レンズ千夜一夜

10  沈思の人々 (ローライのプラナー75mmF3.5は開放が華)



突然ですが、このブログの構成を変更することにしました。

なぜか?

どうも、今のやり方ですと、気分が乗らないのです。

結局、私は、レンズよりも、写真の方を愛しています。
レンズ主体にするよりは、写真主体の方が楽しい。

そこで、2点、変更しました。

1 レンズは、副主題に回しました。
これまでは、製作会社をカテゴリーとしていましたが、
レンズをカテゴリーとすることで、
レンズの描写特性を知りたければ、
カテゴリーで検索できるようにしました。

2 写真を主題とするために、題名を付けることにしました。
そして、私の写真ストックからアトランダムに選び、
一枚または数枚の写真を掲載することにします。
レンズが分からない写真だって、出します。

この2点の変更で、
もっと遊びの要素の強いブログになればよいのですが.....


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その第一弾は、ローライ二眼レフの写真です。

私は、プラナー75mmF3.5付きのローライを選びました。
80㎜よりも、像が締まり、切れ味が鋭く、
そして、なによりも、開放が絶妙の味わいなのですから。
# by Sha-sindbad | 2011-06-24 21:25 | Planar75/3.5 | Comments(1)

9.5 シネ・ヴェロスティグマート25mmf1.5 「4 ヴェロスティグマート25mmf1.5は風格も出してくれる」


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全部開放で撮っています。

いろいろな絞りを試すと、
違った顔を見せてくれるでしょう。
でも、絞って、しっかりとした描写をするのであれば、
35㎜カメラ用レンズで十分。

とにかく柔和に、
しのびやかに、
そして、デモーニッシュに、
出会った光景を映画のシーンに変容してくれる、
そんな撮り方をしたいですね。

そこで、選んだ方法。
ひとまずは、開放一点張りで撮っています。

金網越しの枯れ木を撮りましたが、
金網が消え、
幹は賢者の風格を漂わせてくれました。

これでいいのです。

ヴェロスティグマート25mmf1.5って、
かなりの優れものではありませんか?
# by Sha-sindbad | 2011-06-23 17:49 | CineVelostigmat25/1. | Comments(0)

9.4 シネ・ヴェロスティグマート25mmf1.5 「4 ヴェロスティグマート25mmf1.5はしのびやかに」


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シネレンズを使っていますと、
「風姿花伝」の世阿弥の言葉を感じます。
秘すれば花なり
秘せずば花なるべからず
近ごろのレンズには、これがありません。
とにかくよく写る、みんな写る、どこまで写る。
写れば写るほど、私の心からは遠ざかります。
ヴェロスティグマート25mmf1.5って、とにかく写りません。
霞をかぶったようです。
でも、その茫洋たる画面の中から、
ふんわりと浮かび上がってくるものがあります。
私にはそれが「花」に見えます。
# by Sha-sindbad | 2011-06-22 21:57 | CineVelostigmat25/1. | Comments(0)

9.3 シネ・ヴェロスティグマート25mmf1.5 「3 ヴェロスティグマート25mmf1.5はしっとり系」


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このレンズ、オークションで1万円ちょっとでした。

ことさら入手価格のことを申し上げるのは、
クラシックレンズの場合、価格と値打ちとは必ずしも比例しない、
そう言いたいからです。

もちろん、とくにレンズの場合、
価格が高いものは、名レンズ故の人気のせいでしょう。

でも、クラシックカメラの市場価格というのは、
写真を撮りたいユーザーが作るのではないようです。
ディーラーとコレクターが決める。
その場合、稀少性、話題性、ネームバリューがキーポイントでしょう。

美しい写真が撮れるということは完全ならち外。
これには当然の理由があります。

「美しい写真」とは何か?
人によって、ぜんぜん違うのですから。

とりわけ、私のように、
きたない、きれいの基準が人とずれている人間にはとても好都合。
人が、ちゃんと撮れない駄目レンズと烙印を押しても、
私の写真にはぴったり適合しているかも知れないのですから。

このヴェロスティグマート25mmf1.5というレンズ、
でも、オーソドックスな美の観点から観ても、
かなり美しい開放描写をするレンズなのじゃないでしょうか?

