レンズ千夜一夜

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1856 奈良町(2017年7月25日エルマー90㎜F4がやさしく微笑み)1 やさしさ








私は断然広角派です。
でも、機会があって、望遠も手に入れています。
私が手に入れたエルマー90㎜F4のレンズ番号は♯69807。
どうやら1949年製のようです。
68年前のレンズです。

ヘリコイドリングの先端の塗装がかなり剥げています。
ヘリコイドリングを操作する動作だけではなく、
この先端付近に親指の第1関節の根元あたりを置いて、
絞りリングを操作することで、さらにすり減ってきたようです。
つまり、かなりの数のカメラマンの共同作業の結果。
このあたりからも、このレンズが愛されたことが分かります。

私ももちろん愛します。
でも、私はこの部分の塗装には影響を与える可能性がありません。
なぜ?
絞りは開放にしたままで、絶対にいじらないうえ、
ヘリコイドを操作するとき、この部分には絶対に触らないから。

ライカのオールドレンズ特有の質感とやさしい感触にしびれます。






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by Sha-Sindbad | 2017-08-11 23:23 | Elmar90/4 | Comments(0)

1854 西大寺(2017年7月17日ペンタック38㎜F2.9はゆったりと瞳を開き)3 逆転の構図


「写真」という言葉には、
ある種の祈り、希望、期待が隠されているのかもしれません。
つまり、一度も、たったの一度も実現されたことのない理想。

多くの写真家はこう言うでしょう。
「私はこの世にあるはずがないような美しい光景に出会いました。
そのときの光景を可能な限り写真に写し取ろうとしたのですが...」
あなたはどうですか?
ご自身の記憶に留められた美しい光景を、
レンズは忠実に再現してくれますか?
「もっと美しかったのに...............」
カメラ、レンズは再現の道具。

私は違います。
私は、ただの平凡な人間。
でも、クラシックレンズたちをカメラに付けると、
私の記憶に留められた実景とはまるで違った、
この世にあるはずがない美しいロボグラフィを撮りたい。
私自身が、「こんなものを撮ったのか?
なんで、こんなものが?」
そう仰天する、そんな写真が撮ってもらいたい。
つまり、撮るのは、私ではなく、レンズ。
美に出会うのは、レンズ。
私が再現の道具。




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by Sha-Sindbad | 2017-08-09 23:31 | Pentac38/2.9 | Comments(2)

1844 奈良町(2017年6月30日トポゴン25㎜F4がホロゴンを凌ごうと)3 合唱讃歌


昨日からYouTubeで合唱を盛んに聴いています。
2、3年前、TBSの合唱番組がいくつもアップされていて、
東京、大阪の音楽大学の合唱グループが代わる代わる、
心を締め付けるような美しい合唱の天国を見せてくれました。
でも、ある日、著作権法違反として全部ばっさり削除されました。
このときの消失感は今でもはっきり心に残っています。
TBSの番組だと思っていたのに................................

昨日、合唱曲を100曲ずつ集めているサイトに突然ぶつかりました。
いくつも見つかりました。
合唱団の演奏光景とか合唱団名がありません。
とすると、素性はいかにも怪しい。
でも、今、開いているサイトは5年以上前に開設されて、
なぜかしっかり生き延びている。
「Amazonで楽譜購入」というボタンがあるところを見ますと、
著作権法違反サイトではないのかも知れません。
そう考えて、楽しんでいます。

心が洗われる曲がいくつも見つかります。
すべて青春の心を歌ったものばかり。
どの合唱も何百万ものアクセス。
合唱が大好きな人がこんなにも沢山いる。

コメント欄をのぞいてみますと、
青春から遙かに遠ざかった人たちばかりではない、
まだ青春のまっただ中の人たちも楽しんでいるようです。
小中高の卒業の機会に歌った体験を書いている人たちもかなり居ます。

中学生の合唱もあります。
「落葉松」女声合唱、詩:野上彰、曲:小林秀雄(八戸市立根城中学校合唱部)
https://www.youtube.com/watch?v=Tjl1ymZfsAA&index=27&list=RDt4FZ2uS3T9g
ただただ、驚嘆。

でも、ぜんぜん心に触れない曲も沢山あります。
私とその曲との相性が悪いだけでしょう。
ある曲になにも感じず、ある曲に心を揺さぶられる、
こんな体験の揺れ、波は私の人生そのものの形なのかも知れません。

