レンズ千夜一夜

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79 如雨露 (ビオゴン21mmF4.5は熱くて厚いレンズ)


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デジタルカメラが続いていますので、
ライカM4-P、ネガカラーで撮った写真にしました。

    ビオゴン21mmF4.5。

前回№52で、「重い」と書きました。
それで、いったんは使うのを断念して、
某カメラ店に販売を委託したのです。
でも、2年ばかり、ショーウィンドウの重しを続けただけ。

どうやら、ライカは一番人気なのですが、
ライカファンはたいていライカレンズ一辺倒。
ビオゴンがいくら安くても、
スーパーアンギュロン21mmf3.4が欲しい!

やむを得ません。
引き取って帰りました。

こう考えることにしました。
ビオゴン21mmF4.5、きっと、僕のところに居たいんだ。

本当に凄いレンズなのですから、
私も心を入れ替えて、
重いお付き合いをしなくちゃ!
by Sha-sindbad | 2011-08-31 22:29 | Biogon21/4.5 | Comments(0)

78 公園 (エクター47mmf2って、絞ってもよいレンズだなあ)



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昨日は、京都にエクター47mmf2を持ち出しました。

カンカン照りで、34度。
まだ猛暑の夏が京都にも居座っています。
f5.6に絞りました。

水を打ったコンクリート坂が面白いと構えた途端、
女性が通り過ぎました。
もちろん撮らせていただきました。

露出は-1+2/3に切り詰めていました。
どんぴしゃりでした。

まとわりつくような美しいフレアで名高いレンズですが、
さすがコダックエクター中の白眉と言われるレンズです。
とてもグラデーションがよく、
しっかりとした画像を作ってくれます。

改造名人の宮崎さんに、レチナからMマウントに改造してもらいました。
これが黒ずくめで、とてもスタイリッシュ。
沈胴ですが、これだけはライカM9には持ち腐れの昨日ですが、
中絞りの鏡胴はまるで烏のような風貌でにしあがり、

    持って、楽しい、
    使って、嬉しいレンズ。
by Sha-sindbad | 2011-08-30 10:07 | Ektar47/2 | Comments(0)

77 公園 (キノプラズマート25mmf1.5aって、やっぱりグルグル回るんだなあ)



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また、突拍子もないことを書きます。

キノプラズマートって、SPレコードに似ています。

    ダイナミックレンジは狭い。
    解像度もほどほどで、CDには比肩しようがない。
    色だって、鮮やかとは言えない。
    要するに、かなり時代遅れ。

ほんの一握りの人しか、魅力を感じないでしょう。
でも、見れば見るほど、ぐっと心に食い込んできます。

中央一点豪華主義、これがSPそっくり。

    金沢蓄音機館のHMVの素敵な再生装置で聴いた、
    SP吹き込みのティト・スキーパを思い出します。
    リアルなんて域を通り越していました。
    80年前の大テナーがそこに立っていました。
    テナーの音域が丁度SPのレンジに収まっているのでしょう。

キノプラズマートも同じです。
    壺にはまると、仰天するほど、際立って迫ってくる、
    そんな感じ。

ついでに言えば、サラ・ベルナールにも似ていますね。
もちろん自分の眼で見るには、あまりにも昔の人ですが、
彼女が舞台に立つと、観客にはもう彼女しか見えなかったそうです。

キノプラズマートも、中央に視線を惹きつけて、
まるで神様が一生懸命手を振って、消してくれたように、
周辺は背後にすっと退いていってしまいます。

私は、写真を始めて以来終始一貫して、
主題を中央に1つだけという写真を撮ってきました。
斜に構えるのができない人間なのです。

キノプラズマートも、人によって使い方が違い、
その人に合わせて、別の顔を見せるのかも知れません。

でも、私にはとてもストレートなレンズ。

    ますます気に入りました。
by Sha-sindbad | 2011-08-29 00:38 | Kinoplasmat25/1.5a | Comments(2)

76 カーテン (プラナー50mmF2は標準レンズの王様だった)



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まだ銀塩を楽しもうとお考えでしたら、
ぜひお勧めします。

