レンズ千夜一夜

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304 美はどこにでもある (Som BerthiotのTele.Objectif75mmF2.3は掘り出し物だった!)


先日のスーパーシックス25mmF1.9、
これは掘り出し物でした。
思いもかけない廉価で、思いもかけない銘玉。
これで打ち止めにしようと考えたのです。

でも、10日前、魔が差したのでしょう、
オークションサイトをのぞいてみました。
開くと、ご親切なことですねえ、
私が欲しそうなレンズが8個ばかりの窓に陳列されていました。

その中に、Som BerthiotのCマウントレンズが1本ありました。

    Tele.Objectif75mmF2.3

聞いたこともない名前。
でも、なにか心にひっかかるものを感じました。
最低売却価格が信じられないほどに、捨て値なのに、
誰もビットしていなかったのです。
そして、形が美しい。

頁を開いてみますと、なるほど、なんだかボロボロ。
レンズにはやや難ありのようです。
誰もビットしていないのも納得。
でも、なにか心に感じるものがありました。
ものは試しです。
その最低売却価格でビットしてみました。
誰も応戦せず、あっけなく落札。

1週間で届きました。
驚きました。
とても美しいレンズなのです。

たしかに使い古しです。
でも、ちゃんと作動します。
長年誰かが愛用してきたことがうかがわれます。
1.5cmばかりのフードも付いて、遮光は完璧。

ソニーNEX-5Aで、実効112.5㎜のフルフレーム。
とても可愛い長焦点レンズ。
今日出勤に使ってみました。
106枚撮って、全部、驚き!
文句なしの画像が並びました。
3枚、サンプルを上げてみましょう。
1、3枚目が開放、2枚目はF5です。



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2枚目がもちろん一番のお気に入り。
直交する筋の旧家の屋根と空を撮っていました。
撮り終えて道路に目を落とすと、美女が通り過ぎました。
急ぎ足3歩追随して、その筋に出ました。
美女は長い脚ですっすっと歩を進め、どんどん遠ざかってしまいます。
レンズ操作のヒマなどありません。
屋根に合わせていたレンズを何も触らず、
美女の方に向けて、一枚シャッターを切りました。
(晴天では、ソニーNEX-5Aの液晶はまるで見えない!)
幸運でした。
ドンピシャリのピント。

近ごろ、女性はほんとうにスタイルがよく、
また、美しく歩くようになりましたね。
しかもとても美しい横顔の女性でした。

このレンズ、Som Berthiotの名をはずかしめない逸品ですね。


[後書き]
4枚目をつけ加えました。
F5に絞った画像。
これはかなり魔術的、そんな風に思えるので。



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by Sha-sindbad | 2012-04-17 19:18 | Tele.Objectif75/2.3 | Comments(6)

285 自転車 (バルター50mmf2.3はパンタッカーと双璧対極の開放美人)



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映画用レンズとスチール写真用レンズと、
この2種類のレンズの作り方、性能には違いがあるのでしょうか?

幾人かの方から、映画用レンズは、
スクリーンに投影してもなおシャープな画像を作り出すため、
それだけ高性能を要求されたと聞きました。

でも、どんな場合でもそうですが、
特化された性能は、別のシーンでは逆効果となりかねません。

なるほどスチール写真用レンズを映画に使ったという話はあまり聞きません。
映画用レンズに要求される水準を満たしていないのかも知れません。

でも、スチール写真は、昔の引き伸ばしで言えば、
せいぜい全全倍に伸ばせれば、十分だったのですから、
むしろ繊細微妙な味わいを求める方向では、
映画用レンズを超えているのかも知れません。

このあたりのことはまるで無知なので、
これは単なる頭の遊び。

近ごろ、映画用レンズを多用して感じることは、
まるで区別が付かないということです。
優れたレンズとなれば、ライカで使う限り、
映画用、スチール用などとことさら意識する必要はなさそうです。

ボシュロムのバルター50mmf2.3
確かに開放から強烈なる高解像レンズ。
平面を撮る限り、周辺まで像が崩れません。
立体感も色彩も文句なし。

でも、優等生的な仕事はしてほしくありませんね。
だから、パンタッカー50mmF2.3と同じ土俵に上っていただきましょう。

     -2まで切り詰めて、なにが起こるか?

