レンズ千夜一夜

カテゴリ:5 Pictures( 6 )

1520 ネパールの人々 (ホロゴン15、フレクトゴン35、ヘキサー75の三羽がらすが活躍した)



1月18日木曜日、吉田正さんの写真教室でした。
私はいつも5枚セットの組写真を持参します。
私が自分の写真を写真作品であるかのように提示する、
たった一つの機会です。
前回は近江八幡の水郷風景を持参しました。
まったく色のない、暗く沈んだカラー写真でした。
同じ場所でペッツヴァールSVE100mmF2.9で撮った写真にしようか?
そう一度は考えたのですが、考え直しました。
いつもいつもこう暗くて、地味で映えないロボグラフィばかり持参しても、
みなさん、私のことを暗くて冴えない人間だという印象を強めるばかり。
ここらあたりで、根は明るい、清く正しい人間なのだと分かってもらわないと、
そう考えて、昔の写真にしました。

ちょうど、これまでなぜか読みとりができず、
アクセスできなかったハードディスクを最近復元できたことで、
以前の写真の数百のフォルダを4テラの外付ハードディスクに
無事コピーできた記念に、ネパール滞在の写真にしたわけです。

私の海外旅行は、10日から2週間までの一都市滞在型が基本でした。
当初はポジフィルムでしたので、
お金がかかりますので、撮影本数は100から140本限定。
2度のネパール旅行では何本撮ったか記録に残っていません。
当時は作品選択主義でした。
B4のライトボックスにマウントしたポジフィルムをざらっと並べ、
大型のピークルーペでのぞいて、
不合格の写真は手裏剣よろしくはじき落としていたのです。
当時はこうして作品選択をしていたと粋っていたのです。
馬鹿ですね。
選択眼と好みもがらりと変わっていくことに気が付いていなかった。
全部で300枚程度しか残っていない。
その中から5枚、人物スナップばかり選択しました。

今回の5枚、この順序で左から右に並べました。
なぜかたいていの方が組写真は左から右に並べますね。
私も例外ではありません。
一番左に、ヘキサー75/3.5で撮った、
一番目を引きやすい少女の写真を置き、
中央に目玉商品の「祈り」のホロゴン写真を据え、
最後に午後の黄金の時間を宮殿の壇上に座り込んで、
たばこをゆったりとくゆらせる老人。
(フレクトゴン35mmF2.4写真)
これら3枚が全部縦位置写真。
その狭間を埋めたのが2枚の横位置の少年たちのスナップ。
背中とおなかと表裏対照的に配置しました。

吉田正さんにおっしゃっていただきました、
「ちゃんと5枚を考えて配置しています」
こんな風に理解していただきますと、
こちらも出し甲斐があるというものです。

私がかなり明るい写真を5枚並べたのには、とても深い、
というより、とても浅い理由がありました。
ピクトリコの写真用紙を愛用しています。
染料系プリンタで一番厚みのある色再現だからです。
でも、今回は最初のテストプリントが猛烈に濃厚だったのです。
これはいけないと、かなり浅めに補正して、
1枚プリントを設定したのに、
なぜか2枚続けて、最初とまったく同じ濃厚のプリントが排出されました。
ピクトリコの残り枚数は7枚しかありません。
あれこれ設定を試す余裕はなくなりました。
そこで、徹底的に明るい設定にして5枚プリントしたわけです。

でも、幾人かの方からは、
「とても美しいプリントです」とおっしゃっていただきました。
ありがたいことです。
これからも、昔のストリートフォト専科でがんばっていた
アマチュア時代の写真と、
現在の誰からも見向きもされない暗く地味なロボグラフィ時代の写真とを
交互に持参することにします。
自分でも、昔の写真を振り返って、
現在の写真になにかをフィードバックできるチャンスになりそうです。




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by Sha-Sindbad | 2016-02-22 15:10 | 5 Pictures | Comments(2)

1238 Angels are dancing on the sky (東大寺の空、飛天が乱舞して)



本ブログに5Picturesシリーズを設けていたことを忘れていました。

吉田正さんの写真教室には、
5枚セットの組写真を持参することにしています。
1月の5枚をご覧頂きましょう。

子供の頃の紙芝居のおじさんよろしく、
写真を並べた後、こんな風に説明しました。

    (1枚目)左手から飛天たちが踊りながら現れ、
    (2枚目)遙かな高みに向かって飛翔した後、
    (3枚目)飛天たちは天上で合流し、
    (4枚目)入り乱れて乱舞し、
    (5枚目)東大寺の上で、さらに華麗な踊りを繰り広げました」