もちろん周囲は暴れていますが、
暴れ方もかなりおとなしく、中央の描写を邪魔していませんね。
今回の写真、私が感じたそのままを描写してくれました。

しっとりとした気持ちで撮りたいときには、
このレンズがよいかも知れませんね。
# by Sha-sindbad | 2011-06-21 20:21 | CineVelostigmat25/1. | Comments(2)

9.2 シネ・ヴェロスティグマート25mmf1.5 「2 ヴェロスティグマート25mmf1.5は空気が撮れる」

シネレンズを使えば、使うほど、分からなくなってきます。

一体、レンズの性能って、なんなのだろう?

友人が1993年12月アサヒカメラ増刊号の対談記事を送ってくれました。

東大の小穴教授、
「私どもの言う理想のレンズとは、
ひとつの平面上の図形が、ひとつの平面に忠実に結ばれるものですね」
つまり、テストチャートを写して、前面が非常によいピントであることが理想。

これに対して、木村伊兵衛が反論します。
「ライカのレンズはチャートになると駄目なんですよ」

小穴教授、
「ですから、いいレンズと言っても、私たちが言う、いいレンズと、
木村さんが女の人を写す場合の、いいレンズとは、違うんです」

でも、そうだとすれば、いいレンズというのは、
撮りたいものをちゃんと撮ってくれるレンズなのですから、
テストチャートとは無関係ではないか、そう思えてきます。

小穴教授は、レンズ作りの立場から反論します、

「あらゆる場合にいい結果を得ようとしたらば、
やはり平面にピントの合うやつでないと、融通が利きません」

でも、木村伊兵衛は、まったく動じないで、有名な言葉を吐きます、

「ライツのレンズは、チャートを移動すれば、今まで崩れていたものが
合ってしまったり、いろんなことをするんです。
立体を撮るには、完全なレンズで撮るよりも、
デッコマ、ヒッコマのあるレンズで撮る方がいいんですよ」

編集員が、例のとおり、取り持ちを買って出て、口をはさみます、
「いい場合もある、って言う訳でしょう?」
木村伊兵衛は、さすが大写真家、ちらっとも揺らぎません、

「そうじゃないんだ。
その方がいいんです。
風景だって、そうです」

なぜか?
小穴教授は、「あらゆる場合にいい結果を得よう」という前提を置きますが、
一本のレンズであらゆる場合にいい結果を得ようなんて考える必要がありますか?
万能のレンズなど、幸せの青い鳥みたいなものです。
無理に探したいと思う人は、探せばよろしい。

でも、特殊な写真を撮る人間にとっては、
ある特殊な状況、特殊な被写体を、他のどのレンズよりも凄く撮ってくれる、
そんなレンズがあれば、それが一番。

自分の撮りたい状況、撮りたい写真をしっかりと見極めて、
それに最高のレンズを探すのが、最善なのです。

シネレンズはまさにそれ。
このヴェロスティグマート25mmf1.5なんて、
テストチャートにかけたら、破壊的な結果でしょう。
でも、それがどうした、そう言いたいですね。
こんな風に撮ってくれるのであれば?


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# by Sha-sindbad | 2011-06-20 14:47 | CineVelostigmat25/1. | Comments(0)

9.1 シネ・ヴェロスティグマート25mmf1.5 「1 ヴェロスティグマート25mmf1.5は柔和」


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ウォーレンザックのシネ・ヴェロスティグマート25mmf1.5。

メイヤーのプリモプラン、キノプラズマートにかなり似たデザインの、
いかにもよく撮れそうなシネレンズです。

1930年代に作られたBolex 16mm用のレンズだったそうです。
とても廉価なレンズでしたが、
触ってみて、驚きました。
とてもしっかりと作られ、持ち重りのするレンズです。

撮ってみて、驚きました。
大口径だけに、レンズも、キノプラズマート風に大きく、クリアー。
そして、開放でも、像が緩むということはありません。

映画用レンズの能力にますます驚いています。



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# by Sha-sindbad | 2011-06-19 20:07 | CineVelostigmat25/1. | Comments(0)

