レンズ千夜一夜

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16 雨の少女  (パンカラー55mmF1.4は東独の名レンズだった)



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パンカラー55mmF1.4

かなり前に使ったレンズです。
ペンタコン・スーパーだったと記憶しています。
見事な作りの堂々たるフラッグシップモデルの一眼レフでした。
このレンズを使いたいので、このカメラを手に入れました。

この一枚は、私の大好きな写真。

京都駅ビルができた当時でした。
撮影していますと、雨が降り出しました。
私の目の前に、小さな女の子が飛び出してきて、
雨を両手で受け止めて、
キャッキャッと、嬉しそうに笑いました。

もしかすると、初体験だったかも知れません。
初々しい喜びを全身で表しています。
生涯に幾度とない、チャンスでした。

モノクローム時代のレンズだけに、
色再現は不十分ですが、
私としては、この一枚になんの不満もありません。
by Sha-sindbad | 2011-06-30 21:52 | PanColor55/1.4 | Comments(4)

15  水郷  (ヘリゴン35㎜f2.8はまさしくヘリゴンなのだった)



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レチナについているヘリゴン50mmf2というレンズは、
ある種の伝説的な名声を誇っています。

私も持っていますが、
とても抜けの良いレンズで、
どこか名剣の切れ味を感じさせてくれます。

一方、ヘリゴン35㎜f2.8は、
ローデンシュトックが供給した、唯一のL39スクリューマウント。
それなのに、なぜか50mmほど有名ではありません。
使う人が少なかったために、評判にならずじまいだった、
そういうことでしょうか?

偶然、外国のお店で見つけました。
50㎜ヘリゴン以上に、強烈なる切れ味のレンズです。
でも、現代レンズのように、超精密描写ではなく、
大づかみにして、ガッと差し出してくる、
そんな力強い味わいに特色があります。

立体感を再現するのも、お安いご用、という感じですね。
by Sha-sindbad | 2011-06-29 21:05 | Heligon35/2.8 | Comments(0)

14 バイク  (タンバール90mmF2.2は夢幻境への入口)



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昔、タンバールは、貧乏人には手の出せない高嶺の花でした。

クラシックカメラ市場の凋落によって、
タンバール姫もはるか下界にご降臨下さいました。

使ってみて、分かりました。
これほどに使いにくいレンズはあまりありませんね。

私は、「夢タンバール」と名づけました。

手のとどかない夢のレンズだった思い出と、
そして、まだ手の届かないタンバール写真への思いをこめて。
by Sha-sindbad | 2011-06-28 13:49 | Thambar90/2.2 | Comments(2)

13 バイク  (ラプター17mmf2.7は小さな巨人かな?)



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ウォーレンザックのラプター一族、
使えば使うほど、敬意を感じさせられます。

我が家のラプターのうち、一番可愛いのが17mm。

マイクロフォーサーズでも、周辺が大きくけられます。
だから、スクエアサイズが最適。

その四角い劇場で、最大限歌を歌ってくれます。
by Sha-sindbad | 2011-06-27 21:50 | Raptar17/2.7 | Comments(0)

12 ブーケ  (レチナⅡCクセノン50mmf2.8は鮮鋭鮮烈なレンズ)


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シュナイダーのクセノンというレンズ・ブランド、
これが一流かどうかは知りませんが、私は大好き。

レチナについているクセノン2本を比較したことがあります。
クセノン50mmf2は立派な描写なのですが、ややくすみがちで、
ちょっと古めかしい印象だったのに対して、
クセノン50mmf2.8は鮮鋭かつ立体感溢れる描写でした。
私が使った2本のレンズでは、f2.8 の方が文句なしに優秀だったわけです。

どんなレンズでも、おなじ設計のレンズなら、
原則として、暗い方がいい感じです。
クセノンもそうだったわけです。

ただ、レチナⅡCというカメラ、弱点を抱えていました。
一本のフィルムを取り終えてもなお巻き上げしようとすると、
ガリガリというとてもいやな破壊音とともに、
巻き上げの歯車が割れてしまう危険を抱えているのです。

調子よく撮影していると、何枚撮ったかなんてどうでもよくなり、
ばりばり撮っては、ガンガン巻き上げてしまいます。
私のレチナも、先輩からの注意虚しく、壊れてしまいました。
当時は、改造名人宮﨑さんはまだ活動を開始していなかった。
だから、ジャンクものとして売ってしまいました。

また、手に入れました。
資金的に余裕ができたら、宮崎さんにお願いするつもり。
by Sha-sindbad | 2011-06-26 22:28 | Xenon50/2.8 | Comments(2)

11 思い出  (キノプラズマート25mmf1.5aはどこでも撮れる)



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撮りたてのほやほやです。

JR元町駅から西へ、JR線高架下に続く商店街。
みんな小さなお店です。
その一軒で撮りました。

中古と言うより、コンピュータ前史の遺物のようなセット、
その他、なにがなんだか分からないものたちが、
壁一杯に積み重ねられています。

老齢のご主人は、通路に椅子を置いて座り、
この堆積の一部と化したような、古代CRTに、
なにやら映して作業しています。

時間が止まったような一角でした。
こんな光景に、キノプラズマートはお似合い。
by Sha-sindbad | 2011-06-25 21:35 | Kinoplasmat25/1.5a | Comments(4)

10  沈思の人々 (ローライのプラナー75mmF3.5は開放が華)



突然ですが、このブログの構成を変更することにしました。

なぜか?

