レンズ千夜一夜

1466 素レンズまかり通る(ホロゴン15㎜F8UFが奈良町をかすめて通った)part2

一昨夜でしたか?
YouTubeで、新進のハープシコード奏者の演奏を見ました。
Bach: Complete works for harpsichord | Jean Rondeau
(https://www.youtube.com/watch?v=1aoh5ygHUWQ)
もう目覚ましいと言うも愚かなほどの超絶テクニック。
ネットで調べてみると、早くも一流の名声を得ているのだそうです。
でも、1時間バッハを聴いて、もうしわけないですが、厭きました。
どこまでもばく進し続けるあたり、シベリア鉄道そっくりの風景。
ああ、もう少し心穏やかにさせてもらえないかなあ......?

どうして、こんなに凄いテクニシャンたちが輩出されるのか?
教師と教授法が進歩したこと、
志望者が格段に増大したこと、
そして、100m10秒を切ったと同じ効果、
つまり超絶技巧も誰かがすると、当たり前になってしまう、そんな効果。
これらの相乗効果なのでしょう。

でも、ヘルムート・ヴァルヒャ、トン・コープマン、ラインハルトのような
巨匠たちのあの高遠神秘な世界が懐かしい。
フランス組曲 第1番 ニ短調 BWV 812 J.S.BACH
(https://www.youtube.com/watch?v=vg_5K6Ss-QE)

ピアノでも声楽でもヴァイオリンでも、
とんでもない超絶技巧が当たり前になりつつあるようですが、
だから、どうしたの?
過去の偉大な演奏者たちは、
現代のテクニシャンに負けないテクニックを持っていたけど、
それよりももっと必要な心、魂、精神をもっていた、
現代のテクニシャンたちはそれを忘れている。

なぜそうなるのか?
その根本的な理由は実のところ、
演奏家たちの文化性にあると感じます。
現代のテクニシャンたちは完全に現代に生きています。
バッハのような古典時代の文化は完全に未知となってしまい、
彼らはまるでビートルズかロックを弾くような、
リズム一辺倒で疾走するのです。
ギャラントな味わい、なんのこっちゃ?
端正な気品、明後日来い!

そこで、我田引水ですが、
現代デジタルレンズに感じることがそれなのです。
超絶イメージで、瞬間切り取りの妙技。
圧倒されて、やがて、そこはかとなくさよならしたくなり、
イメージから離れると、もう心にはなにも残らない。
ディテールが精密すぎて、雰囲気、情感を吹き飛ばしてしまう、
そんな感じがしてならないのです。

でも、デジタルレンズを愛好する皆さんは、
その完璧さに魅せられ、銀塩写真など、幻灯機のイメージ同様、
時代遅れの粗大ゴミ同然にしか感じられない。
私のこんな文章を読んでも、まるでご理解いただけないでしょう。
ああ、あのSPレコード狂たちと同じような、時代遅れ人間だな。

ここには完全な2つの世界があります。
私の心は完全にアナログ時代に生きている。
でも、銀塩時代の雄ホロゴンも、ソニーα7でしか使えない。
ほぼ完全にデジタルイメージ。
それを殺そうと、すべてのパラメータを最低にして、
グラデーションフィルターを使って、画質を落とそうとしていますが、
ままならないのが実情。
これもまた人に見て欲しくない理由の一つ。

この世って、ままならないものですね。




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by Sha-Sindbad | 2015-12-01 14:16 | Hologon15/F8UF | Comments(0)