2023 雨道(2018年5月9日アポクロマート25㎜F2は雨の日の西大寺もキリリと)
日本史における最大の切れ者は誰だったか?
そんな設問がよく見られます。
そんな風に問われると、つい、答えたくなりますね。
本当の答えはこうでしょう、
「そんなことは誰にも分からない。
歴史上の人物を本当に知っている人など存在しないから」
私もそうですが、誰もが、知っていると思い込んでいる。
でも、それはどこかの聞きかじり、
ちょっとした知識の蓄積の中での比較に過ぎません。
誰も彼らに会ったこともないし、
本当のところ、会ったこともない一人の人間を
完全に知ることなど、誰にもできないからです。
でも、答えたくなりますよね。
どうせ完全な回答など出せないのだから、
せいぜい回答ごっこを楽しんだっていいじゃない?
という感じですね。
同じことがレンズにも言えます。
レンズ史上、最高の切れ味を持つレンズはなにか?
使ってみたことのあるレンズの中での比較なら、
誰でもできます。
私の場合は、おそらく、
ハッセルSWCのビオゴン38㎜F4.5
でも、どなたかはおっしゃるでしょう、それは、
ゲルツのハイパーゴン75mm
友人が4×5判で撮った写真を見せてもらったことがありますが、
そのままカミソリに使えるほとの感触でした。
一瞬、辟易してしまって、「これは使いたくない!」
ビオゴンはそこまで行きませんが、
昔、法隆寺で母子をハッセルSWCでスナップしました。
若いお母さんとその膝にもたれる幼児、
まさにマドンナ像でした。
でも、愕然としました。
お母さんの膝あたりの抜けるように白い肌。
美しい肌を通して血管が透けて見えるのです。
この体験の直後に、私はビオゴンを処分してしまいました。
結局、一つ、私に言える結論があります。
人間もレンズも切れ味がよすぎるのは良いことではない。
キノプティックのアポクロマート群は極めて高価ですね。
私も昔、100ミリを手に入れたことがあります。
早々に売ってしまいました。
どうも切れ味が良過ぎて、私にはどうも合わない。
でも、Cマウントレンズは2本ばかり持っています。
その一つがこれ、アポクロマート25㎜F2。
確かにシャープなレンズです。
でも、画像には100ミリほどの鋭さはありません。
むしろ空気感をしっかり出してくれる感じがあって、
私はかなり好きですね。
by Sha-Sindbad
| 2018-10-20 21:21
| Apochromat25/2
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