レンズ千夜一夜

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530 読書 (バルター50mmf2.3で映画を撮ったら、きっと?)



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大阪からの帰りの電車、
都会と違いますね、
王寺を過ぎると、ほとんど降りてしまって、ガラガラ。

私の左1つ前の座席に若い女性が座っていました。
小説を読んでいます。
その手がとても美しいので、一枚撮らせていただきました。

    バルター50mmf2.3

開放です。
ピクセル等倍に拡大してみると、
十行分ほどの文章にちゃんとピントが合っています。
新八という青年がパソコンを使っているシーン。
どうやら最近の小説のようです。
映画の一シーンのような雰囲気。

ちょっとウルトロン50㎜F2のようなとても柔和な肌触りの描写。
現代レンズとは対極的なほど違います。
もちろん私はバルター党に一票を投じます。
by Sha-sindbad | 2012-11-30 23:28 | Baltar50/2.3 | Comments(2)

529 妖魔 (アンジェニュー25mmF0.95は変化ヘンゲだって撮れる)



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まだブログのアクセス数のリポートをチェックしていた頃のこと。
とても面白いことに気づきました。

    ときどき、突然、アクセス数が何倍にも跳ね上がるのです。
    でも、翌日か翌々日には元の寂しい過疎の地に戻りました。
    必ず。
    要するに、人気ブロガーが私の素人写真を引用なさったのです。
    つられて、好奇心で見に来ただけなのです。

なぜ、来なくなるか?
理由は簡単です。

    わけの分からない写真ばかり並ぶから。

そんな意味不明写真のサンプルを1つごらん頂きましょう。

    極めて短い最短撮影距離で、
    F0.95というとんでもない開放で撮った写真。
    私の大好きな配管に面した駐車スペースに、
    折から駐車しようとする車のバックライトが写り込んでいます。
    まさに超開放変化。

もちろん、私には顔が見えています。
顔なんか見えてこない方は二度とお出でになりませんね、
もちろん。
by Sha-Sindbad | 2012-11-29 22:31 | Anjenieux25/0.95 | Comments(8)

528 路傍寸景 (イヴォタール50mmF1.4はクックらしい凜としたたたずまいで)


クックはとても魅力的なレンズを続々と出したようですね。

イヴォタール25mmF1.4という魅力的なレンズがあります。
猛烈に切れ味のよいレンズです。

その兄貴分がイヴォタール50mmF1.4。

どこかで、レンズ構成は違うと読んだ記憶があります。
そのせいでしょうか?
25mmよりもさらに切れ味のよいレンズ。

オークションで2万円で手に入れました。
相場の半額以下。
レンズ説明はふつうの作動、ふつうのレンズ状態ということでしたが、
到着したら、筐体もレンズもピッカピカの新品同様の状態。

絞りリング、ヘリコイドリングがちょっと重いあたり、
減価につながったのでしょうか?
絞りは重い方が動かなくてよいですし、
ヘリコイドは、スナップを撮らない私には、
こちらも勝手に動いたりしないよう、適度に重いのが好み。
ありがたいことです。

ライカマウントによく改造されるようですが、
ソニーNex-5aに付けても、若干四隅にダークコーナーができます。
Nexに付けると、アダプタリングの関係でしょうか、
最短撮影距離が本来の1mから1.5mほどに延びてしまいます。

出勤時に持ち出しました。

マクロスイターに似た、高コントラスト、高精細の画像に仰天。
路傍で出会ったものたちをピックアップしてみましょう。
最後の一枚は、走るバスの中から、窓越しに撮りました。
バスが左折する直前の減速中だったので、撮れたようです。




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by Sha-sindbad | 2012-11-28 21:58 | Ivotal50/1.4 | Comments(0)

527 古都晩秋 (ゾンネタール50mmf1.1の開放で京都の秋を撮ってみました)



    秋の日のヴィオロンの ためいきの身にしみて ひたぶるにうら悲し
    鐘のおとに胸ふたぎ 色かへて涙ぐむ 過ぎし日のおもひでや
    げにわれはうらぶれて こゝかしこさだめなく とび散らふ落葉かな

上田敏訳詩集「海潮音」に収められたヴェルレーヌの詩ですが、
こう書くと、私がいかにもこの詩の三行を胸に秘めてきたかのようで、
かなり衒学的な臭味をお感じになるでしょうから、
まず白状しておきます。

