レンズ千夜一夜

<   2012年 09月 ( 33 )   > この月の画像一覧

469  樋 (キヤノン50mmF1.4の開放は異貌の国への扉にも)



b0226423_150468.jpg




キヤノン50mmF1.4をもう少し続けましょう。

私の大好きな顔です。
行くたびに撮ります。
雨樋が目の高さあたりで壊れ、
髯の老人という風貌を見せてくれます。

このレンズ、ゾンネタールのようなスーパースターではありませんが、
あたたかい色合いと破綻のない開放描写にはかなりのものがあります。

ズミルックス50mmF1.4の中古価格は今どれ位でしょうか?
ebayで調べてみますと、最安値で1550ドル。
それに対して、キヤノンは2万円。
この差が描写力の差に応じているか?
そうまともに考えますと、どうもそうではなさそうです。

ズミルックス50mmF1.4の開放コントロールはかなり困難です。
それに対して、キヤノン50mmF1.4は開放から実に安定した描写性能。

ズミルックスでなきゃいやだ、という人は無理してお買いになるべき。
でも、F1.4の開放描写を自分の写真表現に活かしたいとお考えなら、
躊躇されることはなにもありません。
キヤノン50mmF1.4で見事な描写を手に入れることができます。

でも、もっと明るいレンズが欲しい!
そう切望されるのではあれば、
今では選択肢はたった1つ。
ゾンネタール50mmf1.1を予約しましょう。
今すぐには手に入らないとしても、早晩作っていただけるようです。

でも、人生は長いのです。
最良の道は、両方とも手に入れてしまうことです。

キヤノンはハードに使い込めます。
でも、ここぞというときに、F1.1は伝家の宝刀となります。
超絶ハイスピード描写なのですが、とても柔和で高雅。
ゾンネタール50mmf1.1の気品に満ちた描写の前では、
キヤノンはかなり庶民的です。

つまり、私のようにひたすらレンズ頼りの人間には、
この2本、たまらない魅力なのです。
私は平凡な庶民ですが、レンズを取り換えることで変身できます。

    ときには貴人のように振る舞い、
    ときには自分の地を出して突っ走ることができ、
    ときには母のない子のように、
    黙って海を見つめる、
    ときには母のない子のように、
    一人で旅に出てみたい......

レンズって、私にあれこれと可能性を与えてくれます。
魔法の杖ですね。
by Sha-sindbad | 2012-09-30 15:05 | Canon50/1.4 | Comments(2)

468  下町の植生 (キヤノン50mmF1.4の開放は豪快)



明日はどうやら台風が関西を直撃しそうな気配です。
明日は友人二人と飛鳥の曼珠沙華の名残を撮る予定でした。
天気予報は、明日午後雷雨、暴風。
ちょっと無理のようですね。

そこで、今日、埋め合わせをすることにします。
孫の家を出ると、バッグからライカM9を取り出しました。
初使用のレンズが付いていたのです。
なんだと思いますか?

    キヤノン50mmF11.4

古いレンジファインダー用標準レンズです。平野
Lマウントなので、ライカM9にも使えます。
大量に作ったそうです。
おかげで、2万円ほどで手に入れることができました。

レンズはピカピカで、キョウタイの使用感はほどほど。
フォーカシングリングがとても幅広で滑らかなので、
とても使いやすいレンズです。
お値段にはもったいないほど。

孫のマンションから南下して、疎水の南の路地を西に進む定番のコース。
開放がF1.4なので、ゾンネタール50mmF1.1よりかなり使いやすいレンズです。
最初から最後まで333枚、全部開放で撮りました。
こんなに周辺まで崩れないレンズって、珍しいのではないでしょうか?
レンズの収差のことなど、私は皆目ちんぷんかんぷんですが、
そのせいなのか、ボケ味も見事という感じがします。

4枚、サンプルを掲載いたしましょう。

これって、本当に日本のレンズなんでしょうか?
よく言う日本的真面目さなんて雰囲気、まるでありませんね。

    むしろ、ゴージャズ、豪快!




b0226423_23312654.jpg
b0226423_23313388.jpg
b0226423_2331292.jpg
b0226423_23301149.jpg

by Sha-sindbad | 2012-09-29 23:35 | Canon50/1.4 | Comments(4)

467  日傘 (トリプルアナスチグマート15mmF2.9が今完璧なレンズに生まれ変わり)



b0226423_2048549.jpg





昨夜、トリプルアナスチグマート15mmF2.9を前に置いて、
前回の記事を書いていました。

ほんの数㎜しかないチビレンズは絞り機構しかありません。
ヘリコイド代わりに、Cマウントのスクリューを回すのですが、
あまりにも本体が薄すぎるので、回す指がかかりにくい。
そこで、しっかりした黒紙をぐるっと巻いて、フードとし、
レンズ本体に凧紐で括りつけていました。
こうすれば、フードを回せば、本体も廻ります。