写真だって、同じことが起こっています。
私はカメラを持ったときも持たないときも、
たえず、出会う光景にさまざまに心を躍らせてきました。
ロボグラフィはそんな私の心にかなった出会うの記録なのですが、
おそらくほとんどの人にはごみ写真の山としか映らないようです。
ロボグラフィとは私のプライベートな心の記録でしかないのでしょう。
近頃、その思いをますます強くしていたところに、
この合唱たちに出会って、心を決めました。

「わが友ホロゴン」「レンズ千夜一夜」2つのブログを分け隔てなく、
完全な私の日誌として遠慮なく心おきなく活用するぞ。
各ブログの性格にふさわしい文章、写真にしよう、
なんていう余計な配慮は一切棄てました。
私の人生の一こまをブログ作成という形で記録する、
完全垂れ流しブログ。
エキブロって、無制限に使えるのですから、最適、最高!
エキサイトさん、ありがとう!

エキサイトよ、永遠なれ!
なぜって、私は長生きして、
ずっとブログを使うつもりなのですから。




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by Sha-Sindbad | 2017-07-27 16:40 | Topogon25/4 | Comments(0)

1843 奈良町(2017年6月30日トポゴン25㎜F4がホロゴンを凌ごうと)2 ホロゴン的視角


トポゴン25㎜F4がホロゴンを凌ぐとすれば、
細部の繊細な描写力かも知れません。
でも、私はホロゴンをひたすら愛してきました。

なぜか?
私は人生のすべてにおいて、ホロゴン風に生きてきたからです。
要を押さえたら、細部にこだわらない。

いい加減すぎる、そんな批判もあることは十分承知しています。
でも、私は細部にこだわって、いつまでも決断しない、
そんなやり方が大嫌い、というより、できない。

他人が観たら、ホロゴン写真、トポゴン写真、好みはばらばらでしょう。
でも、私はどこまで行っても、ホロゴン一筋。
なぜか?
私はホロゴンの見た物しか見ていないからです。

トポゴンが見逃さなかった細部の大半は私にとって大切じゃない。
そんなものはどうでもいい、
そんな部分がどんなに美しくても、
私は、だから、シャッターを押したのじゃない。
他の多くのレンズにも共通しています。

ホロゴンが私の視角、志向を育ててくれたのかも知れませんが、
それでは、私がホロゴンと出会って、
「これだ!」と、ただちに悟ったという事実を説明できません。
結局、私は、生まれつき、ホロゴン風に世界を見てきた、
そう考えるのが一番自然、そんな風に感じています。





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by Sha-Sindbad | 2017-07-26 23:43 | Topogon25/4 | Comments(0)

1842 奈良町(2017年6月30日トポゴン25㎜F4がホロゴンを凌ごうと)1 理想の結婚


トポゴン25㎜F4

使う度にため息が出ます。
ホロゴンウルトラワイドに出会うより前にこのレンズに会っていたら、
もうこれでよい!
このレンズで撮り続けよう、
そう心を決めてしまい、
ホロゴンを使ってみようという気にならなかったでしょう。
そう考えると、レンズとの出会いはかなり結婚に似ている、
そんな感じがしてきました。

私に言わせれば、理想の結婚とは、
出会ってしまうと、世界中の誰よりも自分にふさわしい、
そう考えて、一生、その心を変えない、そんな結婚。
まあ、私はそんな結婚をしたと信じていますが、
トポゴンには悪いけど、君に先に会わなくてよかった。
会っていたら、もうこれ以上広い写角のレンズは不要、
これで十分、そう考えたかもしれないからです。

しかし、レンズでも、まずホロゴンに出会えたということで、
至高のレンズと崇めながら生きることができるようになりました。
でも、配偶者とは違います。
浮気という事態は起こりません。
いくらでも、ホロゴン以外のレンズと遊ぶことができる。

世にかなり棲息しているらしい女遊びの男性たち、
レンズ遊びに走っておけば、人生、もっと晴れ晴れと、
もっと清々しく生きることができたんじゃないかな?





