レンズ千夜一夜

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104 視線 (アポクロマート18mmF2は雨男ならぬ、雨レンズ?)



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№80でアポクロマート18mmF2をとりあげたとき、
このときもオリンパスE-PL1で撮ったのですが、
こう書きました、

    「私の撮り方だと、とても地味に写ります。
     銀塩写真とほとんど区別が付きませんね」

今回も、ご覧下さい、まるで銀塩ですね。

ある方と昨夜電話でお話したとき、こう勧められました、

    「リコーGXRがいいらしいですよ。
     もうソニーNEXも足下にも及ばないほど、高画質だそうですよ」

私はこう答えました、

    「どんな感じが調べてみますが、
     実のところ、ソニーNEX-5Aでも、
     デジタル画質くさくて、困っているんですよ。
     それよりも、ツルツルピカピカ超精密画質になるんでしたら、
     まっぴらご免です」

銀塩の精密度で十分。
粒子が見える程度が一番好ましい。
こんな風に考えている人間に、
デジタルは無用の長物。

そんな風に考えていますと、
エプソンRD-1って、600万画素。
これがいいんじゃないかな、という気になってきました。

でも、超高画質と言ってもよいほどのアポクロマート18mmF2、
オリンパスE-PL1で撮ると、けっしてデジタル風ではありませんね。

    アポクロマート18mmF2はマイクロフォーサーズ専用レンズです。
    ということは、オリンパスE-PL1とは極上の相性?

どうせ、APSサイズのエプソンRD-1では使えないのです。

    旧型オリンパスこそ、私には正解だった!
by Sha-sindbad | 2011-09-30 23:35 | Apochromat18/2 | Comments(0)

103 視線 (ズマロン28mmF5.6はやさしい二枚目レンズ)



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ライカの超広角は1935年以来ずっと、

    ヘクトール28mmf6.3

私も以前一本手に入れましたが、
いつものとおり、安物買いの銭失い。
レンズ表面に、よくもここまでと、感心するほどに、
微細な擦り傷がびっしりついていて、
順光でも、白い靄がかかり、画質もかなり甘いものでした。

20年もたって、満を持して登場したのが、

    ズマロン28mmF5.6

たった半段しか明るくならなかったのですから、
どうなのでしょう?
おそらくそんなに人気は出なかったかも知れません。

でも、いよいよ真打ち登場とばかりに、
ライカの広角の星エルマリート28mmF2.8が登場するのが、
1965年。
つまり、10年間は席を守ったのですから、大したものです。

使ってみれば、その理由が分かります。

    開放5.6が常用絞りとなり、これで十分。
    柔和で、しかもきりりと画像を結んでくれます。
    とても美しい筐体、
    コンパクト、
    角形フードと来たら、ライカレンズフードの白眉。
    つまり、珠玉のようなレンズとはこのレンズのこと。

人を驚かせる写真は作ってくれませんが、
落ち着いたたたずまいをお好みの方には不満はないでしょう。
私もかなり使っていますが、一度も不満に思ったことはありません。

私が一番気に入っているポイントは、
角形フードを付けたときのかっこよさ。

    でも、このフード、かなり高いのです。
    片ネジで取り付けるのですが、
    ネジという代物、締めることができるということは、
    緩むことがあるということ。

    ライカのシャッターボタンに付けるソフトシャッター、
    何個落としたことか!

    そこで、この角形フードのネジに透明釣り糸を巻いて、
    本体絞りリングに固定しています。
    これで一安心。

使うことに喜びを感じさせてくれるレンズって、
このレンズのことですね。
by Sha-sindbad | 2011-09-29 14:11 | Summaron28/5.6 | Comments(4)

102 視線 (トポゴン25mm f4はツァイスの奇蹟の一つ)



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焦点距離の選択。

レンズ会社はちょっとした好みを見せることがあります。

そのせめぎ合いの戦場の一つが、

    24㎜か、25ミリか?

