レンズ千夜一夜

カテゴリ:SpeedPanchro35/2( 44 )

1668 田舎町(スピードパンクロ35㎜F2が久しぶりに大和西大寺を一回り)Part 2

スピードパンクロ35㎜F2撮影分の残り半分は、
近鉄奈良駅界隈と我が家近くのバス停付近。

光景もレンズ描写も、なにもかも地味ですねえ。
とにかく徹底的に地味。
でも、私にはこんな写真が、こんな光景が好きなのです。

昔、読んだことがあります。
天文学などの観測者、CIAの分析官は、
一枚の写真から万を単位とする情報を探り出してしまうのだそうです。
私たちはせいぜい一桁単位の情報かも知れませんが、
とにかく写真を見ると、なにかしら情報を手に入れている。

でも、その手に入れる情報は人によって全然違います。
言語情報でも多かれ少なかれ同様のことが起こりますが、
その変異度は、イメージに比べると、かなり狭い。
受け手ごとに異なる情報を与える、
この辺りが写真イメージの面白さですね。

でも、人に写真を見せる度にいつも思うのですが、
大抵の方に私の写真が与える情報はかなり限られているようです。
極めて親しい友人を除けば、ほとんどの人は無反応。
まさに、The rest is silence.




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by Sha-Sindbad | 2016-10-27 22:49 | SpeedPanchro35/2 | Comments(0)

1668 田舎町(スピードパンクロ35㎜F2が久しぶりに大和西大寺を一回り)Part 1

中将姫光学さんからスピードパンクロ50㎜F2をお借りして以来、
愛するスピードパンクロ35㎜F2もちょっとご無沙汰状態。

今週の月曜日、大和西大寺での揚琴レッスンに持ち出しました。
単なる行きずり写真用なので、収穫はたった105枚。
ちょっと申し訳ない気分。
61枚を選びました。

行きのバス停コース、西大寺コース、帰りのバス停コース、
サンドウィッチ状態です。
女性たちはすべて完全ノーファインダー。
距離も適当。
古代レンズのソフト描写が、なおさら、ボケたたたずまい。
そして、緑が一杯。
のどかな土地に住んでいる私の気分にはぴったり。






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by Sha-Sindbad | 2016-10-26 22:33 | SpeedPanchro35/2 | Comments(4)

1622 中崎町(スピードパンクロ35㎜F2なら大阪の下町に神秘の影が?)Part 2



面白いことがありました。
楽器でも化けることがあるのです。

私はリコーダーという楽器を愛してきました。
まだ若い頃この楽器に出会って、独学で楽しみました。
小遣いを貯めて、メックという会社のリコーダーを2本揃えました。
グレナデイラのアルトリコーダー、
パリサンダーのソプラノリコーダー。
重く黒い木のグレナデイラは重厚なサウンド、
軽く年輪模様の美しいパリサンダーは軽快なサウンド。
人間と似て、体格と声部がかなり対応しているようです。
10年ほど楽しみましたが、年齢が進むにつれて、
仕事の重圧もあったのでしょうか、余裕がなくなり、
完全に弾くのを止めてしまいました。

昨年、ルネサンス、バロック期の古楽器を愛する友人と知り合い、
突然リコーダー熱が復活しました。その友人の紹介で、
木管楽器の復元にかけては当代屈指の名人杉原広一さんに、
バロック時代の名人デンナーのアルトリコーダーを作って頂きました。

不思議です、独学のど素人だったのに、
そして、長年完全にリコーダーを吹かなかったのに、
昔愛したヘンデルやビバルディ(実はシェドヴィーユ作曲)の名曲たち、
そっくりそのまま手が記憶していたらしく、
楽譜を前にして、そのままスイスイと弾けてしまいました。

そして、私のデンナーは毎日毎日進化を続けました。
どんどんと音が変わって行くのです。
今でも、変わっています、毎日、果てしなく。

面白いことが起こったのは、実はグレナデイラのアルト。
杉原広一さんのデンナーが来た当時、吹き比べてみて、
中抜けして茫漠と頼りないサウンドにあきれてしまいました。
このリコーダー、リコーダー趣味が転落してしまった後は、
本棚の隅に裸のまま放置されて、
まさに店晒し状態だったせいかもしれません。