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by Sha-Sindbad | 2017-07-25 18:06 | Topogon25/4 | Comments(0)

1841 奈良町(2017年6月23日マクロスイター36㎜F1.4が水を得た魚のように)4-完-


マクロスイター36㎜F1.4
リコーGXRに付けて、約50㎜の標準レンズとして使いました。

撮影結果をいつも通り撮影順に並べて見ていると、
伝説的な名レンズの一本、マクロスイター50㎜F1.8と比較しても、
曰く言いがたい玄妙なファンタジー表現においては、
36㎜の方が優っているかもしれない、そんな感じがしてきました。

そして、もう1つ。
私は実に安直な写真人生なんだなあ。

多くの写真家は、ファンタジックな写真を撮るためには、
そんな題材、被写体をコツコツ探し歩いて、発見して、撮ります。
ご自分のコントロール、工夫の成果。

私の場合、レンズそのものが勝手にファンタジーにしてくれます。
ご自分はなんにも努力していない。
意図も発見もなにもない。
ただ撮ってみたら、ファンタジーになっている。

剣によって生きる者は、剣によって倒れる。
こわいですね。

私の場合は、
レンズによって生きる者は、レンズとともに笑う。
気楽ですね。





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by Sha-Sindbad | 2017-07-23 22:31 | MacroSwitar36/1.4 | Comments(0)

1840 奈良町(2017年6月23日マクロスイター36㎜F1.4が水を得た魚のように)3 レンズの声に


いつもの町を、レンズを取っ替え引っ替えしながら、流して、
ロボグラフィをこつこつ撮り集め、
そんなロボグラフィを、毎回30枚標準で、撮影順に並べる、
このやり方を飽きずに続けるコツを、私はつかんでいる感じがします。
コツと言っても、実に当たり前のことだけ。

  よい写真を撮ろうと思わない。
  人がどう思うか、なんてことは余計なお世話。
  レンズの声に耳を傾ける。

ただこれだけです。
そして、私は環境に恵まれています。
撮影面では、歩き飽きない、見飽きない町々。
ブログ面では、完全無反響、無反応。
ロボグラフィなるものについて、感想、意見など、
ブログを始めてからこの方、聴いたこともない。
だから、私のブログは、完全無雑音のオーディオシステムさながら、
私の、私による、私のためのブログを続けることができます。
だから、飽きない。
だから、レンズたちも、ロボグラフィも、
私の人生、生活に無理なく定着してくれました。

マクロスイター36㎜F1.4をリコーGXRに付けて奈良町逍遙。
いつもながらのロボグラフィをいつもながらの撮り方で。
でも、「所変われば品変わる」ならぬ、
「レンズ変われば品変わる」ですね。
マクロスイターの名を冠せられたレンズ、
さすがです。





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by Sha-Sindbad | 2017-07-22 14:41 | MacroSwitar36/1.4 | Comments(0)

1839 奈良町(2017年6月23日マクロスイター36㎜F1.4が水を得た魚のように)2 華麗さが身上

近頃、リコーGXRをよく使います。
マクロスイター36㎜F1.4もこれに付けました。
実質、50.4mmの標準レンズ仕様。
ただし、被写界深度はあくまでも36㎜広角の深さ。
ボケ味は出るけど、合焦面は分厚いので、
芯となる画像はしっかりと浮かび上がり、
弱さ、繊細さよりは、華麗さを身上とします。
いつも撮るロボグラフィたちです。
どんどん観ていただきましょう。





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by Sha-Sindbad | 2017-07-21 23:57 | MacroSwitar36/1.4 | Comments(0)

1838 奈良町(2017年6月23日マクロスイター36㎜F1.4が水を得た魚のように)1 秘訣

目下面白い実験というか、調教というか、をやっています。

何度も書いていますが、私は楽器を4種類楽しんでいます。
どれもろくに弾けない初心者クラスですが、
揚琴で一つ発見しました。

深さ40センチ、幅80センチほどの広さに位置する4オクターブ少しの音を、
瞬時に琴竹と呼ばれるスティックの先端を飛ばして、
お目当ての音の位置に、ピンポイントに当てなければなりません。
おずおずとやっていては、身体に覚えてもらうことができません。
そこで、当たろうが当たるまいが平気で、バンバンと叩きまくる、
そんな練習方法を自分で考案したのです。

かなり効果的でした。
スティックで叩くことが怖くなくなったのでしょうか?
そこで、同じことを二胡、リコーダー、ハーモニカでやっています。
思いっきり音を出す、乱暴なくらい豪快に、
そして、音が外れても平気。
どの楽器でも、かなり効果的です。
やっぱり、音を出すことが怖くなくなる。