プラナー50/2付きの安いコンタレックスを一度使ってみてください。

昔は、殿様カメラと言われて、大変に高価でした。
今では、誰も見むきもしませんから、かなり安くなっています。

私が使ったのは、コンタレックス・スーパーでした。
私は殿様カメラを使えるほど、裕福ではありませんでしたから、
今と同じ、超格安のおんぼろカメラを手に入れました。

その後、2度、落としたりして、オーバーホールをする度に、
ボディを新品同様のものに、まずボディを、ついで軍艦部を
付け替えてもらいました。
サービスなので、2回とも、ただでした。

ただほど安いものはないのたとえどおり、
幸せなプロセスで、
ほとんどキズ1つない、ぴっかぴかのカメラに生まれ変わりました。

専念、畏友が長年垂涎のディスタゴン25mmF2.8だけ手に入れて、
程度のよいコンタレックス、どこかにないかなと探しているのを知りました。
上記のように、ぜんぜん財布をいためなかったカメラなので、
ケチな私ですが、お世話になったお礼に差し上げました。

実は、別のカメラ、レンズにメインが移ってしまい、
    (そのメインレンズ、まだ、この「千夜一夜」に登場していません。
     いつか出したいのですが、この世で最高のレンズ、
     レンズ中のレンズ、私はそう信じている、
     いわば至宝、至上のレンズなので、
     いつか、機会を見て.......)
コンタレックスは完全な居候の身になっていたので、
本人も大喜びで転居してしまいました。

このコンタレックス・スーパー、レックスの中級機種ですが、
一番使い勝手がよいカメラではないかと考えています。

    露出計も見事に働き、シャッターが古今最高!
    絶対に手ぶれが起こりません。
    その「シャーッ」という玄妙なる作動音を聞いてしまったら、
    病みつきになること、請け合いのお宝カメラ。

その標準レンズの下位レンズがこのプラナー50/2。
マクロから無限遠まで、完璧なる画像をプレゼントしてくれます。
    
    マクロスイターやズミクロンとともに、史上最高の標準レンズ、
    私はそう信じています。

もちろん50㎜前後は、レンズ界屈指の激戦区です。
至高の名レンズは無数にあります。

でも、がっしりと魁偉なる、実在感に満ちた表現をお好みなら、
コンタレックスのレンズが最高ですよ。
by Sha-sindbad | 2011-08-28 18:53 | Planar50/2 | Comments(0)

75 カーテン (リコーGR28mmF2.8は歴史を作ったレンズだった)



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リコーGRが出たとき、
リコーが用意したパンフレットはとても素敵でした。

密林の静寂、そんな感じの横一面の写真を見て感じました、
35㎜でこれほどまでに見事に撮れるんだろうか?
それほど高精密な画像でした。

その28㎜レンズは、
幸せにも、大写真家森山大道の手に収まり、
写真史に自分の名を刻む作品群を創り出すレンズとなりました。

そんなレンズって、あまりありませんね。

カルティエ=ブレッソンの場合、
ライカレンズを使ったことは確かですが、
各作品にどれが使われているか、分からずじまい。

初期の作品はエルマー50mmf3.5なんでしょうけど、
どのエルマーか、分かりませんね。

森山大道の場合はかなり長い間、リコーを使い続けたようです。

高精密かつ豊かなグラデーションだからこそ、
覆い焼きや焼き込みを多用する森山流の引伸にとって、
最良の原版となったのかも知れません。
by Sha-sindbad | 2011-08-27 22:17 | GR28/2.8 | Comments(2)

74 仮眠 (ロッコール28mmF3.5なら、女性はみんな優雅でしっとり)



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ソニーNEX-5Aは可愛く、手にすっぽりと収まるカメラです。

でも、ミノルタTC-1の前では、どんなに小さくなっても、
やっぱり水ぶくれの感じがしてしまいます。

チタンボディがとても高雅な雰囲気を醸しだしています。
いわゆる高級コンパクトカメラの極めつけは、
このカメラかも知れません。

コンタックスT2についているゾナー40㎜も逸品です。
でも、ロッコール28mmF3.5にはとても敵いません。
上には上がある、好例。

福岡で撮りました。
大宰府からの還りの電車だったと記憶しています。
私と向かいあった席の女性、
しばらくすると、ぐっすり寝込んでしまいました。
さりげなく腰からミノルタTC-1を取り出して、
目測距離に設定し、開放、ノーファインダーで一枚頂きました。

なに、盗み撮り?
違いますよ、
№69でも、同じ撮り方をさせていただきました。

女性と同じ高さで撮ることが、
女性を一番美しく撮る最上の位置なのですから。

(なんて、言っていますが、
実は、私は女性写真はほとんど撮りません。
ものを撮るときも、同じです。
私の基本ラインは水平)
by Sha-sindbad | 2011-08-26 19:52 | Rokkor28/3.5 | Comments(2)

73 石球 (プラズマート70mmF2.7は、無名だけど、超一流)



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ある日、突然、あるカメラに夢中になる、
そんな体験をお持ちでしょうか?

