レンズ千夜一夜

1434 九品寺(マクロスイター26㎜F1.1は九品寺の大瓦屋根をバックコーラスにしてしまい)


ケルンの映画用レンズ、マクロスイター26㎜F1.1を使い度に感じることは、
これがF1.1の超大口径だなんて、信じられないということ。

このような超大口径レンズの場合に限りませんが、
もっとも画質が向上するのは2、3段絞ったあたりだと言われています。
写真家なら、使用レンズの最高の画質を使いたいと思うのは当然です。

でも、私のように、なんでもないものを撮って、
そこに玄妙な味わいを求めたい向きには、
レンズの欠陥、弱点が総出演する開放に賭けたい。
それでこそ、予測不能の楽しみを味わえるのですから。

葛城古道の醍醐味の一つが九品寺。
その石仏群もさることながら、私の好みは本堂の大屋根。
裏山の石仏群に上るつづれ織り道が本堂の裏を上っていきます。
おかげで、大屋根と対等に向かい合える稀な位置に恵まれます。

マクロスイターのような超大口径レンズの場合、
大屋根そのもののディテールを狙うなんて、宝の持ち腐れです。
大屋根を脇役にして、圧倒的な存在感を霞ませてしまう。
それができるのがこのレンズの楽しさですね。
その秘訣は、F1.1の大口径なのに、ぐっとシャープであること。
主人公がきりっとしているからこそ、
大屋根という存在感豊かな脇役さえぼけてくれます。




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by Sha-Sindbad | 2015-10-20 10:43 | MacroSwitar26/1.1 | Comments(0)