今日は、ハーモニカでそれをやりました。
明日がリコーダーとギターの演歌合奏の会。
中島みゆきさんの「時代」をやることにしましたが、リコーダーの音域外。
そこで、ハーモニカでやることにしたのです。
さて、どのハーモニカが演歌に合うか?
ここでも、「ぶっちぎりサウンド」で練習してみました。
結局、一番ダイナミックサウンドを出してくれる鈴木SCX-48、
これに決めました。

このとき、はっと気づいたのです。
私が各種のレンズを持ち出して、その持ち味を楽しむとき、
楽器と同じことをやっているんだ!
同じ撮り方、同じ場所で、
まさに無反省にガンガン同じ写真を撮りまくっているのは、
「ぶっちぎりサウンド」で練習してるのと同じだったのだ。
写真的効果、作品作りなんか完全に無縁。
どうせ誰も見ないんだから、気にしてどうする?
ひたすら開放でどう撮れるか、これだけに関心集中。
別に写真家志望でもないレンズ好きの私には、
唯一無二の撮り方です。
まあ、ご覧下さい。




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by Sha-Sindbad | 2017-07-18 23:36 | MacroSwitar36/1.4 | Comments(0)

1831 西大寺(2017年6月5日エルマー35㎜F3.5が久しぶりに繰り出した)5


歴史は螺旋状に進んでいくものかも知れません。

私の写真史がそうでした。
モノクロームの現像引き伸ばしを始めた頃、
私のコンタックスレンズとローデンシュトックの引き伸ばしレンズ、
ロダゴン50㎜のコンビは、
どうもベテランたちのニコンレンズとニコンの引き伸ばしレンズ、
ニッコール50㎜のコンビに敵わないなあ、と感じていました。
ニコンレンズの写真は白と黒がピンと聞いていて、切れ味抜群。
一方、ツァイスの写真はどうも精密感と迫力に欠ける感じ。

でも、クラブで引き伸ばし練習会を開いて、目も開きました。
葉先に大きく膨らんだ水玉のクローズアップ写真。
ニッコールで伸ばすと、水玉は白と黒の二値の幾何学模様。
ロダゴンで伸ばすと、白から陰の黒までなだらかなグラデーションで、
水玉がこんもりと葉先に盛り上がりました。
そうか!
ニコンは精密に撮ってくれるのではなくて、
視角を驚かせるような抽象化、強調化でアクセントを作りだしている。
ドイツの引き伸ばしレンズであるロダゴンは、もっと地味、実直に、
ものの形が作り出すグラデーションを丁寧に再現しようとしている。
それ以来、私はドイツ系、クラシック系のおとなしい表現一筋。

ところが、現代では、各社のレンズは畳一枚ほども軽く伸ばせるような、
超精密グラデーション路線をまっしぐらに突き進み、
iPhoneの超小型レンズでさえ、クラシックレンズに優る描写力。
私の使うクラシックレンズの方がはるかに雑な描写。

ところが、ここでまた、私には、過ぎたるは及ばざるが如しですね。
皆さん、お喜びのようです。
でも、私の目は現代レンズの超精密描写に追っ付かないようです。
私はギョギョッと目を白黒させるばかり。

この超精密描写、超繊細グラデーション描写って、
肉眼を超えているんじゃない?
私には気持ちが悪いんだけどなあ.........................

孫の家でテレビがドラマを放映しています。
登場人物たちの肌にはシミ一つありません。
当然です。
画像処理で、消されているのですから。
ネットのコマーシャルで、
×××を使って、大スターの○○さんのような美肌に!
○○さんの写真はもちろんシミどころか、なにもない。
ガラス細工のように、つるつる。
当然です。
画像処理で、消されているのですから。
私には気味が悪いだけなんだけどなあ....................
やっぱり、歴史は螺旋状に進んでいくようです。

私には、エルマーのような古いレンズの味が好きですねえ。
もちろんソニーα7で撮っているのですから、
かなり現代的に超精密、超繊細グラデーションになっています。
それでも、まだ、レンズの古い味わいを残してくれています。
ありがたい!





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by Sha-Sindbad | 2017-07-10 19:42 | Elmar35mmF3.5 | Comments(0)