レンズ千夜一夜

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1293 働き者 (スーパーワイドへリアー15㎜F3.5はかなり成長したみたい)


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中国で現地ガイドさんから、
麗江では女性が働き、男性は遊ぶという話を聞きました。
バスで各地を通過する間に、
車窓からは男達がかいがいしく働く姿も沢山見ましたので、
現代で、男性側にそのような贅沢が許されるかどうか、
ちょっと疑問です。

しかし、他の国では普通男性がするような力仕事、
たとえば、車両運転をエネルギッシュにこなしている姿に接しました。

私の横を積み荷を満載したバイクを駆って、
野良着姿の女性がダダッとけたたましく通り過ぎる姿は、
ちょっと偉観でした。
思わずスーパーワイドへリアー15㎜F3.5を突き出して、一枚。

これまで、私はこのレンズのことを誤解していました。
かなり弱々しい描写をする三流レンズ、そう感じていたのです。
それは、単に私がちゃんと駆使できなかったからだったようです。

中国では、旅の開放感と、このレンズこそ大黒柱という気構えが、
このレンズを脱皮させたようです。

ものも人間も信頼こそ変身の鍵のようですね。



[追記]
帰国後、今回の写真を見つけて、
パソコン画面上にずっと起き続けていました。
なにかが気になったからです。

そして、その理由が今朝閃きました。
この写真がなぜ気に入ったか?
ここには私が求めている意味でのメタモルフォーゼがあった!

女性が運転するバイク、ただそれだけが写っているのではない!
ここに写っているのは、
女性が持つ、生きることへの根源的な力、エネルギーなんだ!

これが私が私のレンズに願うことなのです。
目の前に、私に見えるものをリアルに正確に撮るだけ、
そんなレンズはごめんです。
私には目があるのですから、それで十分。
私には見えない、そして、私にとって大切ななにかを写して!
もっと大げさに言えば、ああ、ここでも生きてる!
それを見ることができて、ああ、自分も生きていてよかった!
そう感じさせて欲しい。
by Sha-Sindbad | 2015-03-30 09:13 | S.W.Heliar15/4.5 | Comments(2)

1292 雲南の色 (メオスティグマート50㎜F1があったから、こんな色が撮れた)



前回、「白族の女」と題して、美女達の写真を並べたのですが、
中将姫光学さんからご指摘を受けました。

「写真の女性ですが、
たぶん、残念ながら若い女性はすべて旅行中の漢族で、
白族はいないと思います。
少数民族の若い女性は都会に打工(アルバイト)に行ってしまうか
十代で結婚してしまうのがほとんどで、
大理の町中をこんなおしゃれな格好で歩いているとすれば、
夜のお仕事をしているとしか考えられません」

なんだ、新疆ウイグル自治区やチベットで起こっていることが、
ここでも起こっているのですね。
とすると、観光街の店の人たちも大半漢族なのでしょうね?

気を取り直して、今回は、別種の色を並べてみましょう。
メオスティグマート50㎜F1で撮り集めてみました。
旅に出て、どこで撮ったか、なにを撮ったか分からないものばかり。

ツアーの幾人かの方には、私のブログを教えました。
でも、がっかりなさらないように、いつも付け加えました、
「でも、なんだ、こんなものしか撮らないのか、って、
がっかりされるでしょうから、覚悟しておいてください」
F1という超大口径レンズで、しかも、超近接で撮れる、
これがメオスティグマート50㎜F1の強み。

いわば、私だけの「色好み」




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by Sha-Sindbad | 2015-03-29 11:43 | Meostigmat50/1 | Comments(4)

1291 白族の美女たち (スピードパンクロ35㎜2は映画の雰囲気を演出し)



今日、中国茶馬古道の旅から無事帰国しました。

私が西遊旅行のツアーに参加したのは25年ばかり前でした。
過酷な旅でしたが、若かったので、平気の平左でした。
その記憶が残っていたので、なんの警戒心もなく参加したのですが、
ああ、歳月は私に辛い試練を用意してくれたようです。
あんた、もう若くないよ。
いやはや、その通りでした。

もうツアーに参加することはないだろうなという予感がします。
少なくとも、当分の間、海外旅行はゴメンだなという確信もあります。

でも、写真は撮りました。
3月23日、雲南省大理の町を一人で歩きました。
悪路を往復8時間という過酷なツアーには
とても参加出来ない状態だったからです。

おかげで、一日中路地から路地へと歩き回り、
その途中、観光客でにぎわう観光街もさっと通過しつつ、
リコーGXRに付けたスピードパンクロ35㎜2で撮りました。
この日の収穫は1400枚を超えたのですから、私にとっては記録的。
ノーファインダーなので、気楽そのものの撮影だったからです。

そんな収穫の中から5枚選んでみました。
少数民族の一つ白族の美女たちが私の前を去来しました。

スピードパンクロ35㎜2はF8に絞りました。
私はただ腰あたりでアバウトに構えたリコーGXRのシャッターを
さっと切るだけ。
あとはスピードパンクロ35㎜2が料理してくれました。
ヒロインたちの姿が私の目に焼き付いています。




