レンズ千夜一夜

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1741 異貌の人 (いつどこで出会ってどのレンズで撮ったものやら)


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多忙を極めた先週を乗り越えたら、1年ぶりに風邪の症状。
日曜は撮影に出ず、月曜は陳少林先生の揚琴伴奏レッスンをお休み、
今日、ようやくかなり回復しました。

朝、このブログの写真を用意しようとしました。
画面上に1枚だけ写真が残っていました。
それがこれ。

とりあえず、ブログ掲載用に作り替えました。
なぜ、そこにあるのか、私には記憶がありません。
でも、まだどこにも掲載していないことは確か。
近頃の撮影分で本ブログ用と思われるフォルダを順次点検しましたが、
見付からず。
元写真は画面から消してしまったので、写真番号から検索もできず。
謎の写真となってしまいました。

でも、棄ててしまうのは惜しい。
私のロボグラフィの一つの極点とさえ言いたい肖像画なのですから。
我が家から西に下りた街道のバス停までのどこか。
雨の日だったのです。
そんなときだけ浮かび上がる幻のミステリアスビューティー。
私もまたこの美人に出会う心のゆとりがあったのでしょう。
二度と出会えるか?

ロボグラフィにだって出会いがあるのですね。
by Sha-Sindbad | 2017-02-21 12:16 | miscellaneous | Comments(0)

1734 バス停まで(パンタッカー50㎜F2.3が久しぶりに貫禄の登場)



いつもバス停までの道すがら、私の撮影は始まります。

本ブログにバス停までのロボグラフィを何度アップしたでしょうか?
幾度か私のブログに付き合った方はすでに飽き飽きでしょう。
なんで、こんなに一緒のものを何度も何度も撮るの?

そこで、前回の続きになります。
人の反応、人の賞賛を写真の一つの支えとしている人は、
次第に消耗してしまうようです。
私は、人の反応、人の賞賛など、写真の支えにしていません。
たいていの写真家には、
傑作写真は自我の拡張、確認、確立、完成なのでしょう。
私にとって、私の愛しのレンズの能力の確認であり賛美であり、
その意味での私の喜びですが、それ以上のものではありません。
だから、写真が長続きしています。

同じものだって、いくらでも、何度でも撮ります。
別のレンズで撮れば、別の顔が、別の喜びが見えてくるからです。
となると、私は飽きるはずがないわけです。
私にマンネリは無縁なので、写真へのエネルギーが枯渇しません。

傑作作品を求める方はいつか才能が尽き、エネルギーが尽きる、
そんな危険を抱えて生きているようです。
写真をやめる方も多いようです。

40何年か、私が写真撮影を愛し続けて、やむことがないのは、
私が妻を愛し続けて、やむことがないのと同じ。
飽きる方がどうかしているんじゃありませんか?





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by Sha-Sindbad | 2017-02-11 22:29 | Pan.Tachar50/2.3 | Comments(0)

1688 バス道(ペンタック38mmF2.9を手にバス道を辿ってみたら?)


私には一つ強みがあります。

もし大震災で家がぶっ壊れて、焼けてしまい、
着の身着のまま放り出されることだってあるかも知れません。
たまたま手近にあったバッグをひっつかんで、戸外に飛び出して、
「やれやれ、妻も家族(猫ですが)も無事だった。
どれ、どんなカメラがバッグに入っているのかな?」
と、のぞいてみて、オリンパスEP-L1にCマウントレンズ一本、
そんな可能性だって十分想定できます。
そんなとき、どんなCマウントレンズでも喜ぶでしょう。
それなりに十分個性的なレンズたちだからです。

そんなとき、
「うん、これがあれば、撮りたいものはなんでも撮れる」
とは考えません。
考えることは、
「うん、これがあれば、撮ってくれた写真を喜ぶことができる!」

すると、どなたか、質問が飛び出しそうですね。
「そのレンズでは撮れない、だけど、撮りたい、
そんな光景に出会ったら、やっぱりがっかりするんじゃない?」
その方は、私のことがお分かりになっていない。
私は、撮影に出かけたとき、レンズにすべてを託します。
そのレンズに撮れない光景など、まったく目に入りません。
入っても、「ああ、撮りたい!」とは考えません。
ないものねだりをせず、あるものを心から楽しむ、
それが私のポリシー。

