レンズ千夜一夜

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929 ぽかぽか冬日に(アポクロマート25mmF2はやっぱりアポクロマートだね)



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金曜日もカメラはオリンパスEP-L1。
レンズはキノプティックのアポクロマート25mmF2にしました。

    イヴォタールに対抗できるだけの切れ味のレンズはまずこれ、
    そう考えたのです。

私のように、レンズの威力に頼り切って写真を撮っている人は、
あまり見かけませんね。

    みなさん、ご自分をなんらかの創造意志をお持ちになって、
    しっかりとお撮りになっていますね。

私は創造意志などありませんね。

    私の写真にそんなものは必要ないからです。

仕事でもそうですが、なにをやるにしても、
チームで取り組む態勢で通してきました。

    メンバーに任せることができる部分はそっくり任せる。
    そうすると、たいてい、自分一人ではできないような仕事ができます。
    写真作品を作ろうなどと考えない私の場合は、
    とくにチームの役割分担が簡単です。

    私がディレクターとして、指令を発します。
        「ここ撮れ、ワンワン!」
    すると、カメラとレンズが協同して、写真を撮ってくれます。

    開放で、とか、マイナスに1段補正して、とか、
    細かい指示を出すことはありますが、
    その場の光の状態に合わせてこまめに修正するなんてことは、
    面倒なので、普通しません。
    一日中同じ設定で通しますので、
    うるさ型のディレクターというわけではないわけです。

とくに、アポクロマートのような名レンズになりますと、
もう完全にあなた任せ。

    早い話、今日の撮影はほとんどお昼休み中でしたが、
    職場への帰り道、ふっと見ると、
    レンズの絞り位置F4になっていました。
    道理で、感度100に落としているとは言え、ピーカンで撮れたわけです。

この程度の注意力でメカを操作するのですから、
いい加減なものです。

    撮影者がいい加減でも、カメラとレンズはいつも極上ですから、
    私の目にはそこそこ楽しい写真を撮ってもらえます。
    アポクロマートもいい仕事をしてくれた、そう言いたいのですが。
by Sha-Sindbad | 2014-01-31 22:56 | Apochromat25/2 | Comments(2)

928 奈良町(イヴォタール50mmf1.4がぴたりと決まれば、無敵かな?)



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昨日水曜日の出勤に持ち出したオリンパスEP-L1に付けたのは、
イヴォタール25mmの後には当然の出番、お兄さんの、

    イヴォタール50mmF1.4
    
ライカMマウントに改造されることも多いと聞きましたが、
これがよく分からない。

    ほとんど円形を残して、全部真っ黒にけられるのですから。
    だから、オリンパスEP-L1またはソニーNEX-5Aで使うのがよいようです。

オリンパスだと100mm相当の中望遠になってしまいます。

    私はせいぜい50mm標準までしか使いません。
    かなり前、記憶していないほど前ですが、
    風景を撮ることもたまにありましたが、
    50mm標準以下を使うとき、遠景を撮るとき以外は、
    3m以内にポイントを置くことを原則としていました。
    それ以上離れて撮ると、中ヌケになってしまうからです。

風景写真から遙かおさらばした今、100mmは苦しいですね。

    これ位ならいいだろうと踏んで、
    液晶モニターでピントを合わせようとしますと、
    被写体が画面いっぱいを占領しているのですから。
    近づきすぎなのでしょう。

    さりとて、離れると、今度は、
    とても遠慮がちな写真になってしまい、おもしろくない。
    そこで、接近して人を撮ろうとすると、
    置きピン、ノーファインダーで撮るので、ミスばかり。

100mmを使うためには、かなり経験が必要になりそうです。
それでも、なんとか撮れた写真は25㎜に似て、キリリとして、
抜けがよくて、いかにもイギリス的に品があります。
2枚目の屋根瓦の立体感も文句の付けようがありません。
これもまたクックの名レンズですね。
by Sha-sindbad | 2014-01-30 15:37 | Ivotal50/1.4 | Comments(0)

927 華麗な冬 (イヴォタール25mmf1.4は明晰な観察眼を輝かせ)



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今日はクックのレンズをオリンパスEP-L1に付けました。

    イヴォタール25mm1.4

スピードパンクロが35mm映画のフラッグシップモデルだったとすれば、
イヴォタールは18mm映画のフラッグシップだったのではないか、
そう思われます。

    明快そのものの描写は出色。

    前回のパンタッカーが幽玄の境地だとすれば、
    イヴォタール25mmf1.4は明晰の境地と言えそうです。

    同じクックが生み出したスピードパンクロは、
    幽玄と明晰の境で見事に舞い踊る、そんな境地。

どちらがよい、と決めなくてもよいのが写真の楽しさですね。

    それぞれに得手不得手があり、檜舞台が用意されています。
    うまく壺にはまれば、もう無敵。 

    出勤日の道中に撮った写真ですが、
    かなり飛んでいるではありませんか?
by Sha-sindbad | 2014-01-29 21:53 | Ivotal25/1.4 | Comments(4)