私の場合、数知れずあります。

でも、いつも成功するわけではありません。
まして、大成功、ああ、このカメラに巡り会えて良かった!
そう、心から幸せを感じるカメラ、レンズとなると、
かなり少なくなります。

それを超えて、なんて凄いカメラなんだ!
そう、心の底から驚嘆させられるカメラ、レンズとなると、
5本の指で数える程度でしょうか?

その1つを紹介させていただきます。

    ローランドⅡ型

クラインビルトプラズマート70mmF2.7というレンズが付いています。
史上最初の一眼式レンジファインダーカメラ。
それが35㎜判ではなく、6×4.5判だった、というのは面白いですね。
我が愛キノプラズマートを創造したパウル・ルドルフ博士の作。
ドイツのプラズマ-ト社の1931年発売のカメラだそうです。

縁なのです。

偶然このカメラを見つけ、しばらくして、
オークションで格安(従来の相場の半分よりもさらに安い)で発見。
届いたレンズもカメラも極上のまさに豪奢な中判カメラ。

かなりコンパクトなうえ、軽量。
触った途端、もう私のカメラでした。

さっそく、神戸に出かけて、開放で撮ってみました。
その一本目にこの写真がありました。

この高貴な色合いと、端正そのものの描写はいかがですか?

そして、これが開放だと信じられますか?

私は信じられません。
でも、最初の一本は、開放でしか撮らなかったのです。
そのうえ、ビルの谷間の少し暗い空間だったので、
開放で撮りたい状況だったのですから、
開放であることは間違いのないところです。

ちょっとカメラを傾けて撮りました。
おかげで、かなりの範囲で合焦しています。
それなのに、この柔らかさ。
やっぱりキノプラズマート族なのです。
by Sha-sindbad | 2011-08-25 21:33 | Plasmat70/2.7 | Comments(4)

72 石球 (キャノン50mmF1.8は二流かも知れないけど、一流)



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奢る平家は久しからず。

平氏一門の没落は驕りのせいであると、歴史は教えてきました。
確かに平氏一門の公達たちには驕りがあったでしょう。
でも、生まれてこの方、
平氏にあらずば人にあらずという風潮の中に育ったのです。
非情報社会の中で、豪奢な生活をエンジョイする公達たちです、
反省材料となるような情報をどうやって手に入れたらよかったのでしょうか?

これと似たような、一種の非常識の常識化はいつでもどこでも起こります。

私たち一人一人の常識のなかには、平氏の公達たちと同様に、
実は非常識なものが沢山混じっていると認識するのは、
なかなか難しいことです。

私がもっていた、そんな非常識の一つ、それが、

    日本製レンジファインダー用レンズは、ドイツ製に劣る。

この数年、ニコン、キャノン、トプコール、コニカなどのレンズを使うにつけ、
わかってきました、

    これらの日本製レンズたちと、
    ライツ、ツァイス、フォクトレンダーなどのドイツ製レンズとの差は、
    優劣の差ではなくて、個性の差であること。

ライカLマウントのキャノン50mmF1.8Ⅱ、開放でも、
とてもコントラストがよくて、シャープネスも極上です。
F1.4も優秀レンズの誉れ高いレンズで、
先頃、yoshiさんが新境地を開くかのような見事な写真群をアップされました。
おそらく私のF1.8レンズは、その廉価版なのでしょうね。

でも、これはこれで大変に気持ちの良い描写で、
私はますます気に入っています。
by Sha-sindbad | 2011-08-24 20:59 | Canon50/1.8Ⅱ | Comments(2)

71 仕事 (SomBerthiotのシノール25mmF1.4はきらめく大口径レンズだった)



    メイド・イン・フランス

この字があるだけで、高級感を感じますね。
どこの国の人もそうなのでしょうか?
たとえば、

    メイド・イン・ウズベキスタン

こう書いてあったら?
なにも浮かんできませんね。
    (ウズベキスタンのあなた、お断りしておきますよ。
     ウズベキスタンになんの他意もありません。
     たまたま頭に浮かんだだけなので、こらえて......)