ところが、昨日、また持ち出して、吹いてみました。
今度は違いました。
ピッチが440で、415のデンナーより半音高いのですが、
まるで1オクターブも高いソプラノリコーダーのように、
ウグイスさながらに美しくさえずってくれたのです。
なぜそんなにドラマチックに変貌を遂げたのか?
私にはまったく理解も推測もできないことなのですが、
とにかく吹くことが喜びになる、かなりの名器になっていました。
もちろんデンナーにはとても敵いませんが、
それでも、吹きながら心が躍るのですから、嬉しい。

この出来事をよく考えてみますと、
オールドレンズではよく起こっていることですね。
昔クラシックカメラ店では、
よく通を自認するレンズマニアに出会ったものです。
レンズの特有の味わい、描写性をとくとくと説明してくれました。
でも、よく聞いてみますと、せいぜいフィルム1、2本撮っただけ。
それなのに、レンズの描写性能を知り尽くしたかのような態度。
なんのことはない、ただの見かけ倒し。
ですから、「このレンズはねえ、.............」と、講釈される人は、
信用しないことにしています。

レンズもまたメックの古いアルトリコーダーのように、
なにかの拍子に劇的に変貌を遂げるのです。
状況によって、まるで違った性能を発揮します。
生きているのです。
大化けするのは人間だけじゃない!

このスピードパンクロ35㎜F2がその典型例です。
本ブログに41回記事を書いていますが、
千変万化と言いたくなるほど多彩な写真が撮れています。
写真家がコントロールできないほどの変貌を見せるのです。
クラシックレンズって、私のような素人にこそ似合うのでしょうね。





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by Sha-Sindbad | 2016-08-04 11:17 | SpeedPanchro35/2 | Comments(0)

1621 中崎町(スピードパンクロ35㎜F2なら大阪の下町に神秘の影が?)Part 1



スピードパンクロ50㎜F2は、そのレンズ番号からして、
どうやら1930年代の製品。
35mmも若干フィルム番号が小さいので、
少し先に出来た製品のようですが、ほぼ同時代と言えそうです。

でも、50㎜の方がかなり大きく、高級感があります。
同じスピードパンクロでも、レンズ性能には差があるのでしょうか?
描写が明らかに違います。
50㎜の方がはるかに優れた描写を見せます。

でも、じゃ35㎜の負けか?
そう考えてみると、どうもそうでもなさそうです。
まさに撮る情景によって、浮かび上がる情感、質感が違うようです。

アストロ・ベルリンの映画用レンズは、
同一の明るさのレンズは同一の描写をしてくれるので、
レンズを変えても同質の写真になることが強みだったと聞きました。
もしかすると、クックは別の製作方針を採ったのかも知れませんね。
焦点距離を変えることで、描写の微妙な変化を演出することによって、
映画でのシーンの情感、気分、質感を微妙に書き分けたのかも?

上記は完全な当てずっぽうですが、
そんな想像をさせてくれるのが古代レンズの楽しみかも?
梅田中崎町界隈を80枚ばかり2回に分けて並べてみましょう。





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by Sha-Sindbad | 2016-08-02 23:49 | SpeedPanchro35/2 | Comments(0)

1616 雨中幻遊(スピードパンクロ35㎜F2で秋田内陸鉄道10枚セットを作ってみた)



7月21日木曜日、二ヶ月ぶりの吉田正さんの写真教室でした。
いつもは5枚セットを持参します。
今回は10枚セットを用意しました。
題して、

    「秋田内陸鉄道雨中幻遊」

このセットを作る気になったのは、写真家の林孝弘さんのおかげです。
先月お会いしたときに、2枚のプリントを頂きました。
私の「わが友ホロゴン」の秋田内陸鉄道から縦、横写真を各3枚選択して、
組写真の表題部にふさわしいようなデザインを作ってくださったのです。
「今回のシリーズはとても気に入ったので」という説明。
それにしても、私のブログ写真をコピーしたら、
Lサイズ程度なら、まったく画像劣化なしにプリントできるのです。
驚きでした。
この2枚を前後に置いて、いわば本文ということで10枚選択したのです。

角館から中途の阿仁合駅までの区間を往復しました。
たった一両の電車です。
ゆったりと一つのコンパートメントを占領し、
リコーGX-Rに付けたスピードパンクロ35mmF2.3で車窓から撮りました。

