レンズ千夜一夜

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5.4ラプター51mmf1.5 「4 ラプター51mmf1.5もやっぱり地味」


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ラプター50mmf1.5は冷色系でした。

前回と今回の写真をご覧になったら、
ラプター51mmf1.5が、50㎜と違って、暖色系であることがお分かりでしょう。

不思議ですね。

たとえば、ライカやツァイスは、
その歴史にわたって、様々なレンズを開発してきましたが、
色再現の統一性を維持するためにかなり苦労してきた感じがします。
モノクロームの時代からカラーの時代に移行しても、
不思議に、両社ともに、かなり共通性が保たれているように思われます。

ところが、ウォーレンザックは、
同じ用途に供する、同じラプターをかなり自由につくっているらしい。

私は、オシロスコープを実際に見たことがありません。
グーグルで検索してみますと、現代のオシロスコープでも、
RGB三色といった単純な色がついているだけのようです。

ですから、高解像度一点張りで開発されていったのでしょうか?
そんなことを考えながら、今回の写真を見ますと、
かなりリアリティの欠如した、かなり地味な色再現のようです。
でも、これがラプターの個性、そう考えれば、
色再現をことさらにあげつらう気持ちはなくなります。

ラプターは、この切れ味こそが持ち味ですね。
そこを見てあげなくちゃ、ね。
by Sha-sindbad | 2011-05-31 22:39 | Raptar51/1.5 | Comments(2)

5.3ラプター51mmf1.5 「3 ラプター51mmf1.5は流転のレンズだった?」

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もっとも2つの名前のラプターが同じレンズという言葉には大きな幅があります。

Tkさんのラプター50mmf1.5は、異次元と言えるほどに高精細な描写でした。
私のラプター51mmf1.5は、質実剛健でドライ。
このどちらも周辺部まで像はくずれません。

ラプター50mmf1.5は、周辺が暴れ、中心部にエネルギーが集中しています。
 
映画用レンズによくあるようですが、長年にわたり作り続けられて、
名前だけは一緒で、どんどんと改良されたり、変化したりして、
共通点は名前だけというもののようです。
今回の写真、箱のエッジだけにヘアーピン。
ボケ味は悪くないじゃありませんか?
by Sha-sindbad | 2011-05-30 21:24 | Raptar51/1.5 | Comments(0)

5.2ラプター51mmf1.5 「2 ラプター51mmf1.5は二代目だったらしい」

私は、このラプター51mmf1.5をオークションで手に入れました。
純然たるオークションだったのですが、欲しい人が少なかったようで、
たった320ドルでした。
このレンズの優秀さを考えますと、ちょっと悲しいですね。

その売り手がレンズの由来を書いていました。

「随分前に、このレンズはEG&G社製の特殊カメラに組み込まれて、
ネバダ砂漠実験場のオシロスコープの画面に現れる、
原爆の電磁波の微細な波形を記録するために使われました。
同社が1950年代から70年代にかけて制作した特殊カメラの記録はありませんが、
これらのカメラの数百の取引を通じて得た情報から、
レンズの改良の経過を知ることができました。
最初に使われたのは、この特殊カメラ用に改良された、
ニコン・レンジファインダー用50mmF1.4でした。
どうやらニッコールにはある点で物足りないところがあったようで、
その次に使われたのが、このウォーレンザックのラプター51mmf1.5だったようです。
このウォーレンザックはニッコールと完全に交替し、
改良の余地のなかった同一マウントシステムに使われました。
ウォーレンザックレンズは、ニッコール50mmF1.4レンズと同程度に優秀なのですが、
実際には、もう少し優れています」



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私は、レンジファインダー用ニッコールを使ったことがないので、
売り手の言葉が正しいかどうか分かりません。
でも、このラプター51mmf1.5の立体感、生地を再現する能力はどうでしょうか?
質実剛健のスパルタ人のような描写ですね。

売り手の言葉によれば、このレンズの後に50mmが登場したようですね。
なんで2.04インチなどという半端な数値のレンズを作ったのか、
理由はわかりませんが、
半端な51mmから標準的な50㎜に移行したと考える方が自然に思われます。

ですから、この売り手の言葉どおり、
51㎜の方が先に製造されたのではないでしょうか?

