レンズ千夜一夜

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1071 step by ste(クラインビルド・プラズマート7cmf2.7なら時の年輪を描き出してくれる)



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私の大すきな言葉が1つあります。
そのリズミカルな語感も手伝っています。

    step by step

私は自分の生き方を2つの言葉に集約しています。

    決断と持続

    行為に取りかかるときは、瞬時に決断します。
    でも、なにかを実現したいと考えたら、
    一歩一歩、麓から頂上までゆっくりと登ることにしています。
    今できないことも、なにかを積み重ねると、
    いつしかできるようになる、それが私の人生経験。

写真はまさにそのやり方で通してきました。

    それも無理はないのです。
    なにを、どんな風に撮りたいか?
    私には明確な抱負、展望など浮かんでこなかったからです。

    だから、早道を通らず、技術に頼らず、
    ただただ撮ることだけを続けてきました。

そこで、今では自由自在に撮りたい写真が撮れるようになった?

    とんでもない。
    そうではなくて、写真は自分が撮るものじゃないことを知ったのです。
    写真はいつも「賜物」だと分かったのです。

だから、私のブログでは、どんな写真でも、意図して撮ったなどと、
一言も書いたつもりはありません。

    レンズとチャンスが私にプレゼントしてくれた、
    それはまさしく運命の賜物、というのが私の気持。

そんな気持を心にしっかりと定着させるプロセスは、
まさにstep by stepで進んできたのですが、

    このプロセスは、本当に狭い境地に甘んじるようにし向ける、
    つまり、写真の可能性を私から少しずつ少しずつ削っていく、
    そんな下り坂だったように思います。

イギリス映画「冬のライオン」は、
ピーター・オトゥールとキャサリン・ヘプバーン、
この2人の名優が真剣勝負で組み合う稀代の名演でした。
その最高のシーン。

    プランタジネット朝の英主ヘンリー2世に、
    長年不和を続けて来た妻アリエノール・ダキテーヌが、
    束の間の和やかな語らいの中でしみじみとこう言います、

        「愛し合った私たちがなぜこんな風になったのでしょう?」

    ヘンリーは吐き捨てるように、言下にこう答えるのです、

        「step by step」

この言葉には、妻に対するよりはむしろ自分に対する、
激しい後悔、いきどおりが込められているようでした。

    すべての人生、すべての夫婦関係はこんな風にして変遷します。
    よい方に、悪い方に、あるいはどちらでもなく。
    その方向を決めるのは、まさにすべての一瞬一瞬。
    ヘンリーのようにはなりたくないものですね。

自分の写真に関する限り、私は晴れやかに言いたいですね、

    「step by step」

最高の知恵の言葉「汝自身を知れ」を私は実践できたからです。

    この程度しか撮れません、
    でも、それが私の写真。

今回の写真も、そんなstep by stepのなれの果て。

    これを見てなにかを感じるか、感じないかは自由。
    私は大いに感じさせてもらって、ローランドに感謝しています。
    だから、私はこう言いたいですね、

        これを見てなにも感じないようでは、
        あなた、ちゃんと生きてきたの?
by Sha-sindbad | 2014-07-10 22:13 | Plasmat70/2.7 | Comments(2)

916 西大寺走景(クラインビルド・プラズマート7cmf2.7はやっぱり銘玉だった!)



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オーバーホールから上がったローランドI型の試写、
奈良西大寺での撮影分を全部一挙上映と参りましょう。
と言っても、前回の1枚をのぞいて、たった16枚。

13日午後、この日は陳小林先生の奈良教室の新年会でした。

    午後2時半には参りますと先生に約束していたのに、
    西大寺に着いたのは午後2時過ぎ。
    西大寺の境内を突っ切る形で寄り道をして、
    ローランドI型でかろうじて撮れたのが17枚。
    新年会が終わったときにはすでに日は落ちて、
    和歌山からわざわざお出でになった陳小林先生の助手、
    お二人の女性と近鉄西大寺駅までご一緒したので、
    ついに撮影は17枚にとどまりました。

試写して得た結論は2つ。

    ①クラインビルド・プラズマート7cmf2.7の開放は、
     正常な撮影という面では、かなり問題があること。

    ②クラインビルド・プラズマート7cmf2.7の開放は、
     ときに宝石のように美しい描写をプレゼントしてくれること。

超古代レンズであるペッツバールを愛好される中将姫光学さんが、
とても示唆に富んだ言葉を記しておられます。

    「現代の優秀レンズなら
    より先鋭でハイコントラストな絵を作るかも知れませんが、
    わたしにはそれが人工的に感じられて
    好みでないと映るように思われます。」
    (http://zunow.blog51.fc2.com/blog-entry-2863.html#comment)

