レンズ千夜一夜

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1120 小雨の街-続-  (スーパーアンギュロン21mmF4Rは大きいけど、使いたくなるレンズ)


スーパーアンギュロン21mmF4は一眼レフ用レンズだけに、
巨大な口径のレンズで、ライカM9の前にどんとのさばる感じ。

    このレンズを左手で握る感じで、両手の中に納めて撮ります。
    これはこれで、かなり安定感があります。

ただし、撮影がスムーズで文句なしとはとても言いがたい。
ライカM9のシャッターが残念ながらかなり出来が悪いからです。

    1 応答性が悪い。
    2 押したときの感触が深すぎて、しかも、ぐらぐら。
    3 音も大きい。
    4 音が悪い。

要するに、銀塩ライカのあの豆腐に釘をさすような滑らかな感触は、
薬にしたくてもありません。

    ライカM3やバルナックのシャッターの静粛かつ確実な作動感を
    どうして再現できないのでしょうか?
    写真好き、ライカ好きの技術者なら、ここにこそ全力を上げるべき、
    いわば勝負を分ける天王山なのにねえ。

よく言われることがありますが、レンズは大きいほど安定感があります。

    これまで使って一番豪快だったのは、
    ヤシカコンタックスのオリンピアゾナー180㎜F2.8、
    そして、ディスタゴン15mmF3.5でした。

でも、私の15㎜はどうやら欠陥品だったようです。

    開放でも絞り込みでも、近接でも無限大でも、
    とにかく、まるできりっと来なかったのですから。

この点、スーパーアンギュロン21mmf3.4は文句なし。
やはりこのレンズもソニーα7で使う方が軽快かもしれません。

昨日の奈良女子大あたりの撮影分の残りです。

    インドカレーの店でナンに舌鼓を打って、丁度終わったところへ、
    旅に出ていた妻からメール。
    思いがけなく一日早めて、今から帰る、夕方には帰宅するとのこと。
    じゃ、しっかりと掃除をしておかなきゃ、すぐ帰ろう。
    1時間に1本のバスの時刻を調べると、なんと7分後。
    普通に歩いても5分はかかる距離。

大急ぎで飛び出て、写真を撮りながらバス停に急行しました。

    カレー店から出た後の写真は、神社の2枚以外は、
    その早足のままに撮った写真たち。
    顔はまっすぐ前方を見つめながらの落ち穂拾い。

一番好きな写真は横縞(なんて今は言わないかな?)のお二人。

    どうやら、シンプルファッションの方の勝ちのようです。
    負けた方の表情、視線にそれが現れているとは思いませんか?




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        [後書き]
          シンプルファッションに一歩譲った女性ですが、
          前回に駅に向かって歩いていた方でした。
          どうやら買い物をされて、戻る途中のようです。
          でも、ちょっとした買い物の服装でもなさそう。
          などと、詮索しても意味がありませんが、
          往きと還り、両方の姿を撮らせていただいたのは、
          この方が初めて。
          なにか縁があるのかな?
by Sha-sindbad | 2014-09-02 11:52 | SuperAngulon21R | Comments(2)

1119 小雨の街 (スーパーアンギュロン21mmF4Rは重いけど、使うときは心軽く)



今日の午前、ちょっと用があって、近鉄奈良駅まで参りました。
所用を4つ済ませて、行きつけのカレーショップに向かいました。
キリスト教会の掲示板にすてきな言葉を見つけました。

    世界

    年をとるということはいいことだ
    とってみなければわからない世界が開けてゆく
    とくに今年はなんだかすべてが新鮮だ

                    坂村真民

現在の私の気持ちをそっくりそのまま言葉にしてくれています。

    毎日、自分の時間が24時間全部あるのです。
    明日も、明後日も、当分は全部私の時間なのです。
    別に新しいこともしていません。
    ろくなことはしていません。
    でも、それがなんであれ、私のしたいことなのです。

