レンズ千夜一夜

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193  親子釣り  (ホロゴン15mmF8に今年の締めをお願いしましょう)



気がついてみると、このブログ、
「レンズ千夜一夜」も193回目。

レポートは見ていませんが、
せいぜい20人程度のほんの一握りの好事家だけが知る、
まさに秘境ブログ。

だからと言って、キングコングがいるわけもなく、
ソロモンの秘宝が隠されているわけでもない。
ただのレンズ好きのレンズ自慢ブログ。
結局、クラシックレンズを探す人に、
その写真情報を提供する程度の意味しかありません。

今数えてみますと、掲載レンズは86本。
その相当数はよそ様に貰われてしまったので、
全部のレンズが手元に残されているわけではありません。

そんな過去の女たち、おっと、レンズたちに、
とてもよい表情を見つけて、
ああ、残しておけばよかったのに!

そんな惜しいレンズのベスト5は、

    ヘクトール73mmf1.9
    エルマー65mmF3.5
    セプトン50/2
    コンタレックスのプラナー50mmF2
    キノプティックのアポクロマート100mmF2。

そのうち、エルマーとセプトンは、
近ごろ、例のとおり超廉価で入手しました。
いずれも、宮崎さんにお願いして、
Mマウントに改造していただくことになります。
お金がないので、いつになるか?

ヘクトール73mmf1.9は辛抱強く掘り出し物を探します。

残る2本はおそらく無理でしょう。

プラナーは、一眼レフ用レンズであり、
いわば、失われた世界の宝物。
アポクロマートは、今、オークションサイトで検索すると、
なんとまあ、4980ドル(約39万円)と6000ドル(約47万円)。
夢よ、さらば。

でも、私には、正真正銘の夢のレンズがあります。
その一枚に、明日、来年への希望を託して、
今年度の締めくくりとさせていただきます。



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青森県の大間漁港の埠頭の光景。
2人は、私の2メートル弱前方にいました。
埠頭に一人立っていた私の横をすり抜けて行きました。
「こんにちわ」と言葉を交わした後、
私がすっと追いすがって、
一枚撮ったことにも気づかず、
2人して海に向かって進んで行き、
くるり振り向いた私の人生からも消えて行きました。

今日こそは、と、漁獲を夢見ていたのでしょう。

    この子のためにも、
    そして、日本のすべての子どもたちのためにも、
    明るい未来を!
by Sha-sindbad | 2011-12-31 16:46 | Hologon15/8 | Comments(9)

192  植木鉢 (アストロ・ベルリンのパンタッカー35mmf1.8はやさしさが魅力)



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アストロ・ベルリンの映画用レンズは、
パンタッカーだけでも、いくつもの系列があるようです。

   f2.3、f2、f1.8

f2は使ったことがありません。
大変高価でレアのようで、使う可能性もなさそうです。
一番廉価はf2.3シリーズは、
50、75、125㎜の3本しか使ったことがありませんが、
とても素晴らしいレンズたちです。
40㎜を、例の通り、超廉価で手に入れていますので、
また宮崎さんにMマウントに改造していただきます。

その宮崎さんから教えられました、

   f1.8のパンタッカーはとても面白いですよ。

この言葉が引き金になって、手に入れたのが、これ、

   パンタッカー35mmf1.8

使ってみると、宮崎さんのお言葉どおり、実に面白い。

開放描写が、私の使ったレンズではとびきり柔和なのです。
ピントがとても甘いし、コントラストもとても低いうえ、
フレアがあるので、

簡単に言えば、ボケレンズなのかも知れません。
でも、それだけではない、なにかがあります。

   かぐわしいオーラのようなたたずまい。

外観はまるで冴えないけれど、
付き合えば付き合うほどに、魅力を感じる、
そんな人が居ますね。

このレンズもそんな奥ゆかしさがあって、
これから長いお付き合いをお願いしたいレンズ。
by Sha-sindbad | 2011-12-30 12:21 | PanTachar35/1.8 | Comments(0)

191  ナンテン (クックのイヴォタール25mmf1.4は若武者の凛々しさで)



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前からよく書いていることですが、
テーラー=ホブソン、クックのレンズって、
とても清々しいほどに、抜けがよいものが多いようです。

明らかにレンズ会社としての方針が見られます。

    一種の矜持を感じさせるほどに、
    誇り高く、凛然とした写り、
    これがクックの登録描法というわけです。

イヴォタール25mmf1.4

本当はアイヴォタールかも知れませんが、
このレンズ、スピードパンクロの時代から見ると、
もっと後の世代の標準レンズのようです。

オリンパスE-PL1で撮りました。
その開放描写はちょっとした見もの。

    肩の力が抜けた若武者の凛とした正眼の構え、
    そんな感じがしませんか?
by Sha-sindbad | 2011-12-29 22:11 | Ivotal25/1.4 | Comments(0)

190  朝 (トリプルアナスチグマート15mmF2.9は朝に強い)



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ダルメイヤーのパンケーキレンズ、

    トリプルアナスチグマート15mmF2.9。

本ブログで、すでに5回も採り上げました。
異例です。

    使えば使うほどに、にじみ出る味。

御用納めの今日、
朝、この2枚を撮りました。

    1枚目は開放f2.9、
    2枚目は絞り込んで、f8。

どう見ても、これは開放の勝ち、
そう見えるのですが、
あなたはいかがですか?
by Sha-sindbad | 2011-12-28 22:05 | Tri.Anastig15/2.9 | Comments(0)