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紀貫之は、宮廷の女性たちが楽しむ日記形式を借りて、
紀行文「土佐日記」を書きました。

    私も世の写真家たちのすなる組写真をしてみんとて、
    写真作品を作るつもりなどまるでないのに、
    せっかく写真教室で写真のことを教えていただくのですから、
    この機会を利用して、組写真の作り方を教えていただこうと考えて、

もともとそんなつもりもなく撮ったロボグラフィを
無理にお話を作って、5枚を組み合わせたものを毎回持参しています。
でも、実は、この組み方って、おかしいのです。

組写真っていったいなんでしょう?

    ピアノ五重奏のようなものではないでしょうか?

一番有名なシューベルトの「鱒」を取り上げてみましょう。

    ピアノ、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、
    それぞれに独奏楽器として、大変な表現力をもった楽器たちです。
    無伴奏でも最高の音楽を創れます。
    とくに、ピアノと弦楽器とでは、打楽器と擦弦楽器なのですから、
    音の出し方がまるで違います。

でも、この異質な楽器が協奏すると、
無伴奏の音楽とはまるで次元の違う膨らみのある音楽が創造できます。

    作曲家たちは様々な組み合わせを考案して、
    驚くほど多様かつ豊かな音楽世界を生み出してきました。

でも、だからと言って、どんな組み合わせでもよいとは言えません。

    たとえば、ティンパニーとハープとピッコロを組み合わせても、
    まさにトンチンカンで貧寒としたサウンドしか生まれないでしょう。
    異質でありながら、ハーモニーを生み出せるセットだけが成功します。

組写真もそうですね。

    同じような写真を5枚組み合わせても、
    ただの羅列でしかありません。
    2つの楽器のさまざまな音程の組み合わせが、
    妙なる響き、共鳴、和音、倍音、ハーモニーを生み出すように、
    あるいは撞木と鐘が荘厳、森厳なる響きを生み出すように、
    1枚ずつでは絶対に生み出せないような雰囲気、気分、情感を生み出す、
    それが組写真ですね。

ところが、私はそんな面倒な作曲をする意思も能力もまるでありません。

    だから、Club Sei-G写真展でもそうでしたが、
    5枚の写真が一つの物語を語り出せるように組み合わせます。
    でも、物言わぬ写真たちを5枚並べて、
    作者の意図通りの物語を感じてくれるなんて、
    そんな雄弁な組写真を作ることなんて、私の実力では不可能。

だから、言葉で無理に絵物語を作っているわけですが、
こんなやり方では、本来の意味での組写真への道は遠いですね。
まして、いっそう大掛かりな組み写真である個展なんて、
ありえませんね。

    もともと写真展などするつもりがないので、それはよいのですが、
    せめて吉田正写真教室にはいつか、
    五重奏と言うにふさわしい組写真を持参したいものです。
by Sha-Sindbad | 2015-01-21 19:08 | 5 Pictures | Comments(0)

1054 裏通りの夢(十三の暗い路地でスピードパンクロ35mmF2が見る夢はいつも極上)


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今日の吉田正さんの写真教室にも、5枚組写真を持参しました。

大阪の下町5選私が選べば、当確の街、十三の裏通り。

    映画用レンズの老舗クックの定番レンズ、
    スピードパンクロ35mmF2
    約80年前の古代レンズです。

教室では、パンタッカー50mmF2.3で撮ったと説明してしまいました。
それほどに、良く似た描写。

ライカM9に付けて、4枚はノーファインダーで撮っています。

    ライカM9はライブビューがありません。
    私は距離を目算できますので、
    わざわざレンジファインダーでピントを合わせるような、
    かったるい真似をする暇も必要もありません。

組写真の中央においた花のある路地風景だけは、
しゃがみこんで、花芯にピントを合わせました。
後は目測で十分。

    私のような暗く茫洋とした写真では、
    パンタッカーは開放値がやや暗いために、
    ピンポイントにピントを合わせる必要などまったくないからです。

5枚テーブルに並べましたが、大方の皆さんは無反応でした。
こんな暗い写真ではピンと来なかった方が多いようです。

先生と一部の方にはかなり喜んでいただきました。

    先生、「この人のブログ見たら、こんな写真がどっさり載っています。
    おもしろいこともあるけど、何百と写真が並ぶので、びっくりしますよ」
    別ブログ、「わが友ホロゴン」の名前をお教えしました。