何かしなければならないこと、それは少しあります。
社会に生きている限りは、そんなことは当然です。    

    でも、そんなことも時間にメリハリを作り出してくれます。
    iPoneのリマインダーをまともに使い始めました。

これまではタクシーを自家用車代わりに使っていました。
時は金なり、だったからです。

    ところが、退職して年金生活に入ると、
    そんな贅沢は許されなくなったこともありますが、
    むしろ別に急がなくてもよい状態になりました。

昨日も、JR奈良駅から帰宅しようとして、時間を見ると、午後4時5分。
タクシーに乗れば、15分のルートなので、午後4時20分には帰宅できます。

    でも、自宅近くに行く1時間1本のバスが25分には出発します。
    それまで20分待てば、午後4時55分頃に帰宅できます。
    たしかに35分時間がセーブできます。
    でも、内20分間はバス停のベンチで読書していました。

JR新今宮駅に向かう途中、ぼろぼろの古本屋がありました。

    その本棚で好著を見つけたのです。

        堀田善衛の「ミシェル城館の人 第一巻」

    モンテーニュの伝記。
    目下「エセー」を呼んでいる最中だったので、タイムリーです。
    この本を読んでいましたので、その20分は無駄ではありません。
    
そこで、今回の損得勘定をしてみましょう。

    差し引きすると、たった15分得しただけという計算になります。
    15分早く帰ったからと言って、できることは多寡が知れています。
    7分の1の経費で帰宅できたのですから、経済的にはベター。
    つまり、私は別に時間を損したわけじゃない。
    むしろ自分の時間をしっかりと確保できている、と言えそうです。

こんな風に細かい計算をする余裕ができたということでしょう。

今日持ち出したのは、ライカM9。
レンズはライカR用のスーパーアンギュロン21mmF4。

    ライカRのレンズのことを「墨色に撮れる」と評した方がいました。
    私も同感です。
    小雨に曇る湿潤な空気感をよく出せるレンズ、そんな感じがしました。

20分たらずの内に113枚撮って、53枚選びました。

    奈良女子大の美しい学生さんたちに久しぶりに会えました。
    1回には少し多すぎますので、2回に分けてごらん頂きましょう。




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by Sha-sindbad | 2014-09-01 22:14 | SuperAngulon21R | Comments(0)

620  キック! (スーパーアンギュロン21mmf4Rで鋭くキックしたいものだけど)



千住博さんは簡潔に本質を解き明かしてくれます。
ご自分が身をもって体験し、身を以て切り開いてきた道だからでしょう。

「絵を描く悦び」(光文社新書)の「絵画の問いかけ」の章の一節。

    絵画とは世の中のわからない不思議に対する問いかけなのです。
    イラストレーションとは、簡単に言うと、わかっていることの説明図です。
    他のものに見えてはいけません。
    りんごはあくまでもりんごに見えなくてはなりません。
    しかし絵画は、最後はりんごかどうかはどうでもいいのです。
    画面から消えてなくなってしまってもいいのです。
    人の顔になってしまってもいいのです。
    それが絵画とイラストレーションとの違いなのです。

この文章にぶつかって、我が意を得たりという気持になりました。
ロボグラフィって、そんなものだからです。

ホルヘ・ルイス・ボルヘスが幾度も書いているモチーフが、
ロボグラフィのモチーフになります。

    この地上のどこかに神が隠されているかもしれない、
    たとえば、虎の毛皮の縞の中に。

でも、悲しいかな、撮る側の思い入れなど誰も気づかないので、
結果は大違い。

絵画は、初手から、アートのオーラを発散しているので、
なにかが隠されているに違いない、
そんなサスペンスに心躍らせながら見るものです。

ところが、ロボグラフィを見る人はそんな思い入れとは無縁。

    「ゴミ箱じゃないの。
    ふーん、やっぱりゴミ箱だ。
    それがどうしたの?」

りんごを見たら、どこまでもりんごと見続ける、
これが写真へのアプローチであることがほとんど。

    私のロボグラフィは、どこまで言っても、私の独り劇場。
    私の独り舞台を見る観衆も私独り、そんな閉鎖空間。

スーパーアンギュロン21mmf4Rって、
そんな閉鎖空間の中で暴れ回るエネルギーを私にぶち込んでくれます。
重くかさばる巨大レンズですが、まったく気になりません。
このレンズで撮れば、こう感じさせてくれるんじゃないかな?