でも、この半端な数値を考えますと、
現行の3%ルールのような考え方で、.04インチ分端折って、
同じレンズが後年50㎜とシンプルに表示されるようになったと解釈できそうですね。
by Sha-sindbad | 2011-05-29 21:24 | Raptar50/1.5 | Comments(3)

5.1ラプター51mmf1.5 「1 ラプター51mmf1.5は50mmとかなり違うみたい」

当然の成り行きとして、
ラプター50mmf1.5の後には、
ラプター51mmf1.5を紹介させていただきましょう。

50mmの周囲が大ぼけすることに、最初は不満でした。
このレンズを譲ってくださったTKさんのラプターは、
周辺まで見事な画質だったからです。

そこで、ネットで探してみました。

縁ですね。
すぐに見つかりました。

それも奇妙な、2.04インチf1.5。

それがどんな由来のレンズかは次回に譲ることとして、
とりあえず、ごらん頂きましょう。



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by Sha-sindbad | 2011-05-29 00:02 | Raptar51/1.5 | Comments(0)

4.8ラプター50mmf1.5 「8 ラプター50mmf1.5はどこかが違う」-完-



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ラプター50mmf1.5は、これ位にしましょう。

かなり撮りましたが、まだ3日撮り歩いただけ。
これじゃ、まだまだ実力のほどは表面をかする程度しか分かりません。

でも、これからずっと使いたい、そんな気分にさせるなにかがあります。
冷色系なのに、肌触りがとてもあたたかいのです。

今回の写真で、そのあたりをお感じいただければ、うれしいですね。
by Sha-sindbad | 2011-05-27 22:20 | Raptar51/1.5 | Comments(2)

4.7ラプター50mmf1.5 「7 ラプター50mmf1.5は豪快だけどやさしいのだ」


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ラプターはネバダ砂漠の原爆実験場のオシロスコープの記録用だった、
そう読みました。

オシロスコープ画面はおそらく角形。
つまり、ラプターの中央部分だけで波形をしっかりと写し取りたい。
そのために、稀にみるシャープネスを実現しています。

これほどまでに切れ味のよいレンズって、あまりないのでは?

ずっと昔、アルパ用に使ったキノプティック100㎜f2、
このアポクロマートレンズも大変に切れ味のよいレンズでした。
切れ味がよい上に、とても美しい発色をするレンズでした。

でも、抜けば玉散る氷の刃風にキリキリ切れるのも良し悪しですね。
慈しみたくなるような、やさしい肌触りがあってこそ、愛用できます。
いつしか私の手から離れてしまったのですが、
ぜんぜん後悔していないのですから、思えば哀れなレンズ。

ラプター50mmf1.5は、このキノプティックとは一味違います。
私という人間の方が変わったのでしょうか?
でも、そうではないようです。

周辺のボケ味がなかなか柔和な雰囲気を醸しだし、
氷の刃をふんわりとオブラートに包んでくれる、そのせいみたい。

人間と一緒ですね。
要するに、アポクロマートには親近感を抱くことができなかったのに、
ラプターには、無条件に愛情を燃え上がらせてしまっただけ。

韓流ドラマでよく出てくるセリフが当たっています、

「どうして愛してるの?」
「わからない。理由なんてない」

そのとおり、
愛に理由はありませんね。
by Sha-sindbad | 2011-05-26 22:33 | Raptar50/1.5 | Comments(0)

4.6 ラプター50mmf1.5 「6 ラプター50mmf1.5はすまし顔の美女だった」

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このラプター50mmf1.5に魅せられたあまり、
私にとって、今や、ウォーレンザックは、
ツァイス、ライツに劣らぬ巨大な存在にのし上がりました。

ラプターと名の付くレンズはみんな集めたい、
そうまで考えてしまいます。
なぜか?
揃いも揃って、魔を感じさせる写真をくれるからです。

ありがたいことに、ツァイス、ライツのレンズたちと違い、
一桁違い、どころか、1万円前後という超廉価版ばかり。
おかげで、さらに3本が我が家にやってきて、
近々、最後の1本を手に入れるつもりです。