8.7プラナー85mmF1.4 「7 プラナー85mmF1.4に、少年が近づいてきた」-完-


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パキスタンでは、毎日、早起きをして撮影しました。

どこの村だったか、忘れましたが、
道に立っていると、少年が一人、静かに歩いてきました。

これは一種の対決。
私は、少年がこの位置に近づく直前に、
ヘリコイドリングをほぼこの位置に合わせ、
少年がこの位置に来た瞬間、カメラを持ち上げ、
素早くフォーカスして、シャッターを切りました。

一枚だけ。

今の人だったら、連写するでしょうね。
コンタックスRTSⅡにはもちろんモータードライブなど入っていません。
私は、この位置と決めたら、ここで撮る、そう決めています。
当時は、そうしないと写真の感覚が身につかない、と考えていたのです。

人に見せますと、こう言われました、
「もう2、3歩前に来てから撮った方がよかったですよ」
左の木とのバランスから、黄金分割の位置にもってくるべきだった、
そうおっしゃりたかったのでしょうか?

私は、今も当時も、ずっと「日の丸構図」一辺倒。
撮りたいものをまん中に、これをモットーにやってきました。

ですから、そう言われても、
「そうですねえ」とは言いかねたのでした。

やっぱり、自分の撮りたいように、撮りたいですね。



 
# by Sha-sindbad | 2011-06-19 00:11 | Planar85/1.4 | Comments(0)

8.6プラナー85mmF1.4 「6 プラナー85mmF1.4は山を近づける魔法のレンズ」


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1989年は、モノクロームを撮っていた最後の頃です。

当時、かなりの割合で、85㎜と180㎜、
この2本の長焦点レンズを多用していました。

今では、ほとんど使いません。
長い玉もほとんど持っていません。
例外がタンバール90mmF2.2とバルター75mmf2.3でしょうか?

どうしてこんな風に変わってしまったのか?

被写体との距離が変わってしまったのです。
離れれば離れるほど、よそよそしい。
私の当時の写真を見ても、それが分かります。
他人行儀。

もっと生の記憶が欲しい。
被写体の方から近づいてくることなど期待できないのですから、
こちらから近づくより仕方がありません。

なんだか、マホメットのような気分。
山がこちらにこないなら、こちらから山に行こう、
というわけです。
# by Sha-sindbad | 2011-06-17 19:39 | Planar85/1.4 | Comments(0)

8.5プラナー85mmF1.4 「5 プラナー85mmF1.4は使いやすいレンズ」

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近ごろは、ズームレンズが主体となっていて、
撮影者は、自在にズーミングすることでしょうから、
焦点距離はあまり意味がなくなっているかも知れません。

私のように、ズームレンズを一切使わない人間には、
焦点距離は、大げさに言えば、死活の問題。

長焦点で面白い現象があります。
ライカ系は90㎜なのに、ツァイス系は85㎜なのです。

どうして、こんな風に特化されたのか、不思議ですが、
私にとって、この差はとても重要です。
というのは、たった5㎜の違いなのに、使い勝手がまるで違います。

85㎜の方がずっとずっと使いやすい。
切り取りが得意な方なら、別の意見になるでしょう。
私の場合は、囲い込みが好きなので、
たった5㎜の差でも、ぐっと広く撮れる感じがしてしまいます。

ちなみに、二眼レフのローライでも事情は一緒です。

圧倒的に人気が高いのは、プラナー85mmF2.8。
でも、私は圧倒的にプラナー75mmF3.5を支持します。
猛烈に撮りやすいうえ、
開放の味わいがまるっきり違います。
75mmの方の写りの方が、きりりと締まり、きらりと輝くのですから。

でも、私が80㎜を使ったのは、随分昔。
当時は、常に絞って撮っていました。
ひょっとすると、85㎜の方をf3.5に絞ったら、同じ写りかも?
# by Sha-sindbad | 2011-06-16 19:27 | Planar85/1.4 | Comments(4)

8.4プラナー85mmF1.4 「4 プラナー85mmF1.4はpeacefulなレンズなのです」



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昔、日本カメラだったでしょうか?
画質チャートでレンズの特性を表現する方法をとっていました。

年1回、レンズ白書のようなものを発行してくれて、
繰り返し繰り返しチャートを比較吟味したものでした。

おかしなことに、
画質の数値は日本製がドイツ製をはるかに超えていました。
でも、コンタックスレンズはあまり大したことのない数値なのに、
実写は他社のレンズをはるかに凌駕していました。

