レンズ千夜一夜

1577 バス停まで(ズマロン35㎜F3.5はしっとり系レンズの白眉)


ツァイスとライカは35㎜カメラ用レンズの歴史における双璧、
そう言うことができそうです。
そんなライバル関係を記録した論述を見たことはないので、
ただの想像ですが、
ツァイスは、ライカレンズを恐るるに足らずと軽視し、
ライカは、ツァイスレンズをいつか凌駕してやるぞ、と、
敵愾心を燃やしていたのかも知れません。

両社のレンズの性格を簡単に各1文字で表現せよ、
そんな宿題を与えられたとしたら、どう答えますか?
私にはこう思えます。

    ライカレンズは柔
    ツァイスレンズは剛

ライカレンズの中でも、ライカの特質をよく体現しているレンズが、
戦後まもなく発売されたズマロン35㎜F3.5でした。
でも、ライカは結局、ズマロンではツァイスと戦えないと思って、
ズマロンの後継、ズミクロン35㎜F2を開発したのかも知れません。
その直後にツァイスはディスタゴン35㎜F4を出しました。
超ど級一眼レフコンタレックス用レンズでしたが、
ツァイスの伝統を受け継ぐ、比類のない剛のレンズでした。
コンタレックスが余りにも高価な機種であったために、
結局、コンタレックスは日本の一眼レフに敗北を喫してしまいます。
そのお蔭で、ディスタゴン35㎜F4はズミクロンに遅れをとり、
知る人ぞ知る、かなりマイナーなレンズになってしまいました。

そんなレンズ史の激闘の中で、とくにズミクロンの存在ゆえに、
かなりおとなしい性格のズマロンはあおりを食って、
本来得るべき名声を得ることなく終わったのかも知れません。
でも、使う度に思います。
ズミクロンよりずっと気品と優雅さを備えたレンズなんだけどなあ。

5月6日、このレンズを持ち出しました。
Rieさんがズマロンを手に入れたとコメントしてくださったので、
私も久しぶりに持ち出して大阪日本橋界隈を一巡したのです。

その朝、我が家からバス停までのいつもの田舎道を撮りました。
始点から1つ目のバス停なので、
奈良交通のバスはかなり精確に到着します。
余裕はせいぜい3、4分。
歩きながら、手当たり次第ズマロンで撮ってみました。
私にはとても美しい描写と思えるのですが.....

ただし、最後の3枚は近鉄奈良駅のポスター。
こんな渓流がバス停までの道にあったら、
私も、ロボグラフィトではなくて、
風景写真家になっていたかも知れませんね。
と言うのは、冗談。
渓流写真はとても美しい写真です。
でも、私は絶対に撮りません。
どこにもメタモルフォーゼが入り込む余地がないからです。
でも、ロボグラフィとしてなら、こうして撮ります。
この4行をあなたは理解し、容認することができますか?
できないでしょうね。
つまり、あなたは私と同類ではない、ということ。






b0226423_22374293.jpg
b0226423_2237361.jpg
b0226423_22373124.jpg
b0226423_22372453.jpg
b0226423_22371846.jpg
b0226423_22371285.jpg
b0226423_2237680.jpg
b0226423_22365988.jpg
b0226423_22365217.jpg
b0226423_22364436.jpg
b0226423_22363793.jpg
b0226423_22363092.jpg

by Sha-Sindbad | 2016-05-11 22:48 | Comments(0)