レンズ千夜一夜

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1789 奈良町(4月29日プロター40㎜は観光客賑わう奈良町に繰り出した)Part 4-完-


レンズも、人間性に似た、レンズ性のような性格があります。
文句無しの名レンズなんてものはないのかも知れません。
というのは、こんな理屈から。
人間同士でも、偏狭で意固地なほどに性格が歪んだ二人が仲良し、
そんなことだってあります。
実に温和で、公明正大な人間性の持ち主が二人なぜか始終いがみ合う、
そんなこともあります。

私の友人はどちらかと言うと、変わった人が多いですね。
それでも人間関係がうまく行っているのは、
私という人間が穏やかに受け止めてあげているからだ、
私は密かにそう思っています。

ところが、どうやら友人たちの方は友人たちの方で、
あの野郎、尋常なら、人間付き合いなんかできっこないんだけど、
こちらが我慢してあげてるから、なんとか続いているんだなあ、
と始終慨嘆している疑いがないわけではありません。

ただし、これは友人たちの方が間違っていますね。
性格偏奇な人間からまともな人間を見ると、
まともな人間が歪んで見える道理を思い出したら、
私の言葉も容易に理解することができるでしょう。

レンズも同様です。
さまざまな性格の人間がさまざまな性格のレンズと付き合うのです。
性格がぶつかり合ったり、うまく折り合ったり、さまざまでしょう。
本気になって付き合えるレンズ、
これ以上のレンズとは付き合ったことがない、そう思えるレンズ、
そんな極上のレンズはせいぜい10本の指で数えるほどでしょう。

Histrio-Prot40mmF6.3
この宮崎貞安さんのニューレンズはなんだか極上レンズかも?
段々そんな気がしてきています。

F値がホロゴン15㎜F8より一絞り明るいほど、なのですから、
異常に暗いレンズです。
私の撮り方は常にマイナスに傾きます。
正確が極めて明るいプラス傾向であるのとバランスをとっている、
そんな感じがします。
でも、画像は暗いけど、私の印象は常に明るい。
雨の暗い日、暗い路地で撮っても、私の心は晴れ晴れとしています。

今、「わが友ホロゴン」で特集中のゾンネタール50㎜F1.1が好例。
写真は全部暗い。
でも、ピッチピッチチャップチャップと心は躍っています。

このレンズ、宮崎貞安さんの傑作レンズだけに、
兄貴分のゾンネタール50㎜F1.1に似ています。
開放値の暗さから受ける印象は、画像も暗くて重そう。
でも、実際には、とても清澄で軽やかな暗さを演出してくれます。
今回の写真たちもその好例、と言えそうです。




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by Sha-Sindbad | 2017-05-06 23:14 | Histrio-Prot40/6.3 | Comments(0)

1788 奈良町(4月29日プロター40㎜は観光客賑わう奈良町に繰り出した)Part 3


以前にも幾度か、書きました。
私は文章と写真をブログに沢山掲載しているおかげで、
独特の検索ができます。
たとえば、「ホロゴン チェ・ジウ」とか、
「ホロゴン 原節子」とか、
「ホロゴン キノプラズマート」のような、
誰も2つまとめて関心を抱くことのないような検索語で、
グーグル画像検索をすると、
自分の写真をどっさり検出することができます。
よその方の写真も混じりますが、たいていは私の写真。
「ああ、こんな写真も撮ったっけ!!」と、
自分一人で悦に入ることができます。

そして、私がひそかに自慢に思うことは、
こうやって順不同、時期不定でピックアップされた写真たちが、
どんな風に検索しようとも、どんな組み合わせで出現しようとも、
全部、ただそれだけをまともに撮っただけの、
写真技巧ゼロのナチュラル素人写真であること。
だから、私自身の写真伝になれるんだ!

私が宮崎貞安さんのニューレンズの試写をさせていただけるのも、
私がレンズに頼り切って、素直にシャッターを落とすだけで、
自分の独自性を出そうなんて娑婆っ気を起こさないからです。
そのうえ、撮影時、ブログ掲載時に、
複雑多岐の画像処理を駆使したりして、
いたずらにちょっかいを出さないからです。

私の使うレンズはすべて「癖玉」で、
その癖玉ぶりを写真にしたいと思っているわけですから、
レンズそのものが私の望み通りのことをしてくれるので、
それで十分というわけです。
だから、グーグル検索の写真も楽しめるわけです。
いつも私という人間が描き出されていたりしたら、
欠点だらけの自分のイメージがバンバンと顔を出して、
「うへー!!」とのけぞってしまうでしょうから。

