レンズ千夜一夜

カテゴリ:Hermagis95/2.4( 14 )

1906 町へ(2017年9月14日エルマジ95㎜F2.2が奈良町に魅せられ)3-完-心を割って



こうしてエルマジ95㎜f2.4と付き合っている内に、
だんだん感じるようになりました、
このレンズ、なかなか優雅な描写力を持っている。

作品性でぐいぐいと迫るような写真作品なら、
レンズの描写性よりも、メッセージの質が重みを持つでしょう。

でも、メッセージなどなにもないロボグラフィでは、
リアルな写真表現など不要。
独特の個性、癖がものたちをどう変容してくれるか、
これだけが私の関心事。

これから大切に付き合っていきたい、
段々そんな風に感じさせてくれるあたり、
このレンズ、次第に腰が据わってきました。
結局、レンズも人も一緒ですね。
心から信頼して付き合うと、心を割ってくれる。




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by Sha-Sindbad | 2017-11-10 21:59 | Hermagis95/2.4 | Comments(0)

1904 町へ(2017年9月14日エルマジ95㎜F2.2が奈良町に魅せられ)1 願いを込めて



本物の教養のない人間って、
意味のない傾向を突然見せるものです。
たとえば、私がその典型例。
フランス語なんて読み書きできないのに、
フランス語の語感になぜか心をそそられるのは、その好例。

レンズにしても、
アンジェニューとかエルマジなんて名前が出て来ると、
どんな描写か確かめもしないで、心を無性ときめかしてしまいます。
ebayでエルマジ95㎜F2.2を手に入れたときのことです。

それまでペッツヴァールの望遠としては、
ペッツヴァールSVE100㎜F2.9にぞっこん惚れ込んでいました。
望遠系には珍しく、
本ブログに13回も記事を掲載していることからも明らか。
ところが、エルマジ95㎜f2を手に入れた途端、
まだ届きもしないのに、もうSVE100㎜の出番はなくなった、と、
私の畏友RAさんにプレゼントしてしまいました。

その後、エルマジ95㎜f2が家に届きました。
さっそく宮崎貞安さんにMマウントに改造していただき、
使ってみて、納得。
なるほどいかにもフランスらしい、品のよい描写。
でも、使う内に気づきました。
SVE100㎜で一番強烈に私を仰天させた一点、
メタモルフォーゼがあまり感じられない!
早まったかなあ....................?

でも、かなり気に入って、時々使います。
先月、奈良町に持ち出しました。
スライドプロジェクターのレンズらしい、
いかにも安物という雰囲気だったSVE100㎜とは違い、
エルマジ95㎜f2.4はかなりただ者ではない雰囲気。
使い込むにつれて、次第に、レンズ描写の方も、
そんな異次元の雰囲気を醸し出してくれたら?
そう願いつつ、ひたすら使い続けているのですが.......




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by Sha-Sindbad | 2017-11-07 22:17 | Hermagis95/2.4 | Comments(0)

1883 伽藍写(2017年8月10日エルマジ95㎜F2.2で東大寺乱写)6-完-ナチュラル一辺倒



今日は散歩をする時間をとれませんでした。
あれこれと家事に追われたせいもありますが、
リコーダーの音響実験をしていたことが主因。

別ブログ「わが友ホロゴン」に書いたと記憶していますが、
私の書斎は四面すべてに物が雑然とひしめきあい、
楽器の音を美しく反射してくれる面がゼロ。
だから、リコーダーをいくら美しく響かせようとしても、
私の耳に美しく帰ってくる音がないので、かなり無味乾燥。

リコーダーのみならず、どんな演奏も、実演、録音ともに、
残響音を美しく処理できる空間でなされています。
我が家では、階段室になっている玄関のたたきに立って、
高い天井に向かってリコーダーを弾くと、
もう夢のようなサウンドになります。
でも、妻が居る日は使えませんし、
(下手な演奏には我慢ができない、のだそうです)
やっぱり演奏をする場所とはとても言いがたい。

友人のアドバイスを得て、反射板を試すことにしました。
まずは手近な浴槽の蓋2枚で試すことにして、
書斎の卓上に直角状にセットし、段ボール板を天井して、
その空間に向かって、リコーダーを吹いてみました。
かなり活き活きと力強いサウンド。