どうも、今のやり方ですと、気分が乗らないのです。

結局、私は、レンズよりも、写真の方を愛しています。
レンズ主体にするよりは、写真主体の方が楽しい。

そこで、2点、変更しました。

1 レンズは、副主題に回しました。
これまでは、製作会社をカテゴリーとしていましたが、
レンズをカテゴリーとすることで、
レンズの描写特性を知りたければ、
カテゴリーで検索できるようにしました。

2 写真を主題とするために、題名を付けることにしました。
そして、私の写真ストックからアトランダムに選び、
一枚または数枚の写真を掲載することにします。
レンズが分からない写真だって、出します。

この2点の変更で、
もっと遊びの要素の強いブログになればよいのですが.....


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その第一弾は、ローライ二眼レフの写真です。

私は、プラナー75mmF3.5付きのローライを選びました。
80㎜よりも、像が締まり、切れ味が鋭く、
そして、なによりも、開放が絶妙の味わいなのですから。
by Sha-sindbad | 2011-06-24 21:25 | Planar75/3.5 | Comments(1)

9.5 シネ・ヴェロスティグマート25mmf1.5 「4 ヴェロスティグマート25mmf1.5は風格も出してくれる」


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全部開放で撮っています。

いろいろな絞りを試すと、
違った顔を見せてくれるでしょう。
でも、絞って、しっかりとした描写をするのであれば、
35㎜カメラ用レンズで十分。

とにかく柔和に、
しのびやかに、
そして、デモーニッシュに、
出会った光景を映画のシーンに変容してくれる、
そんな撮り方をしたいですね。

そこで、選んだ方法。
ひとまずは、開放一点張りで撮っています。

金網越しの枯れ木を撮りましたが、
金網が消え、
幹は賢者の風格を漂わせてくれました。

これでいいのです。

ヴェロスティグマート25mmf1.5って、
かなりの優れものではありませんか?
by Sha-sindbad | 2011-06-23 17:49 | CineVelostigmat25/1. | Comments(0)

9.4 シネ・ヴェロスティグマート25mmf1.5 「4 ヴェロスティグマート25mmf1.5はしのびやかに」


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シネレンズを使っていますと、
「風姿花伝」の世阿弥の言葉を感じます。
秘すれば花なり
秘せずば花なるべからず
近ごろのレンズには、これがありません。
とにかくよく写る、みんな写る、どこまで写る。
写れば写るほど、私の心からは遠ざかります。
ヴェロスティグマート25mmf1.5って、とにかく写りません。
霞をかぶったようです。
でも、その茫洋たる画面の中から、
ふんわりと浮かび上がってくるものがあります。
私にはそれが「花」に見えます。
by Sha-sindbad | 2011-06-22 21:57 | CineVelostigmat25/1. | Comments(0)

9.3 シネ・ヴェロスティグマート25mmf1.5 「3 ヴェロスティグマート25mmf1.5はしっとり系」


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このレンズ、オークションで1万円ちょっとでした。

ことさら入手価格のことを申し上げるのは、
クラシックレンズの場合、価格と値打ちとは必ずしも比例しない、
そう言いたいからです。

もちろん、とくにレンズの場合、
価格が高いものは、名レンズ故の人気のせいでしょう。

でも、クラシックカメラの市場価格というのは、
写真を撮りたいユーザーが作るのではないようです。
ディーラーとコレクターが決める。
その場合、稀少性、話題性、ネームバリューがキーポイントでしょう。

美しい写真が撮れるということは完全ならち外。
これには当然の理由があります。

「美しい写真」とは何か?
人によって、ぜんぜん違うのですから。

とりわけ、私のように、
きたない、きれいの基準が人とずれている人間にはとても好都合。
人が、ちゃんと撮れない駄目レンズと烙印を押しても、
私の写真にはぴったり適合しているかも知れないのですから。

このヴェロスティグマート25mmf1.5というレンズ、
でも、オーソドックスな美の観点から観ても、
かなり美しい開放描写をするレンズなのじゃないでしょうか?

もちろん周囲は暴れていますが、
暴れ方もかなりおとなしく、中央の描写を邪魔していませんね。
今回の写真、私が感じたそのままを描写してくれました。

しっとりとした気持ちで撮りたいときには、
このレンズがよいかも知れませんね。
by Sha-sindbad | 2011-06-21 20:21 | CineVelostigmat25/1. | Comments(2)