最初の一行しか記憶していません。
「史上最大の作戦」の上陸作戦実施のサインに使われました。
この映画、戦争映画の癖に、作戦の経過をゆったりと楽しめる、
いかにもハリウッドらしいオールスターキャストの大らかな作りで、
飽きずに幾度も観たのですが、そのお陰で記憶してきたのです。

しかし、この詩、晩秋が醸し出す終焉の気配を見事に表現していて、
上田敏の訳のお陰もあるのでしょう、とても心に響きます。

土曜日、京の晩秋を歩きながら、
晩秋の落ち穂を拾い集めてみました。

    ゾンネタール50mmf1.1の開放ばかりですが、
    午前中使ったシネクセノン50mmf2とはかなり違って、
    癖のない描写と言えそうですね。

「秋の日のヴィオロンの」調べを奏でるほどのものではありませんが、
「こゝかしこさだめなく とび散らふ落葉かな」という感じはありそう。




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by Sha-sindbad | 2012-11-27 21:44 | Sonnetar50mmF1.1 | Comments(8)

526 家路 (暮れ方に、アンジェニュー25mmF0.95の開放で撮ってみました)



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ゾンネタール50mmf1.1が我が家に来て、
先輩格の超大口径Cマウントレンズの影が薄くなった?

    とんでもない。

それぞれに描写も役割も違います。
Cマウントの超大口径はいずれもオリンパスE-PL1用。
とてもコンパクトで、しかも、銀塩に近い写真が撮れます。

    なぜなら、ライカM9以上に多様な設定を試みることができるのです。
    と言っても、私は実に簡単。
    ナチュラルに設定して、すべてのパロメータを最低にしているのです。
    穏やかな銀塩風で撮りたい。

本日は、アンジェニュー25mmF0.95の出番です。
夕方、家路を急ぐ女性の後ろ姿を撮りました。

    一定の距離に距離を合わせておいて、
    その距離まで接近して、要するにピント合わせなしに撮る、
    そんなやり方です。

かろうじてバッグに合焦しているようです。
明るさはこれよりもちょっと明るい感じだったのですが、
元来、たそがれ時になると、肉眼は瞳孔を開くことで、
現実よりも明るく見るようですから、
現場の雰囲気をちゃんと出してくれています。

    かなり使い勝手のよいレンズ。
by Sha-sindbad | 2012-11-26 22:01 | Anjenieux25/0.95 | Comments(0)

525  紅葉 (シネクセノン50mmf2は秋の魔術師)



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秋の京都御所に行ってきました。
紅葉は終焉を迎えようとしていて、
秋をまだ十分満喫していないのに、
すでに晩秋の気配。

風景写真の皆さんはちゃんとご存知のようで、姿なし。
まばらな観光客の一員として、
風景の素人写真を楽しみました。

ライカM9にはシネクセノン50mmf2。
とても抜けの良い合焦部分に比して、
アウトフォーカス部分はどこかざわつくような感じ。

    なんだか晩秋風景には似合っていないような、
    似合っているような..................
    リアル一方のレンズかと思っていたのに、
    幻想の気配を醸し出せる一面もありそうな..................

どうやら奥深いところがあるレンズ。

    ここにもまた個性溢れるレンズあり、
    という感じがしてきました。
by Sha-sindbad | 2012-11-25 01:42 | CineXenon50/2 | Comments(8)

524  女たち (エルマリート28mmF2.8は女人変化も捉えられる?)



私は女性写真は撮りません。

生涯に4度でしょうか?

    1 写真クラブ例会での女性ピアニストを迎えて
    2 飛鳥時代の古代衣装の女性撮影会
    3 北野天満宮のお茶会での芸妓さん
    4 八坂神社での舞妓さん撮影会

いずれもはるか昔のことです。

1は、とても知性的な方で、ウィーンへの留学を控えて、
きらきらと輝いておられました。
ここまではよかったのです。

後の3回は、奇怪にも、3つの断念が続きました。

2で、あまりの強烈な描写に辟易して、
コンタレックスのゾナー85㎜、オリンピアゾナー180㎜を手放しました。

3で、コンタックスのマクロゾナー60㎜に嫌気が差して、
売り払いました。

4で、下品なおっさん共が集まって、怒号飛び交う、素敵な雰囲気に、
いわば最初で最後のモデル撮影会といたしました。

なぜ、怒号が飛び交うのか?