でも、段々と凧紐が緩んできているらしく、
目測撮影用の指標の赤3m、青2m、黄1.5m、白1m、緑0.5mは、
ずれてしまい、指標の役目を果たしません。

はっと気づきました。

もっとしっかりとした金属円筒を付ければよいのだ!
幸い、Cマウントレンズは、たいていフード付きですが、
レンズ周辺まで余分に使い切るマイクロフォーサーズでは、
けられが大きすぎて、ほとんどすべて無用の長物と化しています。
(つまり、フード付きで買う必要はないということです)

そんなCマウントレンズのフードをあててみました。
レンズ本体をすっぽり包むものはありませんが、
レンズ本体ときっかり同一径のものなら2個見つかりました。
そのうち、軽い方を選択。
基部はスクリューがあって狭くなっているので、
フードを逆さまに本体に載せ、
愛用のスコッチのプラスチックテープをぐるっと巻きました。

このテープ、こんな風に巻くと、完全に金属に見えます。
そのうえ、経年劣化がとても緩慢です。
ホロゴンウルトラワイドのロゴというロゴ、上部ペイント部は、
購入当初、このテープで巻きました。
それから16年を経過したのに、なんの変化もなく、
完全にペイント構造に見えます。
だから、トリプルアナスチグマート15mmF2.9も完璧に一体化。

そのうえ、フードとしても完璧。
もともと周辺減光があったのですが、その量も不変。
Cマウントアダプタはもともとこのレンズ専用にしていますので、
その12時の位置に赤丸を張り、これが基準位置。
フードに赤3m、黄1.5m、白1m、緑0.5mを貼り、
かなり秀逸なデザインのレンズに生まれ変わりました。

今日も一度持ち出して、絞りF8で完全目測撮影を楽しみました。

    ますます、ホロゴンウルトラワイドの超ミニ判。

フードが深くなったせいでしょうか?
さらに色合いに深みを増したように思えまるのですが?
by Sha-sindbad | 2012-09-28 20:52 | Tri.Anastig15/2.9 | Comments(0)

466  キャベツ (トリプルアナスチグマート15mmF2.9こそ珠玉)



私はスナップ写真を意図して撮ることはありません。
遠くからさりげなく撮るという撮り方はしない。
どんな場合でも接近して撮ります。
声をかけて撮ることは試したことさえありません。
女性に声を掛けて同意を得るほどの男性的魅力もないからですが、
撮られることを意識していない状態で撮りたいからです。

要するに、人物を撮るにしても、ロボグラフィとして撮りたい。
「ロボグラフィ」という名を思いつく前から、
この撮り方は変わりません。

こんな人間には28㎜以下の広角レンズが最適です。
私もかなり試しましたが、
ついにどれもこれも使いこなせませんでした。

ホロゴン15mmF8にたどり着いて、
ようやく安住の地を得た思い。
決め手はなんだったか?

    超接近して、ノーファインダー腰だめで撮っても、
    ちゃんと撮ってくれる、その自信を私にくれるかどうか?

ホロゴンを使うようになって、
少しコツを覚えたという自信もできて、
スーパーアンギュロン21mm、ビオゴン21mm等々、
多くの超広角レンズで同様の撮り方をするのですが、
なぜか、あまり満足できる結果が出ません。

ところが、これらより狭い画角のレンズで一本、
心から信頼できるレンズが見つかったのです。
それが、ダルメイヤーの超小型レンズ、

    トリプルアナスチグマート15mmF2.9。

オリンパスE-PL1に付けて、実効30㎜と狭い。
超廉価で、ヘリコイドもないので、
Cマウントのスクリューがヘリコイド代わり。
まるで大したレンズじゃありません。
だけど、隠れた小さな巨人!

    どんなにでも接近できます。
    画質は、上記の超名レンズたちには比肩すべくもない。
    色も出ない。
    でも、生気がビンビンと放射してきます。
    元気を一杯くれる写真をいつもプレゼントしてくれます。

    私にとって、「珠玉」と言える最右翼のレンズ。

今回は大盤振る舞い、6枚ごらん頂きましょう。
昨日のお昼、職場と行きつけのレストランの往還に撮りました。
往き帰りの約15分で40枚ほども撮らせてくれるのですから、
ノーファインダー撮影って、気楽。
秋が来た、そう心底納得のしがたいほどの強烈な陽射。
でも、皆さん、元気です。
そう思わせてくれる写真をプレゼントしてくれました。




b0226423_10423344.jpg
b0226423_10422012.jpg
b0226423_1040024.jpg
b0226423_10392789.jpg
b0226423_1039305.jpg
b0226423_10392485.jpg

by Sha-sindbad | 2012-09-27 10:50 | Tri.Anastig15/2.9 | Comments(4)