メイド・イン・フランス
この言葉が引き出す豊かな連想の中に、
尽きせぬ肯定的イメージがわき上がってきます。

一旦作り出した評判が最終要因となることだってあります。
ソンベルチオのレンズもそんなオーラに助けられてか、
Cマウントレンズとしては、かなり好評のようです。

とても廉価なのを見つけました。

    シノール25mmF1.4

平均価格の半分以下。

    Clean lens, smooth rotation.

よし!

届いたレンズは輝くばかりに美しい鏡胴。
レンズもたしかにクリーンで、キズは見あたりません。

よし!

オリンパスE-PL1にセットして、フォーカスしようとしました。
動きません!
どんなにしても、
動きません!
どこがsmooth rotation?

がっくり!

輝く美女と見えて、実は性格が悪く、頑固でわがまま、
そんな方とちょっと似ているようですね。

もっとも、バカと鋏と美女は使いよう。
わがままでもいいでしょ、
このまま使かってあげましょ、
と、居直れるのが、スクリューマウントの強みです。

底部のスクリューマウントを回せば、ちゃんと合焦します。

もちろん問題がないわけではありません。

    1 マウント部を外す方向で作業するので、
     いつなんどき、落っこちるか、油断できません。
    2 マウントをずらすのですから、
     レンズがほんの少しスィングします。
     f1.4ほどの開放になると、偏芯が起こる危険があります。

結局、マツモトカメラにオーバーホールをお願いすることになりそうです。
その経費を考えますと、

    なんだ、
    平均価格と丁度同じじゃないの?

でも、あぶなっかしい撮り方ですが、なんとか撮れます。
その結果はご覧のとおりです。

    とても素直で、素性のよい描写ではありませんか?
    のびのびとしていて、変な歪みがありません。

もっとも、開放の被写界深度が大変に狭いので、
2枚目など、一見しただけでは、全部ぼけているように見えかねません。

パンフォーカス派の私に大口径レンズは無縁でした。
近ごろ、Cマウントレンズは軒並み大口径。
これから少しずつ撮り方を学んでゆく必要がありそうです。



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by Sha-sindbad | 2011-08-23 14:19 | Cinor25/1.4 | Comments(0)

70 仕事 (エクター47mmf2もまた幻の名レンズだった)



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ミリタリー・カードンに付いているエクター47mmf2、
これは、私にとっては、一頃、憧れのレンズ、
長い間、一度も見かけたことがない、幻のレンズでした。

レチナの同名レンズを友人が改造したものを借りました。
京都の黄檗山万福寺に行き、数本撮りました。

開放のキリッとしたシャープネスと、
なんとも言えないほど、
たおやかなフレアーは絶品と言いたくなるほどでした。
今回の写真はその一枚。

ますます、カードンのエクターに憧れました。
きっと、もっと良いに違いない。
ということで、このレチナ・エクターと、
カードン・エクター47mmf2との差をますます知りたくなりました。

機会があって、両レンズを同時に試写することができました。
2本撮りましたが、結果には拍子抜けしてしまいました。

レンズの筐体はまったく違い、
カードンのエクターは高級感、機能感溢れる高級レンズでしたが、
レンズ本体の外観も、写真も、ぜんぜん区別がつきませんでした。

同じレンズなんだという噂はどうやら本当のようなのです。

この2、3年でしょうか?
クラシックレンズの相場はにわかに低落してしまいました。
日本でデジカメが興隆して、銀塩カメラを圧倒してしまい、
しかも、また中国バブルは上昇を開始したばかりという時期でした。

ある日、インターネットで、エクター47mmf2付きレチナを見つけました。
それまでは、ほとんど見かけたことがない、レアもののはずだったのに、
わずか2万円低度でした。

レンズ改造名人宮崎さんにお願いして、
見事、Mマウントのニューレンズに改造していただきました。
今では、見事な世界で唯一の(かどうかは知りませんが)、Mマウント・エクター。

これからどんどん撮らなくては.............
by Sha-sindbad | 2011-08-22 21:36 | Ektar47/2 | Comments(0)