろんオリジナルレンズの復刻という面もありますが、
オリジナルレンズのコンセプトを現代レンズの制作に活かして、
レンズ表現の多様性に寄与したい、というお気持ちが勝っている、
そんな感じがします。
そのような考慮から、ヴァリオプラズマでも、
マルチフルコートのレンズが使用されています。
ユーザーがこれをどう受けとるかは、
その人のクラシック名レンズに対する期待、要望次第でしょう。
現代のレンズを現代の写真家に提供するという、
本来の光学レンズの制作者としての、
宮崎さんのコンセプトは正しい、
そう私も考えます。
でも、私のように、
かつては写真作品を真剣に制作しようという志を捨てて、
ただのレンズ好き、写真好きのど素人というスタンスで、
ブログを楽しんでいるという立場からは、
宮崎さんにもときどき遊んで欲しい、
という気分になることもあります。
とりわけ、キノプラズマートが相手なのですから、
この際、猛烈に遊んで欲しい、と思うのです。
というのは、キノプラズマートの発明者パウル・ルドルフ博士自身が
このレンズでは大いに遊んだんじゃないか?
そんな風に思えるのです。
ツァイスの最高のレンズ制作者の一人です。
明晰レンズの老舗ブランドと言っても良いような、
究極の名レンズの2本、プラナー、テッサーを発明した人なのです。
まさにツァイスのレンズ技術者の頂点の一人だったと思われます。
それなのに、1911年、50歳をちょっと過ぎたばかりの若さで、
ツァイスを退職してしまいます。
ルドルフ博士がツァイスに嫌気がさしたためと思わせる事情が
あれこれ取り沙汰されています。
博士のその後の行動もかなり裏付けになっているかも知れません。
1919年、映画レンズ制作のフーゴ・マイヤーに入って、
1922年設計したのがキノプラズマート、というわけですが、
このレンズ、プラナー、テッサーとは極端に違います。
ピントがあった中央部分はあくまで明晰ですが、
周辺が大きく暴れるのですから、奇怪です。
まさに、プラナー、テッサーのアンチテーゼではありませんか?
博士がボケて駄レンズを創ったという説は誰も出していないようです。
そんな性質が映画の表現に役立つ場面があるためなのかもしれません。
とにかく映画表現におけるレンズニーズを
しっかり意識して創ったことは間違いないでしょう。
その後、マクロプラズマート、
ローランドという傑作カメラのクラインビルトプラズマートという、
どちらもしっかりとした画像表現の傑作レンズを発明しているのですから、
博士がキノプラズマートを癖玉レンズと意識して創ったことは明らかです。
一方、私の方も、写真人生の前半分は明晰レンズ一路だった人間です。
その後半部分はコンタレックスに夢中になっていたのですが、
この怪物カメラの交換レンズたちこそ、
立体感と精密感に溢れる雄渾そのものの描写で際だつ、
まさにリアリティ派を代表する怪物レンズたちでした。
私が20年間近く愛し続けてきたホロゴンウルトラワイドも、
コンタレックスのボディにホロゴンを埋め込んで創られた、
まさにコンタレックス姉妹版でした。
私の写真人生の後半はこのホロゴンを中核とするのですから、
私もツァイス独特の剛直描写に惚れ込み続けてきた人間なのです。
つまり、よくよく考えると、
と言っても、単なるこじつけですが、
パウル・ルドルフ博士と私とはどちらも人生の後半になってようやく、
幽玄レンズ系に恋をしてしまったようです。
でも、博士の晩年の愛し子(とはちょっと大げさかな?)とは
無縁のままに終わる運命にあります。
キノプラズマート50㎜F1.5は、「高嶺の花」と化してしまったからです。
だから、宮崎貞安さんの今回の復刻は、
私にとっては上記の夢を満たすものであってほしいのです。
ただ、冒頭に書きました試作レンズは、
夢幻的な雰囲気を色濃く残しつつ、
基本的には、画像の精密表現を微妙なニュアンスで磨き上げることによって、
ファンタジックな繊細さを生み出す、というスタンスでした。
繊細なリアリティが朦朧としたバックグラウンドに包まれて、
清らかに立ち上るという、高貴の表現。
そんな感じなのでした。
今回のテーマの「品格あるくせ玉」は宮崎さんご自身の表現です。
でも、生涯、品格とは無縁の私としては、
くせ玉なのだから、バックグラウンドも主題も適当に、と言うより、
絢爛豪華に暴れまくって欲しいのです。
そこで、せめてコーティング無しのバージョンも用意してほしい、
そうお願いしていたのです。
今回、そんな私の願いも考慮して、
(おそらく幾人も同様の希望を出した方がいたのでしょう)
ノンコートのレンズバージョンを用意して下さったわけです。
明日、ノンコーティングバージョンの筆下ろしをします。
胸がどきどきします。
今回のブログ記事は、その前夜祭として、
宮崎さんにとっても、多くの写真家にとってもスタンダードである、
コーティングバージョン製品版の筆下ろしの結果です。
あいにく、日曜日、付虹先生の揚琴二胡教室の発表会。
その課題曲の練習に大わらわの一週間。
それなのに、画家の義兄が神戸三宮で水彩画展を今週開催しているのです。
とても優れた技法による美しい水彩画を楽しむ機会なので、
これを逃すわけには参りません。
そのついでに、三宮でノンコートバージョンを試写させていただきましょう。
タグ:
ソニーα7
ヴァリオプラズマ50㎜F1.5
奈良神社道
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by
Sha-Sindbad
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2019-10-22 22:58
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VarioPrasma50/1.1
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