レンズ千夜一夜

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1896 路傍(2017年9月11日ウルトロン50㎜F2で内侍原町を歩く)4-完-漱玉



「写真眼」という言葉があります。
正確にどういう意味か、私は知りません。
私が勝手に推測するに、
撮影者の立場で言えば、
眼前の光景を写真に撮ったら、どんな写真になるか?
その写真が人の心に食い込むなにかを表現するか?
これを見抜く眼力、
鑑賞者の立場から言えば、
本物の写真作品を見抜く力量、
というようなもののようです。

私にはおそらくこの写真眼は努力で育てられるものではない、
そんな感じがします。
なぜ、そう思うか?
私のかなり努力したのですが、
上記のどちらの観点でも、ついに身につかなかったから。
どうやら、私は、写真眼に恵まれなかったようです。

その変わりに、「ロボグラフィ眼」に恵まれたようです。
これはなにか?
眼前の光景に、なにか別のイメージを見る力。

ロボグラフィの場合、
写真に撮ったとき、そのイメージがなにかに変貌するか?
いえいえ、そんなことはありません。
私が路傍にロボグラフィを見つけて、撮ったら、
ただ、ロボグラフィが撮れます。

常識人が観たら、ただのがらくた。
おそらくは私と、私に似た少数の人が観たら、
努力なしに見えて来るなにか?

だから、フォトジェニックではありません。
ほとんどの人には、私のロボグラフィはちっとも美しくない。
ロボグラフィを認識しないからです。
これは才能ではありません。
そして、ロボグラフィに写真的価値はありません。

これは、私にだけ価値のあるギフト。
どんな価値?
生きる力のエネルギー源という価値。
人には当惑、でも、私には喜び、
このアンバランスが私を喜ばせてくれます。
なぜ?
人の評価、人の認知を一切必要としない楽しみだから。

これじゃ、まるで世捨て人じゃないの?
いえいえ、私は世を捨てるつもりはありません。
でも、このところ起こる出来事は、ほとんど私を、
その気持ちの方向に追いやろうとしている感じ。
それが何なのか、書く価値もないので、書きませんが.....

ウルトロン50mmF2にも、
フォクトレンダーの名玉の人知れぬ魔力が潜んでいます。
なぜかイメージに清涼感を添えてくれるのです。
おかげで私のロボグラフィが仙境の風合いを帯び、
憂き世に吐き気している私の心を、
一陣の清涼の風が清めてくれる、そんな感じがします。

「漱石」(石で口を漱ぐ)という言葉には、
世の汚れから我を清めたいという願望が秘められていますが、
私の場合は「漱玉」(レンズで口を漱ぐ)なのかも?
日本の現状には目を閉ざして、ひたすらロボグラフィに浸りたい、
そんな気持ちがこれまでになく高まっています。




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by Sha-Sindbad | 2017-10-23 21:30 | Ultron50/2 | Comments(0)

1895 路傍(2017年9月11日ウルトロン50㎜F2で内侍原町を歩く)3 観る人次第


あくまでも平均的な印象ですが、
レンズ制作会社が作るレンズの描写性には、
ある種の共通の印象を感じさせます。
たとえば、
ツァイスの古いタイプだと、厳然たる剛毅、
ライカはやや女性的なあたたかさをたたえる、やさしさ、
シュナイダーは鋼の切れ味.............

ただし、レンズの描写性についての印象には、
各個人の感性が関わっている可能性もあります。
特殊な感受性の偏りにレンズの特性とギアが合ったとき、
好感、評価が高まります。
つまり、合わないと、
好感、評価がどうしても低めに流れるようです。

ウルトロン50㎜F2に私が抱く関心にも、
そんな私個人の「依怙贔屓目」が絡んでいるかもしれませんね。
フォクトレンダーという会社のレンズに感じる好感にも、
私の個人的色彩感覚が絡んでいることは疑いがありません。
そんな私の感想では、フォクトレンダーの特色って、
なにがなんでもひいき目に観たくまるような、
抜けの良さと透明感、
清澄で凛とした立体感
そんなところでしょうか?