ベテランの写真家にいわせると、
    この1ミリが大きな違い。
私のような素人にいわせると、
    そんな違い、分からない。

ニコン一眼レフやライカは24㎜ですね。

でも、やっぱり好みというものがあります。
ヤシカ・コンタックスにディスタゴン25mmF2.8がありました。

    開放で、中心部が滅法シャープで、
    周辺減光があって、絵になる、というので、
    写真家が好むレンズの一つだったそうです。
    
私の友人の写真家林孝弘さんもそのお一人。
    最初の写真集「Aoyama iz」は25㎜一本で撮ったそうです。
    今でも、日本の古本屋サイトで見つかります。
    私がこれまで見た最高の造本の写真集。
    中身も最高!

私も、そんなこととは知らず、昔、一時期使っていました。
でも、当時、私はまだ広角の使い方が分からず、
いつしか手放してしまいました。

でも、林さんも使ったと知って、また欲しくなりました。

そのディスタゴンとは設計がぜんぜん違いますが、
ツァイスには伝説的なトポゴン25mm f4がありました。
ディスタゴンは一眼レフ用、
私は、アルパをのぞき、一眼レフはもう使いません。

そんな私の目に2年前のお正月飛び込んできたのが、
トポゴン25mm f4でした。

一度も後悔したことがありません。
目測でしか使えないレンズですが、それでいいじゃないの。

    使い勝手は、最高!
    写りも、最高!

もっと使ってあげなきゃ!
by Sha-sindbad | 2011-09-28 23:39 | Topogon25/4 | Comments(2)

101 ポートレート (ロボットのビオター40mmf2って、掘り出し物だね)



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ロボットというカメラ、1934年から作られたそうですね。
24×24のスクエア画面で撮るようにできていたそうです。

レンズはスクリューマウントですが、かなり小さな直径。
その交換レンズの一つが見つかりました。

    ビオター40mmf2

ツァイスの標準系のレンズ名。
1927年設計だそうですから、これも古いレンズです。

たった1万円程度ですが、届いたレンズは、
鏡胴もレンズも燦然と輝き、まるで新品。

これをライカLマウントアダプタに入れ、
Mマウントアダプタに入れ、さらに、
Nexマウントアダプタに付けて、
ソニーNEX-5Aに付けました。

3重アダプタですが、ほんの数㎜高くなるだけで、
とてもコンパクトなレンズです。

ご覧になってください。

    きりりとして、とてもシャープ。
    古めかしいところなどまるで感じられません。

第二次世界大戦中、空軍機に付けたり、
スパイ用に活用されたりしたそうですが、
その理由の一つに、きりっと締まった画像があった、
私はそんな感じがしています。
by Sha-sindbad | 2011-09-27 23:30 | Biotar40/2 | Comments(3)

100 中国の人形 (パンタッカー75mmf2.3は噂にたがわぬ名レンズだった)



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このブログ「レンズ千夜一夜」も100回を迎えました。

本当は、私の15年来の伴侶ともいうべきレンズを紹介するつもりでした。
でも、これは200回記念に回すことにしました。

私の主観ですが、
存在感が他のレンズを圧倒してしまうのでは、と怖れるからですが、

そんな風に思うのも、私の思い入れゆえ。
今回は、私にとっては、一種の夢だったレンズをとりあげましょう。

    アストロ・ベルリンのパンタッカー75mmf2.3

アルパマウントに改造されています。
市場価格はかなり高額で、とても手が出ません。
ところが、私でも手の届く額の委託を見付けました。
どんなレンズも慌てて手に入れないのがよい、という教えですね。
待てば海路の日和あり、ですね。

アルパ→ライカMマウント→Nexマウントと、2つのアダプタを重ねました。
コンパクトで、とても使い勝手のよいレンズです。

もともと映画会社で長い間バリバリ使われた余生として、
委託に出されたのだと思われます。

なにはともあれ、レンズの描写からごらん頂きましょう
by Sha-sindbad | 2011-09-26 21:23 | Comments(2)

99 モニュメント (ダルメイヤー、トリプルアナスチグマート15mmF2.9は魔法レンズ)



ダルメイヤーのレンズの中で、一番私を驚かせたもの、
それは、一番の廉価版、一番のチビ助、

    トリプルアナスチグマート15mmF2.9

既に紹介ずみですが、
オリンパスE-PL1にしか使えません。
ソニーNEX-5Aでは、まん丸くけられてしまうからです。

そのうえ、フォーカシングリングもありません。
Cマウントリングのスクリューをヘリコイド代わりにします。

オリンパスE-PL1のボディから、Cマウント込みでたった3㎜しか出ていない、
究極のパンケーキレンズです。

    もっとすごいパンケーキレンズを知っていますが、これは内緒。
    なぜなら、私の秘蔵の伴侶なので。

トリプルアナスチグマート15mmF2.9がなぜ驚異か?