いつもは開放でしか撮らないのに、F5.6まで絞り、
20mほどの距離に設定し、
あとはノーファインダーで適当に撮りました。
なにを撮るか、いつ撮るかは私が担当。

木村伊兵衛さんは愛用の焦点距離のレンズごとに、
任意の距離でどこからどこまで撮れるか当てることができたそうです。
私にはできませんので、どう撮れるかはカメラ任せ。
だから、どう撮れても、文句は言いません。
人間としての度量が大きいからではなく、
写真作品を作るわけではないので、別にどうでもよいから。
それに、ここではここからここまで撮るべきだ、なんてことは、
私にはわからないのですから、別に文句を言う筋合いもないわけです。

それでも、レンズは80年ほど前のものですが、
名にしおう映画レンズの白眉、スピードパンクロです。
大半が雨に濡れた窓越しですが、
ちゃんとドラマチックに仕上げてくれました。

でも、ここまで書いて、はたと気づきました。
自分で自分の写真に見入るのに夢中でした。
こんな風にプリント写真を人前にさらすのはこの場しかないのですから。
そのせいでしょうか?
吉田正さんがどうおっしゃったか?
みなさんがどんな反応を示されたか?
まったく記憶していない!
なにか質問は受けただけで、
とりたててなにもおっしゃらなかったような印象もあります。
なんだかちょっと拍子抜けでこの報告を書き終わりました。





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by Sha-Sindbad | 2016-07-22 10:15 | SpeedPanchro35/2 | Comments(0)

1612 大正エレジー(スピードアナスチグマート25mmF1.5が描くDecline and Fall)Part 1



いつも書くことですが、
私にとってCマウントレンズの双璧は、
キノプラズマート25㎜F1.5と、
今回のレンズ、スピードアナスチグマート25mmF1.5

前回のダルメイヤー25mmF1.9と同じダルメイヤーのCマウント。
ただし、ペッツヴァールではありません。
レンズの性格には不案内なのですが、
描写性は明らかに異なります。
と言っても、どちらも曰く言い難い玄妙な性格の描写なので、
これも言葉で表現するのは無理。

ただ一つ言えることは、
私はダルメイヤー25mmF1.9を慈しむようにして愛するのに対して、
スピードアナスチグマート25mmF1.5に対してまず感じるのは、
畏敬の念。

オリンパスEP-L1のパラメータも例によって最低に落としてあるのに、
堂々たる立体感と優艶なる柔和さとが両立しています。
大阪市大正区のJR大正駅界隈から旧家並み群を経て、
道頓堀川の突堤伝いに帰るコースを撮りました。
281枚中64枚を2回コースでごらん頂きましょう。
                                                                                                                                                                       

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by Sha-Sindbad | 2016-07-17 23:43 | SpeedPanchro35/2 | Comments(0)

1579 十三幻影(スピードパンクロ50㎜F2は精緻ファンタジーが得意らしい)



Leica Virgin 中将姫光学
(http://zunow.blog51.fc2.com/)
クラシックレンズファンの私にとって、
最高のリファレンス資料となってきたのが、このブログです。

でも、中将姫光学さんが1年余の世界旅行に出かけられて、
かなり剣呑な地域を旅されるようになって、
疾風怒濤、というより、暴虎馮河に近い連日の移動ぶりに、
かなり冷や冷やしている内に、いつしか投稿が途絶え、
完全に消息不明となっておられました。

彼のことを心配していたのは、私一人ではないはず。
でも、実は、そんな心配は杞憂でした。
久しぶりに奈良に姿を見せられたのです。
もともと大変な長身の方なのですが、
旅の体験を経たせいでしょう、
一回り大きな人物となっておられました。

奈良大和路の撮影地として、大和郡山、
大阪浪速の撮影地として、十三を、
二人で2日に分けて、歩いてきました。

中将姫光学さんからレンズを一つをお借りしました。

     クックのスピードパンクロ50㎜F2。

私がついに手に入れることができなかった至高の名玉。
このレンズは3世代を数えるのだそうですが、
中将姫光学さんのお話では、第1世代がベストとのこと。
その第1世代のライカMマウント改造版をお借りできたのです。

