レンズ千夜一夜

1516 別れ(エルマジ95㎜f2.4が天満橋商店街を闊歩して微笑んだ)





b0226423_17313750.jpg





2月2日午前中の約40分、梅田の古書店街やその近辺の裏通りを撮影し、
午前11時45分ころ、紀伊国屋書店に隣接する行きつけのレストランに参りました。
畏友RAさんと正午に待ち合わせて、おいしいランチをいただくつもりだったのです。
入り口のガラス扉に張り紙。
「当店は1月31日をもって閉店いたしました」
がっくり!
都会のオアシス、と、愛用していたのに!

RAさんが来て、やむなく、すぐ近くの喫茶店に。
地中海野菜となんとかのピラフ980円を注文。
この「なんとか」がなんだったか思い出せない。
それ位記憶力が老化しているのだ、などと考えないでください。
それ位、グルメではないのです。
要するに、おいしければ、どうでもよいのです。
それにしては、なかなかのお味で、拾いもののお店。

さっそく、RAさんにレンズをプレゼントしました。
ペッツヴァールSME100mmF2.9
私が女王レンズに昇格させたエルマジ95mmF2.4と、
スペックはほとんど変わりません。
もう少し短く、遙かに軽量。
描写の方は、実はこちらの方がペッツヴァール的。
RAさんに大喜びしていただきました。

念のため付け加えておきますが、
誰彼なし見境なくレンズを上げるわけではありません。
RAさんは私の人生を変えてくれた恩人。
80を過ぎて、体調がはかばかしくないときが増えました。
まだまだ長生きして、一緒に歩きたいものです。
とにかく体を動かしていただくのが一番。
私と同じで、レンズ試写が大好きなのです。
体を動かす動機になれば、という一念から。

これまでこのレンズで撮った作例を
「わが友ホロゴン」「レンズ千夜一夜」でご覧いただきました。
いかにもペッツヴァールらしい清澄な描写を包む朧の背景。
もっと喜んで頂きました。

こうして、私はエルマジ95㎜f2.4を手元に残す決断をしたのですが、
不思議なことに、このレンズ、これまで出会ったペッツヴァールの中で、
一番ペッツヴァール的な要素が稀薄、という感じがします。
そうではなくて、どこまでもこのレンズ独特の個性が光る、
そんな感じがします。
剛健なのだけど、柔和。
穏和なのだけど、卓抜。
龍馬や隆盛のような英雄の面影に近い。
なんて言うと、大げさな、と笑われるでしょう。
でも、いいのです。
レンズの世界は完全にえこひいきの境地でこそ楽しめるのですから。




    [後書き]
       つくづく思うのですが、
       後ろ姿って、大切ですね。
       こんなにボケていても、
       去り行く影はなんだかスタイルのよい美女を思わせます。
       あなた、ご自分の後ろ姿がこんな風に写るだろうと、
       自信を持って言い切ることができますか?
       私は自身をもって、答えられます、
       とんでもない!
       ああ、人間、自分の後ろ姿が見られる眼をもたなくてよかった!
by Sha-Sindbad | 2016-02-14 17:39 | Hermagis95/2.4 | Comments(0)