無茶な使い方です。
でも、バルターは余裕綽々です。
キリリと像を結んでいるのに、
あたたかなふくらみを感じるのか、私だけでしょうか?
by Sha-sindbad | 2012-03-29 21:34 | Baltar50/2.3 | Comments(0)

276 はにかみ (アンジェニュー25mmF0.95はぼくを驚かせる)



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開放値が0.95って、一体どういう意味なのでしょうか?
肉眼よりも暗いところがよく見えるということなのでしょうか?

一私人の手に入るレンズとしては、一番明るいようですね。
おかげで、少々の暗さはものともしません。

レストランの外に置かれたカップルの陶器人形。
少女のはにかみは大きな帽子に隠れて、よく見えない。
でも、オリンパスE-PL1をぐっと地面近くに下げて、
アンジェニュー25mmF0.95で撮ると、
そのはにかみがしっかりと写し出されました。

近接でもあり、深度は極めて浅く、ペアピンのはず。
近い左目に合わせました。
でも、両目に来ている感じさえします。
そして、その前後の形がよく出て、
とても立体感と厚みのある描写になっています。
無理、誇張がまるでありません。

コンタックスRTSⅡに付けたプラナー85mmf1.4だと、
こんなに接近して、開放でピントを合わせるのは、
少なくとも私にとっては不可能でした。
でも、このレンズなら楽々。

ただし、そんな風に言っても、やはり深度は極度に浅いので、
どこにピントを合わせるかが勝負所となります。
ここだけはきちのと見せたい、それがフォーカスポイント。
ポートレートの場合は、近い方の目が鉄則ですが、
そこはそれ、自分の撮影意図によって、さまざまでしょう。
私は、なんの撮影意図もありませんので、
鉄則に従いました。

結果は、私には驚き。

このレンズ、フォーカシングリングがかなり重い感じ。

    カメラ修理屋の気まぐれ雑記帳
        (http://blogs.yahoo.co.jp/gatapasya/62182963.html)
    によりますと、ヘリコイドのガタを無くすために、
    ヘリコイドをいつも押しておくスプリングが入っているとのこと。

ヘリコイドは前後に動きません。
内部で、レンズ群が前後に移動する、インナーフォーカス。
私にとっては、どちらに回すと近接なのか、
これがなかなか記憶できません。
レンズの長さが変わらないのは、慣れると便利でしょう。
要するに、慣れなさいということでしょうね。

    いいでしょう、慣れましょ!
    それだけの値打ちのあるレンズなのですから。
by Sha-sindbad | 2012-03-21 00:52 | Comments(4)

270 ルネサンス (アストロ・ベルリンのパンタッカー50mmF2.3の開放は味わい深く)



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ちょっと不思議なことがあります。

以前、銀塩ライカでこのレンズを使ったとき、
たいていの場合、かなり激しくけられました。
当時は、周辺の暴れ、ボケなどとんでもないと考えていたので、
これにはがっかりでした。

    ところが、ライカM9で撮ると、まるでけられない!

ライカM9、銀塩のフォーマットよりもちょっと狭いようです。
そう考えないと、理屈があいません。

理由がなんであれ、
四隅にダークコーナーがないのはやはり気持がいいですね。
ライカを使うとなると、このあたりの許容度が、
Cマウントレンズのときよりも狭くなるのは、
長年の習慣からでしょうか?

