レンズ千夜一夜

カテゴリ:Hektor28/6.3( 11 )

1425 バス停までの道(ときには、ヘクトール28mmF6.3だってお出ましだ)



これは少し古い写真です。
今年の5月の雨の朝。
バス停までの道でオールドライカレンズを使ってみました。
ヘクトール28mmF6.3
実に可愛いレンズです。
このレンズが後進に道を譲った理由はただ一つ、F値の暗さのみ。
リコーCX−Rに付けたので、42㎜相当。
描写は見事です。
けっして乱れない整然とした気品が魅力。




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by Sha-Sindbad | 2015-10-09 20:09 | Hektor28/6.3 | Comments(0)

1343 バスで街へ (古いヘクトール28㎜F6.3を39.2ミリで使ってみたら)



近頃相次いでお会いした友人が奇しくも異口同音に語ったこと、それは、
「ライカも、古いノンコートのレンズ以外はいりません」
実は私もかなり前から、2、3の例外を除き、同意見です。

ライカが初期に出した28㎜、35㎜、50㎜は、
完全に一貫したポリシーで作られています。
二言でいえば、
「ぼってりとした立体感」
「落ち着いたグラデーション」

近頃35ミリ銀塩レンズを使っていないので、
ふと思いついて、ライカの最初の28㎜を持ち出しました。
ヘクトール28㎜F6.3
カメラはFujiX-Pro1にしました。
実質39.2ミリの広角レンズとして使うことになります。

我が家から神社道伝いにバス停に下り、
近鉄奈良駅行きのバス走行中に撮った1枚まで。
たいていヘリコイドリングで距離を合わせる目測方式で、
すべて開放で撮影。

同スペックのオリオン28㎜F6も同一方式で撮影し、
こちらはかなり現代風に水際立った画像を作ってくれます。
ヘクトールはその超小型パンケーキレンズの風貌に似合わず、
深々と重厚なイメージ。

1935年に作られて、55年にズマロン28㎜F5.6に交替するまで、
20年の長きにわたり、
ライカの最広角レンズの地位を守ったのも当然。
おそらくとても感度の低いフィルムで、この開放値なのですから、
高速シャッターなど夢のまた夢というレンズなのに、
昔の人はあまり文句を言わなかったのではないでしょうか?
要するに、彼らはこの描写を愛していたのでは?
私もまたこの描写にしびれます。




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[後書き]
神社の石段の枯れ葉。
これだけがあかるく輝いていますね。
木漏れ日がちゃんと演出してくれました。
誤解のないように、書いておきます。
私は露出の設定とレベル補正だけで画像を調整します。
それ以外の細工はいたしません。
消したり弾いたり、加えたりなどしません。
このポリシーはモノクローム時代から一貫しています。
それが私の矜持。
by Sha-Sindbad | 2015-06-03 11:13 | Hektor28/6.3 | Comments(0)

893 ある冬の日(ヘクトール28㎜6.3が冬と老いに向かいあったとき)



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私が西九条の片隅のこのチェアを見守るようになって数年、
このチェアたちはここにあります。

    私にとって嬉しいことは、
    どなたもこのチェアたちに一指も触れようとしないこと。
    チェアも周辺の草たち、家もともに老いていくようです。
    このまま朽ち果てるまで、ここに居て欲しい。

運が良ければ、私とこのチェアたちは共白髪の仲になりそうです。

今回は、寒い冬の日に、
ライカの最古の28㎜レンズと一緒に訪れました。

    ヘクトール28㎜6.3

チェアたちよりもはるかに高齢のレンズだけに、
チェアたちをクラシカルな空気感に包んでくれたようです。
by Sha-sindbad | 2013-12-22 16:02 | Hektor28/6.3 | Comments(2)

880 歌姫街道に影が射し(ヘクトール28㎜6.3って、かなり怖ろしいレンズかも?)