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by Sha-Sindbad | 2017-10-20 11:52 | Ultron50/2 | Comments(0)

1894 路傍(2017年9月11日ウルトロン50㎜F2で内侍原町を歩く)2 ミスタッチ


いくら観ても、見飽きない、
いくら聴いても、聞き飽きない、
そんなビデオ、そんな音楽が一つあります。

たとえば、皆さんよくご存知のグレン・グールドの演奏シーン。

    [HD] Bach's Goldberg Variations [Glenn Gould, 1981 record] (BWV 988)
     https://www.youtube.com/watch?v=p4yAB37wG5s

DVDで持っていますが、YouTubeで手軽に再生できます。
コマーシャルが入っています。
このビデオをYouTubeに掲載した人が、真実、グールドを愛しておらず、
この演奏、この音楽を愛していないことが一目でばれてしまいます。

でも、音楽の演奏って面白いですね。
演奏家がどんなにミスしても、音楽はどんどんと前進していきます。
その音楽が本当に面白いものであれば、ミスのことなど記憶せず、
ミスあるが故に、音楽を否定するということになりません。

写真も本当はそんなところがあります。
ブログで、写真展で、写真を並べます。
つまらない写真、いわば、ミスタッチの写真だって並びます。
でも、次に、好みの写真が眼前に現れたら、
つまらない写真のことなど物の数ではありません。

かなり以前に読んだ記事。
東京の写真展という写真展を全部観るという猛者がいたそうです。
何百という画廊があるだろうに、
そんなこと出来るはずがないじゃないの?
ところが、できるようです。
その技が見事。

ギャラリーに入ると、中央にずかずか進んで、
ぐるっと一回りします。
自分の観たい写真が1枚でもあれば、それを観て、おさらば。

コンセプトを抱き、全作品で一つの表現を目指す写真家にとって、
こんな人は不倶戴天の敵でしょう。
でも、私に言わせれば、ほとんどの写真展は、
そんなコンセプトを本当に写真化してなどいません。
観る人が、大真面目にコンセプト文を読んで、
写真群にこれを読み取ろう、なんて、不毛です。

そして、写真作品を作る人が、大真面目に文章を作って、
これを写真に表現しよう、というののナンセンスです。
写真と文章とはぜんぜん別ものじゃないですか?
写真作品は、文章で表せないなにかを表現するものじゃありませんか?

本当のコンセプトって、そんなものじゃないでしょう。
文章などなしに、プレゼンテーションと本気で対峙したら、
写真家の意図、コンセプト、表現がしっかり浮かび上がる、
それが本当のコンセプトでしょう。
そのコンセプトとは、文章なんかじゃない。
言葉で言い表せないなにか、であるはず。

でも、そんな離れ業ができる写真家など幾人いるでしょう?
だから、上記の「ぐるっと一回り」さん、達人なのです。
ただし、本物の写真作品を見落すリスクをはらって、ですが。

私のブログ写真は、いかなるコンセプトも表現もありません。
だから、訪問者には、「ぐるっと一回り」さんを見習ってほしい。
でも、現実は厳しい。
文章を1行読んだだけで、
「あ、時間の無駄」
写真までなんとかたどり着いた方も、1枚目を見た途端、
「あ、時間の無駄」

でも、ここでも、正しい作戦ですね。
それでよいのです。
どんどんそうしましょう。
「人生老い易く、学成りがたし」ですからね。
おっと、失礼!
あなた、すでに老いているかな?





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by Sha-Sindbad | 2017-10-18 22:59 | Ultron50/2 | Comments(0)

1893 路傍(2017年9月11日ウルトロン50㎜F2で内侍原町を歩く)1 重厚表現



フォクトレンダーのプロミネントⅡのレンズです。
当時のドイツのカメラと同様に重量級です。
同じくウルトロン50㎜F2を使ったヴィテッサも重い。
基本的にユーザーはドイツ人を想定していたのでしょうか?
ご承知のように、ドイツ人は男性も女性もかなり巨大です。

でも、たとえば、バルナック型ライカはかなり小型軽量。
ライカもまたドイツ人の使用を前提に考えていたでしょうから、
この違いはなんだろう?
私の勝手な想像ですが、バルナック型の方が特殊じゃないか?
これはもしかすると、設計者のバルナックという人、
ドイツ人としては小さい人だったのではないでしょうか?
要するに、ユーザー標準ではなくて、設計者標準なのでは?

そうだとすると、ライカファンは、そして、ライカ社も、
バルナックが小さかったことに感謝すべきでしょうね。
バルナックライカが小さく軽かったおかげで、
バルナックライカは、当時世界中に出現しつつあった、
ストリートフォトの写真家たちの心をしっかり捉えたのでしょう。

そして、面白いことに、このレンズの重さって、
かなり画質にも影響を与えたように思われます。
フォクトレンダーやツァイスの35㎜フィルム用レンズは、
ライカのレンズよりもおしなべて重厚で、ややしつこい味わい。
これもまたストリートフォトの写真家たちをライカになびかせた、
大きな理由の一つ、そう感じられます。

被写体を思う存分歌わせたかったら、画質はあっさりが有利ですね。
つまり、重厚な画質のレンズは、レンズ自体の存在を前面に押し出し、
あっさり画質のレンズは、観る人の心を写真表現に向かわせるようで、
だから、次のような概括も許されるのではないでしょうか?

   アマチュア写真家は画質にこだわり、
   プロ写真家は表現にこだわる。

今回は、ウルトロン50㎜F2。
いかがでしょうか?