926 化身(パンタッカー50mmF2.3からは神話の国が現れるようで)



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月曜日、バス停に行く途中、神社道を通りました。
鬱蒼と巨木が林立する林間道です。

    カメラはソニーα7。
    レンズはパンタッカー50mmF2.3。
    つまり、初めてソニーα7に付けて試写したのです。

このレンズはボケレンズの系譜に属します。
キノプラズマートに通じるグルグルボケが出ます。
前回のスピードパンクロに続いて、今回もなぜか、
このグルグルボケを楽しむ写真が撮れました。

キノプラズマート50㎜もスピードパンクロ50㎜も、
手に入れることはできなかったけど、
このレンズを楽しめるだけでも幸運だった、
そんな思いを噛みしめているのですが、

    多くの写真家にとって、これはただのボケ写真でしょうね。
    そのギャップがまた嬉しい。
by Sha-sindbad | 2014-01-28 20:27 | PanTachar50/2.3 | Comments(4)

925 田舎紳士(スピードパンクロ35mmF2がこんなにボケレンズだとは知らなかった)



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土曜日は、久しぶりにライカM9を持ち出しました。

    レンズはクック。
    スピードパンクロ35mmF2

明晰派の頂点を極めたと言いたくなるような、
ディスタゴン35mmF4の後の出番は、朦朧派の巨頭、
そう言いたくなるような写真を1枚ご覧頂きましょう。

    まるでキノプラズマートのようなグルグルボケをバックに、
    白ネクタイの田舎紳士が澄まして立っている、
    そんな風情、と言いたいところですが、
    そう見える方って、ほんの一握りでしょうね。
    と言うより、私以外、誰もそう見えないかな?
by Sha-sindbad | 2014-01-27 22:03 | SpeedPanchro35/2 | Comments(2)

924 プロフェッショナル(アポクロマート25mmF2はさすがにきりりとした写りで)



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24日金曜日に持ち出したセットは、

    オリンパスEP-L1
    キノプティックのアポクロマート18mmF2

このレンズの描写力のすごさは特筆ものです。
今回はただ1枚をまずごらんいただき、
本文の後、他の写真をごらんいただきましょう。

長年修練を積んだ職人さんは面構えは眼光鋭くびしっと決まり、
無駄のない挙措動作からして、自ずから違うものですね。

    今回の一枚がまさにそんな雰囲気をたたえています。
    業務用のバイクを1mほど高い階段から撮りました。
    このバイクそのものが、よく使い込まれて、
    まさに職人の雰囲気を鈍く発している感じ。
    レンズよし、被写体よし、で、
    かなり手応えを感じて撮ることができました。

アンジェニューとかなり似た雰囲気の、
厚みのあるあたたかい、しかもシャープな画像となります。
でも、けっして固いという感じがしません。

Wikipediaによりますと、アッベは、

    3つの波長で色収差が補正され、
    2つの波長で球面収差、コマ収差が補正されている等の
    条件を満たすものをアポクロマートと命名したそうです。

35mm以上の長い焦点距離のアポクロマートはあまりに高価で入手不能。
かろうじて、Cマウントの25mmと18mmを手に入れました。

    この2本の廉価版を待って購入したのですが、
    今ではかなり高騰しているようです。
    アルパ用100mmはきりりと締まった画像に変わりはありませんが、
    もっとあっさりとしていました。
    
このあたりの違いは、フィルムとデジタルの違い、
撮り方の違いも手伝っているでしょうから、
確かな違いとはいいがたいようです。

    開放で撮っても、絞って撮っても、
    画像の締まりにほとんど変わりがありません。
    使い勝手も撮影結果もともに良好。
    まさにプロフェッショナルのレンズ。
    おかげで、このレンズもまた宝物。




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by Sha-sindbad | 2014-01-26 21:20 | Apochromat25/2 | Comments(2)

923 朝から夕方まで(アンジェニュー25mmF1.4たおやかさを秘めた名レンズ)


水曜日の出勤に持ち出したカメラはいつもながら、

    オリンパスEP-L1

そして、レンズは極上。

    アンジェニュー25mmF1.4

F0.95も極上ですが、

    あたたかいのだけど、凛然として上品であるという点で、
    F1.4レンズに優るレンズは少ないと思われるほど。

レンズそのものの姿も、
私の所有するCマウントレンズ中白眉と言いたいほどに立派です。

    私が手に入れた当初、筐体はきれいだけど、
    レンズはうすぼんやりガスの中をさ迷っていました。
    だから、信じられないほどに廉価だったわけです。
    紗がかかったような茫漠とした描写は、玄妙でした。
    でも、どうもレンズ本来の性能が出ているとは思えない。