    「いつまで前に居座るんだ!」
    「邪魔だ!」

私は常に先頭列にいて、撮るだけ撮ったら、さっと離れていました。
こつは簡単です。

    講師と舞妓さんとが移動するとき、いつもぴたりと追随したので、
    「さあ、ここで撮りましょう」と講師が声を掛けたときは、
    バックが美しくぼける一番よい場所にいつもいたからです。

怒号を張り上げるのは、いつものこのこと後からやってくる連中。
もう少し頭を使わなきゃ。

怒鳴られる人もおんなじ。
いつまでも前面に突っ立って、ぐずぐず撮っているから。
後ろの人に譲るのが礼儀だということも知らない。

いずれにせよ、美しいものを撮りたいのに、
美しくない人たちを我慢するなんて、奇妙です。

それ以来、レンズの視野に飛び込んできた女性を撮るだけ。
福島では、怖い女性たちに出会いました。

    私にとっては、生涯無縁の人たち。

エルマリート28mmは私の期待をはるかに上回る豊かさで、
化身たちを写し止めてくれました。




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by Sha-sindbad | 2012-11-24 01:09 | Elmarit28/2.8 | Comments(10)

523  男たち (エルマリート28mmF2.8第一世代の露出はでたらめで)



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前回の記事に、露出に関するコメントを頂き、
前回の露出補正の説明が誤解を生んだことに気づきました。
あらためて今回、私の露出法を説明させていただきます。

私は長年露出計なしのクラシックカメラを使ってきました。

    EV値を使います。
    絞りとシャッタースピードとの組み合わせを光量で決める方式。

ハッセルやレチナではEV値設定方式をとっていました。
EV値を決めた後、リングを回すと、自由に組み合わせを変えられます。
これは実に簡単で便利。

そこで、脳内露出計もこのEV値頼りにすべてを決めてきました。
ポジでマイナス1.5から2のアンダーになるように常に設定します。
ライカM9はもちろんAE露出です。
そこで、基本をマイナス1+2/3とします。

    (この書き方では、どんな補正か理解困難だったようです。
    1と2/3マイナス補正することを、ワープロで表記することは困難。
    -12/3、 -1,2/3、-1.2/3、全部意味が違ってしまいます。
    だから、日本語のマイナスは英数字全部にかかるとしているのです)

なんでもRAWだと、あとで自由な濃度で現像できるそうですが、
一日に600枚前後撮るので、そんな時間はありませんし、
作品発表など考えていないので、すべてjpegで撮っています。

私のしたいことはいつも同じ濃度で画像を統一すること。
そこで、歩きながら、絶えず補正値を修正しています。
前回の完全逆光では、絞りはF8、露出はマイナス1/3でした。
そのことを書かなかったので、
ベテランのお二人の疑問をよんでしまいました。

中将姫光学さんから貴重な情報を頂きました。

    「エルマリート第一世代は後玉が出っ張っていてAEが効かないのでは」

ライカM9の場合、スーパーアンギュロン21mmf3.4とf4はまさにそうで、
真っ白になってしまいます。
だから、すべてマニュアルで決めています。

ところが、知らぬが仏ですね、エルマリートは効かないとは知らないので、
平気でAEで撮ってきました。

    上記のように、マイナス1+2/3基準に目分量補正を施しながら撮ると、
    あら不思議、ポジのそれと同じような濃度でほぼ全部上がります。
    昨夜早速フォルダを調べて、確認しました。
    それなのに薄く撮れることがあり、不思議に思ったことを思い出しました。
    そんなときは、マイナス2以上に補正して撮りました。
    そんなやり方で、普通に私の濃度で撮れています。

今回、その実例を2枚お目にかけましょう。

ブログに掲載するとき、濃度が私の標準からずれている場合、
わずかにレベル補正をします。
他に細工はいたしません。
今回の2枚は、とてもアンダーなので、若干薄めにしました。
要するに、私の脳内露出計による補正がエルマリートでも有効のようです。

以上のように、すべて目分量、アバウトですが、
EV値で考えると、夕刻までの光量の幅はEV値14程度から8と、
たった7段階に収まるので、その違いを身体に覚えさせるのは簡単です。

    それ以下の光量になると、マニュアル露出にし、レンズを開放にし、
    シャッタースピードを1/15、1/8、1/4で撮ります。
    1/8までは、どんなカメラでも99%ぶれません。
    1/4は、運がよければ、ぶれません。
    つまり、祈る気持で撮ります。

以上のように、原則を決めておき、
撮りながら補正するのですが、その際、絶対に頭で思案しません。
考えると、迷います。
直感でダイヤルや設定を動かして、信じて撮る、
これが正解です。

最後になりますが、

    エルマリート28mmF2.8開放の描写、まんざらではないのでは?
    合焦部分が堂々とした存在感で立ち上がり、
    とくに、赤がとても上質、
    そんな風に思えるのですが。
by Sha-sindbad | 2012-11-23 10:49 | Elmarit28/2.8 | Comments(4)