このレンズ、開放でも、被写界深度が深く見えます。
というよりも、おかしな具合に合焦している感じですね。
右下隅のこけしと中央のデッサンに合って、
その中間のこけしがぼけている。
このこけし、右側のこけしよりも前にあるのでしょうか?
なんだか訳が分かりませんが、
ちょっと面白い効果を出してくれました。
by Sha-sindbad | 2012-03-16 00:41 | PanTachar50/2.3 | Comments(0)

266 花 (アストロ・ベルリンのパンタッカー50mmF2.3は夢だった!)



アストロ・ベルリン
パンタッカー50mmF2.3

長い間、私の夢見るレンズでした。
でも、手に入らない。
見つからなかったのです。

でも、この度、友人から譲っていただくことができました。
どうして、これが夢見るレンズなのか?
言葉はいりません。
まあ、ご覧ください。



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by Sha-sindbad | 2012-03-11 22:52 | PanTachar50/2.3 | Comments(8)

223 お能人形 (アンジェニュー25mmF1.4はきっと優れたシネレンズ)

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今から10年以上前のことです。
ある写真家に写真を見ていただいたことがあります。
高名な写真家です。
とてもあたたかい方で、真剣に写真をご覧になります。
2度ごらん頂いたのですが、
いつも熱情溢れたご批評を頂くことができました。

写真が本当にお好きなのです。
その方がこうおっしゃっいました、

    「コンセプトを持たない写真家は、
     コンセプトをもって撮る写真家に到底かなわない」

私が写真をあきらめたのは、この瞬間だったかも知れません。

    きっと人生を賭けたいほどのコンセプトなんか、
    ちらっとも思いつかなかったせいでしょう。
    そんな退屈なこと、したくない!
    脳天気に、極楽至極に、その日その場で撮りたいものを撮る、
    それが人にどう印象を与えるかなんか、気にしていられるか、
    自分が、心から楽しめたら、それでいいじゃないか!

私の気持ちはそうでした。

それからは背伸びをするのはやめました。
人に評価してもらうことに意味を感じなくなったのもこの時から。
だから、今回のような写真が撮れるようになったのです。

写真を撮るとき、自分の気持ちしか考えない。
自分のためにしか、写真を撮らない。
とても気楽です。

そんな私の気持ちに沿った写真をちゃんと撮ってくれる、
それが、私にとっての名レンズ。

そんな風に考えると、
アンジェニュー25mmF1.4は大変な銘玉。

ホロゴン15mmF8と同じように、
私が撮りたいと思ったイメージよりも、
はるかに素敵なイメージをプレゼントしてくれます。

私の写真だとは思いません。

    レンズの賜物。

これを素直にレンズのものと認められるようになったのも、
自分が写真作品を撮るスタンスから訣別したから。
by Sha-sindbad | 2012-01-31 02:04 | Anjeniueux25/1.4 | Comments(4)

192  植木鉢 (アストロ・ベルリンのパンタッカー35mmf1.8はやさしさが魅力)



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アストロ・ベルリンの映画用レンズは、
パンタッカーだけでも、いくつもの系列があるようです。

   f2.3、f2、f1.8

f2は使ったことがありません。
大変高価でレアのようで、使う可能性もなさそうです。
一番廉価はf2.3シリーズは、
50、75、125㎜の3本しか使ったことがありませんが、
とても素晴らしいレンズたちです。
40㎜を、例の通り、超廉価で手に入れていますので、
また宮崎さんにMマウントに改造していただきます。

その宮崎さんから教えられました、

   f1.8のパンタッカーはとても面白いですよ。

この言葉が引き金になって、手に入れたのが、これ、

   パンタッカー35mmf1.8

使ってみると、宮崎さんのお言葉どおり、実に面白い。

開放描写が、私の使ったレンズではとびきり柔和なのです。
ピントがとても甘いし、コントラストもとても低いうえ、
フレアがあるので、

簡単に言えば、ボケレンズなのかも知れません。
でも、それだけではない、なにかがあります。

   かぐわしいオーラのようなたたずまい。

外観はまるで冴えないけれど、
付き合えば付き合うほどに、魅力を感じる、
そんな人が居ますね。

このレンズもそんな奥ゆかしさがあって、
これから長いお付き合いをお願いしたいレンズ。
by Sha-sindbad | 2011-12-30 12:21 | PanTachar35/1.8 | Comments(0)

