レンズ千夜一夜

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223 陶器人形 (スーパーアンギュロン21mmf4もリコーGXR/A12で生き返り)



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№222で、
スーパーアンギュロン21mmf3.4がリコーGXRで戦線復帰と書きましたが、
今日は、兄貴分のスーパーアンギュロン21mmf4も、
リコーGXR/A12で使ってみて、生き生きと息を吹き返しました。

出勤時、このレンズを持ち出したのですが、
いつも撮ります陶器の壊れたお人形のことを思い出し、
最短の40㎝に設定して、目測でレンズを突き出して撮りました。

f8に絞っていたので、上から垂れている電線以外は全部フォーカス。
なかなかの立体感ですね。
しかも、デジタル臭さはまるでありません。
銀塩フィルムで撮ったと言っても、誰も不思議には思わないでしょう。

まだリコーGXR/A12使用二日目ですが、
このカメラ、ライカレンズでかなり使えそうです。

いい買い物をした、そんな感じがしてきました。
by Sha-sindbad | 2012-01-31 17:50 | SuperAngulon21/4 | Comments(6)

223 お能人形 (アンジェニュー25mmF1.4はきっと優れたシネレンズ)

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今から10年以上前のことです。
ある写真家に写真を見ていただいたことがあります。
高名な写真家です。
とてもあたたかい方で、真剣に写真をご覧になります。
2度ごらん頂いたのですが、
いつも熱情溢れたご批評を頂くことができました。

写真が本当にお好きなのです。
その方がこうおっしゃっいました、

    「コンセプトを持たない写真家は、
     コンセプトをもって撮る写真家に到底かなわない」

私が写真をあきらめたのは、この瞬間だったかも知れません。

    きっと人生を賭けたいほどのコンセプトなんか、
    ちらっとも思いつかなかったせいでしょう。
    そんな退屈なこと、したくない!
    脳天気に、極楽至極に、その日その場で撮りたいものを撮る、
    それが人にどう印象を与えるかなんか、気にしていられるか、
    自分が、心から楽しめたら、それでいいじゃないか!

私の気持ちはそうでした。

それからは背伸びをするのはやめました。
人に評価してもらうことに意味を感じなくなったのもこの時から。
だから、今回のような写真が撮れるようになったのです。

写真を撮るとき、自分の気持ちしか考えない。
自分のためにしか、写真を撮らない。
とても気楽です。

そんな私の気持ちに沿った写真をちゃんと撮ってくれる、
それが、私にとっての名レンズ。

そんな風に考えると、
アンジェニュー25mmF1.4は大変な銘玉。

ホロゴン15mmF8と同じように、
私が撮りたいと思ったイメージよりも、
はるかに素敵なイメージをプレゼントしてくれます。

私の写真だとは思いません。

    レンズの賜物。

これを素直にレンズのものと認められるようになったのも、
自分が写真作品を撮るスタンスから訣別したから。
by Sha-sindbad | 2012-01-31 02:04 | Anjeniueux25/1.4 | Comments(4)

222 石段 (スーパーアンギュロン21mmf3.4がリコーGXRで戦線復帰)



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ライカM3からライカM9への移行によって、
一番泣いたレンズは2本のスーパーアンギュロン21mmでした。

私の設定に問題があるのでしょうか?
ライカM9では、どうしても周辺がおかしくなります。
あまり気持ちのよい画像ではありません。

さりとて、銀塩で使うという気になりにくい。
銀塩で超広角を持ち出すのであれば、
ホロゴン15mmF8を選んでしまいます。
いきおい、スーパーアンギュロン2本はお蔵入り。

でも、使いたい。
そんな思いをかなえてくれるカメラが見つかりました。

   リコーGXR

このカメラにMマウント用のA12ユニットをセットすると、
ライカMマウントレンズのためのカメラに変身します。

yoshiさん、ayuさんがこのカメラを近ごろ愛用しておられますが、
画像がなんともしっとりとして、落ち着きがあります。
お二人の写真を拝見して、欲しくなりました。

どのお店でも、予約待ちの状況。
半年後あたりに使えたらありがたい、そう思って予約したら、
1週間経たずして、A12ユニットが到着。

ボディもない状態なので、早速、即日、注文。
今や電撃配送の時代ですね。
今朝9時半、リコーGXRも我が家に乱入し、
ミラーレスのデジタルカメラが4台になってしまいました。

