レンズ千夜一夜

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407 蒼天 (トリプルアナスチグマート15mmF2.9で宇宙を感じる)



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かなり以前のことです。
南西アフリカ(ナミビア)にキャンプ旅行したことがあります。

毎晩、砂漠のキャンプサイトにたった5つのテント。
私たちの秘境ツアーの仲間以外には誰も居ません。
夜も怖くはありません。
人を食べる肉食動物は付近に居ないということで、安心。

キャンプサイトにはジャッカルが入ってきます。
トイレはキャンプサイトの端にあったり、なかったり。
ないときは、砂漠に出て行きます。
頭に懐中電灯を付けて行きます。
その懐中電灯の光がかすかに届くらしく、
闇の中に2つの輝点が浮かび上がります。
ジャッカルの瞳。
前方をさっと過ぎるジャッカルの影も見えます。
私は動物が好きなので、ワクワクするような体験でした。

でも、もっと凄い体験が私を待っていました。

    帰りに、砂漠にどんと大の字に転がります。
    すると、頭上に銀河と星々が文字どおり満天を埋めます。
    突然、頭上ではなく、眼下に見えるのを感じます。
    私は、空の上に差し渡された天上にへばりついている、
    そんな感覚。
    眼下にはるか深く深淵が開けている、そんな感じ。

一生忘れることのできない経験。
でも、日常でも、同種の体験ができます。

今日は出勤日でした。
朝から太陽はまさに赫奕と輝き、
日本では経験したことがないほどに容赦ない熱光線を浴びせてきます。
駐車場の空き地に立つと、近くのビルのはるか上方に、
蒼天をバックに、風に吹き飛ばされる白雲が天使の舞いを躍りました。
オリンパスE-PL1に付けたダルメイヤーは30㎜相当です。
最小絞りにセットして、ノーファインダーで撮りました。

小さなビルですが、宇宙船地球号の艦橋の風格を一瞬感じました。
by Sha-sindbad | 2012-07-31 21:58 | Tri.Anastig15/2.9 | Comments(0)

406 動物たち (マクロスイター26mmF1.1はやはり夢への扉らしい)



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1枚目が開放、2枚目はF5.6に絞っています。
昨日、寝屋川で撮りました。

開放であれ、F5.6であれ、描写性は変わりません。
あくまでもあたたかく、あくまでも毅然としています。

うつつと間違う夢があります。
細部までくっきり、明確に見えるイメージ、
だけど、夢、そんな夢をときに見ることがありませんか?

私は幾つか、けっして忘れることのない夢があります。
そんな夢は、隅々まで精密なイメージなのですが、
その基調はあくまでも夢幻、まぼろしの風味。

そんな私のいわば記念夢とマクロスイター画像とは、
とても似ています。
そんな似寄りに気づいて、
このレンズへの愛情がにわかに深まりました。
by Sha-sindbad | 2012-07-30 22:35 | MacroSwitar26/1.1 | Comments(3)

405 黄昏のパンダ (クセノン50mmf2.8は私が望んだ姿そのままに)



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写真家の作品の価値というものは、
ものや人の本質を描き出してみせるところにありそうです。

そうだとすれば、私の写真というものはその逆ですね。

    ものや人の本質を隠してしまう。

私の心がそうなのかも知れません。
ものや人の本質など見たくないのかも知れません。
むしろ私の見たいように見たいだけなのです。

クセノン50mmf2.8は鮮やかな画像をプレゼントしてくれるのですが、
やはりクラシックレンズです。
私は現場を知っているので、分かります。
パンダはもっとみすぼらしく、見捨てられたようでした。
クセノンが撮りますと、どこかデモーニッシュ。
私が望んだ姿そのままに。
by Sha-sindbad | 2012-07-28 22:32 | Xenon50/2.8 | Comments(0)

404 木漏れ日の蜘蛛の巣 (ビオター25mmF1.4はいつでも信頼できる)



西に傾いた夏の太陽が神社の森を通り抜けてきます。
木漏れ日って、太陽のボケ味なのでしょうね。
蜘蛛の巣をふんわりと浮かび上がらせてくれます。

もう一枚、もっと接近して、蜘蛛の巣を浮き上がらせたのがあります。
でも、その場の雰囲気をしっかりと描き出してくれたのは、この一枚。

ビオター25mmF1.4というレンズは、前にも書きましたが、
類い希なほどにすっきりとした精密画像をプレゼントしてくれるレンズ。
その印象は近景でも遠景でも変わりません。

    硬くはないけど、精密な描写。
    派手ではないけど、あたたかに色再現。

ツァイスのビオターというレンズ、
テッサー、プラナー、ゾナーの3巨人の光芒に気押されて、
はかなく影の隅に静かに退いている感じですが、
本当は、独自の個性に満ちた銘玉なのではないでしょうか?




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by Sha-sindbad | 2012-07-27 22:36 | Biotar25/1.4 | Comments(2)

403 裏口 (ホロゴン15mmF8Mは広くではなく奥深く使いたい)



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超広角レンズは広い範囲を撮るレンズだという考え方は、
もうそろそろ忘れた方がよいのではないでしょうか?

どんな焦点距離のレンズでも、広い光景を撮ることができます。
距離がとれさえすれば、たとえば、200㎜の方がよいかも知れません。
どんな写真を撮りたいかという意図に合致したレンズは、
必ずしも超広角ではないことが多いのではないでしょうか?