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by Sha-Sindbad | 2015-03-28 22:37 | SpeedPanchro35/2 | Comments(4)

1290 現代変身譚2 (マクロスイター36㎜F1.4も負けず劣らぬ変身譚作者で)


ケルンの16㎜映画用レンズのフラグシップはスイター群なのでしょう。
中でも、マクロスイター36㎜F1.4は出色。
その魔術的キャラクターは際だっているからです。

このレンズも宮崎貞安さんに改造していただきました。
そのままでは、1mほどまでしかピントが来ないからです。
レンズ後部の筐体を1㎜ほどでも削ってもらえたらと思って、
改造をお願いしたのですが、それは無理だったようで、
ライカMマウントレンズに生まれ変わって帰宅しました。

もっともライカM9に付けても、後玉がとても小さいので、
ほとんどまん丸にけられてしまうでしょう。
APS-Cのカメラ群でさまざまな可能性を試すことができます。
APS-Cサイズでも四隅がかなり大きくけられます。
でも、ユージェーヌ・アジェのファンなのです。
ちょっと位けられても、平気です。
平気どころか、かえってこれが画面を生き生きとしてくれます。

3月19日木曜日は雨の奈良東大寺界隈を撮影しました。
どうやら雨レンズとして活用できそうです。
やっぱりメタモルフォーゼ名人です。
前回の3枚目もそうでしたが、今回の4枚を一目見た瞬間、
これがなにか魔術的な存在にぱっと見えなければ、
あなたは私の2つのブログとは縁がないと思ってください。

前回の3枚目を撮っているとき、背後を母子連れが過ぎました。
小学校6年生らしい女の子、
私が撮っている白土土塀を見上げたようです、
「ママ、顔が一杯見えるよ」
ママは無言のまま、二人は通り過ぎていきました。

ママは私のブログの写真など見ても、なんにも感じないでしょう。
実際、私の写真を感じる方はとてつもなく少ない。

なにも顔だけ見えるのじゃありません。
夜の未舗装のでこぼこ路面の水たまりを見た瞬間、
異次元宇宙への入り口に見えてしまった少年が私でした。
今は、ちょっと少年より歳を取りましたが、同じことが起こります。
恐怖など感じません。
ただただうれしくなってしまいます。
私の別次元のお仲間たちとの懐かしい出会いなのですから。 

今はしませんが、在職中は夜遅くなると、バス停から家まで、
神社の林間道をバイパスしました。
闇です。
かすかな月明かりがぼんやりと道の存在を教えてくれます。
でも、怖くない。
さまざまな虫の音がささやきのように頭にしみ通るのを楽しみながら、
闇に包まれて一人歩く感触が大好きだからです。

マクロスイター36㎜F1.4はそんな私の思いをそのまま写真にしてくれます。
奈良公園がトールキンの闇の森に変身したかのようです。
4枚ご覧頂きましょう。




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by Sha-Sindbad | 2015-03-21 00:30 | MacroSwitar36/1.4 | Comments(4)

1289 現代変身譚 (ダルメイヤー25㎜F1.9Eはオヴィディウスそこのけの変身譚作者で)


ダルメイヤー25㎜F1.9Eを手に入れた経緯は別ブログ「わが友ホロゴン」に、
前にも書きましたが、これとはまた別に改造敬意もこれから書きます。

Dマウントよりも小さな径のマウント、私が勝手に名を付けたEマウントレンズが
現代の改造名人宮崎貞安さんの手で見事Cマウントレンズに生まれ変わりました。

Dマウントレンズだったら、Cマウントに変身させるのは無理かもしれません。
後玉の口径が極端に小さいので、たとえ改造しても、
マイクロフォーサーズでさえも、周辺が激しくけられるでしょう。
ところが、このダルメイヤー25㎜F1.9E、マウントの径は極端に小さいのに、
レンズはその筒のほとんど一杯という広さだったのが幸いしました。

オヴィディウスの「変身譚Metamorphoses」をお読みになった方はおいででしょう。
お話はみんな美しくも悲しい転身物語。

私は子供の頃からハッピーエンドが大好き人間なので、
あまり好きな本ではなかったのですが、
翻訳書はお話にふさわしくかなり美しい装丁の印象的な造本でした。
今でも「日本の古本屋」のサイト検索すれば見つかるはず。

私は、寓話集Metamorphosesは好きではなかったとは言え、
メタモルフォーゼそのものには心から魅せられました。

平凡な才能の平凡な人間でしかない私だって、変身できるかも知れない!
結局変身はできることはできたのですが、
平凡だけど幸せに暮らす慎ましい家庭の一員に。
ただそれだけ?!

で、その代償を求めたいのでしょう、
写真を撮るときは、
現実を正確に写し取るなんて、まちがってもしたくない。
精緻精密光彩陸離たる超高画質写真なんて、さらにブルルッ!
私が出会ったものが写真の中で、
私が見たかったようなイメージに大きく変身すればするほど、幸せ。

私のレンズたちはいわば写真版オヴィディウス。
その中でも、このダルメイヤー25㎜F1.9Eは傑出している、
そう信じたいのです。

いわば、その証拠資料として3枚の雨の奈良写真をご覧頂きましょう。
いかがでしょうか?