しかたがありません。
使いましょう。

幸い今日は執務休業日だったので、
まず、スーパーアンギュロン21mmf3.4を付けて、
試写に飛び出しました。

シャープネスは最低にし、
彩度、コントラストも一段落としました。

神社の古木を軽い気持ちで撮りました。
焦点距離は事実上1.5倍の31.5㎜。
絞りはf2.8開放。
マイナス1に露出補正。

見たままに撮れました。
これなら、使える、そんな気がしてきました。
by Sha-sindbad | 2012-01-30 18:50 | SuperAngulon21/3.4 | Comments(0)

221 石段 (アンジェニュー28㎜f2.5は深みのある味わいが特徴で)


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アンジェニュー28㎜f3.5は、
アルパ、エキザクタに供給されました。

私がこれまで読んだ文献では、
このレンズの評価は毀誉褒貶半ばするという感じでした。
幽玄、と言えば、聞こえがよいのですが、
ボケレンズという評価さえありました。

私が手に入れたのは、エキザクタマウント。
エキザクタ・バレックスに付けて、撮ってみました。
実に立派な、厚みとコクのある描写でした。

アンジェニューほどの会社です。
個体差があるとは考えたくありませんね。
好みが左右するほどに、個性的な描写のレンズなのでしょう。

私はもちろんこのアンジェニューが大好き。

オリンパスE-PL1に付けて、56㎜標準仕様で撮ってみました。
天王寺区の下町の光景。
あちこちにこんな風に解体された自転車が放置されています。

なぜだと思います?
どうやら盗難車なのではないでしょうか?
売れる部品だけ撮って、道端に捨ててしまう。

面白いのは、そのままいつまでも放置されていること。
地面に吸い込まれてゆくようです。
自転車の末期の尊厳を感じると言いますと、
大げさでしょうか?

こんな光景を見ると、無性に嬉しくなってしまいます。
なぜでしょうね?

そして、この写真を見ると、随喜の涙。
なぜでしょうね?

    もちろん、アンジェニューのせい!
    場末の空気感、臨場感をこれだけあたたかく、
    しかも、深みをもって描出してくれるのですから!
by Sha-sindbad | 2012-01-29 17:17 | Anjenieux28/3.5 | Comments(6)

220 眼 (オリオン15-28mmF6は隠れもなき名レンズ)



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今日は、親友のDAさんと大阪天王寺を歩いてきました。

DAさんはライカのエルマリート28mmF2.8の使い手。
私も、負けじとばかりに、28㎜をライカM9に付けました。
ただし、ちょっとひねって、

    オリオン15-28mmF6

終始、F6開放で撮りました。

このレンズ、開放ですでに絞りバネがかなり閉じています。
画像がキリリと締まるF6で十分とばかり、
絞りバネを固定してしまったようです。
畏友のRAさんが改造名人宮崎さんにお願いして、
この絞り羽根を開いて貰いました。
このF4付近の開放の描写に激しく心を揺さぶられました。
とても見事なのです。

いつか、私も宮崎さんにお願いしようと考えて、
超廉価のこのオリオンを入手しました。

今回の写真は最短1メートルでの描写テスト。
素直で、堂々たる写りではありませんか?
エルマリート28mmF2.8のようなカリスマ性はありませんが、
必要にして十分な描写力です。
実のところ、これだけ写れば、
文句なしではないでしょうか?
by Sha-sindbad | 2012-01-28 23:04 | Orion28/6 | Comments(0)

219 悠然  (アンジェニュー25mmF1.4はアンジェニューだった!)



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シネレンズの雄と言うべきレンズ会社はどこか?
と、問いを立てても、私はくわしくないので、分かりません。

でも、これまで使ってきたところでは、

    クック、
    アストロ・ベルリン
    シュナイダー
    ケルン

このあたりがとても素敵なレンズを輩出しています。

でも、いつも気にかかるのが、

    アンジェニュー

まず、名前がなんとも言えず、フランス的で、
雰囲気に飛んでいますね。

私がこれまでに使ったアンジェニューは3本。

    アルポーター90mmF2.5、
    アンジェニュー35mmFF2.5、
    アンジェニュー28mmF3.5。

90ミリはややあっさり味ながら、
名状しがたいほどにほんわりと上品な味わいが広がり、
その描写は絶品でした。
広角2本の見事さもまた文句の付けようがありません。

そんな私の前に、オークションサイトで、
一本のアンジェニューが姿を表しました。

    アンジェニュー25mmF1.4

2万円を切る超低価格。
相場はおいくらなのでしょう?
まさか、この価格が相場ではないでしょうね。

売り手はありとあらゆる欠陥をあからさまに書き立てていました。
私は平気でした。
私は満足に写らないレンズでもよいのです。
味わいさえあれば、それなりに面白いかも知れないのですから。