超広角の最大の利点は、バックできない狭い場所で撮れること。
15㎜になると、どんなに接近しても、しっかり奥行きを出してくれます。
これがホロゴンの活かしどころ、そうかんがえています。
by Sha-sindbad | 2012-07-26 21:53 | Hologon15/8 | Comments(2)

402  朝の光 (ダルメイヤー25mmF1.9は武士の妻のような凛々しい穏やかさが身上)


ペッツバール型と言われる、ダルメイヤーの小型Cマウントレンズ、

    25mmF1.9

スーパーシックス25mmF1.9についていたフードを付けて出動。
まったく同じ筐体なのです。
でも、見栄えも、造りも品位がかなり違います。
こちらは、どうやら素材が廉価版のようです。

でも、写りはまったくひけをとりません。
ダルメイヤーらしく、穏やかで広やかな描写。
中心部は開放からキリリと引き締まっているので、
開放から使えます。

そんな一例をどうぞ。



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by Sha-sindbad | 2012-07-25 20:32 | Dallmeyer25/1.9 | Comments(0)

401  生命感 (オルソスティグマート35mmF4.5は艶やかな質感では天下一品)



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シュタインハイルのライカLマウントレンズ、

    オルソスティグマート35mmF4.5

このレンズは不思議なほど艶やかに写ります。
そのうえ、実に繊細なまでに密度豊かな描写をくれます。
正直なところ、やややり過ぎじゃないか、とさえ思うことがあります。

ズミクロン35mmF2八枚玉、ズミルックス35mmF1.4、ズマロン35mmF3.5、
この3本のライカ純正レンズとはまるで異なる雰囲気。
どうやら被写体を選ぶのではないかという感じがします。
むしろその過剰な色彩感を強調するのが生きる道かも?

今回グーグルを検索して、
中将姫光学さんのコメントを発見しました。
このレンズ、往年の名レンズ、ダゴールと同じ構成なんだそうです。
各種のダゴールがあり、大変に高い名声を誇るレンズなのですが、
見つかるのは、たいてい大判用。
残念ながら、まだ一本も使ったことがありません。
よく考えると、このレンズがあるのですから、
ダゴールの凄みを少しは味わえると考えてもよいのでしょうか?
by Sha-sindbad | 2012-07-24 22:44 | Orthostigmat35/4.5 | Comments(0)

400  集金中 (スピードアナスティグマート20mmF1.5はやはりキノプラズマート族)

ユニバーサルシティ駅前のビル2階から、駅前広場を見下ろしました。
来る度に、この猿回しのお姉さんとお猿君が仕事をしています。
いわば、この広場がお店なのです。
一体、1日にどれ位の売り上げがあるのでしょう?
猿君はいくら給料をもらっているのでしょうね?

今回は400回記念です。
最新のレンズの一本を選択。

    スピードアナスティグマート20mmF1.5、

これまでのどのキノプラズマート族のレンズとも雰囲気が違います。
F8に絞って撮ったのに、あれあれあれ......?
イメージサークルはキノプラズマート族中もっとも狭い感じ。
中央約3分の1の円形だけがきちっとフォーカスしています。

でも、合焦部の明晰さ、立体感、精密度はおそらく白眉と言えそうで、
中央部分だけを活かすミニホロゴン的写真が撮れそうで、
これはこれで十分面白い写真が撮れそうです。



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by Sha-sindbad | 2012-07-23 22:52 | Sp.Anastigmat20/1.5 | Comments(3)

399  雨傘 (エンラージングアナスティグマート50mF3.5はダルメイヤーらしく幽遠で)

 
 
私が歩く裏通りは、たいてい、薄汚れています。
桃源郷のように美に溢れているわけではありません。

古びたものとどんどん廃棄して、新しいものに換える、
そんな資力がないので、あるだけのものでなんとか凌いでいます。
それがロボグラフィを生む原動力となっているらしい。

ロボグラフィを撮るとき、露出を-に補正するほかは、
なにも細工をしません。
でも、いつもメタモルフォーゼを期待しています。

裏通りの生活は続きます。
もっとよい住宅地に移る資力がないから、というより、
父祖の代から長く住み続けて、愛着があり、歴史があるからです。
だから、住民には、私たち外来の者には見えない、
懐かしさや思い出のフレアが見えるはずなのです。

そんなノスタルジックな気配を写真に写すなんて、無理。
だから、クラシックレンズを使います。
クラシックレンズの名玉たちには、それぞれ独特の味付けがあり、
ロボグラフィには、これがメタモルフォーゼとなってくれるかもしれない、
そう期待し、願ってのことです。

ときどき成功します。
そんなレンズを、私はメタモルレンズと呼んでいます。
ダルメイヤーは、とりわけメタモル率の高いレンズ群を供給してくれます。
その白眉は、なんと言っても、

    エンラージングアナスティグマート50mF3.5

今回の写真には、私がその場で念願した味わいがちゃんと出ています。

レンズは、人間とちょっと似ています。

    明晰さよりも、あたたかさがまさっている、そんなレンズが魅力的ですね。




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by Sha-sindbad | 2012-07-22 18:21 | 未分類 | Comments(0)

398  モノトーン (カラー・ミノター35mmf2.8は色がなくても素敵な写り)



前回紹介しましたアダプタで使えるもう一本のレンズが、

    ミノックスのカラー・ミノター35mmf2.8

「カラー」が付くだけあって、かなり発色の良いレンズです。
でも、そんなレンズだからこそ、
色のないものを撮ってみたいもの、と言いたいところですが、
実は、そんなことを意識して撮ったりはしません。

まして、誰も気に止めないような、いわば世捨て人たちを撮ろう、
そんな気持でわざわざ探して撮るわけでもありません。
気が付いたら、撮っている、そんなスタンス。

カラー・ミノター35mmf2.8、気に入りました。
ソニーNEX-5Aに付けると、52.5㎜となりますから、
ソニーNEX-5Aもレンズもとても小振りなので、
さりげなく使える標準レンズセットが1つ手に入った感じ。




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by Sha-sindbad | 2012-07-21 23:00 | Colour-Minotar35/2.8 | Comments(0)