私もまったく同感です。

    現代の完璧な性能のレンズによる完璧な画像を愛する人なら、
    クラシックレンズなんかまるでゴミのようなものです。
    私は、完璧が好きではないのです。
    完璧な人間を好まないのとまったく同然です。
    さまざまな癖があって、さまざまな性能の欠陥を抱えて、
    なお、香しい味わいを醸しだしてくれるレンズがあります。

私は、そんなレンズに限りない愛情を感じるのです。
このレンズ、まったくフレアがないのですから、
パウル・ルドルフ博士のキノプラズマートとは、
完全に別もののプラズマートなのでしょう。

    でも、この淡い気品には、心がふるえます。
    思わず抱きしめたくなるような、プリンセスの品格、
    そんな風に感じてしまうのは、私という人間の特殊性かも知れません。
    でも、誰一人同意してくれなくても、構いません。

    この不完全さこそ、完全なのだ、
    私の心ははっきりとそう確信しています。
by Sha-sindbad | 2014-01-17 21:18 | Plasmat70/2.7 | Comments(4)

915 祈り(ローランドI型のクラインビルド・プラズマート7cmf2.7が現役に復帰した!)



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13日月曜日は、史上初の連動距離計内蔵カメラ、
ローランドⅠ型を持参して揚琴レッスンに出かけました。

東京浅草のハヤタ・カメララボでオーバーホールをしていただいたのです。
このカメラを手に入れる気に鳴ったのも、ハヤタ・カメララボの記事。
    (http://www.hayatacamera.co.jp/article/photo200412.html)
その記事と作例に心を奪われてしまったのです。

「待てば海路の日和あり」と言いますが、
「欲しけりゃカメラの日和あり」
オンボロですが、私でも思いきってかえる価格のものが見つかりました。

    ボロで手に入れて、オーバーホールで生まれ変わらせる、
    これがクラシックカメラの最上の入手法です。
    ローランドI型も生まれ変わりました。

    ぼろぼろみたいな距離計とファインダー、
    どんなにしてもしっかりとフォーカスできなかったのですが、
    ピッカピッカの透明感溢れるファインダーに生まれ変わり、
    小さなガラスを使った二重像がきりりと決まるようになりました。

フジカラーPro160をセット。

    カメラ背部には、フィルム窓が2個空いています。
    まずカメラ前方を向いて右側の窓に「1」が出るまで、
    カメラ底面のノブを回し続けます。
    ノブがかなり効率の悪い小さい径のようで、
    ぐるぐるどこまでも回し続けて、なんだかこのフィルム、
    背面にコマ数がプリントされていないのでは、
    と真剣に疑うようになった頃にようやく出現します。

    一本など、「1」の字を見逃して、行きすぎてしまいました。

撮影のときは、レンズ外周部のシャッターセットレバーをまず押して、
4分の1周ほど右に離れた位置にあるシャッターをそっと押します。

    このレバーがとても軽いので、
    指がちょっと当たっただけで作動します。
    現に最初の一本目、2枚も損してしまいました。
    ファインダーをのぞきながら、シャッターレバーはどこかと、
    ブラインドでまさぐっている間に落ちてしまったのです。
    その代わり、とても軽いので、シャッターぶれはありません。

私はスクエアサイズの6×6判よりは6×4.5判を好みます。

    ①スクエアサイズはかなり好まれますが、
    構図をしっかりと定めて撮っても、
    たいていの場合、面白味のない写真になるのが落ちです。
    視点が定まらないからです。

    スクエアな人間がたいてい面白くないのと同然です。
        (だから、おまえは面白くないのだ!
        という外野席の声。
        うるさい、当たり前のことを言うんじゃない!)
    私のように、構図無視で撮る人間には、なおさら難しいわけです。

長方形にしただけで、とくに縦位置がそうですが、
見る人の視線が自然にポイントに収斂する傾向が高いようです。
そこで、利点がもう一つ。

    ②4枚多く撮れます。
    スクエアで撮っても、結局、トリミングするのだったら、
    最初から6×4.5判で撮る方がずっとお得。

西大寺の石仏を撮りました。

    心澄ませた祈りの像を見た途端、心が燃え上がりました、
    無理してこのカメラ手に入れてよかった!
by Sha-sindbad | 2014-01-16 11:07 | Plasmat70/2.7 | Comments(4)