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by Sha-Sindbad | 2017-10-16 22:06 | Ultron50/2 | Comments(0)

902 明日に向かって(ウルトロン50㎜F2にだって明るい未来を招き寄せてほしい)



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フォクトレンダーという会社、
もし通だけがレンズユーザーで、
しかも、そのユーザーたちが沢山いたとすれば、
もしかすると、ツァイス、ライカ以上に成功したかも知れません。
レンズもカメラもそう思わせるほどに見事なものを輩出しました。

でも、惜しむらくは、
一貫した企業戦略、方針というものがなかったように思われます。

    天才的な技術者たちがてんでばらばらに傑作を生み出したという感じ。
    いつも、あとが続かなかった。

でも、そのお陰で、50㎜標準レンズにも、3種の名レンズ、
ノクトン、ウルトロン、カラースコパーを生み出しました。

    それぞれにはっきりと区別される特徴がありますが、
    私はまだその実態をはっきりと比較対照できないまま。
    これからの課題となりそうです。

私のウルトロン50㎜F2は、プロミネントに付いていたもの。
ヴィテッサという見事な一体型カメラのウルトロンの開放は、
とても柔和で暖色系のあたたかい画像でした。

    フィルムとデジタルの違いでしょうか?
    ライカM9に付けたプロミネント・ウルトロンは明快そのもの。
    色もニュートラルで、シャープネスも中庸。

それでも、今回の一枚はかなり暖色系で、ふっくらとしています。
でも、この程度じゃ、とても個性的なノクトン、カラースコパーに挟まれて、
大向こうを唸らせる売りに欠ける感じがしないわけではありませんが、
これはこれでなんら過不足がない画像。

    そのこと自体、名レンズのしるしなんじゃないかな?
    そう考えて、やはり大事に使いたいと思わせられてしまいます。

それがフォクトレンダーの味、なのかも知れません。
by Sha-sindbad | 2014-01-02 18:55 | Ultron50/2 | Comments(0)

831 日本人形(ウルトロン50㎜F2でも日本人形を撮っていた)



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すぐれた人形作家を知ったばかりに、
人形にすぐ眼が走ります。

今日は一日中家に籠もっていました。
昨日は、風邪で9度を超す孫の家で、
孫の相手をして過ごしました。
二日間、写真を撮っていないわけです。

さて、レンズ千夜一夜になにを出そうか?
ふっとウルトロン50㎜F2の名前を写真フォルダの中に見つけました。
近ごろ取り上げていません。

    フォルダを開いてみると、
    日本人形が一枚あるではありませんか?
    フォクトレンダーらしい描写です。

これは載せないわけには参りませんね。
by Sha-sindbad | 2013-10-14 18:20 | Ultron50/2 | Comments(5)

317 陶人形 (ウルトロン50㎜F2はかなり線の太いレンズらしい)



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フォクトレンダーのプロミネントⅡ

金属の固まりのような、重いカメラです。
巻き上げは重いうえに、2回巻き上げ。
たいていのカメラは右手で右肩を持ち、
右人差し指をシャッターに置き、
左手はレンズ鏡胴を巻いて、
カメラを支えながら、ヘリコイドを回します。

ところが、プロミネントは、
レンズ鏡胴にフォーカシングリングを探しても無駄。
なんと左肩ノブがそれなのです。

おかげで、両手の平でカメラを支えつつ、
両手人差し指、親指をカメラの両肩にかけて、
操作しなければなりません。
このあたりの操作に慣れれば問題はないのですが、
その姿はややダサイ感じがしてなりません。

メカニズム、構造上の必要からそうなったのかも知れませんが、
そのファサードのデザインはベッサにそっくり。
つまり、シンプルに左右対称形を狙っている感じ。
もしかすると、デザイン先行型かも知れません。

でも、使いやすいのは大窓のファインダー。
等倍です。
基線長は大変に短いのですが、
明るいので、ピント合わせがかなりしやすい。

でも、まだこれで撮ったことがありません。
久しぶりにノクトンを付けてみました。
これはこれで見事なカメラ!

巻き上げレバーがワンタッチで立ち上がったり、
ワンタッチで裏蓋が開いたり、
カラー、モノクロ、フィルムの違いを表示したり、と
いろいろ面白い工夫もあります。
重いけど、使ってみたくなりました。

今回は、ライカM9にアダプタでセットした、

    ウルトロン50㎜F2。

以前、ビテッサ付きウルトロンを使っていましたが、
あたたかく、ほんわかとして、線が太い、
だけど、ピントはきちんと合っているあたり、
開放描写はかなり似ています。

これもまた、独特の個性に満ちた標準レンズなのです。
by Sha-sindbad | 2012-04-30 22:43 | Ultron50/2 | Comments(3)