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ヘクトール28㎜6.3のレンズ番号は250583。
1935年の製造です。
78年前のレンズですが、ほとんどキズがありません。

    強靱でなかなかキズがつかないのでしょう。
    それに、歴代ユーザー(一体何人なんだろう?)が、
    みなさん、丁寧に使ってきたこともあるでしょう。
    まさに掌中の玉のようなかわいいレンズなのですから、

大事にするのは当然なのですが、

    一番の理由はなんと言っても、その描写性能。

    際だってナチュラルな実在感を醸しだしてくれます。
    要するに、臨場感満点なのです。

ホラーの正否はまさにそこにかかっています。

    作り物がばれたらアウト。
    本当に起こっている、そう思わせたら成功。

ヘクトール28㎜6.3って、ホラー向きかも知れません。
by Sha-sindbad | 2013-12-08 19:38 | Hektor28/6.3 | Comments(4)

639 シルエット  (ヘクトール28㎜6.3がひっそりとステップを踏んでくれた)



今日持ち出したカメラはリコーGXR/A12。
レンズは、ライカで決めたいと一念発起して、

    ヘクトール28㎜6.3

実効42㎜で撮ることになります。
暗い日でした。
もともと彩度、コントラストを最低に設定しているので、
ここはシルエットで決めたいと一年発起して、
わざと明るい背景で撮ってみました。

ロボグラフィの嬉しいことは、
どんなものもロボグラフィに変身できるということ。

    あなたも私も天才にはなれず、スーパーマンにもなれませんが、
    路傍の平凡なものたちはそんな限界などさらりと無視して、
    なぜか突然パフォーマンスを始めるのです。

    日頃絶対に踊れるなんて思えないしなびた婆様が、
    祭囃子に合わせて突然華麗な足裁きで踊ったりしたら、
    村中大騒ぎで歓び、笑いさざめくでしょう。
    ロボグラフィって、そんなものです。

    ただし、笑いさざめくのは私一人ですが。




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by Sha-sindbad | 2013-03-29 22:26 | Hektor28/6.3 | Comments(8)

615 当麻の里3 (ヘクトール28㎜6.3は使えば使うほどいいレンズ)



当麻寺の門前で釜飯を頂きました。
民家のお座敷を改造した縁側の席でゆったりとくつろげました。
午後1時半過ぎに入ったので、お客は他にカップル一席だけ。
20分間お釜が炊きあがるのを待ち、3分蒸らして食事。
蟹釜飯で、お味は最上。

ご機嫌で、ライカM9のレンズをズミクロンからスイッチ。

    ヘクトール28㎜6.3

1935年から1955年まで20年間に9694本も製造されたそうです。
いわば戦前から戦後初期までのライカ広角レンズの顔の一つ。
シリアル番号は236000台から1236000台までなんだそうで、
私のは250583番なので、1935年から6年にかけての製品。

いつものように幸運な私ですから、超廉価だったのに、
このレンズ、目立ったキズ一つなく、ピカピカ。
ノンコーティングレンズは、ルーペでのぞいても、澄んで輝いています。

    山椒は小粒でぴりりと辛い、のたとえどおり、
    超小型のレンズですが、見事に写ります。

ズミクロン50mmf2第一世代と同様です。
なにもズマロン28mmF5.6にバージョンアップする必要はなかった。

この初代2本に共通するところがあります。

    質実剛健、地味。
    寒風吹き、雪時雨の午後ですから、色はなし。

カラーでモノクローム写真を撮る、
これは楽しい遊びですね。

    要するに、このレンズ、私にぴったりなのです。




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by Sha-sindbad | 2013-03-04 15:07 | Hektor28/6.3 | Comments(4)

480  平城宮跡 (ヘクトール28㎜6.3は完全逆光でもなんとか雰囲気を出し)



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9日、すでに秋たけなわのはずなのに、
なぜか太陽は燃えています。
近ごろ元気のよい気合い十分の女性たちそっくり。

すっくと立つ草に惚れて、
タクシーの窓から、ガラス越しに撮りました。
絞りはF6.3開放です。
もちろん-1.5に補正していますので、ファインダーはまっくら。
目測ですが、なんとか前面の草に合焦してくれました。

色が出なくても、
全体がぼけぼけでも、
私にとっては、かわいい写真に変わりはありません。

それにしても、この過酷な環境で、
ヘクトール28㎜6.3、がんばっているのではないでしょうか?
by Sha-sindbad | 2012-10-11 16:39 | Hektor28/6.3 | Comments(0)