    「ゴミ箱を撮ったよ。
    だけど、なんだか感じるな。
    なにか見えてきそうだな。
    なんにも見えてこないけど、楽しい。
    なぜなんだろう?」




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by Sha-sindbad | 2013-03-10 15:41 | SuperAngulon21R | Comments(2)

609  自画像 (スーパーアンギュロン21mmf4Rはどこでもなにかを見つけてくれる)


ふっと気づいたことがあります。

写真をなんで撮ったか、どう撮ったか、私はかなり説明するのですけど、
そんなことをしている方にあまり出会ったことがありませんね。

創作の秘密であり、一種のノウハウなのでしょうか?
私のお気に入りのブロガーの皆さんたち、
素敵な写真をお撮りです。
カメラやレンズの道具なんか問題じゃない、
その人でないと撮れない写真をお撮りになっています。
だから、撮り方を知ったところで、とても真似できるものじゃない。

私の場合は違いますね。

    誰もが撮れる、ありふれたものを、
    誰もが撮れる撮り方で撮っているだけなので、
    創作ではまるでないし、秘密などまったくない。
    素人写真に創作の秘密なんてあったものじゃないので、当然。

その一番シンプルな形がホロゴン、スーパーアンギュロン。

    ただどんと近づいて、水平垂直に撮るだけなのですから、
    子供でも同じ撮れ方ができます。
    そして、ノートリミング。
    レンズが撮ってくれるのですから、信頼しなきゃ!

この撮り方でも、レンズによって撮れ方は違いますが、
たとえば、ホロゴンやスーパーアンギュロンを使えば、
私とまったく同じ写真が寸分違わず撮れる仕掛け。

お気づきの方もおいででしょうが、
自分の写真を「作品」とか「自作」なんて書いたことは一度もありません。

秘訣があるとすれば、

    レンズを信じること、
    こざかしい作為は捨てること、
    露出を可能な限り暗めに切り詰めること、
    これ位でしょうか?

今回の3枚も、大阪難波あたりの路地裏で見つけたものばかり。
ライカM9に付けたスーパーアンギュロン21mmf4Rをぐっと近づけ、
ノーファインダーで一枚ずつ頂きました。

    クィックビューをオフにしているので、
    一枚シャッターを落として、さわやかに立ち去る、ただし、
    心の中で、こう言ってあげましょう、

        「いい顔してるね、ありがとう」

老婆心の一言、

    声を出して言うのはよしましょう。
    おかしな人と間違われますから。




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    [後書き]
        どうですか?
        ほんとにいい顔しているじゃありませんか?
        とくに、2枚目。
        スーパーアンギュロンは3mに固定しているので、
        95センチあたりから無限遠までの固定焦点レンズとして使います。
        ゴミ箱とレンズの距離は80センチほどなのですが、
        近づきたいと思う距離まで気にせず、ずんずん近づきます。
        ピントなんかどうでもよいと言ったら、語弊がありますが、
        たとえば、あなたが男性として、
        妙なる美少女に出会って、とても仲良くなったら、どうしますか?
        私はそんな体験はゼロですが、孫(男の子)、娘(猫ですが)なんか、
        もうあんまり可愛いので、抱きしめ続けていますね。
        それと同じ気持ちで、ロボグラフィに接したいものですね。
by Sha-sindbad | 2013-02-26 10:49 | SuperAngulon21R | Comments(0)

608  自画像 (スーパーアンギュロン21mmf4Rが暴き出した私の人間像は?)



「東は東、西は西」という言葉がありますね。
さきほど、セバスチャン・サルガドの「エッセイ」を開いてみて、
その言葉を思い出しました。

    間違いなくニコンの世界。
    強烈なる切れ込み、完璧なシャープネス、
    サルガドのプロテスト、アピールを伝えるためのレンズ。
    私にとって、完全なる未踏の領域がここにあります。

かなり長い写真歴になりますが、
私はついぞニコンを使うことがなく、
また、ついぞリアリズムの写真を撮ったこともありません。

    私にとって、写真はいつも夢でした。

先ほどの言葉の語源となったラジャード・キプリングの詩は素敵ですね。

    Oh, East is East, and West is West,
    and never the twain shall meet,
    Till Earth and Sky stand presently at God's great Judgment Seat;
    But there is neither East nor West, border, nor breed, nor birth,
    When two strong men stand face to face,
    though they come from the ends of the earth!