2、3人の方はブログ名を書きとっておられましたが、
本当にびっくりされることでしょう。

    意味もない写真がただただ時系列に並ぶ写真倉庫と、
    読解不能の悪夢のような文章群。

    ただのぼけ防止の連想でつづった文章と、
    ハードディスク保存代わりの写真倉庫なのですから。

今回の5枚組、私にとってはロボグラフィの原点のようなものです。

    路地裏に人知れず安住の地を見いだして、
    ひっそりと足るを知る隠棲の境地を楽しんでいるものたちとの出会い写真。

    私のような奇特な人物との出会いを喜んでいるようですが、
    だからと言って、飛び上がって喜ぶわけでもなく、
    しっとりとほほえむ風情。

誰も気づかないものを撮っても、それ自体徹底的に地味なので、
フォトジェニックな姿に生まれ変わるわけでもなく、
いつまでも私の個人的な出会いの記録にとどまります。

    それじゃ、組写真でもなんでもないじゃないか?
    5枚に組み合わすことで、個々の写真では達成できないような境地を醸し出す、
    これが組写真の極意じゃないか?

そう、その通りですね。
残念ながら、そんな組写真の極意とはまったく無縁のようです。

    作品を創るつもりなどまったく持たずに撮っているのですから、
    そんなことは当たり前。
    私の5枚組はただの写真配合の練習帳というわけです。

でに、たとえ組写真まがいでも、選び甲斐は十分あります。

    楽しみが一つ増えた感じですね。
by Sha-sindbad | 2014-06-15 18:43 | 5 Pictures | Comments(2)

1002 廃校(エルマリート28mmF2.8は学校の霊たちと交信できるようで)


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写真家吉田正さんの月1回の写真教室は、
私にとってはパラダイス。

    毎回、吉田正さんのお話に夢中になってしまいます。
    
そのお話の凄さは、
本物の人間が本物の人間に出会うお話ばかりだからです。

    私のように隠者そこのけの生活をしている人間には、
    夢のような、貴重な体験を重ねることによって、
    ますますご自分を磨いておいでになる様子が、
    ごく自然な語り口の隅々から見えてくるのです。

そんなお話の一部は、自分自身の心覚えのために、
別ブログに記録していますが、
この写真教室のもう一つの面白さは、メンバーの皆さんの写真。

    お一人として、同じタイプの写真はありません。
    みなさん、日常生活の中で自然に写真を撮って、
    彫刻家が石彫りを進めて行くうちに、
    人物の姿が次第に浮かび上がってくるように、
    ご自分の写真世界を次第次第に彫りだしておられるようです。

原則として撮れたての新鮮な写真たち。

    私だけは、人に見せるような写真はろくに撮っていないので、
    昔の写真から、5枚1セットの組写真を作る試みを続けています。

    もともと写真作品でもなんでもないロボグラフィを、
    いかにも写真作品風に組んでみるのも、お遊びの一種。
    私は大いに楽しんでいます。

今回持参したのは、「廃校」

    18世紀だったと記憶しますが、有名な幽霊船のお話があります。
    ある外洋行路の帆船が洋上停止した姿で発見され、
    発見者たちが乗り込んでみると、
    まだあたたかい朝食が卓上に並べられているのに、
    乗組員は誰一人見つからなかった。
    あまりにも出来すぎたお話なので、
    もしかすると、このお話自体作り話かも知れません。

南紀の山間部を写真家林孝弘さんの運転するレンタカーで走行中、
助手席の私の目に枯れススキで覆われた階段が入りました。

    いかにも学校の階段。
    その階段の上の林間には、なにかが隠されているに違いない。
    さっそく上に上ってみると、まさに廃校が隠れていました。
    グランドピアノ、調度、図書室の本、みんなそっくりそのまま。
    それなのに、教室の椅子、机だけはほとんどない。
    一体どうして、こんな中途半端な廃校になったのでしょう?
    残されたグランドピアノ、機器、調度などは、誰が使っているのでしょう?
    まさか幽霊学校ではないでしょうね。

エルマリート28mmF2.8で撮った写真たちから5枚セットを作りました。

    最初に、枯れススキに覆われた学校玄関の写真を置いたのですが、
    吉田正さん、一目見た途端に、「これは余分です」
    残り4枚を見て、即座に納得。
    このあたりの組写真としての組み方がまだ分かっていないのです。

