レンズ千夜一夜

タグ:奈良春日大社 ( 3 ) タグの人気記事

1761 号外3(フローライトアポクロマート135㎜F2.4をライカM9で使ってみた)



3月19日日曜日、
ライカM9にフローライトアポクロマート135mmF2.4を付けて、
白毫寺町、高畑町、ささやきの小道、春日大社を北上しました。

我が家を出て、十数歩で、これは大変なことになったとちょっと後悔しました。
ライカM9のファインダーにも135mmの枠があります。
ちょっと大げさに言えば、極小。
フローライトは115mmまで接近できます。
ところが、ライカM9の基線長って、ライカMシリーズの最低じゃないでしょうか?
ピントがなかなか来ない!
収穫は500枚を超しましたが、かなりのロスが出たはず。
でも、しっかりピントの来たものはなかなかすてきな画像です。

今回の試写は宮崎貞安さんからこう頼まれたからです、
「試写結果はほとんど最短近くの接近写真ばかりなので、
中距離でも描写力をチェックしたいので、
そのあたりで撮ってもらえませんか?」
私のロボグラフィはせいぜい3mあたりが最遠。
135mmのユーザーの多くは風景写真家でしょうから、
たしかにこれではレンズ試写にはなりませんね。

そこで、
「じゃ、ライカM9に付けて撮りますよ」
とは、大きく出たものです。

午前10時から午後4時半まで休み休みですが、この難業。
それじゃ、目も腕もくたくたに疲れきっただろう?
と、案じていただく向きもあろうかと思いますが、
と言う言葉のは、完全にレトリック、
誰も来ないブログで、案じるも案じないもあるわけがありません。
私としてはしっかり記録しておきたい!
ぜーんぜん、疲れなかった!
水素吸引のおかげで、疲れず、疲れがたまらず、疲れが翌日に持ち越すこともありません。
私は昔の私ではないのです。

夜、500枚少しの収穫をマックに収納し、
ざっとチェックしました。
5mあたりの中距離を撮ろうと思いつつ、
かなり至近距離が混じっています。
もちろん全部開放(絞りレバーがないので、絞り込めないのですから、当然)。

ロボグラフィばかりマックの画面上で開いてみました。
これは号外No.3が必要だな、そう直感しました。
以前からそう感じているのですが、
画像の確かさはソニーα7よりもライカM9の方が上。

完全にランダムに開いたものたちですが、
これも一つの縁。
さらっと並べて、ごらん頂きましょう。



b0226423_10582347.jpg
b0226423_10581715.jpg
b0226423_10581126.jpg
b0226423_1058371.jpg
b0226423_10575663.jpg
b0226423_10575040.jpg
b0226423_10574379.jpg
b0226423_10573760.jpg
b0226423_10573090.jpg
b0226423_10572393.jpg
b0226423_10571743.jpg
b0226423_1057579.jpg
b0226423_1111829.jpg
b0226423_1102167.jpg
b0226423_11014100.jpg






[後書き]
並べてみて、笑ってしまいました。
中距離での試写に行ったのに、
ほとんど全部最短撮影距離近くのロボグラフィ。
それにしても、雰囲気よく撮れるレンズです。
by Sha-Sindbad | 2017-03-21 12:02 | Fl.Apochromat135/2.4 | Comments(2)

287 神官 (プリモプラン50mmF1.9は爽やかで重厚な描写)



b0226423_145228.jpg




ジオグラフィックさんからお借りしたMマウントレンズの2本目が、

    プリモプラン50mmF1.9

いかにもフーゴ・メイヤーらしい美しい形状、
堅固かつ緊密感に満ちた筐体、
ずっしりと来る重さ、
これらが相まって、まさに超高級レンズのたたずまい。

春日大社の脇道を神主さんの行列が上ってきて、
回廊づたいに本殿に向かいました。
その最後尾の若い神官を背後から撮りました。

2本向こうの柱の影にお一人、カメラを構えて、
まさに待ち伏せのスタイル。
下からあおって、臨場感溢れる動きを狙っているのでしょう。
きっとよい写真が撮れたことと思います。
これがまさにカメラマンスタイルですね。
自分の意図通りの写真を撮ろうと、狙い定める!