85㎜にしても、プラナーは、
ニコン、キャノンの同種レンズよりも数値は低く、
シャープネスも劣っているのに、
写真ははるかに上質でした。

フレクトゴン35mmF2.4がそうだったように、
ぜんぜん尖ったところがなく、ナチュラルだったからです。
# by Sha-sindbad | 2011-06-15 20:39 | Planar85/1.4 | Comments(0)

8.3プラナー85mmF1.4 「3 プラナー85mmF1.4は朝の清涼感も撮れるレンズ」

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今、私は一眼レフのファインダーをのぞくことがほとんどありません。

ファインダーをのぞいて、構図をチェックする、
この手順が私の気持ちを削いでしまう、そんな感じがするからです。

心の中に、写真はこんな風に撮られるべきだという規格をもっている限り、
実際には、ファインダーをのぞくか、のぞかないか、など、
問題ではないのに。

捨てるべきは、一眼レフではなく、
心の中にある、この頑固な規格だったのです。

しかし、実際には、なかなか捨てられるものではありませんね。
今でも、まだ陳腐な写真観が私を支配している感じがします。

1989年、パキスタンをキャンプツアーした当時、
私は、そんな規格が自分を縛り付けていることなど、気付かないまま、
幸せにも、プラナーの明るいファインダーイメージに酔いしれていました
# by Sha-sindbad | 2011-06-14 20:14 | Planar85/1.4 | Comments(2)

8.2プラナー85mmF1.4 「2 プラナー85mmF1.4は極上のナンのようなレンズだった」


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20年ばかり前、パキスタンをジープ旅行しました。

バッグの中に、コンタックスレンズが4本。
35、50、85、180。
当時は実に定番のレンズばかり使っていたわけです。

一番沢山使ったのは、プラナー85mmF1.4。
たいてい2.8に絞りました。
開放からf2の描写を私は信用していなかったのです。
でも、f2.8に絞りますと、もう最高でした。

クラシックレンズの使い方として、よく言われることは、
開放から2段絞りなさい。
たいていのレンズ、2段絞ると、
シャープネス、コントラストいずれもベストになるようですね。

今回の写真は、アフガン難民のナン作りの男。

厳しく、悲しみ溢れる表情ですが、
焼きたての30㎝ほどもある円い分厚いナンのお味は最高でした。
カレーもいりません。
ただ、ナンだけで、心の中まであたたかくなるようでした。

思えば、このプラナーも、このナンのようなレンズでした。
# by Sha-sindbad | 2011-06-13 22:33 | Planar85/1.4 | Comments(3)

8.1プラナー85mmF1.4 「1 プラナー85mmF1.4は全天候型なのだ」


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プラナー85mmF1.4。
私にとって、思い出のレンズです。

標準レンズ付きヤシカコンタックスで本格的に写真を始めて、
最初に手に入れた交換レンズ、それがこれだったのです。

直径65㎜もある前玉の美しさにまず魅せられました。
カメラに付けたときのバランスもとてもよく、
ファインダー画像のクリアーさも特筆ものでした。

私が写真を始めたときは、ズームレンズなどほとんどなく、
あっても、性能が格段に落ちる時代。
そんな時代の寵児が、このレンズでした。
林忠彦さんが愛用したことも手伝って、
ポートレートに風景に、これこそ万能と言われて、
かなり沢山の人が使ったようです。

まず、ごらん頂くのは、中国旅行でのスナップ。

杭州の動物園前。
突然襲来した夏の夕立。
私たち一行は土産物店に逃げこみました。
道を隔てた動物園入口付近の人々は、
チケットオフィスのわずかな庇の下にひしめきました。
ぼんやりとした見えないほどの激しい雨でした。
# by Sha-sindbad | 2011-06-12 21:55 | Planar85/1.4 | Comments(2)

7.6フレクトゴン35mmF2.4 「6-完- フレクトゴン35mmF2.4はビビッドなレンズ」


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凡そこの世の完璧なレンズがあるとすれば、
このフレクトゴン35mmF2.4もその1つでしょう。