大阪のマツモトカメラにオーバーホールをお願いしたら、
新品同様になって帰ってきました。

    とても貧しいけれども、心静かでやさしい女性と結婚したところ、
    しばらくして妊娠して、子供を産み、幸せいっぱいになったら、
    春風のようにすがすがしい麗しの貴婦人に変身してしまった、
    そんな変身譚のようでした。

    たおやかさを秘めた名レンズに生まれ変わったのです。

今日は土曜日です、私も時間があります。
大盤振る舞いで、一挙30枚掲載と参りましょう。
水曜日はかなり調子がよかったようです。




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by Sha-sindbad | 2014-01-25 21:37 | Anjeniueux25/1.4 | Comments(2)

922 暗い1日(トリプルアナスチグマート15mmF2.9でアバウトに撮ってみた)



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今日持ち出したのは、

    オリンパスEP-L1とダルメイヤーレンズ。
    トリプルアナスチグマート15mmF2.9

30mmの広角相当のレンズです。
私はこれをミニホロゴンと呼んでいます。

    2mあたりに置きピンして、絞りをF8に固定して、
    ノーファインダーで撮ります。

周辺にかなりダークコーナーができますが、

    周辺がダイナミックに減光するホロゴンが気に入ったのも、
    イメージサークル不足のレンズを平気で使い続けた、
    ユージェーヌ・アジェのファンだから。
    多少のダークコーナーは平気の平左です。

本体は、オリンパスEP-L1のボディから数ミリしか出ない、
究極のパンケーキレンズ。

    当然ながら、絞り機構しかなくて、
    フォーカシング機構を欠いているため、
    Cマウントアダプタのスクリューを代用します。
    別レンズの2cm弱の高さのフードを逆向きにセットすると、
    フード兼ヘリコイドリングになり、
    逆光でも平気で使えるようになりました。

とにかく手の中にカメラごとすっぽり収まりますので、
ストリートでの行きずりスナップは簡単この上がありません。

    この日も暗い1日でしたが、至極気楽に撮れました。
    ただし、撮れた写真はみんなこの上もなくダーク。
    こんな写真を見て、心明るくなるのは、
    私の特異体質なのでしょうか?
by Sha-sindbad | 2014-01-24 21:55 | Tri.Anastig15/2.9 | Comments(2)

921 平野暮れ方(アンジェニュー25mmF0.95ならどんなに暗くても、心明るく)



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先週土曜日18日は急遽大阪平野の孫の家に応援しました。

午後3時45分、昼寝に入りましたので、私もお役ごめん。
午後4時45分、行きつけのガストに入るまで、
きっかり1時間、平野の路地を撮影しました。

    カメラはオリンパスE-PL1。
    レンズはアンジェニュー25mmF0.95

    撮影枚数は256枚。
    銀塩フィルム換算約7本。

14秒に1枚ですから、快調だったと言えそうです。
95%、F0.95の開放で撮りました。

アンジェニューの特徴は、開放でまさにビシリと決まるところにあります。
今回の写真もすべて開放です。

通い慣れたストリートです。

    うれしいことに、ほとんど変わりません。
    でも、所変われば品変わるの言葉そのままに、
    レンズ変われば写真が変わります。
    ただし、ロボグラフィに変わりはありません。
    だから、写真が変わると思っているのは私だけかもしれません。

今日は、応援要請がかかる前は、京都か奈良で、ローランドⅠ型を使うつもりだったのです。
でも、心から満足。

    私にとって、メインレンズはあくまでもホロゴン15mmf8。
    サブはライカ。
    Cマウントレンズたちはサブのサブ。

そんな位置づけを漠然としていたのですが、
Cマウントレンズを使い続けている内に、
近頃、ソニーα7を手に入れたことも手伝って、
かなり考えが変わりました。

    ホロゴン15mmf8以外は全部サブ、同列の道具、

そんな気持ちが強まりつつあります。

    どんなカメラも、そのカメラでなければ撮れない、    
    そんな写真をプレゼントしてくれるからです。

    そう思わせるCマウントレンズの筆頭の一本がこれ、
    アンジェニュー25mmF0.95。
by Sha-sindbad | 2014-01-23 18:08 | Anjenieux25/0.95 | Comments(4)

921 日本人形(マクロスイター50mmF1.8は日本少女の夢と憧れを写せただろうか?)



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さて、いよいよ岡馬勲人形週間週間の4日目、千秋楽です。

    「日本少女」編

正直言って、私にはとても荷の重い課題です。
なぜか?