161  活け花 (オリオン15-28mmF6はなんだか分からないけど名玉)



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35㎜判の28㎜レンズには名レンズが揃っています。

    各世代のエルマリート28mmF2.8
    ズマロン28mmF5.6
    アンジェニュー28㎜f2.5
    WニッコールC28㎜F3.5
    ミノルタの各種ロッコール28㎜
    コンタックスの各種ディスタゴン28㎜
    もちろんGR28㎜も。
    まだ見ぬ名レンズとしては、Som BerthiotのAngulor。
    
でも、オリオン15-28mmF6を上記の名玉たちと同格と見る人、
いるでしょうか?

でも、使ってみると、そして今回の写真を見ていますと、
なんだか分からないけど、
そうなんじゃないかな、という気がしてきます。
by Sha-sindbad | 2011-11-28 23:02 | Orion28/6 | Comments(0)

160  ブランコ (ビオゴン35mmF2.8はいかにもツァイスの名玉)



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ビオゴンという名前は、一種のカリスマ性を帯びている、
そんな風に感じるのは、私だけでしょうか?

そんなメッセージの発信源は、もちろん、
ハッセルブラッドSWCに付いた38㎜と、
レンジファインダー・コンタックスの名玉21㎜のおかげでしょう。

でも、このオールドコンタックスには、35㎜が、
戦前、戦後に2バージョンも供給されました。
1機種のカメラに同一レンズを独立に2度出した例を、
あなたはご存知ですか?
あまりないことですね。
それだけツァイスが力を入れたレンズ、ということでしょうか?

このレンズだって、カリスマ性に欠けるものではありません。
戦前の35㎜の方が優れているという意見が優勢のようです。
残念ながら、戦前ビオゴンはレアで高価なので、
これにお目にかかることはなさそう。

開放以外は、カミソリのような鋭利な写りです。
今日はお天気がよくて、開放はほんの数回。
あとは、f4からf8の間で撮っていました。
ご覧の作例はf8。
やっぱりカミソリ描写。

これがビオゴン35mmF2.8の特質なのだ、
そう納得することにしました。
使わないでおくには、あまりにも惜しいレンズなのですから。
by Sha-sindbad | 2011-11-27 23:49 | Biogon35/2.8 | Comments(2)

156 紅葉 (ワイドアングルスピード・アナスティグマート15mmF1.5はシックなレンズ)



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今日、天王寺から堺市まで通じる阪堺線にしばらく乗りました。
オリンパスE-PL1にスピード・アナスティグマート25mmF1.5を付けて、
首からぶら下げて、つり革につかまっていました。
完全に見せびらかしの構図ですが、
いつどんなものが撮りたくなるか、予測がつかないので、
臨戦態勢を布いていたのです。

前に座った年輩のカップルがぶつぶつつぶやいています。

「これ、銀塩かな、デジタルかな。
かっこいいじゃないか!」

思わず、私も応じてしまいました、
「デジタルカメラですよ。
オリンパスです」

「ああ、今問題になっている、あの......」
「そう、あのオリンパスです」

「でも、絞りが見えたんですが......」
よいところに気づいていただきました、
「レンズは16㎜映画用レンズなんですよ」
と、まあ、天王寺終点まで話が弾みました。

そこで、スピード・アナスティグマートの作例と来るのが自然ですが、
不自然なのがとっても好きな人間です、
ここは、その弟分のワイドアングル君に登場してもらいましょう。

目測式で撮っているので、大幅に後ピンとなりました。
でも、イギリスのレンズらしく、
とってもシックではありませんか?
by Sha-sindbad | 2011-11-23 18:44 | Sp.Anastigmat15/1.5 | Comments(2)