このレンズがさほど人気がでなかったのは、
東独の廉価版レンズだと思われていたためです。
デザインも、とてもありふれて、とても並の姿なので、
これがどんなによいレンズか、誰も想像しようがありませんでした。

もしこのレンズがズミクロン50mmf2固定鏡胴のような立派な姿だったら?
もしこのレンズが、たとえば、ニコンマウントだったら?
もっともっともてはやされたことでしょう。
# by Sha-sindbad | 2011-06-11 21:37 | Frectgon35/2.4 | Comments(0)

7.5フレクトゴン35mmF2.4 「5 フレクトゴン35mmF2.4はとにかくやさしいレンズ」


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フレクトゴン35mmF2.4は開放値がとても明るいので、
接近しますと、望遠レンズのような効果をだすことができます。

ハノイのイタリアンレストランのウェイターと仲良くなりました。
観光大学を出て、旅行会社に就職口を探したのですが、就職できず、
レストランに勤めています。

ハノイから1時間半ばかりも山間部に入った村に連れて行ってくれました。
私の出会った最悪の路面が幾度も出現する難路でしたが、
小さなバイクで連れて行ってくれました。
ご両親が待っていて、ささやかなご馳走を振る舞ってくれました。

ご両親は、日本のテレビドラマ「おしん」のファンでしたが、
お母さんはおしんのヴェトナム版のように、やさしい人でした。

フレクトゴン35mmF2.4をとっさに開放にしたのですが、
母のやさしさと愛情とを写してくれたでしょうか?
# by Sha-sindbad | 2011-06-10 21:12 | Frectgon35/2.4 | Comments(0)

7.4フレクトゴン35mmF2.4 「4 フレクトゴン35mmF2.4はスナップ最適レンズだった」


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かなり長い間、ペンタックスMEスーパーを常用カメラとしていました。

M42マウントの一眼レフ。
なにしろ超小型で、精密、
ファインダー倍率が高く、明るい。

さまざまなM42マウントレンズを使いましたが、
その中でも、このフレクトゴン35mmF2.4の使い勝手は最高でした。

レンズが明るいので、ピント合わせがとても簡単だったうえ、
写り具合はいつも最高でした。
それなのに、なぜこのレンズを友人に譲ってしまったか?
ホロゴンウルトラワイドに専念するためでした。

フレクトゴン35mmF2.4を使い続ける方が得策だということは
分かっていました。
フレクトゴン35mmF2.4でバリバリとスナップを撮ることができたでしょうから。

でも、私は、自分の写真への取り組み方を完全に捨て去ることに決めたのです。

りっぱな写真、巧い写真、人が驚くような写真を撮るのはやめ!
自分が喜ぶ写真だけを撮ろう!

おかげさまで、人が喜ばない写真、無意味な写真ばかり撮って、
ひっそりとブログに掲載する人生になってしまいましたが、
後悔はしていません。

でも、こうしてフレクトゴン35mmF2.4の写真を久しぶりに見ますと、
失われた可能性も小さくなかったんじゃないか?
なんて、手前味噌、独りよがりの感想を抱いてしまいます。
# by Sha-sindbad | 2011-06-09 21:56 | Frectgon35/2.4 | Comments(2)

7.3フレクトゴン35mmF2.4 「3 フレクトゴン35mmF2.4は女の子だって撮れるのだ」


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この女の子、私の娘(猫ですが)にそっくりなのです。
真っ白で、目がきらきらと光り、愛嬌がある。

この女の子に見入る姿と微笑も、
私が娘に見入るときとそっくり。

お父さん、もう女の子に夢中で、
私が側に立って悠々とシャッターを切ったのに、
まるで気がつきませんでした。

2000年夏、ハノイで撮りました。

フレクトゴン35mmF2.4は、
ホロゴンとがっぷり四つに組んで、
一歩も退かない活躍振りでした。
# by Sha-sindbad | 2011-06-08 21:39 | Frectgon35/2.4 | Comments(0)

7.2フレクトゴン35mmF2.4 「2 フレクトゴン35mmF2.4は中庸の徳を備えたレンズ」


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フレクトゴン35mmF2.4を使っていて、
いつも感じていたこと、それは、