残されていたレンズが35㎜銀塩カメラ用だと、
事情は違ってしまいそうです。
いくら好きなレンズばかり手元に残していると言っても、
時には、こう感じて、げっそりすることがあります、
「もう少し、私のお好みに撮ってくれたら、どうなんだろね?」
Cマウントレンズとはえらい違いなのです。

チビのCマウントレンズたちって、不思議です。
揃いも揃って、私の心をくすぐる写真を撮ってくれます。
なぜなのか?
私には分かりません。

12月1日、新大阪ではそんなCマウントレンズ中のお気に入りの一本、
ペンタック38mmF2.9をOlympus EP-L1に付けて、
リコーダー練習に持ち出しました。
行きのバスに乗車すべく辿ったバス道の写真と、
JR大阪駅での大和路快速待ちの夜景をごらん頂きましょう。
こんなぼけた描写が私の好みなのです。
つまり、現代デジタルレンズは全部、落第。





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by Sha-Sindbad | 2016-12-11 23:48 | Pentac38/2.9 | Comments(0)

1684 バス道(アポクロマート25mmF2は見たい物を見せてくれるか?)part 2


今日は、奇しくも別ブログ「わが友ホロゴン」と、
同じバス道の共演となりました。
所変われば品変わる、と言いますが、
所変わらねど品変わる、ですね。

わずか200mの道のりで、
ご覧のとおり、代わり映えのしない田舎道。
公道ではありません。
道路に提供された私道です。
この道がなくて、別の形の道があっても、やっぱり撮るでしょう。

でも、一つ条件があります。
宅地造成で作られた道路ではないこと。
宅地造成地の道路は、まさに、所変われば品同じ。

私はこう信じています。
誰も同じ場所で同じものを見るわけではない。
すべてを見る人は居ません。
どんな人間でも、常に選択的に見ています。
機能的視覚、それが人間の目です。
生きるために、なにかをするために必要なものしか見ない。
極端に言えば、ミクロの視覚もないし、マクロの視覚もない。
私たちが見る光景は、限られた用途のための見え方に過ぎません。
私たちが、これが客観だと、習慣的に、生理的に決めた視覚像。

私は、子供の頃から、自分の見たいものを見てきました。
生まれつきのようです。
私の孫プリンスが同じ見方をします。
遺伝的なものらしい。
遺伝してよかったか?
ちょっと心配になりますね。

ちょっと話がそれました。
私だって機能的な見方をします。
でも、リラックスしていると、用途ではなく、
私との関係で、特に私が見たいイメージ、
そんなものをここ彼処に見つけるのが大好きなのです。
そんな習慣を一生続けてきたので、
私がこうしてブログに連綿とアップし続けるロボグラフィ像は、
私の平素の視覚像。

でも、レンズによる偏差値がありそうです。
だから、私が肉眼で感じたイメージに微妙に彩りを加えてくれます。
それがたまらない魅力と感じるレンズもあれば、
余計な差し出口をしおって、許さぬ、そこへ直れ!
と、日本刀を振りかぶりたくなるような結果もあります。
スピードパンクロとかアポクロマートといった名レンズたちは
さすがに私を喜ばせてくれますね。




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by Sha-Sindbad | 2016-12-06 18:11 | Apochromat25/2 | Comments(0)

1684 バス道(アポクロマート25mmF2は見たい物を見せてくれるか?)part 1

妻がどこかの風景コンテストの写真一覧頁を見せてくれました。
「これ、なんなの?
なんでこんなにけばけばしいの?」
私もそう思います。
すべてがデジタル色。

自然にはない色で自然を表現する、これが現代写真。
私のブログだって、似たようなものです。
ちょっとクラシカルなだけ。

でも、ちょっと疑いが頭をかすめます。
私は、デジタル色が自然ではないことを知っています。
でも、風景コンテストの応募者も選者も、
もしかすると、この色しか見えないかも知れない!