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by Sha-Sindbad | 2015-03-20 15:51 | Dallmeyer25/1.9E | Comments(0)

1286 冬の鳩(スピードパンクロ35㎜F2には鳩さえも安心するようで)



「飛んで火に入る夏の虫」と言いますが、
「飛んでファインダーに入る冬の鳩」

私がアリストスティグマート80mmF6.3を付けたソニーα7で、
路面に書かれた絵を撮ろうとしていると、
突然、カメラの前を横切ったのです。

いつも書いていますが、私はスナップを撮りません。
でも、向こうからやってきたら、思わずシャッターを落とします。
昔取った杵柄、というような感じ。

聖フランチェスコには、小鳥たちも安心して集まったと言います。
ああ、私も聖フランチェスコのお仲間なんだろうか?
そう言いたいところですが、真相はもっと現実的です。

鳩の顔をごらんください。
まっすぐ私を見ているではありませんか?
ああ、冬なのです。
食べ物もすくない。
「おじさん、なんかちょうだい? お腹すいたの」
そんな表情ではありませんか?
おっと、ここは大阪でした、
「おっさん、なんか食うもんあれへん? ペコペコやあ」

それにしても、Petzvalさんからお借りしているこのレンズ、
よく撮れます。
ぜんぜん無理をしていない、余裕の写り。





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by Sha-Sindbad | 2015-03-18 23:06 | SpeedPanchro35/2 | Comments(2)

1285 暮れ方(キノプラズマート25㎜F1.5持てば薄暮でも沿道サービスを受け)



前回は朝、出発時点での撮影でしたが、
たいていの場合、家を出ると、いつかは家に帰るものです。
私も、平凡な一日に平凡な終わり方ということで、
同じバス停に帰り着きました。

下車するのはたいてい私一人か、あと一人二人。
田舎なのです。
のんびりとゆるやかな坂道を1本辿ります。

でも、ここからが私にもちょっと非凡なところがあります。
路傍のロボグラフィたちがわっと立ち上がるのです、
「わあ、sha-sindbadさんだあ!
お帰りなさい」

たった3分ほどですが、いつもかなり沢山撮ります。
だって、私も挨拶を返さないとね。
14回分の挨拶を並べてみましょう。




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by Sha-Sindbad | 2015-03-17 18:32 | Kinoplasmat25/1.5a | Comments(3)

1284 雨模様の朝 (キノプラズマート25㎜F1.5は切れ味豊かにぼけてくれて)


今日は本当に久しぶりにキノプラズマート25㎜F1.5を持ち出しました。
リコーGXRに付けたのです。

21日からの中国旅行のレンズ選定の一環。

我が家から直近のバス停までの約200mで使いました。
幸い5分ほどあったので、27枚撮れました。
その中から9枚選択しました。

中心部のかなり精緻な画像を周辺のボケが支える構造。
やっぱり良いレンズです。




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by Sha-Sindbad | 2015-03-16 21:44 | Kinoplasmat25/1.5a | Comments(0)

1283 雨のバス停 (アリストスティグマート80mmF6.3は年寄りだけど適応性抜群)


雨の日、バス停でタクシーを待っていたとき、
古いメイヤー・ゲルリッツのレンズが活躍しました。

    アリストスティグマート80mmF6.3

Petzvalさんが激賞するだけの価値はあります。
ものの質感と立体感は並大抵のものではありませんが
それ以上にすばらしいのが、柔和な雰囲気描写の力。
ものたちが気負いなく、そこにいる。
優秀なレンズなので、ここまで頑張れたという気負いもなく、
ただ、そこに存在する、そんな感じがたまりません。

写真的なlooksを気取らない分、
人間のなにげない視覚体験に近い感じがあります。
背伸びしていない分、余裕があります。

何年頃の製作なのでしょうか?
かなり古いことは間違いがありません。
脱帽




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by Sha-Sindbad | 2015-03-15 21:51 | Meostigmat50/1 | Comments(0)

1282 心斎橋 (まだメオスティグマート50㎜F1が心斎橋でがんばっている)




久しぶりに3日間家に籠りました。
さまざまな用があったせいですが、
楽器の練習にも没頭しました。

とくに14日レッスンの二胡と15レッスンの揚琴に重点。
どちらも難しいものですね。
その点、吹けば、あるいは吸えば、一応の音が出る、
クロマチックハーモニカとリコーダーはかなり易しい。
 
さらに、写真となると、もうこれは安直そのものですね。
私にとっては、写真は視線。
目を向けて、注意をひいたら撮る。
ただそれだけなのですから。

依然、メオスティグマート50㎜F1を選んでいます。
まだまだペッツヴァールとメオスティグマートは撮影結果をチェックしたい。
十分自分のものになっていないせいでしょう。
かなり撮ってもまだ新鮮な喜びを感じています。




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by Sha-Sindbad | 2015-03-13 22:47 | Meostigmat50/1 | Comments(2)