でも、ふっと感じたのは、音が固くなっている。
なんだか無理している感じ。
日曜に孫たちの一家とホームセンターに参りますので、
浴槽の蓋よりもかなり反射面の大きな薄板を探してみます。
幸い私の書斎机の卓面は庶民の家にしては破格の大きさ。
その薄板3枚にアルミホイルを貼って、やや湾曲させます。
ふくよかなサウンドになればよいのですが?
ダメだったら、細かく切ってゴミ出しします。
居ながらにして、美しいサウンドを楽しめたら?
夢です。

夢ですが、ふっと考えてしまいます、
そんな小細工は無理かも?

よく考えるのですが、デジタルカメラになってから、
多彩極まりない画像処理が可能になりました。
でも、その前に、カメラ自体に、自社の画像を差別化すべく、
密かにCCDでの画像処理メカニズムが組み込まれて、
他社を後方に抜き去ろうと競い合っているようです。
これも、私がやろうとしているリコーダーの音質改善も、
似たような姑息手段と言えそうです。

画像処理に関する限り、私はシンプルです。
レベル補正で、濃度を整える以外の細工はしない。
皆さんがさまざまに華麗に加工するのはご自由。
そこまで反対するつもりはありません。
ただし、私は、そんな作品に本能的に身を退いてしまいます。
驚くべき画像処理で見事に変身した写真を観ても、
その気配、疑いを感じただけて、心がしらけてしまうのです。

アートはまさに画像処理そのもののプロセスなのに、
感動します。
でも、写真だと、感動できない。
私の写真観は、銀塩時代とまるで変わっていないようです。





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by Sha-Sindbad | 2017-09-22 23:10 | Hermagis95/2.4 | Comments(0)

1882 伽藍写(2017年8月10日エルマジ95㎜F2.2で東大寺乱写)5 衝立効果


近頃、ちょっと多忙のようで、毎日出歩いています。
毎日かかさずウォーキングをすることにしたことも手伝っています。
ひたすら歩くことに徹するのが本当のウォーキングでしょう。
でも、性格が邪魔してしまいます。
単に歩くだけでは、時間の無駄のように感じてしまいます。
そこで、撮影も同時にやってしまう。
そうすると、どうしても散歩の時間が長くなります。
なぜなら、「なにかに出会って撮る」という喜びが募るからです。

たとえば、食事を作ったり、食器を洗うといった家事を、
退職以来、随分沢山分担しています。
家事そのものが大切な仕事であることは十分承知していますが、
そんなとき、ウォークマンで朗読を聞き、音楽を楽しむと、
大切な仕事をさらに楽しむことができる、
楽しめば、さらに念入りにすることさえできる、
そんな我田引水的理屈。

でも、外出をしてもなお、家事の分担分は減らないので、
ますます忙しくなる道理。
おかげで、ブログの更新がなおざりになってしまいます。

私のこうした駄弁は、なにか大切なことを書きたいとしても、
全然インスピレーションが湧かないときの常套手段。
幸いキーボードの入力は得意中の得意。
完全ではありませんが、ほぼ考える速度で入力できます。

よほど考える速度が遅いんだねと突っ込まれそうですが、
その通りなので、あえて反論はしないことにしています。
でも、実のところ、こうした駄弁はちょっとした戦術。
私の文章は日記であり、日々の思考の記録なのですが、
その反射的効用は衝立効果。

私の文章があまりにもプライベートなので、
誰も読み進めない。
おかげで、私の写真を観る人がますます少なくなります。
観ていただいても、ろくな印象は抱かれないだろう、
ということが分かっているので、
そもそも写真に目を通したいという気持ちを殺ぐ効果。

なぜ、そんな効果を狙うか?
私は写真を単なる人生の歩みの記録として撮っているのに、
人が私のブログを写真作品の展示と思う間違う危険があるから。
どうやら今の所、私の意図は狙い通りの効果を奏しているようです。

今日も吉田正さんの写真教室のメンバーからぼやかれました、
「ブログ、目を通しましたが、どうも、文章が長くて」
私、しめしめというところ。


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by Sha-Sindbad | 2017-09-21 23:35 | Hermagis95/2.4 | Comments(0)

