916 西大寺走景(クラインビルド・プラズマート7cmf2.7はやっぱり銘玉だった!)
オーバーホールから上がったローランドI型の試写、
奈良西大寺での撮影分を全部一挙上映と参りましょう。
と言っても、前回の1枚をのぞいて、たった16枚。
13日午後、この日は陳小林先生の奈良教室の新年会でした。
午後2時半には参りますと先生に約束していたのに、
西大寺に着いたのは午後2時過ぎ。
西大寺の境内を突っ切る形で寄り道をして、
ローランドI型でかろうじて撮れたのが17枚。
新年会が終わったときにはすでに日は落ちて、
和歌山からわざわざお出でになった陳小林先生の助手、
お二人の女性と近鉄西大寺駅までご一緒したので、
ついに撮影は17枚にとどまりました。
試写して得た結論は2つ。
①クラインビルド・プラズマート7cmf2.7の開放は、
正常な撮影という面では、かなり問題があること。
②クラインビルド・プラズマート7cmf2.7の開放は、
ときに宝石のように美しい描写をプレゼントしてくれること。
超古代レンズであるペッツバールを愛好される中将姫光学さんが、
とても示唆に富んだ言葉を記しておられます。
「現代の優秀レンズなら
より先鋭でハイコントラストな絵を作るかも知れませんが、
わたしにはそれが人工的に感じられて
好みでないと映るように思われます。」
(http://zunow.blog51.fc2.com/blog-entry-2863.html#comment)
私もまったく同感です。
現代の完璧な性能のレンズによる完璧な画像を愛する人なら、
クラシックレンズなんかまるでゴミのようなものです。
私は、完璧が好きではないのです。
完璧な人間を好まないのとまったく同然です。
さまざまな癖があって、さまざまな性能の欠陥を抱えて、
なお、香しい味わいを醸しだしてくれるレンズがあります。
私は、そんなレンズに限りない愛情を感じるのです。
このレンズ、まったくフレアがないのですから、
パウル・ルドルフ博士のキノプラズマートとは、
完全に別もののプラズマートなのでしょう。
でも、この淡い気品には、心がふるえます。
思わず抱きしめたくなるような、プリンセスの品格、
そんな風に感じてしまうのは、私という人間の特殊性かも知れません。
でも、誰一人同意してくれなくても、構いません。
この不完全さこそ、完全なのだ、
私の心ははっきりとそう確信しています。
by Sha-sindbad
| 2014-01-17 21:18
| Plasmat70/2.7
|
Comments(4)
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bisqueprince
at 2014-01-18 02:10
x
完全に、被写体が、命を持って、こちらに迫ってきますね!
こんなに素敵に撮ってしまえるカメラ、そして、sha-sindbadさんとカメラの相性、超素敵です!!!
こんなに素敵に撮ってしまえるカメラ、そして、sha-sindbadさんとカメラの相性、超素敵です!!!
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a1photo at 2014-01-18 08:44
光景に妖気を与えてくれる、そんな感じですね。
生気を吸い取られないよう、お気をつけて。
生気を吸い取られないよう、お気をつけて。
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Sha-sindbad at 2014-01-18 22:04
bisqueprinceさん
そんな風にお感じ頂けるなら、うれしいですね。
35㎜に対して中判カメラがもつメリットは、画像の完璧さにあります。
ところが、このレンズ、完璧からほど遠い、奇怪なレンズ。
それなのに魅力的なのですから、おかしなものですね。
そんな風にお感じ頂けるなら、うれしいですね。
35㎜に対して中判カメラがもつメリットは、画像の完璧さにあります。
ところが、このレンズ、完璧からほど遠い、奇怪なレンズ。
それなのに魅力的なのですから、おかしなものですね。
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Sha-sindbad at 2014-01-18 22:07
a1photoさんらしい感じ方ですね。
私は、妖気ではなく、古色と感じていました。
ですから、生気を吸い取られることはありません。
それに、生気ならありあまっているので、
妖気だとしても心配しませんね。
ただし、a1photoさんには負けますが。
私は、妖気ではなく、古色と感じていました。
ですから、生気を吸い取られることはありません。
それに、生気ならありあまっているので、
妖気だとしても心配しませんね。
ただし、a1photoさんには負けますが。