Histrio-Prot40mmf6.3が奈良町で撮ってくれている写真も、
いかにもオールドプロターならではのクセ写真ばかり。
それなのに、独特にリアリティがあって、
どこか際だって個性的なので、楽しい。
私が喜んで黒子になりきれるのも、当然です。
心からそう断言できるレンズもそんなに沢山はありません。




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by Sha-Sindbad | 2017-05-04 22:03 | Histrio-Prot40/6.3 | Comments(0)

1787 奈良町(4月29日プロター40㎜は観光客賑わう奈良町に繰り出した)Part 2


プロ、アマを問わず、写真家の皆さんが重んずることはなにか?
それは、おそらく、独創性でしょう。
誰も真似のできない、そして、誰の真似でもない、
独自の作風、作品群を確立すること!
そして、かなりの方は、自分にはそれができている、
と、自負されていることでしょう。
私のような部外者に言えることは、
1に、「ご苦労様」、
2に、「それにしては、ぜんぜん面白くないですねえ」

このあたりについて、私は完全な安全圏に居ます。
まず、写真家なんかになりたいと思っていない。
そして、「独創性って、なんのこと?」
私は、自分の写真が独創的なんだろうか?
なんて、ちらっとも考えたことがありません。

今毎夜楽しんでいる韓流ドラマは、
「ドリームハイ」
韓国のポップス界のスターを目指す音楽学校の生徒たち。
やり手の興行師が、その一人にこう言います、
「駄目なんだよ、この世界では、
才能がないのに、努力だけではい上がろうとしても。
持って生まれた才能で決まってしまう。
あんたにはそれがないんだよ」
私もまたそう思います。
アートの世界では、まず才能が大前提。
一流になるためには、その上に努力が必要でしょう。
でも、大前提を欠く人間はどんな努力しても、
限界があります。

私は、それほど目の見えない人間でもないので、
さっさと見切りを付けました。
でも、才能がなくても、写真を楽しむことはできます。
そこで、誰でも撮れるような撮り方で、
撮りたいと思ったものを撮っているだけ。
ちょっと変わっていると言えば、
そうやって撮るものが、
誰も撮りたがらないものだということだけ。
これは関心の方向。
才能とはなんの関係もありませんね。




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by Sha-Sindbad | 2017-05-04 14:19 | Histrio-Prot40/6.3 | Comments(0)

1786 奈良町(4月29日プロター40㎜は観光客賑わう奈良町に繰り出した)Part 1


プロター40㎜のプロトタイプが届いたのが4月25日ですから、
すでに、1週間経ったわけです。
その間に5回撮ったのですから、私にとっては新記録でしょう。

前回のフローライトアポクロマート135㎜F2.4の試写には、
タンバール90㎜F2.2をぶっつけ、
今回のHistrio-Prot40mmF6.3の試写には、
プラナー35㎜F3.5をぶっつけました。
135㎜もそうでしたが、プロター40㎜も負けていません。
爽やかさと厚みとが共存する珍しいレンズです。

奈良町が試写3回目です。
231枚撮影し、139枚を選び、4回シリーズに。

フローライトがそうでしたが、このレンズも、
温故知新の精神に貫かれています。
現代レンズの仕様を活用しながら、
クラシックレンズの味わいを存分に発揮する、
いわば「ニュークラシック」!

そんなプロター40㎜ののびのびとした味わいが、
奈良町のような観光スポットでどう活きるか、
これが奈良町での試写の検証ポイントとなりそうです。





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by Sha-Sindbad | 2017-05-03 21:53 | Histrio-Prot40/6.3 | Comments(0)

1785 田舎道(4月28日プロター40㎜片手に今度は田舎道を歩いてみた)Part 3


明日5月3日から全国的に連休なのだそうです。
私は、お国のサポートなしに、毎日、連休ですから、
意味があるとすれば、孫たちに会えること。
今回は3日、長女一家が来ることになっていましたが、
5歳の孫プリンスが万障繰り合わせて39度の発熱。
取りやめになりました。
いつものことです。
私も子供の頃なにかと言うと熱を出していたことを思い出します。
2、3日で回復するでしょう。

私も医師からは6日まで肺炎後の静養を命じられている身です。
静かに過ごすことにします。

その静養中に、1時間半歩いて、198枚撮った写真から、
最後のピックアップ分をごらん頂きましょう。
Histrio-Prot40mmf6.3
すなわち、プロター40㎜の復刻版は驚くほど高性能ですね。
2群4枚というシンプルな構成と、開放時の暗さが相まって、
清澄なのに厚みがあるという不思議な画像をプレゼントしてくれます。

大口径、ハイスピードでないと、いやだ、という、
自称プロ優りのうるさ型の皆さんはパスしてもらって、
出会った光景をしっかりと写真に記録したい方には、
このレンズ、かなり良い仕事をしてくれるのではないでしょうか?