1881 伽藍写(2017年8月10日エルマジ95㎜F2.2で東大寺乱写)4 台風18号


台風18号が接近中ですね。
私の住む奈良では、昨夜、半時間ほど囂々吹き荒れました。
物が飛ぶ音もしました。
台風の渦の一番長い腕がかろうじて奈良をかすったようです。
まだ台風の目は九州の海上沖だったのですから、
なんとも壮大な大車輪。

今日は昼食後、1時間、ぐるりと散歩してきました。
アンジェニュー50mmF0.95をオリンパスEP-L1に付けました。
風一つなく、静穏な散歩でしたが、
畑に出た農家の人が2人、ほとんど車もなく、
郵便屋さんのバイクに出会っただけ。

皆さん息を潜めて台風を待っているか、と言いますと、
そうでもなく、もともと出歩く元気のある人がほとんど居ない、
いわば過疎の地域になりつつあるだけかもしれません。

お陰さまで、というわけではなく、いつものことなのですが、
1時間で130枚の収穫でした。

我が家もひっそり閑としています。
妻は、大阪での馬頭琴のコンサートに出かけてしまいました。
行くと決めたら、槍が降ろうが台風が来ようが、行く!
そういう人です。
友人の家に泊まるよう、厳命しましたが、心配。

午後5時半頃から台風が猛威を振るい始めたようです。
かなり不穏なほどの烈風が戸外を荒し回っている気配。
まだ四国上陸したばかりという状態でこの荒れ方。
近頃稀な大型台風のようです。
あんまりうるさいので、毒をもって毒を制す、
ワーグナーの「ジークフリートの葬送行進曲」を新しい録音で、
ということで、YouTubeで、格好の演奏を見つけました。
Wagner Götterdämmerung - Siegfried's death and Funeral march
Klaus Tennstedt London Philharmonic
(https://www.youtube.com/watch?v=wXh5JprKqiU)
どこかで大きな被害がなければよいのですが..........................................

と、ここまで記事を書いたところで、
妻から20分前のラインのメールを発見。
「今から帰る」
電話すると、
「大丈夫、近鉄電車は平常運転してる」
「平常運転って???
こちら、轟々吹き荒れてるのに?
タクシーなんかないよ」
「大丈夫、もう近鉄奈良駅に着いたから.....」

こうならないか、心配していたのです。
台風よりも強力!
でも、心配。



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by Sha-Sindbad | 2017-09-17 18:43 | Hermagis95/2.4 | Comments(0)

1880 伽藍写(2017年8月10日エルマジ95㎜F2.2で東大寺乱写)3 東大寺へ



東晋の時代、老荘思想の影響下、清談が流行しました。
その前の後漢字末から三国時代にかけて、
中国は秦から前漢への移行期に優る乱世となり、
全土荒れ果て、人口が激減しました。
まさにこの世の末、とでも言いたくなるような時代でした。
清談思想はな末世への厭世に後押しされていたのかも知れません。

2人の英才が隠棲し、自給自足の生活を楽しみました。
2人で畑を耕しているとき、1人の鍬がなにか固い物に当たりました。
彼はそれが何なのか調べるために取り上げました。
もう1人はそれを観て、娑婆っ気が残っているのを見抜き、
即座に友情を絶ったのだそうです。
厳し過ぎると言えそうですが、調べた方は後年出世して、
権勢のある政治家になったのですから、
もう一人の判断は正確だったようです。

いかなる取るに足りない言動にも人間が露呈する、
これは春秋時代からおそらく現代まで、
優秀な中国人が一貫して信じてきた、人物鑑定法。
春秋左氏傅、史記に同種の話は枚挙にいとまがありません。

そこで、問題。
そんな鋭い人間観察力を備えた慧眼の士が、
我がブログを偶然のぞいて、私のロボグラフィを観たとき、
撮影者である私をどう鑑定するでしょうね?
ロボグラフィを撮るって、土の下のものを持ち上げてみる、
これになんだか近い行動かもしれませんねえ?