    日本少女って、人形じゃないからです。
    いや、ちょっとニュアンスが不正確ですね。
    人形なんだけど、ただの人形じゃないのです。
    人形なんだ、ただの人形なんだと思って近づいても、
    そこに静かにたたずんでいる存在は、
    「もの」の感じなどどこにも持たない、
    独特の何かであることに気づかされて、愕然とするのです。

このあたりの機微を言葉に表すのは、
私の文章力では無理。

    人形じゃないけど、生きた少女とも違う。
    それなのに、かぐわしい息吹、ほのかなあたたかさに包まれ、
    いつか類稀な美女として花咲くだろう少女のほのかな希望、
    あこがれ、幸せの香りが馥郁とくゆり立つ気配があって、
    とまどいながらも、心が喜びに沸き立つ思いを感じるのです。

すでに写真を拝見していたので、
ちょっと類例のない人形に出会えるという、
心の準備はしていったつもりなのですが、一目見ただけで、
そんな並大抵の存在じゃないことがわかって、
頭をがつんとやられた感じ。

    予告されていても、やっぱり心の準備はできない、
    そんな類の体験なのです。

こんな出来事を想像してみてください。

    あなたはまだ就職したばかりの青年です。
    仕事帰りで、暗い住宅街を通って家路を急いでいます。
    なぜか人通りはぱったり途絶えて、聞こえるのは自分の靴音だけ。
    背後から、か細い、だけど、たとえようもなく美しい声が、
    あなたを呼び止めます、

        「あの、もし......」

    振り向くと、街灯にほのかに照らされてそこに立つのは、
    この世のものと思われないほどの女人。
        (こんなとき、ほかの言葉はふさわしくないですね)
    楚々として清らかなたたずまい、表情なのですが、
    得も言われぬほどにあでやかに美しい振り袖姿。

        「夜道一人で歩いておりましたら、なんだか心細くなって...
        お差し支えなければ、一緒に歩いていただけませんでしょうか?」

    夢中でうなづくあなた。
    あてどなく夜道を彷徨う二人。
    あれこれと語り合ううちに、
    なぜか恋人同士のようにうちとけてしまいます。

    ふと女人はおずおずと尋ねます、

        「わたくし、今晩泊まるところがございませんの。
         どこか.......」

    思わず口走りるあなた、

        「よかったら、私の家においでなさい」

    その瞬間、すっとリムジーンがすべるように出現して停車し、
    中から上品な老婦人が降り立ちました。

        「お嬢様、ここにおいでになりましたか、
        お探ししました。でも、ご安心なさいまし。
        旦那様がお許しになりましたよ。
        伯爵様がお待ちになっています。
        さあ、おいでくださいまし。」

    ぱっと顔を輝かせて手を打ち合わせる美少女、
    ふとあなたに振り返り、ぽっと頬を染めて、

        「無理なお願いをしましたことをお許しください、
        (それから、あなたを見つめて、突然、悲しげに目をうるませて)
        それに、ありがとうございました。
        彼よりも前にあなたにお会いしてたら、
        わたし、もしかしたら......」

        「お嬢様、なりませぬ!」

    はかなげにリムジーンに吸い込まれる美女。
    呆然と見送るあなた。
    リムジーンの開いた窓の中からあなたを見つめる、うるんだ目。

まあ、こんな体験を、あなた、なさったことがおありですか?

    私はありませんが、それでも分かります。
    そんな体験をなさったら、一生忘れることなどできないでしょうね。

    あなたの世界の存在ではない、
    でも、知ってしまったからには憧れないわけにはいかない存在。
    「日本少女」という存在はそんな存在なのです。

日曜日、「日本少女」を31枚撮りました。

    3体の人形に囲まれているので、全身像は無理。
    徹底的にポートレートに専念しました。
    独創的な才能なんてまるでないことに気づかされるのは、
    こんなときですね。
    最高の被写体が居て、「さあ、どうぞ、撮っていいですよ」と、
    やさしく応じてくれているのに、
    身分証明書写真を一歩も超えることができない!

救われているのは、「日本少女」のように美しいと、
どんな風に撮っても、輝いてくれること。

同工異曲のものを除いていくと、11枚残りました。

    写真の出来がよいからではなく、
    日本少女がとても可愛く見えるカットを選んだだけ。
    
日本少女のポートレートを見て、
「ふん、ただの人形じゃないか」そう感じる方は沢山おいででしょう。

    でも、私は気になりませんね。
    なぜって、私の拙い写真じゃ、そう見えても仕方がないけどでも、
    現に出会うことができた私にはそう見えないからです。
    夢と憧れに満たされた心を感じることができるからです。
    そして、そう感じることができる日本人形に出会えたことに、
    感謝の気持ちで一杯になるのです。

昨日、人形展は終わりました。

    彼女はおそらくは東京に戻ることでしょう。
    銀座人形館に行けば、あなたも会うことができるでしょう。
    そうすれば、私の言葉が真実であると納得していただけるかも知れませんね。
by Sha-sindbad | 2014-01-22 20:44 | MacroSwitar50/1.8 | Comments(3)