宇宙って、こんな風に、さまざまな反対物のコントラストがあるがゆえに、
豊かなのでしょう。

現代写真世界はどうやらニコン的リアリズムが勝利を収めたようです。
軟弱、柔弱な古代レンズは、
現代人の描きたいものを描くには力不足なのでしょう。

そして、いつまでも写真にファンタジーを求める私はどうやら時代遅れなのでしょう。
どんなレンズでも、いつも担う役割は、このファンタジーをキャッチすること。

スーパーアンギュロン21mmf4Rはまさしく強烈にシャープ。
でも、私が出会ったたった1本のニコンとの比較でしかありませんが、
WニッコールC28㎜F3.5とはかなり性格が違います。

    28㎜はあくまでも冷徹、冷厳に情景をスパッと切り取ります。
    21㎜も冷徹に切り込んで行くように見えて、
    いつもなんだか歌が聞こえてくるのです。

歌っているのはレンズなのか、私自身なのか?
どうもよく分からないのですが、確かに聞こえてくるのです。

    場末の裏通りに食品ボックスが放り出されていました。
    50×200ほど、人間一人がすっぽり入るほどの大きさ。
    もちろん、中は空っぽ。
    内張りされた金属板は元はぴっかぴかの鏡面だったはず。
    でも、長年酷使されてきたせいで、でこぼこ。
    それでも、近づいた私の全身を写しています。
    もしかすると、真実の鏡なのかも?

そのボックスの扉付近までレンズを突き出して撮りました。

    自画像。
    自分でも把握し理解することが困難な私。
    その私の実像が浮き出しているのでしょうか?
    私の人生って、こんなものなのでしょうか?
    ハイド博士がジキルと向かいあったような気分ですが、
    でも、悪い気分がしないのはなぜでしょうか?




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by Sha-sindbad | 2013-02-25 01:37 | SuperAngulon21R | Comments(8)

605  奈良町幻影 (スーパーアンギュロン21mmF4はホロゴンの影武者第一候補か?)



レンズが写真の質を決めるという神話があります。
私も昔は信じていました。
でも、この神話、きっとレンズ会社が作ったものでしょう。
レンズを代えて、同じレンズを使っている写真家の作品に似たものが撮れたら、
世話はありませんね。

   分かりやすい話では、戦前のカルティエ=ブレッソンの名作群、
   おそらくエルマー50mmF3.5をメインに撮られたと推測しますが、
   私もエルマーを使いましたが、撮れた写真はいつも私の写真。
   ついぞカルティエ=ブレッソンの名作に似たものなんか撮れませんでした。
   他の人でそんな作品を作った人も知りません。

写真家であれ、素人であれ、例外なしに、
撮れるものは自分の写真だけ。

しかし、そんな作品制作を離れて、レンズの味わいに違いがあるかと問えば、
答えはもちろん一つ、

   断然違いがあります。

その一つのファクタとして、画像の迫力の違いがあります。
良い写真が撮れるか否かは、写真の才能にかかっています。
でも、写真の才能なんかなくても、迫力ある写真が撮れます。
つまり、レンズの力。
そんな好例となるようなレンズを木曜日に使いました。

   ライカR用のレンズ
   スーパーアンギュロン21mmf4R

前後対称型のビオゴン系のL/M用スーパーアンギュロンと、
レトロフォーカス型の一眼レフ用スーパーアンギュロンとは、
完全に別種のレンズと感じられます。

   木曜日、初めて使ってみて、
   kinoplasmatさんやジオグラフィックさんのとても高い評価も、
   実にごもっとも、とうなずくばかり。

もう一つよいところは、とても廉価なことなのですが、
世の中、良いことばかりではありませんね。
ライカM9にはとても大げさに見えるほど重くて大型のレンズ。
付属のフードを外すと、ややバランスが回復し、
お腹あたりに保持して、ホロゴン風超接近撮影をすることができます。

   撮れた写真はツァイスレンズに似た剛直で男性的な描写。
   スーパーワイドヘリアー15mmf4.5の描写がかなり腰の弱い今、
   ホロゴンの使えないライカM9で使えるホロゴン代用レンズと言えば、
   まずこのレンズが最右翼となりそうです。

まあ、ランダムに選んだサンプル5枚をごらんください。




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by Sha-sindbad | 2013-02-22 22:15 | SuperAngulon21R | Comments(2)