一生の同志として共に生きるに値する人物である!
なんて、思うことはないでしょうねえ?
訳の分からない写真ばっかり撮りおって!
こんな人物、断じて信用できん!
なんだか、即座にそう鑑定されてしまいそうですね。

でも、不思議ですね。
そんな風に断罪されても、なんだか平気ですね。
私が自分のためにこんな写真を喜んで撮る、
そんなことができるって、面白い!
これも一種の竹林の思想なんじゃないかな?
むしろそんな感じですね。



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by Sha-Sindbad | 2017-09-16 22:58 | Hermagis95/2.4 | Comments(0)

1879 伽藍写(2017年8月10日エルマジ95㎜F2.2で東大寺乱写)2 奈良公園へ



昨日は、友人のOYさんと近鉄奈良駅近くの喫茶店で歓談。

もう83歳なのですが、この年齢は畏友RAさんと同じ。
RAさんは、80歳を超えてからガクンと弱られて、かなり心配。
ところが、OYさんはまだ肌もかなり艶やかで、お元気。

2時間半ほど、夢中になって語り合いました。
音楽のこと(大変に繊細で透徹した感性で対決されます)、
オーディオのこと(良い音楽を鳴らすことを徹底的に追究)、
レコード、CDのこと(本格的なコレクターです)、
蔵書のこと(種々の稀覯本、写真集を収集しておられます)、
エトセトラ、エトセトラ......

そして、レンズ収集も本格的です。
コンタレックスレンズも、ライカレンズもそれぞれ10本以上。
百数十本を超える高級クラシックレンズのコレクター。

フィルムの退勢の現今、やむなくソニーα7に付けて、
今でも写真もお撮りになります。
面白いことをおっしゃいました、

  「コンタレックスのレンズもライカのレンズも、
  フィルムで撮ると、ものすごく個性があって、
  独特の味わいを出してくれました。
  でも、デジタルカメラに付けたら、
  個性も味もほとんど消えてしまう。
  現代のレンズとほんの少ししか違わない感じなってしまい、
  がっかりします」

私もまったく同感です。
私はレンズコレクターと名乗るほどのコレクションではないし、
第1、撮影のためという方向だけで集めてきたので、
いわゆる名レンズの系譜から離れているレンズが多い。
その理由が、ソニーα7のようなデジカメで撮っても、
銀塩時代の雰囲気を色濃く残しているレンズが欲しいから。

エルマジ95㎜F2.2はそんなラインにあります。
世評高い名レンズではありません。
ペッツヴァールレンズの改造版。
前玉の隅に貝殻状のキズがあり、
はっきり言って、ぼろぼろ。

ペッツヴァール特有の澄んだシャープネスが主題を引き立て、
周辺もペッツヴァール風の激しいボケ、フレアは少ない。
画像にペッツヴァールらしさはほとんどないのですが、
使い込めば使い込むほどに私の心になじみ、
今では、とりわけいとしいレンズ。
今回はなんのためらいもなく、
大仏殿で初めて使うレンズとして選び出しました。




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by Sha-Sindbad | 2017-09-15 11:43 | Hermagis95/2.4 | Comments(0)

1878 伽藍写(2017年8月10日エルマジ95㎜F2.2で東大寺乱写)1 あっと驚愕! 



日本の仏寺は概ね撮影禁止となっています。
ここ10年ほど、ヨーロッパに行ったことはありませんが、
私が旅をしていた頃は、キリスト教寺院もイスラム寺院も、
撮影自由でした。
東大寺が、他の仏教寺院にさきがけて、撮影自由になったのは、
無神論者の私にとっては嬉しいニュースでした。

少年時代奈良で過ごした私には、
東大寺の大仏様の壮大にそびえ立つ姿は人生最大の驚異でした。

小学校6年生で大阪に移転して、疎遠となり、
大学生になってようやく大仏様と再会して、あっと驚愕!
「えっ、こんなに小さかったの!!?」
幼児のパースペクティブで記憶していた大仏様と違ったのです。

それから数年して訪れたとき、もう一度驚愕!
「えっ、こんなに大きいの!!?」
それ以来、大仏様は、世界一の金剛仏として、
比類なく巨大な存在であり続けています。

ものがどれほどの大きさで見えるかは、
知覚主体の私の大きさに左右されることを、
私はこの体験で初めて知りました。

その巨大な大仏様を自分のカメラに収めることができる!
8月10日、東大寺撮影の初陣。
ワクワクする体験でした。




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by Sha-Sindbad | 2017-09-14 21:27 | Hermagis95/2.4 | Comments(0)

