2088 意外性(2019年1月12日クックシネマ25㎜F3.5と新大阪の相性は抜群)
クックという会社、よく知りませんが、
映画用の名レンズをかなり沢山作っているようです。
クックシネマ25㎜F3.5はおそらく素人用でしょう。
まさにパンケーキ型の小型レンズですが、
これがなんとドラマチックな表現力の持ち主。
ミッシャ・エルマンというヴァイオリニストが昔一世を風靡しました。
晩餐会だったでしょうか?
まさに宴たけなわとなったとき、
司会者がゲスト演奏家として、エルマンを紹介しました。
現れた冴えないぶ男に女性たちはがっかりしました。
でも、ひとたび演奏が始まると、
女性たちは完全にエルマンの虜となってしまったそうです。
クックシネマ25㎜にはそんなエルマンの趣きがある、
と言いたくなります。
奇妙な形の冴えない小型レンズです。
でも、なんだか独特の実在感と立体感溢れる画像をプレゼントしてくれます。
どこにそんな独創的な創造力が潜んでいるのか、
つくづく不思議になります。
長い間、さまざまなレンズと親しんできましたが、
レンズって、つくづく人間に似ている、という気がしています。
外観が立派なレンズが名レンズとは限らない!
昔、東京地検の特捜部で活躍した検察官に会ったことがあります。
彼、曰く、
「これまでの人生で一番立派な容貌、風采の持ち主に二人出会いました。
二人とも詐欺師でした」
その一人は昔「ほらの吹原」の異名を取った人物でした。
ただし、この検事さん、人生で一番優れた人柄の人物って、
どんな容貌、風采であったかは語りませんでした。
当たり前ですね。
さまざまな遺伝、環境、人生の中で容貌、容姿は
次第にかたちを現すものでしょうから。
私に言えることはただ一つ。
「人を見かけで判断してはいけない」
これだけです。
レンズがまさにそうですね。
このクックシネマ25㎜F3.5、
見かけはまったく無様だけど、
性能はまさに抜群。
使えば使うほどに、
このあたりのアンバランスがこのレンズのチャームポイントになっていく、
そんな妙味がこのレンズの魅力かも知れません。
蛇足ですが、
上記の検事さん、鬼の特捜検事とはとても思えない、
雛人形のお内裏様そっくりの頼りなさげな容貌でした。
ま、他人のことなど言える身ではありません。
私も容貌風さいはまるっきり冴えませんねえ。
でも、クックシネマ25㎜F3.5並に、
人間性の方は抜群、なんて言うつもりは全くありません。
ついでに、もう一つ、私が感じる特徴を書いておきましょう。
人間もレンズも一緒。
いつも同じパフォーマンスとは限らない。
人間だって、レンズだって、
調子の良いときもあれば、悪いときもある。
だから、飽きずに付き合えます。
by Sha-Sindbad
| 2019-06-04 22:56
| CookeCinema25/3.5
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