   中庸

孔子がこう述べています、

   中庸の徳たるや、それ至れるかな。
   民すくなきこと久し。

どこにもとがったところがないこと、
過不足がないこと、
それが最高の美徳なのです。

フレクトゴン35mmF2.4を1年でも使い続けてみてください。
中庸というものがどんなものか、レンズを通して実感できるでしょう。

ライカで言えば、ズマロン35mmF3.5がそれです。

この2本のレンズともに、
無理をしないから、不満を感じない。
そんなレンズを使うとき、
カメラは本当の意味での道具となります。
# by Sha-sindbad | 2011-06-08 01:40 | Frectgon35/2.4 | Comments(0)

7.1フレクトゴン35mmF2.4 「1 フレクトゴン35mmF2.4はありふれてるけど、内面美人」


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心やさしい、でもどこか魔的な蠱惑を秘めたレンズの次に登場するのは?
丁度その正反対の性格のレンズでないと、ね。

そう考えると、私にとっては、もうこのレンズしかありません。
東独ツァイスの生んだ傑作レンズ、

フレクトゴン35mmF2.4。

外観は、何でもない普通のレンズ。
ありふれた容姿ですが、
溢れんばかりの愛情とデリカシーに満ちた女性、
そんなたたずまいのレンズがあるとすれば、
このフレクトゴンこそ、それなのです。



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# by Sha-sindbad | 2011-06-07 20:51 | Frectgon35/2.4 | Comments(0)

6.6キノプラズマート 「6 キノプラズマート25mmf1.5bはブルーも似合うようで」


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私が本当に尊敬するカメラマンは、たいてい、
カメラ、レンズをとっかえひっかえなどしません。

ジャコメッティのように、手作りのおんぼろ6×9判で撮り続けた人がそうですね。

カメラ、レンズに心を奪われる度合いだけ、
写真から心が離れていく、そんな感じがします。

私など、ほとんど95%、レンズに心が行ってしまっています。
残りの5%で、撮るものを決めて、撮ってしていますね。

でも、95%の心は幸せいっぱいですし、
残り5%も、どうせ手当たり次第撮るので、気楽そのもの。
つまり、全身全霊で楽しんでいますので、
中の比率なんか、どうでもいいじゃないですか?
# by Sha-sindbad | 2011-06-06 17:07 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

6.5キノプラズマート 「5 キノプラズマート25mmf1.5bは現代女性に通じる写り」

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キノプラズマートというレンズ、
使えば使うほど、凄みを感じます。

開放です。
最近接です。
それなのに、合焦部分に厚み、立体感があります。

女性的ですが、今どきの女性風です。

麗しい、だけど、弱々しくない。
# by Sha-sindbad | 2011-06-05 20:20 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

6.4キノプラズマート 「4 キノプラズマート25mmf1.5bの被写体はやっぱり美女!」


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今日は大阪に出ました。

バッグの中にオリンパスE-PL1を忍ばせておきました。
30分ばかり空き時間を見つけ、JR福島駅裏の路地を撮影しました。

レンズはもちろん、キノプラズマート25mmf1.5b。

すでに西に傾いた、でも夏さながらに輝く太陽が、
東西に走る路地を照射しています。
ほとんどいつも逆光で撮りました。

150枚撮りました。
数枚選んでごらんいただきましょう。

まずは、これから。
キノプラズマートをもったら、やっぱり撮りたいのは、

美女!
# by Sha-sindbad | 2011-06-04 21:10 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

6.3キノプラズマート 「3 キノプラズマート25mmf1.5bは開かれた人間像が似合う?」


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№1と同じ梅の木にぐっと近寄って、下から撮ってみました。

ここでも、f8に絞ってから、次に開放f1.5で撮り比べ。

ますます確信しますね。
人間と一緒。
開放的でないとね!