その1枚をご覧頂きましょう。
1930年頃の正真正銘のオールドレンズなのに、
クリアーで明晰で精緻なことはどうでしょうか?
でも、それにも関わらず、メタモルフォーゼが歴然。
ご覧下さい。
これが何なのかは、あなたの想像にお任せします。






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by Sha-Sindbad | 2016-05-18 22:47 | SpeedPanchro35/2 | Comments(0)

1551 眼差し(スピードパンクロ35㎜F2は秋田角館の美女に出会ってご機嫌)





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面白いことがあります。
国々、都市都市によって、マネキンが違う。
国々、都市都市によって、マネキンがかなり共通している。
角館でもそんな原則がかなり当てはまりますが、

一つのお店は違いました。
とてもひっそりとして暗い、古風な洋雑貨店。
もしかすると、大通りの他のかなり多くの店と同様に、
すでに閉店状態なのかも知れません。

日本の地方都市の多くはあと10年ほどで、
ほとんど廃村、廃町、廃市同然の死に体と化しそうです。
住民が超高齢化して、角館でも、なんだか3軒に1軒は、
廃業もしくは売りに出ている状態に見えます。
このお店もそうかも知れません。

マネキンが20世紀終わり頃にはすでに古風と化していた、
そんな古めかしいたたずまいで、ひっそりとそこに居ました。
1930年初頭の頃のスピードパンクロ35㎜F2には、
ぴったりの被写体だったかも知れません。

彼女、一体どこを見つめているのでしょうか?
by Sha-Sindbad | 2016-04-04 18:03 | SpeedPanchro35/2 | Comments(0)

1528 梅田(スピードパンクロ35㎜F2があれば、他にはなにも要らない、そう思い)


ついにスピードパンクロ50㎜に手が届かなかった私にとって、
このスピードパンクロ35㎜F2は特別の存在です。
このレンズとパンタッカー50㎜F2.3の2本は、
メタモルフォーゼへの最短距離にあるレンズだからです。
使えば使うほどに、感無量となります。

ああ、どうしてこのレンズを手に入れることができたんだろう?
ひたすら幸運に感謝。

私が愛する(文字通り、愛する)ブロガーのa1photoさんが
こんなコメントをくれました。
コメント欄に埋もれさせるにはあまりにもったいない文章なので、
ただちに本文に転記させていただきます。

   『バス停までの5分の道程で、
   まさに同じものばかり撮って喜んでいる。
   レンズ変われば写真が変わるからです』
   まあ本人は当然否定されるでしょうが、ひと言いっておきましょう。
   天才とは、そういうもんです。
   ただ、天才は、そんなことすら気にしないで我が道を歩む。
   だから「ホロゴンさんは天才の一歩手前」と前から言っているのは、
   自分でそのことを知っているからです。
   私がカメラ雑誌の編集者なら、即、特集ですね。」

えへん、と胸を張りたい気分なのですが、
かくいう私がカメラ雑誌の編集者なら、
即、却下。
却下の理由は、写真をご覧になれば、一目瞭然。
それなのに、こんな風に言って頂く、
そのお気持ちが嬉しいから、
a1photoさんにはひたすら、感謝。
(こんなコメントを掲載するときだけは思いますね。
私のブログにもアクセスする人居たら、なあ.........)




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by Sha-Sindbad | 2016-03-04 23:55 | SpeedPanchro35/2 | Comments(0)

1402 切り株仙人(スピードパンクロ35mmF2は私にとっては幽玄レンズらしい)



9月5日土曜日、白毫寺から春日大社まで、
奈良市の東に南北に続く丘陵地帯の麓を歩きました。

ライカM9
スピードパンクロ35mmF2
久しぶりのセットです。
554枚撮りました。

大コレクターのNさんから聴いたことを思い出しました。
「映画用レンズは別格なんですよ。
映画館のスクリーン一杯に投影して、
すみずみまできちっと撮れなければならないのですから。
だから、レンズ会社はプロ用のレンズとして、
気合いを入れて作りました。
市場で見つかるものはたいていボロボロです。
それはよく撮れるので、使い倒されているからです。
そんなものにはすごいのがいくつもあります」

このレンズもそうなんだな、
写真を見ながら、そうつぶやいてしまいました。
もちろん開放写真です。




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by Sha-Sindbad | 2015-09-06 22:44 | SpeedPanchro35/2 | Comments(0)