522  人待ち顔 (エルマリート28mmF2.8第一世代はやっぱり銘玉だった)



私の友人は、長い間一本のレンズを使いあぐねていました。

    アンジェニュー28㎜f3.5

アルパ・マウント、かなり毀誉褒貶の激しいレンズです。
ある人は幽玄と言い、ある人はぼけレンズと言います。
友人は考えました。

    最後に一度性根を入れて撮ってみよう。
    宇治の町で一日撮りました。
    現像を終え、サンプルのLサイズプリントを見て、びっくり。
    驚くほど見事な画像だったからです。
    それ以来、友人の宝となっていることは言うまでもありません。

私も友人の知恵にならいました。
私が不満に思ってきたレンズもまた28㎜。

    エルマリート28mmF2.8

大阪福島で600枚撮ってきました。

    ライカM9のいつもの設定を1つだけいじりました。
    彩度中低を一段上げて標準に設定したのです。
    どんより曇っていたからです。
    露出補正はマイナス1+2/3と、こちらはさらにアンダーに。
    なんのことはない、相殺しあっているようなものです。

でも、結果は猛烈に満足のできるものでした。

    堂々たる厚みがあるけど、重くない。
    むしろクリアーで、抜けがよい。

まず、ノーファインダーで撮った一枚をご覧下さい。
午後4時前の斜光線がほとんど真っ向から降ってくる、
太陽まで写り込む完全逆光状態でしたが、
それにもめげず、しっかりと写ってくれました。

今日の結果がダメなら、第二世代を試してみよう、
そう考えていたのですが、その考えはきっぱり捨てました。

    これは使えるレンズです。




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by Sha-sindbad | 2012-11-22 22:24 | Elmarit28/2.8 | Comments(7)

521  ロボグラフィ3点 (アンジェニュー25mmF1.4の写りにはなぜか気品が漂い)



アンジェニュー25mmF1.4

F0.95を手に入れる前に、このレンズを手に入れていました。
レンズには霞がかかり、ヘリコイドも固くてほとんど動かない、
原状では使用困難なレンズでした。

大阪梅田のマツモトカメラにオーバーホールをお願いしました。
アンジェニューらしい、いぶし銀の筐体も美しい、
すべてが滑らかに作動する、
ほとんど新品のレンズとなって帰宅しました。

F0.95との描写性の比較はしていません。
しかし、このレンズが超一流の描写性能であることだけは確認ずみ。

私が使ったアンジェニューレンズに共通するファクターは、

    気品 

妻がどこかの行き帰りに、
機内ビデオで中国映画「レッドクリフ」1と2を全部観ました。
とにかく面白かったそうです。

三国志演戯全巻(吉川幸次郎訳)を高校時代から少なくとも5回は読み返し、
ついでに、正史の「三国志」も全巻読んだ私としては、
おそらく完全に現代風に翻案した中国映画は観たくないので、
まだ観ていません。

妻は、この映画になるともう夢中で、

    「とにかく諸葛公明がよかった。
     気品があって、英知に満ちた颯爽とした人間だった!」

    「それ、日本人俳優だよ、金城武」

    「うそ! 
     日本人にあんな立派な容貌の俳優がいるわけないじゃないの!」

それがいるんですね。
ウィキペディアによると、両親が日本人と台湾人、5カ国語ぺらぺらで、
中国映画に何本も主演して活躍しています。
私もすでに2作観ています。

    中国人と言われても、不思議がない人で、
    とても賢しこそうな美貌の持ち主です。
    しかも、人間に芯があります。
    この人も日本人には珍しく気品のある人です。

この気品というものは、
真似をしようとしても真似できない、
付け焼き刃がまるで効かない、品性の1つですね。

    私には想像もつかないような、
    さまざまなファクターが組み合わさったとき、
    自然にくゆり立つような、一種の香りなのでしょう。

それが、このレンズとどう結びつくのだ?
せっかちなあなたはいらだっておいででしょう。
そんな風に、せかせかイライラする性質は改めた方がよいようです。
気品を損ないますからね。

アンジェニュー25mmF1.4の気品、
人間の気品に似ています。

    なぜ、そんな風に感じるのか、説明がつきない、
    でも、感じてしまう、静かに澄んだたたずまい、
    それが気品ですね。




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by Sha-sindbad | 2012-11-21 21:46 | Anjeniueux25/1.4 | Comments(2)