我が家を出て、数軒先のお宅の溝に落ち椿を見つけました。
帰宅してふと視線を下に移すと、椿はまだそこに居て、
私を待ってくれていたようです。
もう一度、プロターの最近接距離で1枚頂きました。
この雄渾なほどの実在感はどうでしょうか?
19世紀末のオールドレンズの設計がどんなに優れていたか、
この1枚が立証してくれるようです。

それにしても、宮崎貞安さんによる古レンズの復刻は、
見事の一言。




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by Sha-Sindbad | 2017-05-02 23:23 | Histrio-Prot40/6.3 | Comments(0)

1784 田舎道(4月28日プロター40㎜片手に今度は田舎道を歩いてみた)Part 2

ツァイスの名レンズ製作者、パウル・ルドルフは大変な人だったようです。
レンズ史を彩る名レンズの数々を発明しました。

   1890年にプロター、
   1897年にプラナー、
   1899年にウナー、
   1902年にテッサー、

その後ツァイス退職して、フーゴ・マイヤー就職。

   1922年にキノプラズマート、
   1922年にマクロプラズマート、
   1931年にクラインビルド・プラズマート。

絢爛たる経歴ですが、そんなルドルフの経歴を開いたレンズが、
プロター(当初はツァイス・アナスチグマートと呼ばれたそうです)であり、
その最新のコピーが宮崎貞安さんのHistrio-Prot40mmF6.3というわけです。
以前、宮崎さんを「現代のパウル・ルドルフとなりつつある」と書きましたが、
今、とてつもなく面白いことが起ころうとしています。
宮崎さんが、ルドルフの足跡を辿る旅に出られたのです。

奇しくも、別ブログ「わが友ホロゴン」では、
レンジファインダー・コンタックスのプラナー35㎜F3.5シリーズ。
こちらも1954年製ですから、最初のプラナーの遙かなる末裔。
つまり、末裔同士の対決となったわけです。
私の素人目には、とても厚みのある表現力はツァイス特有、
そんな感じがします。
でも、段々と、なんだか違う、という感じがしてきます。

   プラナーの方が癖がある。
   一方、プロターはとてもすっきりとしている。

レンジファインダー・コンタックスのレンズを何本か使いました。
コンタレックスのレンズと同種だと言われています。
たしかにプラナーに似ています。
異常とも思えるほどに、コクがあり、立体感があります。

後年、ヤシカと提携して、一眼レフのコンタックスを開発したとき、
ツァイスは日本の市場を意識したのでしょう、
伝統的なツァイスの厚みのあるレンズ表現を棄てて、
かなりあっさりとして優雅なレンズ表現に路線を変更しました。
アート路線からリアリズム路線への変更と言ってもよいかも知れません。

宮崎貞安さんのプロター40㎜はどうでしょうか?
ツァイスの対極的な2つの路線の狭間にあって、
丁度その中間を行く、そんな感じがします。
コクがあるけど、しつこくない。
厚みはあるけど、重くない。
でも、この重くはない厚み、かなりのものです。
ぐっと心を込めることができる、そんな可能性を感じはじめています。





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by Sha-Sindbad | 2017-05-02 10:44 | Histrio-Prot40/6.3 | Comments(0)

1783 田舎道(4月28日プロター40㎜片手に今度は田舎道を歩いてみた)Part 1

よいレンズが手元にあると、使いたくなりますね。
このあたりの心理の動き、江戸時代の辻斬り侍と一緒ですね。

    よい剣を手に入れた!
    試し切りをしたい!
    でも、唐竹割なんてつまんない!
    生きた人間を............

怖いですねえ。
レンズで良かった!

私の奈良市郊外は、完全にど田舎の風情。
それは、プロター40㎜の2回シリーズでよくお分かりと思います。
どんどん住民が消えつつある郊外の村落そのもの。
前2回は私の住宅地の北東あたりの村落でした。
今回は南西の村落をぐるっと一巡することに。
次第に、住宅地に変わりつつあるようで、
その意味では、新しい町に生まれ変わりつつあるのかも?

天候は晴れです。
これで①曇天、②雨天、③晴天、
三種の天候でプロター40㎜を試写できます。
さっそくごらん頂きましょう。




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by Sha-Sindbad | 2017-05-01 13:59 | Histrio-Prot40/6.3 | Comments(0)