478  美女 (ヘクトール28㎜6.3は年寄りだけど美女が好き)


ヘクトール28㎜6.3

今、机の上に置いています。
私より年上。
私が生まれたときには、もう活躍していたのです。
それなのに、レンズも筐体もほとんどキズがなく、ピカピカ。
写りも、とても穏やかですが、古めかしいところはありません。

今日、仕事で外に出て、帰りのタクシーを待っている間、
バッグから、リコーGXR/A12に付いたこのレンズを取り出して、
秋らしい澄んだ碧空を十数枚撮りました。

ふと足下に目を落としますと、
美女がいました。
そっと目を伏せた、楚々とした風情。
かなり上流のお嬢さんと見ましたが........



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   [後書き]

       最短約1m、開放F6.3、露出補正-1.5の描写です。

       ここまで補正すると、液晶画面もとても暗くて、
       ピントの確認はほとんど無理。
       フォーカスエイドで、合焦部が銀色に光るのですが、
       被写界深度がたっぷりあるので、
       ドンピシャリのピントかどうかの確認まではできません。
       それでも、なんとかピントが合っているように見えます。

       開放F6.3の威力は甚大。
by Sha-sindbad | 2012-10-09 22:27 | Hektor28/6.3 | Comments(4)

450 シャドウフリーク (ヘクトール28㎜6.3はダークな世界も大好きで)



あなたは暗い人間、それとも明るい人間?
それとも、そのどちらでもない?

あなたは暗い写真が好き、それとも明るい写真が好き?
それとも、そのどちらでもない?

もちろん、写真が撮影者の精神状況を示すことはあります。
どうやら、性格が暗いから、写真も暗い、ということはなさそうです。
逆に、写真が暗いから、性格も暗い、これもなさそうです。
表面的な明暗は性格とは無関係。

第1、人間を明るい、暗いで分類すること自体、
ナンセンスですね。
人間はもっともっと複雑で、深いものです。

ただし、私は、例外的に単純、
かなり明るい人間です。
だから、シンプルに、暗い写真が大好き。

シャドウの中のシャドウ、
これぞ、写真の醍醐味。
クラシックレンズの楽しさって、結局、
シャドウなんじゃないでしょうか?

ヘクトール28㎜6.3は、シャドウ好きにはこたえられないレンズ。




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by Sha-sindbad | 2012-09-12 20:46 | Hektor28/6.3 | Comments(0)

449 コーン (ヘクトール28㎜6.3は上質の赤にだけ反応し)



ヘクトール28mmF6.3

使えば使うほどうれしくなるようなレンズ。

1941年製ですから、すでに71歳。
私を含めて、これまでの持ち主のおそらく全員が
年下だったに違いありません。

それなのに、キズがほとんどない、完璧な美貌。
美女です。

レンズにジェンダーがあるとすれば
特定のレンズ以外は、原則として女性であると感じます。

例外の多くはツァイス系。
ただし、ホロゴンは両性です。
ホロゴンウルトラワイドのホロゴンは男性、
Mマウントのホロゴンは女性。
奇跡的というか、ありえないというか、一卵性双生児なのに、
男女に分かれた兄弟のように似ていて、似ていない。

オールドコンタックスやコンタレックスのレンズたちはおおむね男性。
ただし、トポゴン25mmF4は女性。

ライカレンズの多くはもちろん女性です。
でも、ズミクロン系とスーパーアンギュロン21mmF3.4は男性。
長焦点系は知りませんが、タンバール、ヘクトール73mmf1.9は女性。

フォクトレンダーのレンズはレンズごとに違います。

ところで、肝心のヘクトール28mm、

    彼女は姿も写真もすべて女性的。
    それも、正真正銘のレディ。
    しっとりとして、気だてがよくて、気配りもでき、
    どんなときもけっしてうろたえない、
    凛然とした気構えと、美しい心映えの淑女。

そんな淑女がなぜかコーンがお好きなのです。
せっかくですから、3枚ごらんいただきましょう。




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by Sha-sindbad | 2012-09-11 21:59 | Hektor28/6.3 | Comments(4)