これらのラプター一家、お値段は安いけど、
個性という点では、まさに端倪すべからざるものがあります。
とはいえ、最長老のこの50㎜は別格。
気がついたら、開放の魅力にどっぷりはまりこんでいました。

私のこれまでの写真生活の大柱は、パンフォーカス。

その大柱を揺るがせたりはしません。
でも、ちゃっかりと、その横にかなり太い柱をもう一本打ち込んで、
澄ましているのです。

私の心にガンと柱を打ち込んでおきながら、
そのすまし顔の涼やかなこと、
そのあたりを今回の写真にご覧ください。
by Sha-sindbad | 2011-05-25 22:15 | Raptar50/1.5 | Comments(0)

4.5 ラプター50mmf1.5 「5 ラプター50mmf1.5は冷たくて熱い」


中将姫光学さんがおっしゃる通り、
ラプター50mmf1.5というレンズ、
これまで見たことがないほどに、冷色系。

私は、ツァイス、ライカの暖色系レンズばかり使ってきました。
フォクトレンダーでも、一部のヘリアーで冷色系もありましたが、
たいていは暖色系。
ノクトンなんて、赤色系と言いたい位。

でも、このラプター50mmf1.5への愛情は、それ位では揺るぎません。

なぜか?
中から熱くこみ上げてくる烈々たる気合いに感動するからです。

冷色そのものの写真を一枚お見せしましょう。
こんなものを誰が撮りますか?
でも、私は信じていました、
ラプターなら、これを歌わせてくれる!

いかがですか?
この傘、歌ってますか?


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by Sha-sindbad | 2011-05-24 23:15 | Raptar50/1.5 | Comments(4)

4.4 ラプター50mmf1.5 「4 ラプター50mmf1.5はヴェロキラプトル?」


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私もかなり長い写真経験と少なからぬレンズ体験があります。
でも、初めてお会いしたある人物が見せてくれたラプター50mmf1.5の作例、
これ位、私を仰天させた経験はちょっと思い出せません。

リアリティのある自然な写りではない。
独特のこだわり、バイアスのかかった、強靱なる描写、
そんな風に言いたくなるような、凄みのある写真たちでした。

この方がアマチュア写真家として相当なキャリアの持ち主でした。
だから、この方の才能が加味されていることを割り引いても、
このレンズ、異常なほどの可能性を秘めている、
そう感じざるをえない描写でした。

ところが、私のラプター50mmf1.5とは、まったく異質の描写でした。
でも、その凄みにおいては、同レベル。
つまり、ウォーレンザックという会社、
大変な力量のレンズ制作者なのです。

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ウェブ辞書で引いてみますと、
1 鷲・鷹などの猛禽類
2 略奪者
3 小型で俊敏な肉食性の恐竜

ウォーレンザックは、ちゃんと描写の特質にふさわしい名を付けたのです。

私のラプターが生駒の裏町で撮った写真の印象は?
私にとっては、どう見ても、3。
「ジュラシックパーク」で活躍した、あのヴェロキラプトル、
この小型恐竜の鋭利なかぎ爪がさっと切り裂いたような描写。

いかがでしょうか?
by Sha-sindbad | 2011-05-23 22:52 | Raptar50/1.5 | Comments(2)

4.3 ラプター50mmf1.5 「3 ラプター50mmf1.5の欠点は無視しちゃおう!」


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周辺が崩れるラプター50mmf1.5の使い道は?

1 中心部分に主題を大きくクローズアップし、周辺は暗くする。
2 積極的に周辺ボケを強調する方向で、絞りを少し閉じて使う。

私は、どう使うか?

どうも使わない。

撮りたいものにぶつかったら、どんといきなりシャッター。

でも、今回の写真のように、周辺が暗いと助かりますね。
by Sha-sindbad | 2011-05-22 23:05 | Raptar50/1.5 | Comments(0)