第1の驚異、

    オリンパスE-PL1に付けると、30㎜の広角です。
    開放がf2.9なので、目測で十分です。
    実のところ、レンズが暗いので、フォーカシングが難しいのですが、
    でたらめ、当てずっぽうでも、ちゃんとピントがあっています。
    これが第1の驚異。

第2の驚異、

    その描写が、やわらかく、絞ってもフレアがあるのに、
    見事にシャープなのです。
    ですから、タイムマシーンで半世紀ほど過去に飛んだ、
    そんな雰囲気の写真にあがります。

時間をぴょんと飛び越せる、魔法レンズ。

f5.6の写りをごらん頂きましょう。



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[後書き]
この立体感、
発色のノスタルジー、
そして、精密。
上空に飛行機が映っています。
原版を4倍ルーペでのぞくと、窓まで写っています。
(というのは、冗談!)
by Sha-sindbad | 2011-09-25 00:19 | Tri.Anastig15/2.9 | Comments(0)

98 夫婦団扇 (キノプラズマート25mmf1.5aは雨の日にも晴れ晴れとしていた)



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木曜日、葛城古道に出かけました。

水曜日に日本列島の南辺を押し通った台風15号、
我が家からバス停までの路上に、
ちょっとしたオブジェを残してゆきました。

    団扇の張り紙は全部風雨で剥ぎ取られていました。

ところが、これがおかしいのです。

    水曜日朝、つまり台風一過の前にも、
    この団扇を20メートルばかり北側の路上で見ました。
    そのときは、まだ張り紙は剥がれながらもまだ残っていました。
    バッグのソニーNEX-5Aを出して撮りたかったけど、
    バスが近づく重低音が響いてきます。
    やむなくあきらめました。
    そのときも、2つの団扇が別な形ですが、絡んでいました。

    丁度、1日経過した木曜日の朝、
    この2つの団扇はまだ一緒で、
    このように、しっかりと重なっていました。

    風は、張り紙はしっかり剥がせたのに、
    2つの団扇を離ればなれにすることはできなかったのです!

ほとんど人通りもない、この私道。
誰かが、離ればなれになっていた2つを一緒にした、
とはとても考えられません。

    まさか、夫婦団扇?

キノプラズマート25mmf1.5aで、
2つの団扇の台風でも離せなかった絆を撮ってみました。

キノプラズマートって、
どうやら、スピード・アナスティグマートとは雰囲気が違います。
こんな雨に濡れた光景だって、晴れ晴れと写し出します。

    スピード・アナスティグマートはいつも曇り、
    キノプラズマートはいつも晴れ。
by Sha-sindbad | 2011-09-24 01:43 | Kinoplasmat25/1.5a | Comments(0)

98  絵馬 (エルマリート28mmF2.8ほど使いにくいレンズはなかった)


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ライカM4-Pを使い始めた20数年前、
ズミクロン50mmf2と35mmF2(どちらもカナダ製)に続いて、
選択したのは、Mマウント改造のビオゴン21mmF4.5。

でも、35㎜もまだ十分に使いこなせないのに、と、
1日で返品し、
エルマリート28mmF2.8(やはり、カナダ製)を手に入れました。

    エルマリートにも誇りがあります、
    次善の選択をされたんじゃ、自分の誇りが許さない、
    そう考えたのでしょう。
    まるで、ろくな写真しか撮らせていただけませんでした。

    今から考えると、
    いつもずっと離れて撮っていたのですから、
    当たり前だったのですが。

エルマリートは私の手からすぐに離れてしまいました。
でも、いつも心にひっかかっていました。
その後、28㎜の名レンズを使ってみたのですが、どれもうまくいかず。

    コンタックスのディスタゴン28mmF2は、
    開放は緩く、なぜかいくら絞り込んでも、像が締まらない。

    コンタレックスのディスタゴン28mmF2は、
    実に見事な作りの超高級レンズのたたずまいでしたが、
    こちらは像はしっかりしているのですが、
    いつも、どこか甘い。

エルマリートの呪いはどこまでも続いていたのでしょうか?

