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レンズ千夜一夜

839 台風の前に2(キニック25mmf1.5は陰々、我が心は真っ赤っか)



前回に続けて、水曜日出勤時、
キニック25mmf1.5写真の後半をごらん頂きます。

ますます陰々滅々たる写真が並びますが、
私の心は赫奕燦然と輝いていました。

    私が孔雀なら、もうあたり一面きらきらと煌めきながら進む姿に、
    行き交う女性たちはうっとりと見とれたことでしょう。

でも、孔雀じゃないので、

    くすんだ背広姿がなぜか路傍にしゃがむ姿に、
    行き交う女性たちはさぞかし..........

おっと、自分で言う筋合いはありませんね。




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ホルヘ・ルイス・ボルヘスは、講演集「七つの夜」(岩波文庫)で、
「千一夜物語」を取り上げています。

ボルヘスは言います、

    「私が思うに、これは世界で一番美しいタイトルのひとつです」

そして、その理由を説明します、

    「私たちにとって、「千」という言葉は、
    「無数」のほぼ同意語に等しいからです。
    千夜と言うのは無数の夜、数多の夜、数え切れない夜と言うのと同じです。
    「千一夜」と言うのは、無数に一を加えることです。

    英語におもしろい表現があります。
    「永遠に」という意味でfor everと言うかわりに、
    ときにfor ever a dayと言うことがあります。
    「永遠」という言葉に一日加えるのです。
    このことは、「君を永遠に、さらにその後も僕は愛するだろう」という、
    ハイネがある女性に捧げたエピグラムを思い出させます。

    無数という概念は「千一夜物語」の本質をなしています」

ボルヘスがこの講演を行ったのは1977年なのだそうです。
つまり、盲目となって20年以上経ってからの講演なのです。

    それなのに、彼の言葉の隅々に古今東西の古典、書籍
    に対する深い造詣が散りばめられています。
    大英博物館の図書館の本を全部読んだただ一人の人間という、
    伝説さえ残されている南方熊楠ほどの広氾な学識ではないかもしれません。
    でも、熊楠はその膨大な学識を民俗学の論文に注ぎ込んで、
    ついに古今東西の偉大な古典を題材にした書物は残してくれませんでした。
    その意味で、ボルヘスの書く文章は、
    それが小説であれ講演であれ、
    古今東西の偉大な古典を踏まえたスケールの大きな知見が
    行間に散りばめられているという点で、
    大変に読みごたえがあります。

そんなボルヘスが「千一夜」という言葉の深い意味を明らかにしてくれたことは、
私にとってかなり画期的な発見でした。

    すでにこのブログも第839夜にたどりついているのです。
    残すところ162夜。
    つまり、5ヶ月ほどで千一夜に到達します。
    漠然とですが、千一夜目で大団円としよう、
    そんな風に考えていたのです。

ところが、ボルヘスは「千一夜」は1001ではなく、
無数を意味しているのだとおっしゃるのです。

    じゃあ、命つきるまで続けるのが正しいのでは?
    そんな感じがしてきました。




 
by Sha-sindbad | 2013-10-24 21:54 | Kinic25/1.5 | Comments(4)
Commented by k7003 at 2013-10-25 09:36
終身刑が100年と1日。国のために命を捧げた兵士には1000ドルと1ドルが遺族に贈られたそうです。
Commented by Sha-sindbad at 2013-10-25 22:05
NKさん
終身刑の方はとても厳しい話ですね。
「それじゃ、死んでも出られないじゃないの?」
遺族への贈与金の方はとても味のあるお話しですね。
お金の問題じゃない、
感謝の気持ちをこめました、
そういう思い入れでしょうか?
Commented by bisqueprince at 2013-10-26 03:13 x
お写真全てがすごく色気を感じる猫写ですが、一枚目のお写真、幽玄な照明ですね!  
僕は、やはり雨が好きではないのですが、sha-sindbadさんのお写真を拝見していますと、雨も素敵に思えてきます。
Commented by Sha-sindbad at 2013-10-26 14:02
bisqueprinceさん
ありがとうございます。
そのような評言は生まれて初めてで、喜んでいます。
とにかく真面目一方の人生を送ってきたものですから。
雨、ほんとは最高ですよ。
だって、「濡れたような美人」と言いますね。
じゃ、「濡れたような写真」だって同じじゃありませんか?