189  夜の自転車 (キノプラズマート19mmf1.5も夜に強い)



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どんなレンズにも、使用感があります。

これは使う人それぞれに特有の志向に基づくもので、
同じレンズが人ごとに異なる感触、使用感を与えるようです。

もちろん私の場合も同様です。
さまざまなレンズごとに使用感が違います。
そんな中で、使うたびに舌を巻くレンズがあります。

    キノプラズマート19mmf1.5

オリンパスE-PL1専用のレンズですが、
その液晶画面でのライブビューを見るたびに、
開放から、とても爽快な画像を作ってくれるからです。

しかも、その描写力たるや抜群。
その使用感は、とっぷり日が落ちた夜でも変わりません。
やはり、開放でもあまりぐるぐるボケは現れませんね。

    まさに濡れたように写るレンズ。
by Sha-sindbad | 2011-12-28 00:26 | KinoPlasmat3/4inchf1 | Comments(0)

188  画塾 (ズミルックス35mmF1.4は夜に強い)



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いったい美というのは、なんなのでしょう?
どこに行っても、誰にとっても、
美というものは一緒なのでしょうか?
どうやらそうではないようですね。
人それぞれに別々のものを美しいと思い、
自分自身でも、別の機会には別のものを美しいと思う、
そんなものですね。

私はこんなものも美しいと思います。
by Sha-Sindbad | 2011-12-26 23:59 | Summilux35/1.4 | Comments(2)

187  立て看板 (ズミルックス50mmF1.4は古都の冬にも似合い)


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ズミルックス50mmF1.4

開放は、ライカM9では不思議に暴れないと書きました。
その代わり、というか、そのまま、というか、
とても柔和で、女性的な感触のある描写。

たしかズマリットの改良型と読みましたが、
描写の性質を考えると、
むしろズマールの流れを汲んでいる感じですね。
by Sha-sindbad | 2011-12-25 00:15 | Summilux50/1.4 | Comments(0)

186  ススキ (キノプラズマート25mmf1.5bは魔レンズ)



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今日、撮れ撮れの写真をごらん頂きましょう。

奈良北辺の歌姫街道の光景。
天気予報は曇りでした。
実際には、一日中好転に恵まれ、
絶好の撮影日和でした。

前回は、Cマウントのキノプラズマートでした。
今回は、Mマウント改造のキノプラズマート。
どうやらレンズはどちらも同じ25mmf1.5。

前回は、絞り開放の描写。
今回は、絞りをf2.8の描写。

でも、2段絞っても、
魔術的な雰囲気は消えませんね。
まるで、嵐が丘.........
by Sha-sindbad | 2011-12-23 22:32 | Kinoplasmat25/1.5b | Comments(6)

185  バイシクル (キノプラズマート25mmf1.5aはグルグル回らない)


ホロゴンのパンフォーカスの後は、
その対抗馬として、キノプラズマートの開放と参りましょう。

2枚選んで見ました。
不思議なことに、あの有名なグルグルボケはありません。

グルグルボケがどんなときに出て、どんなときに出ないか?
これが分かりません。
もしかすると、オリンパスE-PL1では、
イメージサークルの周辺グルグルボケ部がカットされるのでしょうか?

天気予報ならぬ、開放ボケ予報が欲しいところですね。

    「キノプラズマート、本日は乱調、
     ぼけたりぼけなかったりするでしょう」

正直なところ、私はグルグルボケは避けたいところです。
合焦している中心部よりも、
ボケの方に関心が向かいかねないからです。

どんなドラマでも、映画でも、脇役が主役を食ってはいけませんね。
監督が叫ぶでしょう、

    「主役が山場で折角泣いてるのに、
     横でちゃかちゃかするんじゃないよ!」



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by Sha-sindbad | 2011-12-22 16:46 | Kinoplasmat25/1.5a | Comments(2)

184  祈り (ホロゴンウルトラワイドは手の先に付いた目)



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もう一つのブログ「わが友ホロゴン」で、
ネパール・シリーズが終わりました。

大半、ホロゴンで撮った旅行写真でした。
ネパールに行けば、誰でも撮れるような写真ばかりですが、
私にとっては、夏冬2回、カトマンズやバクタプルを観光もせず、
裏町ばかりを、一人ぐるぐる歩きに歩いた思い出の記念写真です。

その中に、私の大好きな写真が何十枚もあるのですが、
「1枚に絞ったら、どれ?」と尋ねられたら、
間髪入れず、「これですよ、もちろん!」と差し出せる写真がこれ。

ボーダナートの大ストゥーパに向かい、
一心不乱に祈りを捧げるチベット人女性。
数十センチ横で、両手を突き出して撮ったのですが、
まるで気づかず。

かなりの年齢に見えますが、
長年の亡命生活の果ての心労のやつれかも知れません。

さて、この写真を見せて、「レンズはなんでしょう?」
こう質問したとして、「15㎜でしょう、当然」とお答えになる方、
かなりの目利きでしょうね。

私は、自分で撮っておきながら、
そう答えられる自信はありません。
「かなり絞った200㎜でしょう」なんて、答えてしまいそうです。

手に入れて15年、2、3千本撮ったでしょう。
でも、まだこのレンズの魔術にたぶらかされ続けています。
by Sha-sindbad | 2011-12-21 22:40 | Hologon15/8 | Comments(7)