こんな風に断定しますと、

あちこちから異議があがりそうです、

人間、心のどこかに閉ざされた闇がないと、深みがないよ。

そうでしょう、そうでしょう。
あなた、深いですねえ。

私は、開放一点張り路線で参りましょう。
# by Sha-sindbad | 2011-06-03 18:35 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

6.2キノプラズマート 「2 キノプラズマート25mmf1.5bがあれば、50㎜はいらない!」

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もう一枚、出しておきます。

中将姫光学さんのブログで読みました、
オークションで、キノプラズマート50mmf2(ライカバージョン)が約120万円。

私の25㎜はその10分の1よりも安い。
50mm、きっと素敵に輝く筐体レンズなのでしょう。
こうなると、50㎜、75㎜のようなライカバージョンは絶対に高嶺の花。

その上、レンズもさらにキノプラズマートらしい描写なのでしょう。
というより、次元が違うことでしょう。

でも、私はそれがどんなに凄いか、分からないのです。
分からない幻の描写にはちらっとも心が動きません。

目の前で、25㎜が、
ちゃんと美しい画像をプレゼントしてくれるのですから。
# by Sha-sindbad | 2011-06-02 22:11 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(0)

6.1キノプラズマート 「1 キノプラズマート25mmf1.5bに出会ったが百年目」

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キノプラズマートというレンズ、
ひょっとしたら、稀代の悪女かも知れません。

サムソンをたぶらかした、デリラ?
それとも、
ドン・ホセの人生を狂わせた、カルメン?

カメラマンは沢山いますが、誰もがこのレンズに惚れるわけじゃないでしょう。
とっても癖が強くて、わがままなのですから。

真面目一方の、品行方正な人間だけが、このレンズにひっかかりますね。
たとえば、私。
完全にひっかかりましたね。

30数年間、レンズを開放でなんか使ったことがほとんどない、
完全なるパンフォーカス派の私。
だからこそ、完全に開かれたレンズであるキノプラズマートにクラッと来たのでしょう。

このレンズ、絞ると、なかなか堅実なご婦人に変身するのです。
でも、なんだか、つまらない。
開放にすると、ワッと華開きます。
その差をご覧下さい。


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[後書き]
なお、どのレンズにも色とりどりの円形が張ってあります。
これは、私創案のオートマチック・デバイス。
どのレンズにも貼ってあります。

絞りは、f8赤、f5.6青、f4黄、開放白。
距離は、3m赤、2m青、1.5m黄、1m白、最短が緑。
指標は赤。

歩きながら、赤の指標に、お目当ての絞り、距離の色を合わせます。
こうすると、あっという間に撮れます。
# by Sha-sindbad | 2011-06-02 16:48 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(2)

5.5ラプター51mmf1.5 「5 ラプター51mmf1.5の開放には深みが?」


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ウォーレンザックは映画用レンズの制作会社でした。
ラプターはウォーレンザックの映画用レンズの中核だったようです。

ですから、オシロスコープ用のラプター51mmf1.5にも、
映画用レンズのノウハウが投入されたのは間違いがないところでしょう。

35㎜映画のスクリーンにどれだけ高精度に結像できるネガを作れるか、
それが映画用レンズのポイントだったとすれば、
逆に、オシロスコープ画面の平面をどれだけ精密に記録できるか、
というラプター51mmf1.5に使命は映画用レンズに似ているのですから。

このレンズはさるものです、
路地風景の空気感、風情をなかなか適確に表現しているではありませんか?
# by Sha-sindbad | 2011-06-01 22:06 | Raptar51/1.5 | Comments(2)

5.4ラプター51mmf1.5 「4 ラプター51mmf1.5もやっぱり地味」


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ラプター50mmf1.5は冷色系でした。

前回と今回の写真をご覧になったら、
ラプター51mmf1.5が、50㎜と違って、暖色系であることがお分かりでしょう。

不思議ですね。

たとえば、ライカやツァイスは、
その歴史にわたって、様々なレンズを開発してきましたが、
色再現の統一性を維持するためにかなり苦労してきた感じがします。
モノクロームの時代からカラーの時代に移行しても、
不思議に、両社ともに、かなり共通性が保たれているように思われます。

ところが、ウォーレンザックは、
同じ用途に供する、同じラプターをかなり自由につくっているらしい。

私は、オシロスコープを実際に見たことがありません。
グーグルで検索してみますと、現代のオシロスコープでも、
RGB三色といった単純な色がついているだけのようです。

ですから、高解像度一点張りで開発されていったのでしょうか?
そんなことを考えながら、今回の写真を見ますと、
かなりリアリティの欠如した、かなり地味な色再現のようです。
でも、これがラプターの個性、そう考えれば、
色再現をことさらにあげつらう気持ちはなくなります。