競争相手もなく、早速手に入れました。
昨日、無事我が家に到着。
今日、仕事に出て、使ってみました。
その写りが今日の写真。

なんと、なんと、なんと.......
アンジェニューそのものの写りではありませんか!
by Sha-sindbad | 2012-01-27 21:18 | Anjeniueux25/1.4 | Comments(0)

218 配管 (ズマロン28mmF5.6は古色蒼然たるたたずまいで)



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ズマロン35mmF3.5の生産開始は1946年。
それから9年も遅れて、ズマロン28mmF5.6が生まれました。

35㎜によく似た4群6枚の設計なので、
28㎜が35㎜の開発を基礎にしたと考えることができそうです。

確かに、線が細く、それなのに、立体感のある画像、
とても地味だけど、コクと厚みのある色彩は、
この2本のレンズが兄弟関係にあることを示唆しているようです。

でも、どこか違うのです。
ズマロン35mmF3.5も大好きなレンズですが、
ズマロン28mmF5.6はまた格別の味わいがあります。
その味わいの源泉は、
結局は、古色なのかも知れません。
by Sha-sindbad | 2012-01-26 22:54 | Summaron28/5.6 | Comments(1)

217 ノブ (キノプラズマート19mmf1.5は夢レンズ)



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キノプラズマート3/4inchf1.5

このレンズほど、「小さな巨人」と感じさせるレンズはありません。

KinoPlasmat50mmf1.5という、
「寫楽彩」さんのホームページや文献でしかお目にかかれない、
伝説的なレンズがあります。

一体、どんな描写を見せてくれるのでしょうねえ?

私には手に入れる可能性が絶無なので、
35㎜判のキノプラズマートたちは、夢レンズではありません。
火星の宝石のようなものです。

その何十分の1以下のレンズで手に入れた、
私のキノプラズマート19mmf1.5が、
私にとって、正真正銘の夢レンズ。

手に入れる可能性があるから、夢を見るのです。
でも、手に入れてみて、こんなに素敵なレンズだと分かっていたら、
もっと前から夢見たのだけど、と思えるレンズだって、
夢レンズではないでしょうか?

腰あたりに構えて、ピントをさらりと合わせて、
ひょいと撮りますと、こんな写真をプレゼントしてくれました。
すでに自分のものになっていながら、
やっぱり、これは夢なんじゃないだろうか?
そう思えることもまた、
夢レンズの証拠なのです。
by Sha-sindbad | 2012-01-25 22:55 | KinoPlasmat3/4inchf1 | Comments(0)

216 合焦テスト (マクロスイター26mmF1.1のダイナミックレンジは大きい)



一昨日、大阪淀屋橋の喫茶店に入ったとき、
面白いテストを思いつきました。

   マクロスイター26mmF1.1の被写界深度テスト。

壁際の座席に座ったまま、
f1.1の絞り開放で壁を撮り、
肘を付けたまま、絞りを1段絞り、次のf1.4を撮る。
この作業を連続してみました。

その結果をまずご覧下さい。


                     f1.1
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                     f1.4
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                     f2
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                     f2.8
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                     f4
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                     f5.6
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                     f8
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                     f11
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開放では、ほとんどヘアピンという感じ。
手持ちですから、確かなことは言えませんが、
マクロ域で撮る限り、
ピント精度を重んじるのであれば、f1.4 から撮るのがよさそう。
f2.8ですでに画像はほぼ完璧になり、
f8で像が緩みはじめるので、
f5.6あたりで止めておくのがよさそうですね。

それにしても、キリリと像が引き締まるレンズですね。
by Sha-sindbad | 2012-01-24 18:15 | MacroSwitar26/1.1 | Comments(0)

215  針金 (マクロスイター36mmF1.4はナチュラルレンズ)



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マクロスイターと呼ばれるレンズは幾種類あるのでしょう?
本ブログに掲載しているとおり、
私のマクロスイターは3本。
それ以外に、どうやらシネレンズのマクロスイター50mmがあり、
さらには、マクロスイター50mmF1.8よりレアと思われる、
マクロスイター50mmF1.9があります。
前者は見かけませんし、後者は高額すぎます。

でも、私の3本で十分すぎるほど。
今日は、ソニーNEX-5Aにマクロスイター38mmF1.4を付けました。
26㎜とか36㎜とか、 かなり半端な数の焦点距離。
そのあたりが独特の個性を予感させます。


撮ってみると、とろけるようなボケ味は他の2本と共通
周囲がかなりけられますが、
このレンズ、生彩溢れるナチュラル画像をくれるのです。
その程度の不足があっても、
このレンズも立派に働いてくれそうです。
by Sha-sindbad | 2012-01-23 23:50 | MacroSwitar36/1.4 | Comments(5)