そこで、本ブログの5Picturesシリーズに掲載するにあたり、
今回の1枚目をくわえ、写真のシーケンスもがらりと変えました。

    私は、これまでの体験で、吉田正さんは別として、
    きっと皆さん、汚い、暗すぎると、
    あまり良い反応は頂けないだろうと予測していたのです。

    ところが、吉田正さん、
        「美しい!」
    他の皆さんも幾人か、大まじめにおっしゃってくださいました、
        「美しい!」

こんな猛烈に嬉しい体験ができるのです。

    今年1月に引退すると誤解して、
    1月からこの教室に無理矢理入れていただくことにしたのは、
    私には大変な幸運でした。


        [後書き]
            今回から、マット面を着色しました。
            これでもう少し見やすくなったのでは?
by Sha-sindbad | 2014-04-20 19:00 | 5 Pictures | Comments(0)

972 いのち(ホロゴンウルトラワイドが描く命の形象)



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吉田正写真教室には、
私は5枚組を毎回持参することにしています。

    作品づくりなど一切しない人間ですが、
    この教室では、普段絶対しない作品風のセットを構成して、
    吉田先生に批評していただくことにしたのです。

これが意外と楽しいですね。

    写真教室のある週初めに5枚プリントします。
    インクがすぐなくなるので、時には補給する余裕もほしいからです。

今回16日日曜日の教室に持ち込んだのは、

    「いのち」

ケルト模様に近い曲線模様の写真。

生命体の基本を一言で言えば、

    「曲線的成長」ではないでしょうか?
    絶対に無理をしないで、曲がったりせずに、
    すっと弧を描きながら成長していきます。
    
遺伝子の染色体構造がそうですね。

    二重螺旋を描く染色糸が折れ曲がることなくぐるぐると絡み合って、
    完全な球体を形成しています。
    そのおかげで、一個の細胞の中の染色糸をつなげると、
    なんと1mにもなり、人体の染色体を全部つなげると、
    太陽系の直径ほどにもなると、生物学の本で読んだことがあります。
    途方もない長さの染色体が人体に貯蔵されているのです。

ケルト模様も絶対に屈曲しません。

    ホースがそうであるように、
    あるいは、水がそうであるように。
    くるくると弧を描きます。
    そして、果てしなく増殖していきます。

そんな「いのち」の形象を思わせるものたちを集めてみました。

    全部ホロゴンのノーファインダー撮影。
    別々の機会、別々の場所で撮ったものですが、
    すべてホロゴンウルトラワイドで撮ったものなので、
    濃度が揃っています。

かなり好評でした。

    これまでどこで誰に見せても、ほとんど無言、無反応だったので、
    これには少し戸惑っています。
by Sha-sindbad | 2014-03-21 11:57 | 5 Pictures | Comments(6)

945 「斜陽」(ホロゴンウルトラワイドは映画のポスターが好きなのだ)



本ブログに新しいカテゴリを導入することにしました。

    「5 pictures」

№918に、1月から写真家吉田正さんの教室に参加したことを書きました。

    てっきり1月で引退、晴れて素浪人になると信じていたので、
    この素浪人、できるだけ清新の空気に浸りたいと考えて、
    吉田正さんにお願いして、入れていただいたのです。

この教室は、基本精神においては、写真クラブ。
その詳細、活動ぶりは次のブログをご覧下さい。

    mind picture
    Club SEI-G Official Blog
        (http://club-sei-g.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-3)

つまり、年1回、クラブ写真展を開催されているのです。

    私も、写真教室に入る限りは、初心に戻って、
    喜んで写真展に参加するつもりです。
    素人写真でもなんとかClub SEI-Gのレベルに追いついて、
        「うん、これなら写真展に出してもまあよいでしょう」
    先生にそう言っていただけるよう努力することにしました。

そこで、教室に参加する度に、
5枚セットの組写真にトライします。
私の写真に対するスタンスにはまったく欠けていた方向。
これも新鮮な楽しみになりそうです。

    そして、本ブログに掲載することで、
    組写真に見えるのかどうか、試してみることにしたのです。




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            「斜陽」

        20世紀は映画館の時代。
        21世紀はホームシアターの時代。
        映画はまだ作られていますが、
        ホームシアターで一人楽しむようになりました。
        映画館は激減し、映画ポスターもまた、
        メインストリートから姿を消してしまいました。
        下町にかろうじて残された掲示板の有り様に、
        一時代の終わりを感じるのは、私だけでしょうか?
by Sha-sindbad | 2014-02-17 15:42 | 5 Pictures | Comments(2)