私たち夫婦を含む、銀塩時代の人間は、
銀塩フィルムの写真プリントを見ると、
懐かしい、これが本当の色だなあと思います。
でも、デジタル写真で育った人には、
色のくすんだ前時代的に古めかしい、褪せた色、
そう見えるようです。
写真にも、どこかで世代ギャップの溝が深く横たわっているらしい。

どうやら、視覚そのものが変質していくらしい。
もしかすると、世界像そのものも異なるかも知れません。
怖いですね。

キノプティックのレンズは、銀塩フィルムの時代には、
若干鮮鋭すぎ、冷たすぎ、澄みすぎという感じでした。
デジタル写真の感触に少しずつ慣れていくにつれて、
アポクロマートの色が穏やかに感じられるのですから、
おかしなものです。






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by Sha-Sindbad | 2016-12-06 01:04 | Apochromat25/2 | Comments(0)

1682 道すがら(スーパーシックス25mmF1.9は雨模様が似合っているかも)


スーパーシックス25mmF1.9をebayで超廉価で落札できたとき、
私が思ったのは、もしかすると、これはスーパーシックスじゃないのかも?
そうでなきゃ、落札できるわけがない。
撮ってみて、その画像をチェックしてみて、
確信することができました。
確かに手に入れることができたんだ!
そんな証拠写真を並べてみましょう。
カメラはソニーNEX-5。
ご覧下さい。





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by Sha-Sindbad | 2016-11-28 22:35 | SuperSix25/1.9 | Comments(0)

1663 バス停まで(ペラール24mmF4は超小型広角レンズの粋を尽くし)


ウルトラワイドペラール17.8㎜F4.5とアポクアリア28mmF2、
宮崎貞安さんのこの2本のニューレンズの狭間に位置するレンズ、
それがスーパートリプルペラール24mmF4です。
ダイナミックな切れ味が本領のレンズ。

17.8㎜と28mmの登場で、ちょっと負けん気を起こしたらしく、
10月10日、「僕だって連れてってよ」とだだをこねました。

宮崎貞安さんがこのレンズで導入したのが、プレミアムコレクション。
そのプラチナ仕様10本中1本目がこのレンズです。
骨董価値が出てきそうです。
大事にしましょう。
と言いつつ、乱暴な使い方では誰にも負けぬ私が持ち出すのですから、
「大事」な使い方の意味がかなり違いますね。

我が家からバス停までの3分の道程は、ロボグラフィの宝庫。
その全写真をご覧頂きましょう。




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by Sha-Sindbad | 2016-10-15 22:46 | Perar24/4 | Comments(0)

1657 雨のバス道(トリプルアナスチグマート15mmF2.9なら傘差しながら片手で)


ダルメイヤーのCマウントの超パンケーキレンズ、
トリプルアナスチグマート15mmF2.9
私は、その撮れ味の楽しさが共通するということで、
ミニホロゴンと呼んでいるレンズですが、
オリンパスEP-L1に付けると、さりげなさでは抜群。
F8に絞って、パンフォーカスで撮りますから、
雨の日、左手で傘を差しながら、右手一本で自在に撮れます。
もちろんすべてノーファインダー。
バスを降りてから、我が家までの3分、
こんな光景しかないのですから、
私がどんな片田舎に住んでいるか、お分かりでしょう。
でも、私がどんなに幸せか、
そんなことにはお気づきにならないでしょうね。

写真的な面白さ、作品としての品格を求める方は、
せいぜいしっかりとファインダーを見たり、液晶を眺めたりして、
構図を考え、空気感を読んだりして、作品作りをしてください。

レンズからのプレゼントをありがたく頂戴したい、
なぜって、もうかなり長い間、超絶スランプにあえいでいて、
もう溺れるものは藁をも式で、レンズに頼ってみたい、
そうお考えの方なら、
あるいは、自分は創造性十分で、今やカルティエ=ブレッソンを凌いだぞ、
なんて、根も葉もない空想に舞い上がっているあなたなら、
このレンズに頼ってみるのがよさそうですよ。
これまでの自分には思いもつかなかったなあ、
そう実感できる写真が撮れるかも知れませんよ。

こんなレンズを使ってみると、気づきます。
こんなボロレンズに任せた方がずっと素敵な写真が撮れるなんて、
なんだ、自分の感性なんて、自分で思ってるほど大したことないじゃない?
こんな風に、慢心をきれいさっぱりぬぐいさり、謙虚さを学べる、
なんて、素敵じゃありませんか?