私は素人スタイルで、
近づいたから撮り、
通り過ぎたから撮るだけ。
ろくな写真になりませんね。

ただし、1つだけ、幸運でした。
レンズの距離指標でとっさに2メートルに合わせて、
目分量で撮ったのですが、ほぼ合焦してくれたようですね。

こうして使ってみて、分かりました。

    写りまで高級感が溢れています。
    紗に透けて見える薄い青のハーフトーン、
    柱のずしりと沈んだ朱の深さ、
    どっしりした色彩描写もなかなかのものがあります。

    キノプラズマートよりはかなりシャープネスの高い、
    清澄な描写ですね。

ぼんやり思い出しました、
なんかプリモプランというレンズ、もっていたぞ。

    プリモプラン58mmF1.9

M42マウントのMeyer Opticのレンズ。
50㎜はおそらく戦前、58㎜は間違いなく戦後のレンズ。
まるでなにもかも違うレンズなのでしょう。

でも、ご先祖レンズに出会ったのも、なにかの縁です。
いつか宮崎さんにお願いして、
Mマウントに改造していただき、使うことにいたしましょう。

もしかすると、プリモプラン50mmF1.9の味わいの残り香を
いくばくなりとも感じさせてくれるかもしれませんから。
by Sha-Sindbad | 2012-04-01 14:55 | Primoplan50/1.9 | Comments(4)

282 列柱 (キノプラズマート50mmf1.5は正真正銘の蜃気楼レンズ)



中国の富裕層がクラシックカメラ趣味を持ったことで、
衰亡寸前にあった世界のクラシックカメラ店が息を吹き返しました。
そればかりか、クラシックレンズは信じがたい価格高騰の波。
つまり、日本のクラシックレンズファンにとって、
逆風が激しく吹き上げているご時世。

中国のバイヤーが日本に来て、ごっそり稀少レンズを買いあさり、
これを自国の富裕層に利益を上乗せして売る。
それでも、中国の富裕層は、稀少レンズなので平気で買い上げる。
世界のクラシックレンズの価格をかさ上げする結果につながります。

以前はもっとリーズナブルな価格で売られていたキノプラズマートも、
先般、信じがたい価格で落札されたとのこと。
つまり、35㎜用キノプラズマートは夢まぼろしと化したのです。

そんな夢幻レンズをジオグラフィックさんからお借りして撮りました。
でも、私の耳はマクロプラズマートと聞こえたので、
刻印も確かめずに、75㎜とばかり思い間違って、
ごく平静に11枚だけ撮ってお返ししました。
フード付きだと50㎜とは思えないほど、長いレンズだったからです。

そうと知っていたら、一日中必死でキノプラズマートにしがみついて、
撮って撮って撮りまくったのに............................

しかも、その内3枚は暗い燈籠を撮り、
残りは全部春日大社の赤い列柱を撮っただけ。
ボケ味も、切れ味も定かではない写真だけが残りました。
不幸中の幸いは、開放で撮ったこと。



b0226423_0334459.jpg




今回の写真がキノプラズマートの性能、持ち味を、
5%も出しているとは思えません。

しかし、なんというどっしりとした描写でしょう!
ツァイスのコンタレックスレンズの軟調バージョン、
いや、どこにもない独特の重みを持つレンズ、
そう言いたくなるほどに重厚で、
しかも夢幻的。

ますます思いを強めます、

   キノプラズマートは、私の人生に、
   蜃気楼のように来て、
   蜃気楼のように去っていった。



 
by Sha-sindbad | 2012-03-26 00:37 | Kinoplasmat50/1.5 | Comments(2)