ラプターは、この切れ味こそが持ち味ですね。
そこを見てあげなくちゃ、ね。
# by Sha-sindbad | 2011-05-31 22:39 | Raptar51/1.5 | Comments(2)

5.3ラプター51mmf1.5 「3 ラプター51mmf1.5は流転のレンズだった?」

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もっとも2つの名前のラプターが同じレンズという言葉には大きな幅があります。

Tkさんのラプター50mmf1.5は、異次元と言えるほどに高精細な描写でした。
私のラプター51mmf1.5は、質実剛健でドライ。
このどちらも周辺部まで像はくずれません。

ラプター50mmf1.5は、周辺が暴れ、中心部にエネルギーが集中しています。
 
映画用レンズによくあるようですが、長年にわたり作り続けられて、
名前だけは一緒で、どんどんと改良されたり、変化したりして、
共通点は名前だけというもののようです。
今回の写真、箱のエッジだけにヘアーピン。
ボケ味は悪くないじゃありませんか?
# by Sha-sindbad | 2011-05-30 21:24 | Raptar51/1.5 | Comments(0)

5.2ラプター51mmf1.5 「2 ラプター51mmf1.5は二代目だったらしい」

私は、このラプター51mmf1.5をオークションで手に入れました。
純然たるオークションだったのですが、欲しい人が少なかったようで、
たった320ドルでした。
このレンズの優秀さを考えますと、ちょっと悲しいですね。

その売り手がレンズの由来を書いていました。

「随分前に、このレンズはEG&G社製の特殊カメラに組み込まれて、
ネバダ砂漠実験場のオシロスコープの画面に現れる、
原爆の電磁波の微細な波形を記録するために使われました。
同社が1950年代から70年代にかけて制作した特殊カメラの記録はありませんが、
これらのカメラの数百の取引を通じて得た情報から、
レンズの改良の経過を知ることができました。
最初に使われたのは、この特殊カメラ用に改良された、
ニコン・レンジファインダー用50mmF1.4でした。
どうやらニッコールにはある点で物足りないところがあったようで、
その次に使われたのが、このウォーレンザックのラプター51mmf1.5だったようです。
このウォーレンザックはニッコールと完全に交替し、
改良の余地のなかった同一マウントシステムに使われました。
ウォーレンザックレンズは、ニッコール50mmF1.4レンズと同程度に優秀なのですが、
実際には、もう少し優れています」



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私は、レンジファインダー用ニッコールを使ったことがないので、
売り手の言葉が正しいかどうか分かりません。
でも、このラプター51mmf1.5の立体感、生地を再現する能力はどうでしょうか?
質実剛健のスパルタ人のような描写ですね。

売り手の言葉によれば、このレンズの後に50mmが登場したようですね。
なんで2.04インチなどという半端な数値のレンズを作ったのか、
理由はわかりませんが、
半端な51mmから標準的な50㎜に移行したと考える方が自然に思われます。

ですから、この売り手の言葉どおり、
51㎜の方が先に製造されたのではないでしょうか?

でも、この半端な数値を考えますと、
現行の3%ルールのような考え方で、.04インチ分端折って、
同じレンズが後年50㎜とシンプルに表示されるようになったと解釈できそうですね。
# by Sha-sindbad | 2011-05-29 21:24 | Raptar50/1.5 | Comments(3)

5.1ラプター51mmf1.5 「1 ラプター51mmf1.5は50mmとかなり違うみたい」

当然の成り行きとして、
ラプター50mmf1.5の後には、
ラプター51mmf1.5を紹介させていただきましょう。

50mmの周囲が大ぼけすることに、最初は不満でした。
このレンズを譲ってくださったTKさんのラプターは、
周辺まで見事な画質だったからです。

そこで、ネットで探してみました。

縁ですね。
すぐに見つかりました。

それも奇妙な、2.04インチf1.5。

それがどんな由来のレンズかは次回に譲ることとして、
とりあえず、ごらん頂きましょう。



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# by Sha-sindbad | 2011-05-29 00:02 | Raptar51/1.5 | Comments(0)