465  キャベツ (ゾンネタール50mmf1.1は開放が深く見える?)



b0226423_214956.jpg





私が宮崎さんに送り返したゾンネタール50mmf1.1、
今夕7時、たった3日で我が家に帰宅しました。

    ヘリコイドリングにレバーが付き、
    開放1.1の数字と絞り表示との位置関係も改善され、
    使い勝手は万全となりました。

まるで、ちょっとだけぐれていたかわいい息子が、
上京して帰ってきたら、都の影響でしょうか?
きりっとした好青年に変身したみたい。

    ますます、かわゆうござる!

息子の帰宅を祝って、一枚アップしましょう。

    商店街のスーパーのキャベツの山。

私は微妙な絞り調整などしない、二値的人間です。
開くか、F5.6に絞るか?
ずっと開放で使い続けた記憶しかありません。
それなのに、被写界深度はかなりありそう。
ワケがわかりません。

ただ言えることが1つあります。

    かなり使っていますが、
    開放での被写界深度がかなり深い感じ。
    ヘアピンで合焦すると覚悟していたのですが、
    なんとまあ、予想に反して、ふっくりと合焦し、
    それから段々とフォーカスアウトしてゆく感じで、
    とても自然なのです。

宮崎さんのお話では、絞りをちょっと絞ったあたりの収差が
あたかもF4あたりと同様の効果を出す傾向があるようです。
レンズのお話しは私にはほとんど理解不能なのですが、
見かけ上、開放付近でもちょっと深度が深く見える効果があるようなのです。

そのお陰で、ネガフィルムの特性もあるでしょうけど、
超大口径の場合、ピントがかなり難しい傾向にあるのですが、
このレンズに限っては、開放付近がフレンドリーで、
とても使いやすくできているようです。

今回の写真はその一証左なのかも知れませんね。
それにしても、この自然な実在感、立体感、
そして、だんだんとアウトフォーカスして行くあたりの自然さ!
これはかなりの名レンズなのではないでしょうか?

いかがでしょうか?
by Sha-sindbad | 2012-09-26 21:07 | Sonnetar50mmF1.1 | Comments(3)

464  広葉 (ゾンネタール50mmf1.1は開放が穏やか)



b0226423_1841027.jpg





ゾンネタール50mmf1.1
兵庫県尼崎市の神社で撮った写真を一枚追加しましょう。

とても穏和な画像です。
もちろん背景は暴れています。
でも、これでバランスがとれています。

宮崎さんはおっしゃってました、

    「開放はちょっとかさつきます。
    F1.4から2あたりのボケが一番美しいですよ」

折角の情報なのですが、
私はつねに極端が好きです。

    ゾンネタール50mmは開放、
    開放はf1.1!
    この事実は動かせない。
    だから、開放で撮ります。

美しい写真のために、レンズの使い方を工夫する、
なんてことはしません。

    レンズのために写真を撮ります。

私の写真生活は「レンズ本位制」なのです。
写真作品など無縁。
レンズが撮りたい写真を撮らせてもらって、喜んでいます。
by Sha-sindbad | 2012-09-25 18:43 | Sonnetar50mmF1.1 | Comments(0)

463  砂糖壺  (スピードアナスティグマート20mmF1.5は開放が輝いている)



b0226423_22351563.jpg





ダルメイヤーのレンズに共通するもの、それは、
古色なのかも知れません。

今日、スピードアナスティグマート20mmF1.5を持ち出しました。
ほんの10分ほども時間がなかったので、たった29枚ですが、

歩き出す直前に喫茶店で砂糖壺を撮りました。
開放です。
やっぱり画面一杯になにかしら古色がついている感じ。

スピードアナスティグマート族では一番輝く写真が撮れるレンズ。
なぜかとても安かったのですが、
なぜかほとんど疵がなく、とても美しい、
そして、完璧な作動のレンズ。
ダルメイヤーって、ほんとに素敵ですね。
by Sha-sindbad | 2012-09-24 22:47 | Sp.Anastigmat20/1.5 | Comments(2)

462  古都三題 (ゾンネタール50mmf1.1の開放は古都のたたずまいを)



宮崎さんからお借りしたゾンネタール50mmf1.1、
3回にわたり、合計1500枚ほど撮らせていただきました。
レンズの性能に関する評価は私の得意とするところではありません。
印象として思いついたことを概括的に書かせていただきます。

ゾンネタール50mmf1.1の存在価値は、
一にも二にも開放描写にあります。
この開放での合焦部分のシャープネスは申し分がありません。
コントラストも上々ですが、ボケ具合は異次元。
Cマウントのアンジェニュー25mmF0.95、マクロスイター26mmF1.1と比較しても、
とても見事です。
一番よいことは、フォーカス部分から徐々になだらかにぼけていきますので、
紙芝居にならず、空気感が見事に表現されます。
はっきりと青みがかかるコマもありますが、そんなコマも含めて、
清澄感があり、とても上品です。

写真表現としては、f2からf4あたりがベストなのですが、
なにがなんでも開放で撮り続けたいと感じるのは、
私だけでしょうか?