書き落としました。
台風一過の日でした。




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by Sha-Sindbad | 2016-10-01 23:09 | Tri.Anastig15/2.9 | Comments(0)

1630 バス停までの200m(スピードパンクロ50㎜F2を持つといつもの光景も異空間に)



スピードパンクロ50㎜F2の魅力って、なんだろう?
中将姫光学さんからお借りしてから幾度も撮って、
考えあぐねてきました。

私はオペラが大好きです。
大学入学してまもなくの頃、
アンドレ・クリュイタンス指揮のカルメンのレコードを手に入れました。
レシタチーヴォではなくて、セリフが飛び交うオペラ・コミック版。
今ではこのバージョンはほとんど使われないようです。
でも、これはこれで土の香りがして、独特の雰囲気だった上に、
いつも屈託のない流麗な音楽作りをするクリュイタンスに魅せられてしまい、
オペラの世界に一歩踏み込んでしまいました。

次に、カルロ・ベルゴンツィ、レナータ・テバルディ、
ジュリエッタ・シミオナートによるヴェルディの「アイーダ」に出会って、
完全にオペラの魅力にノックアウトされて以来、長年愛してきました。

もっとも私が志向のオペラ歌手として不動の地位を確立したのは、
マリア・カラスとジュセッペ・ディ・ステファノの二人でした。
私は20世紀の生んだ最高のコンビ、そう思い、今でも揺るぎません。

ディ・ステファノという稀有の魅惑のヴォイスが本当に輝いたのは、
ソフトなリリックテノールの領域でした。
スターの地位を確立し、ライバルだったデル・モナコや、
その後に出現したフランコ・コレルリに対抗すべく、
強靱なオペラボイスを必要とするドラマチックな役柄に挑戦することで、
彼は最上の武器である、限りなくナチュラルな甘いボイスを失いました。
ロシア征服を企図したナポレオンと同じ失敗を侵したのです。

そこで、本題に入りましょう。
このフランコ・コレルリこそ、スピードパンクロ50㎜F2なのです。
強弱自在の柔軟な響きをもった歌声は、
どこまでも輝きと緊張感に満ちた稀有のヴォイスでした。
このヴォイスに類い希なる美貌と颯爽たる容姿を兼ね備えることで、
彼はある種の領域では無敵の歌手でした。
後年の三大テナーの誰もが彼を凌駕するようなオーラはもっていない、
そう言い切ってもよいほどの歌手でした。
まさに、それがスピードパンクロ50㎜F2につながります。

でも、じゃ、他のテナーたちはまったく対抗できなかったか?
そう問いかけてみますと、回答は明らかに「ノー」ですね。
とりわけ、ディ・ステファノは、マリア・カラスとコンビで、
彼の最も得意とし、彼に最もふさわしかった役柄で、
数々のLP録音を残しています。

偉大な歌手がほぼ等身大の姿で記録に留めることができた、
そんな世界の宝のような録音が幾種類も存在します。
その中でも、この二人のコンビのオペラ録音と肩を並べるのは、
フルトヴェングラーの「トリスタンとイゾルデ」「ワルキューレ」
「ドン・ジョヴァンニ」、
エーリヒ・クライバーの「フィガロの結婚」、
ギョルグ・ショルティのワーグナー「ニーベルンゲンの指輪」連作、
これぐらいではないか、そう思えるほどです。

カラスと肩を並べて歌うディ・ステファノの音楽性を考えますと、
レンズではアストロ・ベルリンのパンタッカー50㎜F2.3がそうだ!
私はそう気づきました。
けっして出しゃばらず、おっとりと落ち着いている、
でも、そのソフトな雰囲気描写が路傍の物たちを限りなく輝かせる。