1552 バス停まで(エルマジ95mmF2.4となら歩調もゆったり)



3月26日の装備は、私にとっては夢のセットでした。
カメラはソニーα7(Mマウントアダプタ付き)
レンズは2本、
エルマジ95mmF2.4
スピードパンクロ35mmF2
(予備として、ソニーNEX-5)

9時7分発のバスに乗車すべく家を出発。
5分の行程に3分の余裕があったので、
行程の半分で
エルマジ95mmF2.4を取り出して、
路傍とバス停を撮影しました。
その11枚をごらんいただきましょう。

エルマジ95mmF2.4は、確かにペッツヴァールなのですが、
どうやら中心付近だけを使っているようで、
かなり落ち着きのある描写。
でも、どこか春風駘蕩の気があって、
私にとっては、タンバール90mmF2.2とともに、
ソフト長焦点レンズの双璧となりました。





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by Sha-Sindbad | 2016-04-05 20:15 | Hermagis95/2.4 | Comments(0)

1516 別れ(エルマジ95㎜f2.4が天満橋商店街を闊歩して微笑んだ)





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2月2日午前中の約40分、梅田の古書店街やその近辺の裏通りを撮影し、
午前11時45分ころ、紀伊国屋書店に隣接する行きつけのレストランに参りました。
畏友RAさんと正午に待ち合わせて、おいしいランチをいただくつもりだったのです。
入り口のガラス扉に張り紙。
「当店は1月31日をもって閉店いたしました」
がっくり!
都会のオアシス、と、愛用していたのに!

RAさんが来て、やむなく、すぐ近くの喫茶店に。
地中海野菜となんとかのピラフ980円を注文。
この「なんとか」がなんだったか思い出せない。
それ位記憶力が老化しているのだ、などと考えないでください。
それ位、グルメではないのです。
要するに、おいしければ、どうでもよいのです。
それにしては、なかなかのお味で、拾いもののお店。

さっそく、RAさんにレンズをプレゼントしました。
ペッツヴァールSME100mmF2.9
私が女王レンズに昇格させたエルマジ95mmF2.4と、
スペックはほとんど変わりません。
もう少し短く、遙かに軽量。
描写の方は、実はこちらの方がペッツヴァール的。
RAさんに大喜びしていただきました。

念のため付け加えておきますが、
誰彼なし見境なくレンズを上げるわけではありません。
RAさんは私の人生を変えてくれた恩人。
80を過ぎて、体調がはかばかしくないときが増えました。
まだまだ長生きして、一緒に歩きたいものです。
とにかく体を動かしていただくのが一番。
私と同じで、レンズ試写が大好きなのです。
体を動かす動機になれば、という一念から。

これまでこのレンズで撮った作例を
「わが友ホロゴン」「レンズ千夜一夜」でご覧いただきました。
いかにもペッツヴァールらしい清澄な描写を包む朧の背景。
もっと喜んで頂きました。

こうして、私はエルマジ95㎜f2.4を手元に残す決断をしたのですが、
不思議なことに、このレンズ、これまで出会ったペッツヴァールの中で、
一番ペッツヴァール的な要素が稀薄、という感じがします。
そうではなくて、どこまでもこのレンズ独特の個性が光る、
そんな感じがします。
剛健なのだけど、柔和。
穏和なのだけど、卓抜。
龍馬や隆盛のような英雄の面影に近い。
なんて言うと、大げさな、と笑われるでしょう。
でも、いいのです。
レンズの世界は完全にえこひいきの境地でこそ楽しめるのですから。




    [後書き]
       つくづく思うのですが、
       後ろ姿って、大切ですね。
       こんなにボケていても、
       去り行く影はなんだかスタイルのよい美女を思わせます。
       あなた、ご自分の後ろ姿がこんな風に写るだろうと、
       自信を持って言い切ることができますか?
       私は自身をもって、答えられます、
       とんでもない!
       ああ、人間、自分の後ろ姿が見られる眼をもたなくてよかった!
by Sha-Sindbad | 2016-02-14 17:39 | Hermagis95/2.4 | Comments(0)