そのうえ、小型超軽量なので、一日中振り回しても、疲れません。
最新のコシナ・ノクトンも含めて他のすべての超大口径レンズに勝る、
仕事レンズと言えそうです。

使い勝手ですが、実に滑らかに作動し、使い勝手は上々です。
ただし、
ヘリコイドリングが狭いため、絞りリングと一緒に廻ってしまいます。
絞りリングをもう少ししっかり締めていただければ、
絞りリングと一緒に廻るとということもないかも知れませんが、
ライカ用レンズらしく、レバーを付けていただくのがベスト。
このレンズだけかも知れませんが、
開放「1.1」の表示位置もちょっと違和感があります。
レンズは、絞り数字の中心に設定されているのが普通。
ところが、このレンズは「1.1」の最初の1のスタート線に合っています。
慣れないと、幾度も絞りリングをさらに回して、
完全開放に設定しようとしてしまいます。
ところが、それ以上リングは廻らないので、無駄な動き。

なんにせよ、このレンズ、私が常用したいレンズの最右翼に躍り出ました。
秋の楽しみとなりそうです。




b0226423_16271543.jpg
b0226423_16271776.jpg
b0226423_16271088.jpg

by Sha-sindbad | 2012-09-23 16:31 | Sonnetar50mmF1.1 | Comments(6)

461  マネキン (ゾンネタール50mmf1.1の開放は時には華麗に)



b0226423_1124977.jpg





昨日、JR京都駅に着いた後、地下鉄で移動することになりました。
地下街で最初の一枚を撮りました。
婦人帽ショップのマネキン。

ライカM9のASA感度は80。
ゾンネタール50mmf1.1は開放で60分の1秒のシャッター。
歩きながらなので、さっと撮って終わり。

時折、店員さんから文句を言われます。
おそらく展示プレゼンテーション、商品デザインを盗むプロがいるのでしょう。
私はまさに清廉潔白なので、文句を言われたら、
「ああ、そうですか? ありがとう」でケリを付けますが、
さすがに、文句を言われた後で撮ることはできませんので、
いきなりまず撮ってしまうヒットエンドラン方式。

撮影位置にすっと移動し、
一瞬撮影動作に入り、ただちにシャッター。
オートフォーカスなんて10年以上前に1回使っただけで、無縁。
ひたすら自分フォーカスですから、フォーカシングのスピードが勝負。
背景などちらっとも見ません。
すべてレンズ任せ。

なお、つけ加えますと、
ファインダーものぞかず、その位置についてから見もしないで、
どうしてそこが撮影位置だと分かるのか?
分かりません。
お話しは逆。
なんでもいい、ここだと勝手に決めて立ち止まったら、
そこが撮影位置なのだと決めているだけ。
もっとよい写真が撮れる位置があるに違いない、
そう考えて、その場でいろいろ試すのは写真家のすること。
素人は、生死不問、結果不問なので、気楽ですね。

こんな旧式な撮り方だからこそ、
背景を全部溶かしてくれるゾンネタールは重宝です。
それにしても、開放でこれだけ美しい色乗りなら、
絞り込むと、ちょっと豪華すぎることになるかも知れないので、
どんな状況でも開放で乗り切りたくなりますね。
by Sha-sindbad | 2012-09-23 11:08 | Sonnetar50mmF1.1 | Comments(0)

460  水玉 (ゾンネタール50mmf1.1はさらさら流れる渓谷水のように)



b0226423_23541545.jpg





今日、京都寺町で撮りました。
友人の写真家林孝弘さん、DAさんと一緒に廻ったのですが、
お二人とも、このレンズには絶句。
DAさん、幾度も、

「各社昔から強烈に大きなレンズした。
あれだけ大きくて重くないと、超大口径など無理だった、
そう思いこんでいたのですが......」

またゆっくりと報告シリーズをしますが、
一枚だけとりあえずご覧いただきましょう。
by Sha-sindbad | 2012-09-22 23:56 | Sonnetar50mmF1.1 | Comments(2)