楽しいですね、
ディ・ステファノを聴くと、これだ、
これこそ私の聴きたい音楽だと心を震わせ、
コレルリを聴くと、わー、こんなにたぎりたつような情熱って、
どこから吹き上げてくるんだろう、と、うっとりしてしまいます。

スピードパンクロ50㎜F2とパンタッカー50㎜F2.3も、まったく同じ。
私にそれぞれに最上、極上の描写をプレゼントしてくれる、
比較を絶した存在なんだ、そんな確信に近頃たどり着いています。

今回は、スピードパンクロ50㎜F2片手に孫の家に向かう途中、
我が家から直近のバス停までの約200mの収穫をごらん頂きます。
こんな凄いレンズを持ちながら、
なんでこんなゴミ箱みたいな道ばたで、
裏ぶれた写真ばっかり撮っているの?
もっとフォトジェニックな写真こそふさわしいレンズなのに?
そう疑問に思う向きもあるでしょう。

それは、いつもお断りしているように、写真的観点からの疑問。
私には完全に的外れのクエッションです。
写真を趣味にしたら、写真作品を撮らなきゃ、という常識なんか、
20年前にはっきりゴミ箱にポイッと捨てちゃいました。
私は、自分の人生の記録を作っているだけ。
どんなところでも、私の心を動かしてくれるなにかに出会える、
それが私の人生を生きるに値してくれる、私はそう信じています。

スピードパンクロ50㎜F2もそんな私を理解してくれています。
彼は「こんなところで、なんで僕が?」なんて決して言いません。
彼は彼なりに最善を尽くしてくれている、私はそう信じます。
写真家なら、同じ場所でももっときらきら輝く写真を撮るでしょう。
私は私の心に映ったままに撮りたい。
私は華麗なパフォーマンスなんか大嫌いな人間です。
1人ひっそりと人生を楽しみたいだけ。
そんな私にスピードパンクロがプレゼントしてくれたのがこれら。
感謝しています。

蛇足ですが、私はレンズにも性別があると考えています。
スピードパンクロ50㎜F2は男性、
パンタッカー50㎜F2.3とスピードパンクロ35㎜F2は女性、
私はそう確信しています。

じゃ、ホロゴンはどうなの?
失礼、ホロゴンに性別はありません。

    ホロゴンは神です!




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by Sha-Sindbad | 2016-08-20 16:18 | SpeedPanchro50/2 | Comments(0)

1629 神社道往還(スーパーアンギュロン21㎜F3.4を散歩に使う贅沢さ)


カリスマとボスの違いはどこにあるのでしょうか?

平原の大地からぬっとそそり立つ孤絶した山岳と、
峰々と肩を並べているものの、頭一つ抜きん出ている主峰との違い、
そんな感じがします。

名レンズがすべてカリスマではありません。
カリスマと呼ばれるにふさわしいレンズは、
人によって違うのも当然でしょう。
しかも、名レンズを軒並み使い倒したという方も極めて少ないはず。
私はとても客観的な評価を下せる資格はありません。

でも、こいつはなんと言ってもカリスマだ、間違いない、
そう核心できるレンズなら、1本、心当たりがあります。
そう、それが、スーパーアンギュロン21㎜F3.4。

そのカリスマたる由縁はスケールの大きな空間表現にあるのですが、
あいにく私はとてもスケールの小さな空間ばかりを撮る人間なので、
スーパーアンギュロンにはもっとも似つかわしくない人間なのでしょう。
でも、使いたい。
まあ、ホロゴンだって我慢して、私と付き合ってくれるのですから、
スーパーアンギュロンにも我慢してもらいましょう。
カリスマのカリスマたる由縁はもう一つあって、
撮る度に、否応なくこう思わせられるからです。

 ああ、このレンズだけなんだ!
 こんな写真をプレゼントしてくれるのは!




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by Sha-Sindbad | 2016-08-19 02:21 | SuperAngulon21/3.4 | Comments(0)