3年前でしたか、
念願のエルマリート28mmF2.8第1世代を見付けました。

超広角レンズを常用レンズにするようになって、
今なら、エルマリートも使えるのでは?
そう考えて、必死で手に入れました。

でも、人間と一緒ですね。
レンズも個性があり、個性を理解し尊重してくれる人にだけ、
能力を発揮してくれます。

第1世代は、ある意味で、ライカファン憧れの一本。
でも、それは、容易に使いこなせないからこその、憧れ。
そうつくづく思い知らされています。
それ以来、今でもまだ四苦八苦しているのですから。

    これもまた、じゃじゃ馬慣らし?
    それとも、逆に、じゃじゃ馬に慣らされ?
by Sha-sindbad | 2011-09-23 13:26 | Elmarit28/2.8 | Comments(0)

97 屋根 (ダルメイヤーのトリプルアナスチグマート15mmF2.9は時のレンズ)



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トリプルアナスチグマート15mmF2.9、

あんまり気に入ったので、もう一度取り上げることにしました。

昨日、95枚撮りましたが、全部、大好きなのです。
よい写真、というわけではありません。
自分が撮りたいと思ったものが、
撮りたいと思った以上の雰囲気で撮れているからなのです。

要するに、めったやたらに撮っても、
ちゃんと絵にしてくれる、魔法のレンズ、
とさえ、言いたいほど、楽しい写真にしてくれるのです。

今回は、私のレンズテストのターゲットの一つ、

    古い蔵の屋根。

1枚目が、f4に1段絞ったもの。
3枚目が、f2.9の開放で撮ったもの。

f4に絞ると、たしかに整然とした写りを楽しめます。
でも、開放では、周辺の像が崩れるだけ、
中央の合焦部分が輝きます。

どちらが好きかは、まさにレンズに求めるものの違いで決まります。

2枚目は、私がよく遊んでみる、いわば、疑似アート。

    群像と自然に見えさせるものは、
    見る方の創造力なのですが、
    この創造力を働かせる機縁は、
    結局、時間が広大なタイムスパンで創り出した形象。

時が、そんな印象を私たち見るものに与える仕掛けを作りだしてくれるのです。

    時間こそ、アーチスト
by Sha-sindbad | 2011-09-21 01:41 | Tri.Anastig15/2.9 | Comments(0)

97 床屋 (ダルメイヤーのトリプルアナスチグマート15mmF2.9は極翔レンズ)


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オークションで、とっても可愛いレンズを見付けました。

黒ずくめで、フードがつんと尖っています。

    ダルメイヤーです。
    トリプルアナスチグマート15mmF2.9

たった8000円です。
もう買うのはやめようとあんなに心に誓ったのに、
つい手が出てしまいました。

到着したレンズは、本当にチビでした。
Cマウントアダプタを含めて、
オリンパスE-PL1のボディから5㎜ちょっと。

    究極のパンケーキ。

ヘリコイドリングがないからなのです。
でも、使えます。
Cマウントアダプタのスクリューをフォーカシングに利用します。
今日、撮ってみました。

ここまで古色がつきますと、
理髪業組合から卒業して、
古典芸能に認定されてもよさそうな床屋さん、
その時間の重みをそのまま表現してくれそうなレンズ。

たった直径4㎜ほどの超小型レンズが、
開放で、こんなに映るのです。
極小レンズなのですが、
心がワクワクと飛んでくれます。
極く極く飛翔するということで、極翔レンズなのです。
映画用レンズ、使えば使うほど、
おそるべし、という感じがつのります。
by Sha-sindbad | 2011-09-20 22:53 | Tri.Anastig15/2.9 | Comments(0)