レンズ千夜一夜

1428 美女ありき(ホロゴン15㎜F8U片手に青春の地をさまよって)




小学校6年2学期から大学1年生まで、
私は大阪府豊中市岡町で暮らしました。

その前は奈良県大和高田市で育ったのですが、
その小学校低学年の頃、東大寺の大仏様を訪ねた後、
大学生になって訪れたときのことを思いだします。
大仏様の下に立って見上げたとき感じたのは、
「なんて小さいんだ!」
幼い頃の私は私なりにプロポーションをつかんで記憶に止めたのです。
そのプロポーションはおそらく果てしないほどに巨大だったのです。

その後、数年して三度目に大仏様にお目にかかったとき感じたのは、
「わあ、なんて巨大なんだ!」
二度目に記憶に収めた大仏様は実物よりもはるかに小さかったからでしょう。
ようやく実物大に戻り、その印象はやっぱり巨大だったのです。

幼い頃に過ごした大和高田市を十数年ぶりに訪れたときも、
なんてみすぼらしく、寂しい町になったんだ!
やはり幼い頃の町の印象を基本座標に記憶してしまっていたのです。

一人一人の人間が持つ世界認識というものは、
こんな風に個人的な色づけがあり、
それが色づけであるとは普段感じないのです。
だから、私たちはそれぞれに別の世界を見ていると言っても、
過言ではなさそうです。

何十年ぶりに訪れた豊中市も、私の記憶とはまるで違いました。 
その小学校の同窓会が数年前に開催されました。
小学校の頃、私よりもかなり背が高く、
凛々しい眼差しの貴族然としたたたずまいだった同級生の女の子。
ああ、小柄な普通のおばちゃんになっていました。
「故郷は遠くにありて想うもの」というのは正しいのです。

ホロゴン15㎜F8Uでロボグラフィを撮影しながら、
いわば私ゆかりの道をたどりました。
一人の美少女に出会いました。
彼女は、壊れない限り、このままの姿でしょう。
いつかそのままの姿で再会したいものです。

そのとき、この美少女に思ってほしくないことはただ一つ、
「ああ、この人、前も冴えない感じだったけど、
今じゃすっかりよぼよぼ.......」




b0226423_15385991.jpg

by Sha-Sindbad | 2015-10-13 15:42 | Hologon15/8U | Comments(0)